日本航空が既存の「FLY ON プログラム」とは別に、2024年1月1日から新しく「JAL Life Status プログラム」を導入しました。
JALグローバルクラブ、JALライフタイム ミリオンマイラーの制度が変更となり、JGC修行は厳しくなり、ミリオンマイラー修行は楽になりました。
新しくJGCカードを発行したい方にとっては改悪、既存のJGC会員ならびにミリオンマイラーを目指す方にとっては改善です。
JALステータス制度の改訂について、メリット、デメリットを解説します。
目次
新しいJAL Life Status プログラムの基準
2024年1月からの「JAL Life Status プログラム」では、JALグローバルクラブ入会には「1,500 Life statusポイント」が必要となります。
旧ミリオンマイラーのJGC Five Starには「6,000 Life statusポイント」、ダブルミリオンマイラのJGC Six Starには12,000 LSPが必要です。
Life Status ポイントの積算対象サービス、各サービスごとに必要なアクションは下表のとおりです。
対象 | ポイント | JGC入会に必要な基準 (各サービス単独) |
---|---|---|
国内線1回搭乗 | 5 | 300回 |
国際線1,000区間マイル | 5 | 30万区間マイル |
JALカード 2,000マイル獲得 | 5 | 6000万円の支払い (1%時) |
JALPay 500マイル獲得 | 1 | 1億5000万円の支払い (0.5%時) |
JAL Mall 100マイル獲得 | 1 | 1500万円の支払い |
どれか一つの項目だけで達成する必要はなく、現実的には複数の対象サービスを組み合わせて目指すことになるでしょう。
国内線や国際線の料金支払いにJALカードを利用するのが効率的です(JALカードの種類一覧の比較)。
Life Status ポイントはJALマイレージバンク加入以降、減ることはなくずっと貯まるので、FOPのように期限はありません。
JAL CLUB-Aカード、JAL CLUB-Aゴールドカード、JALカード プラチナ会員は、Life Status ポイントに応じて、充実のベネフィットを享受可能です。
主な特典
- 250ポイント:JMB elite(サクララウンジ年2回など)
- 500ポイント:JMB elite plus(サクララウンジ年6回など)
- 1,500ポイント:JGC Three Star(JGC加入可)
- 3,000ポイント:JGC Four Star(マイル有効期限なし、パートナー企業のステイタス・ホテル優待など)
- 6,000ポイント:JGC Five Star(サクララウンジ同行家族無制限、家族をJGC本会員へ招待など)
- 12,000ポイント:JGC Six Star(ワンワールドエメラルド、ファーストクラスラウンジ使い放題など)
なお、JGC本会員の方がJALグローバルクラブを退会後、JGC本会員として再入会を希望の場合、JGC退会後より新たに100 Life Status ポイント以上を獲得する必要があります。
ただし、2024年は新制度の過渡期時期に該当するため、当条件は免除となります。過去JGCを退会しており、再入会したい方は2024年がチャンスです。
既存のJGC会員はメリット
2024年からJALグローバルクラブ入会&JGCカードの新規取得はハードルがとても上がります。
既存のJGC会員は「JGC Three Star」に移行し、主な特典には変更がありません。
主なメリット
- ワンワールドサファイア
- 予約・搭乗時の優先サービス
- ラウンジサービス
- 受託手荷物無料許容量の優待
- プライオリティバッゲージサービス
- 搭乗ボーナスマイル
- バッゲージタッグプレゼント
- モバイル通信データの無料提供
- タクシーご利用時の割引
- 限定イベントへの招待(抽選)
- JALパックツアー割引クーポン
既存会員にとっては主な特典の改悪は今のところないので、新規会員が増えてサクララウンジ混雑の加速などがなくなり、むしろメリットです。
デルタ航空は自社ラウンジのエクスペリエンスの改善のため、膨大なフライトで得た上級会員でも、エコノミー利用時はデルタスカイクラブを利用できない制度を導入しました。
なお、羽田空港のデルタラウンジは快適でおすすめです。
サクララウンジも今後は新規の使い放題の対象者が減少することが予想されるので、既存ユーザーにとっては利点です。ただし、今後の改悪リスクはあります。
ミリオンマイラーを目指す方にも利点大
2024年開始のJAL Life Statusでは、これまでのミリオンマイラー、ダブルミリオンマイラーは、JGC Five Star、JGC Six Starに移行します(詳細)。
これまでは国内線、国際線のどちらか片方の基準をクリアする必要がありました。
多くの方は国内線・国際線の両方とも利用すると思いますので、JALミリオンマイラー修行を敢行する場合、どちらか片方に寄せる必要があるのが痛し痒しでした。
しかし、新しいJAL Life Statusでは、国内線、国際線、JALカード・JAL Pay・JAL Mallの利用がすべてカウントされるので、よりスムーズに目指しやすくなり、ミリオンマイラー修行僧にとっては朗報です。
JGC Five StarだとJALマイルの有効期限が無期限となり、JGC Six StarだとJALファーストクラスラウンジ・ダイヤモンドプレミアラウンジが使い放題となります。
また、FLY ON ポイントがJALグローバルクラブの入会基準とは無関係となるので、2倍などのキャンペーンが増える可能性があります。
この場合、ワンワールドエメラルドを維持でき、JALファーストクラスラウンジ・ダイヤモンド・プレミアラウンジ等が使い放題のJGCプレミア・JMBダイヤモンド修行僧にとって朗報です。
多額の経費を決済する個人事業主・企業経営にとっても朗報
JAL Life Statusでは、実際のフライトは最低何回という基準はありません。
したがって、経費や税金などで多額の支払いを行う方にとっては、容易にJGCやミリオンマイラーを獲得できます。
1%還元の場合の利用額
- JGC:6000万円
- JGC Five Star:2億4000万円
- JGC Six Star:4億8000万円
なお、手間を許容できる場合は、国税の支払いはクレジットカード決済よりAmazonギフト券の購入&Amazon Pay払いがおすすめです。
Amazon Payでの国税納付は、Amazonギフト券での支払いが可能です(詳細)。
1回あたりの上限は30万円ですが、複数回の合算が可能。例えば150万円の支払いの場合、30万円×5回の手続きを行えばOKです。
ただし、例えば1500万円といった納付の場合、50回も手続きする必要があり、多額の納税だと手間がかかります。
なお、JALカード以外では、Amazonで高還元なクレジットカードのアメックスグリーンは、メンバーシップ・リワードプラスに加入すると、Amazonでポイント3倍となります。
Amazon、Yahoo!ショッピング、iTunes Store/App Store、ヨドバシカメラ、Uber Eats、JAL、一休.com、H.I.S.でポイント3倍でお得。Amazonギフト券の購入でも、3%のアメックスのポイントを獲得可能です。

また、貯めたポイントを良い交換レートで15の航空会社のマイルに移行できます。
- ANAマイル:1,000ポイント→1,000マイル(1対1のレート)
- JALマイル:1対0.4
- その他の航空マイル:1,250ポイント→1,000マイル(1対0.8)
つまり、アメックスグリーンは、Amazonギフト券購入→Amazon Payでの税金払いなら、ANAマイル3%、JALマイル1.2%、その他多くのマイルは2.4%還元となります。

お得な入会キャンペーンも開催されています。

現在、アメックス・グリーンはお得なキャンペーンを行なっています。なんと初月1ヶ月の月会費が無料になり、さらに35,000ポイントがプレゼントされます。
「何でアメックスはこんなに破格のキャンペーンを行っているの?」と疑問に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
これに関しては、アメックスの充実したサービス・高いステータスを実感すると、ずっと利用する方が多いからです。
35,000ANAマイル相当のポイント+1ヶ月無料特典を得られるキャンペーンですので、アメックス・グリーンをまだお持ちでない方は、この機会にぜひ発行してみてはいかがでしょうか。
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ビジネスカードの場合は、アメックスビジネスグリーンもANAマイル3%・多数のマイル2.4%還元です。

これからJGC会員を目指す方にはデメリット。余程のJALラヴァーでないとSFC修行か?
JALステータスの新制度では、これからJALグローバルクラブを目指す方にとっては、2023年までの5万FOPと比較すると、ハードルが格段に上昇するのがデメリットです。
ANAステータス制度において、ANAスーパーフライヤーズ加入のためのSFCの基準が、JAL同様に変更されれば影響はありません。
しかし、ANAが追随しなかった場合、よほどの日本航空ラヴァーでないと、SFC修行だけでいいやとなると思います。
まとめ
2024年1月から「JAL Life Status プログラム」が導入されて、JALグローバルクラブの新規入会のハードルが格段に上昇します。
ただし、多額の経費・税金を決済する個人事業主・企業経営者にとっては、むしろ容易に取得できるようになります。
既存会員にとっては主な特典の改悪は今のところないので、新規会員が増えてサクララウンジが混雑するリスクが減り、今後のラウンジ・エクスペリエンスの維持を期待できるのが利点。
また、JALミリオンマイラーのJGC Five Star、ダブルミリオンマイラーのJGC Six Starをこれから目指す場合、ハードルが低下して大きなメリットです。
従来の国内線・国際線のどちらか片方で厳しい基準をクリアするのは難しかったので、これからは国内外のフライト・キャッシュレス決済で達成できます。
勝者は既存のJGC会員・JALミリオンマイラーを目指す方、敗者はこれからJGC会員を目指す方となっています。
ただ、ANAが追随しなかった場合、よほど日本航空を愛している方でないと、ANAスーパーフライヤーズ加入のためのSFC修行だけとなり、新規発行枚数としてはSFCカードが優位になりそうです。
個人的にはわが国の航空会社には強いこだわりがなく、JALとANAのどちらも同じくらい好きです(八方美人ではなく、本当に心から!)。
しかしながら、これから目指すとなると、まずはSFC修行となり、JGC修行は長い目線でいつか届いたらいいやとなる気がします。
JALの大胆な変革を受けて、ANAがどのような経営判断を行うかに注目です。
あまりにSFC会員が増えすぎると改悪される可能性が出るので、ANAスーパーフライヤーズ会員にとってはリスクが生じています。
日本航空を利用する機会が多い方にはJALカードの活用がおすすめです。
JALカードは、ショッピングマイル、フライトボーナス、毎年初回搭乗ボーナス、アドオンマイルなど、カード利用でザクザクとJALマイルがたまる仕組みがあります。
世代を超えて愛される傑出した航空系カード、マイルが貯まるクレジットカードであり、順風満帆・視界良好で新しい世界へ雄飛する機会を手に入れられます。
おすすめのJALカード
- JALカードSuica CLUB-Aゴールドカード:メインカードとしてJALカードを活用する場合で年100万円以上使う方
- JALカード プラチナ:JALの搭乗頻度が多い方、定期的にJGCプレミア獲得のJGP修行を行う方
- JAL普通カード:フライトの頻度が多くない方
- JAL CLUB-Aカード:プラチナカードよりコストを抑えたい方、低コストでJGCカードを維持したい方
- JALアメックス CLUB-Aゴールドカード:JAL航空券3%・手荷物無料宅配に魅力を感じる方
各JALカードの詳細については、以下で徹底的に解説しています。

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