むさし証券という証券会社があります。対面口座とネット口座があり、ネット口座のトレジャーネットは、安価な手数料と金利に定評のあるネット証券です。
特に信用取引の金利は大量の取引条件がない場合は、業界最安値「水準」ではなく、文字通り「業界最安」である点にエッジ・優位性があります。
この度、むさし証券のトレジャーネットに取材にお伺いしました。
これから口座開設する方が聞きたいであろう点について徹底的にインタビューしてきました!
むさし証券の所在地は埼玉地盤の証券会社らしく大宮駅です。威風堂々とした立派なビルの9階~10階にあります。
入り口は吹き抜けになっていて開放的です。むさし証券以外では、オリコカードのオリエントコーポレーション、エバラ食品工業、関東信越税理士会などのオフィスがありました。
むさし証券のフロアのエレベーターはウッディで落ち着いています。
入り口にはむさし証券の看板の他、2つの観葉植物があって和みます。
むさし証券 インターネット事業部 課長 内田寛さんにインタビューさせていただきました。また、部長 兼 Fin Techビジネス開発チーフオフィサー 中山幹之さんともご挨拶させていただきました。
まつのすけ:1919年(大正8年)が創業の起源であり、もうすぐ創業100周年ですね。大正時代から現在まで長年に渡って投資家から支持されてきた結果で凄いですね。
むさし証券の強み、あるいはユーザーから支持されている点や人気があるところは何でしょうか?
内田さん:当社は関東と大阪で営業員のつく対面営業、日本全国を対象としたインターネット取引のトレジャーネットを運営しております。日頃よりお客様からの信頼作りに注意を払っています。これを当社では“信頼の種をまく”と言っております。
少数精鋭で運営しており、必要な部分のサービスをしっかりとご提供しつつ、低いコストの手数料としている点に強みがあります。トレジャーネットがスタートした11年前、先陣をきってズドンと手数料を安くしたのが当社でした。
まつのすけ:埼玉地盤の証券会社というのがユニークですね。ただ、対面口座ではなく、インターネット口座は本社がどこにあるのかは無関係な側面もあります。トレジャーネットもやはり埼玉の方が多いのでしょうか。
内田さん:“むさし証券”は昔でいうところの武蔵国を意識しています。今の埼玉、東京、神奈川の一部です。平成22年に東京から埼玉に移し、現在の社名となりました。
埼玉県は東京の北側に隣接し、700万人を超える人口がいます。埼玉では証券店舗数が最多であり、もちろん地元のお客様の資産形成のお手伝いをさせていただいています。
人口が5番目の年である埼玉を地盤として地元に根ざしているのは、当社のオリジナリティがあるところかもしれません。
一方でトレジャーネットはネット口座なので全国を対象としています。東京、大阪、名古屋、福岡など大都市圏のお客様がやはり多いですが、地方のお客様からもご利用いただいています。
距離の制約がないインターネットの口座だからこそ、全国各地の方からお取引いただいており、離島のお客様もいらっしゃいます。
実は当社は昔、あさひ銀行の関連会社である「あさひリテール証券」でした。
その前は千代田証券と山文証券であり、旧千代田銀行と協和銀行が母体でした。出身母体は銀行系の証券で、りそな出身の社員もいます。
元々の会社の形態から銀行に近く、基盤が安定していて調達コストが低いことから、信用取引の金利を安くご提供できております。
まつのすけ:トレジャーネットは2016年11月に売買手数料が大幅にダウンして、ネット証券の中でも業界最安値水準となりました。導入の経緯を教えて下さい。
内田さん:ネットでのお取引いただいているお客様はコスト意識の高い方が多くいらっしゃいます。
もともと手数料の安さでお選びいただいていたのですが、大手のようにツールの高機能化や取扱商品の拡大に走らず、強みをしっかりアピールしようと、手数料の値下げを行いました。
取引ツールの高機能化も重要ですけれども、やはりコストが安いのが最も重要というお客様もいらっしゃり、そこをメリットとして強く打ち出しました 。
トレジャーネットのお客様の満足度アンケートでは、ご好評いただいているのはやはり手数料の安さ、信用金利の低さです。
認知度を上げていくために、良いところ・強みをより一層全面に出していくために、一段と引き下げました。
まつのすけ:確かに特に兼業投資家などですと、使うようであまり使わないツールが色々とあるよりは、シンプルでいいのでその分手数料が安い方が嬉しいという方も多いでしょうね。
内田さん:ツールは利用する方としない方が出てきます。お客様全員にご満足いただけるのは手数料の安さです。
取引ツールは初期投資やランニングコストが発生して、不要な方にとっては見えない部分でコストを負担していることになります。
必要な機能を厳選して提供しており、その分低い手数料・金利という形でコストに還元しています。
ただし、もちろん機能面も充実させています。大昔には時価サービスがない時代もあり、一部ではいまだにそのようなイメージを引きずっています。
しかし、幸いお取引いただくお客様も増えてきているので、必要な部分はどんどん拡充して、ニーズに対応してサービスを充実させています。
まつのすけ:信用取引の買建金利が1.35%と低いのもメリットです。他社ですと多額の取引を行う大口優遇があっても2%前後のネット証券ばかりです。
マイナス金利なのだから信用金利を下げてほしいというのが多くの個人投資家の願いで、むさし証券はそれを体現していますね。
ただ、なかなか取引している証券会社を移動するのもハードルが高い側面があり、移行で重視するのはサービスの継続性だと思います。この金利は今後も続くのでしょうか。
内田さん:世の中の金利が変化すれば、信用金利も変化させることはあります。しかし、低コストで信用取引にじっくり取り組んでいただくスタンスは変わりません。
また、低金利で信用取引をご利用いただけるのは調達コストを抑えられているからです。言い換えれば当社の基盤がしっかりしているからです。
制度信用取引の1.35%という買い方金利は、東証一部の平均配当利回りよりも低くなっています。
東証1部の平均配当利回り(加重)は1.80%(2017年10月18日現在)
信用取引はコストがかかるイメージがありますけれども、これだけ低いと配当相当額ででコストを賄える状況です。
配当や株主優待を証券投資の目的とする方も大勢いらっしゃいます。株式を中長期的に保有するなら、株式を担保に信用取引を行ってキャピタルゲインの獲得も狙えます。
ネット証券大手5社の制度信用金利を平均すると2.906%です。当社の一般信用金利は2.35%であり、大手5社の制度信用よりも金利が低くなっています。
じっくりと信用取引に取り組む方にとっては良い環境をご提供できていると考えております。
ETFも一つの投資手段であり、信用取引を上手く使えば少額でリスク・コントロールやロング・ショートが可能になります。
まつのすけ:むさし証券のトレジャーネットでご利用いただける取引ツールはどのようなものがありますか。
内田さん:「T-NAVI」という時価情報、銘柄情報の他、マーケット情報ツールをご用意しています。パソコン、タブレット、スマートフォン共通のサービスです。
トレジャーネットをご利用のお客様は“無料”でご利用いただけます。取引をしたら無料といった制約はございません。
時事通信とゴールデンチャート社のデータをご提供しています。一方で、情報に特化したツールなので発注機能はございません。
取引の画面は一つ、時価情報の画面は一つという構成にしており、レスポンシブデザインを採用しており、PC・タブレット・スマホどのデバイスで見ても同一の画面です。
並び方が変わるだけであり、どの端末でも同じ機能・使い勝手でお取引いただけます。
アプリは出しておらず、ブラウザベースで各種ツール・画面を運営しておりますので、機種やバージョンによって不具合が出ることはありません。
高速の発注スピードを求める方などは専用ツールの方がいいでしょうが、そこまでを全員が求めるかというとそうではないと考えております。
シンプルで誰でも使いやすい画面となっており、5~10分に1回程度のお取引の方でも十分に使いやすいというお声をいただいています。90数%の方にはご満足いただけけると思います。
まつのすけ:初心者の方ですと、ネット証券のサービスをどのように使っていいか分からないという方も多いと思います。このサービスをこう使うと便利といったおすすめの使い方はありますか?
内田さん:株価や銘柄情報はT-NAVIをご利用ください。操作方法は電話やメールでのお問合せいただければご案内しますので、お気軽にご連絡ください。The Goalさんの記事も参考になることが多いです。
まつのすけ:国内の取扱商品が豊富ですが、 今後、外国株式や海外ETFといった海外商品の取り扱いも視野にいれているのでしょうか?
内田さん:お客様のニーズを取り入れながら検討いたします。手を広げすぎるとコスト増となりますので、現在の低コストを維持しながら検討いたします。
まつのすけ:2010年にそしあす証券と武蔵証券が合併してむさし証券となり、定着してきた感があります。合併後、スケールメリットのようなものは出てきているのでしょうか。
内田さん:埼玉県内で最大店舗数の証券会社となりました。その後、のぞみ証券と三栄証券とも合併しています。
人材も充実してきました。少し自慢できることは、社内で出身会社の話が少ないことです。出身会社による派閥がなく、仕事に取り組めます。
合併で多様な出身の社員がいて、もちろん新しく外から入ってくる社員もいますが、隔たりがないのが社風です。一番はお客様に安心してお取引いただくためにどうすべきかというのが前提にあります。
まつのすけ:大手ネット証券だと電話をかけてもなかなかつながらず、待ち時間が長いという会社もあるようです。サポート体制はいかがでしょうか。
内田さん:当社では長時間お待たせすることなく、すぐにつながる体制を構築しています。
コールセンターのスタッフは全員が数年~数十年の経験がある正社員です。派遣スタッフやコールセンター専門要員ではありません。
また、証券アナリストやCFPの資格を持つ責任者が控えており、スタッフとお客様の会話をチェックして、適宜サポートに入っております。
電話サポートでは、お客様の困っていることが何なのかを的確に把握し、且つ短時間で分かりやすい説明ができるよう指導しています。
日頃よりスキルアップや知識の習得ができる教育体制も整えており、次にどのような質問が出てきやすいか等まで推察して対応しているので、スムーズで効率的に運営できています。
当社は本社機能もバック機能も一箇所なので、コールセンター自体に本部のバックレベルの知識が備わっており、多様なご質問に対してスムーズに回答できています。
まつのすけ: 取引プランを毎日変えられるというのがユニークですね。これは知らない方が多いと思います。上手い使い方について教えてください。
内田さん:注文ごとに計算される手数料(トレジャースタンダード)と、1日の合計金額で決まる手数料(トレジャーボックス)があります。
前営業日の16時までのお手続きで手数料プランの変更ができるので、相場の変動で急に売買が活発になると予想される時など、翌日から変更できるのは便利だと思います。
まつのすけ:IPO・POという店頭証券が強いサービスが、むさし証券のトレジャーネットにもあります。ネット口座でもIPO・POに参加できるのは嬉しい点です。今後も継続的に取り扱う予定でしょうか?
内田さん:今後もできるだけ取り扱っていきたいと思います。当社ではIPOの申込に際して、前受金が不要になりました。
余力が拘束されない点は大きなメリットですので、ぜひお申込みいただければと思います。
まつのすけ: 大手証券ですと、取引実績などで裁量配分において優遇があります。GMOクリック証券でも取引実績などによる優遇などはあるのでしょうか。
内田さん:トレジャーネットではIPOの裁量配分はございません。公平な抽選となっています。
まつのすけ:福岡証券取引所、札幌証券取引所なども取引可能でしょうか。
内田さん:残念ながらトレジャーネットではお取引いただけません。
まつのすけ:先物取引はレバレッジが効くので、少額の証拠金でヘッジ取引に使うことができて重宝しています。むさし証券の先物・オプション取引の強みについて教えてください。
内田さん:トレジャーネットでは株式も先物も一つのシステムで運営しております。1つのログインでどちらも取引可能であり、シングル・サインオンの便利な仕組みがあります。
まつのすけ:初心者の方は先物・オプション取引は食わず嫌いの方も多いと思います。初心者の方向けに魅力についてご説明ください。
内田さん:個別の銘柄選択をする必要がなく、株価指数なので流動性が高く、倒産のリスクがない点などが挙げられます。
ショートポジションも取りやすいです。信用取引を行いつつ、株価指数をショートしてロング・ショートを組んでいる方もいらっしゃいます。
先物取引はレバレッジが効くので、信用取引と比較すると証拠金が少なくて済むのがメリットです。
まつのすけ:最近はパソコンを使わずに、主にスマートフォンやタブレットだけという方も増えてきている印象があります。ご対応状況はいかがでしょうか。
内田さん:スマートフォンやタブレットからのご利用も増えております。アプリではなくブラウザベースでのサービスなので、デバイスが変わっても使用感が統一されています。
まつのすけ:パソコンとスマホはどちらの取引が多いのでしょうか。
内田さん:最近はスマホがかなり増えてきていますが、まだパソコンの方が多い状況となっております。
まつのすけ: その他、質問した内容以外で、これからの御社の注目情報や個人投資家へのメッセージをお願いします。
内田さん:堅実な成長を目指して、お客様の資産が着実に伸びていくことをサポートしてまいります。現在のお客様だけではなく、次の世代までもずっとお付き合いいただけるような証券会社でありたいと考えています。
株式都市においては現物取引だけではなく、信用取引に目を向けていただきたいと思います。現物株を担保に信用取引を行えますし、ショートを活用すると投資のフロンティアが拡大し一歩先に進むことができます。
当社では1.35%という低金利をご提供しています。他のネット証券は金利の高さは言わずに、取引手数料の低さにフォーカスをあてています。
手数料が一定金額以上は一律で安い証券会社もありますけれども、金利が高いので売買代金が多いと逆転します。
手数料はゼロでも金利が発生しますので、そこにぜひご注目いただければと思います。
当社では信用取引だけではなく、現物取引手数料も最低水準に引き下げて、トレジャーネットを広げていきたいと考えています。
信用取引をなさっている方で取引コストに敏感な方にお取引していただいておりました。ただし、まだまだ認知度が低いので、更なる手数料の引き下げを実施してより一層、ユーザー様のメリットを拡充しました。
他社はマイナス金利でも金利を据え置いていますけれども、当社では日証金が金利を下げたので、2016年8月に金利引下げを行なっています。
(さいたま市のキャラクター「ヌゥ」と「コバトン」)
内田さんにはご多用な中、取材に対応していただきました。
インタビューで強く感じたのは、必要な機能を厳選して提供していて、その分屈指の格安手数料と低金利を提供しているのが素晴らしいという点です。
リーズナブルな手数料、低金利の二刀流で、取引コストを著しく低下させることができます。
1.35%という金利は、多額の取引の条件なしでは、業界最安値「水準」ではなく、文字通り「業界最安」です。
むさし証券のトレジャーネットのIPOは裁量配分はありません。根気との戦いになりますが、地道に注文したらいつかは当選する可能性があります。
ユニークなのが「事前入金不要」という仕組みです。申し込んだ分、資金が拘束されてしまうと、余力が減ってしまって不便ですね。
また、お金を入れていない場合は、いちいちIPOのために入金する手間が生じて、地味に面倒です。しかし、むさし証券は余力拘束や入金の手間が不要な事前入金不要の仕組みがあるので助かります。
ネット上で手間をかけずにサクッとIPOのブックビルディングに参加することが可能です。
更に素晴らしいのがコールセンターのスタッフは全員が数年~数十年の経験がある正社員である点です。
大手ネット証券の中にはコールセンターのスタッフのレベルが低く、間違った回答を行うケースも多々あります。それで実損が出てしまう場合もあるのがたちが悪いです。
しかし、むさし証券のトレジャーネットは、証券アナリストやCFPの資格を持つチーフのもと、正社員がしっかりと対応してくれます。待ち時間も少ない体制が整っており、顧客サポートが秀逸です。
むさし証券はリーズナブルな取引手数料、驚異的な低水準の金利、万全の顧客サポート、事前入金不要のIPOなどの魅力があり、個人投資家が有効活用できるネット証券です。
むさし証券の口座開設・維持は無料で一切費用はかかりません。まだ口座をお持ちでない方は、ぜひこの機会に開設してみてはいかがでしょうか。
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