SBI証券のiDeCo(個人型確定拠出年金)は、2018年にセレクトプランを導入しました。
2005年から提供している現行のプランは「オリジナルプラン」となり、2つのプランから自由に選択することが可能です。
手数料はどちらも完全に同一であり、SBI証券独自の口座管理手数料は無条件で無料です。プランの変更は手数料無料で手続きすることが可能です。
セレクトプランの方が低コストインデックス投信が揃っており、オリジナルプランより圧倒的におすすめです。
SBI証券のiDeCoのセレクトプランの内容、オリジナルプランとの比較について、注意点を完全網羅してわかりやすく徹底的に解説します。
目次
SBI証券のiDeCoが新プランを導入
SBI証券はiDeCoを個人投資家の資産形成の重要な制度であると位置づけ、個人型確定拠出年金がまだマイナーだった2005年1月から、いち早くサービスの提供を開始しました。
ニーズが少なくても個人投資家にとって有利で有益な制度は導入するネット証券であり、このスタンスは素晴らしいです。SBI証券はiDeCoの先駆者といっても過言ではありません。
また、2017年5月19日には口座管理手数料を無料化して極限まで低コストにする取り組みも実施しました。
2017年12月末時点で、SBI証券のiDeCo(個人型確定拠出年金)の加入者数は、証券会社だけではなく、銀行等を含めたすべての運営管理機関において第1位となりました。
低コストの手数料と充実の商品ラインナップが人気を博しています。2018年8月末時点では、なんと23万口座を超える方が利用しています。
SBI証券は更に魅力的なiDeCoの商品を提供することを企図して、新しいプランを設定します。
2005年から提供している現行のプランを「オリジナルプラン」、2018年11月に新たに設定するプランを「セレクトプラン」として、今後は商品ラインナップが異なる2つのプランから利用先を選べるようになります。
両プランにおける諸経費(口座管理手数料、加入時・移換時、運営管理機関変更時の手数料等)は同一です。
また、手数料無料でプランの変更が可能です。セレクトプランは2018年11月1日より資料請求の受付を開始する予定です。
SBI証券のセレクトプラン導入の背景には、「確定拠出年金制度等の一部を改正する法律」があります。この法律の施行によって、iDeCoの運用商品の上限数は35本以下となりました。
SBI証券のオリジナルプランでは既に63本の運用商品が提供されており、その中から30本弱が削除される予定となっています。
それでもほぼ上限となっており、新しい商品の追加はできない状態となっています。
しかし、近年ではインデックス投信の間で激しい信託報酬の引き下げ競争が発生しており、SBI証券のiDeCo(オリジナルプラン)の取扱商品よりも、より一層ロー・コストのインデックス投信が出てきました。
インデックス投信は株価指数に連動するパフォーマンスを目指す投資信託なので、どの投信もほぼ同一のパフォーマンスとなります。
僅かに発生しうるトラッキングエラーを無視するならば、コストが少しでも低い方が望ましいと言えます。
こうした情勢下、低コストにこだわった新プランが導入されて、より一層競争力がUPしました。
セレクトプランで投資可能な商品の詳細
SBI証券のiDeCoの「セレクトプラン」は、「低コスト」と「多様性」にこだわって選定した34商品が取り揃えられています。
インデックスファンド、アクティブファンド、コモディティ投信、ターゲットイヤー投資信託があり、ニーズに応じて選択することが可能です。
インデックス投信
資産クラス | ファンド名 | 信託報酬(税込) |
---|---|---|
国内株式 | eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) | 0.17172%以内 |
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド | 0.17172%以内 | |
全世界株式 | SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま) | 0.15%程度 |
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) | 0.15336%以内 | |
EXE-i グローバル中小型株式ファンド | 0.3304%程度 | |
先進国株式 | eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 0.11772%以内 |
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド | 0.11772%以内 | |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 0.1728%以内 | |
iFree NYダウ・インデックス | 0.2430% | |
インデックスファンド海外株式ヘッジあり(DC専用) | 0.3024% | |
新興国株式 | eMAXIS Slim 新興国株式インデックス | 0.20412%以内 |
国内REIT | <購入・換金手数料なし>ニッセイJリートインデックスファンド | 0.27%以内 |
先進国REIT | 三井住友・DC外国リートインデックスファンド | 0.3024%以内 |
国内債券 | eMAXIS Slim 国内債券インデックス | 0.15012%以内 |
先進国債券 | eMAXIS Slim 先進国債券インデックス | 0.1836%以内 |
インデックスファンド海外債券ヘッジあり(DC専用) | 0.2808% | |
新興国債券 | iFree 新興国債券インデックス | 0.2376% |
バランス | eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) | 0.17172%以内 |
このうちeMAXIS Slimシリーズは類似商品の中で最低コストの信託報酬率をキープする方針となっています。
競合のインデックス投信が信託報酬を値下げした場合は追従すると公表しており、2018年9月までの実績ではそのとおりに実施されています。
したがって、35本という商品数の上限があるiDeCoにおいては、インデックス運用を行いたい場合、この商品があるのは安心感があります。
アクティブファンド
アセットクラス | ファンド名 | 信託報酬率 |
---|---|---|
国内株式 | ひふみ年金 | 0.821% |
つみたて椿 | 0.972% | |
SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ<DC年金>(愛称:jrevive<DC年金>) | 1.62% | |
(近日公開予定) | ? | |
全世界株式 | セゾン資産形成の達人ファンド | 1.35%±0.2% |
先進国株式 | 農林中金<パートナーズ>米国株式長期厳選ファンド | 0.972% |
ラッセル・インベストメント外国株式ファンド(DC向け) | 1.4364% | |
朝日Nvestグローバルバリュー株オープン(愛称:Avest-E) | 1.944% | |
新興国株式 | ハーベスト アジア フロンティア株式ファンド | 2.0972%程度 |
先進国債券 | SBI-PIMCO 世界債券アクティブファンド(DC) | 0.81432% |
バランス | iFree 年金バランス | 0.17172% |
SBIグローバル・バランス・ファンド | 0.2891%程度 | |
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド | 0.6%±0.02% |
その他
アセットクラス | ファンド名 | 信託報酬率 |
---|---|---|
コモディティ | 三菱UFJ純金ファンド(愛称:ファインゴールド) | 0.972%程度 |
ターゲットイヤー | セレブライフ・ストーリー2025 | 0.6880%程度 |
セレブライフ・ストーリー2035 | 0.6922%程度 | |
セレブライフ・ストーリー2045 | 0.6950%程度 | |
セレブライフ・ストーリー2055 | 0.6769%程度 | |
預⾦ | あおぞらDC定期(1年) | - |
デフォルトの指定運用商品
自身で掛金の配分設定を行わなかった場合は、所定の猶予期間後にSBI証券指定の運用商品にて顧客の資産を運用します。
つまり、原則として毎月の掛金拠出額でどの商品を購入するのかを決定しなかった場合、SBI証券が設定しているデフォルト商品に投資することになります。
「セレクトプラン」では指定運用商品が「SBIグローバル・バランス・ファンド」となっています。
セレクトプランとオリジナルプランはどっちがいいか
従来型の「オリジナルプラン」は、2005年のiDeCoサービス提供開始時から10年超の実績をもつプランです。
2018年5月に施行された確定拠出年金法等の一部を改正する法律に基づく商品数の上限を満たすように、運用商品の見直しを行っています。
今後はコストや運用実績などを総合的に鑑みて選定した35商品をラインナップとして提供する方針となっています。
オリジナルプランは既にほぼ上限に達しているので、投信を追加することは難しく、切り替え手続きなしに既存の運用を維持したい方向けのプランです。
インデックス投信で運用する場合は、今から新規口座開設する方は、より低コストのセレクトプランをおすすめします。
アクティブ投信で運用するならば、投資したい投資信託がある方を選択することになります。
プラン変更にあたっての注意点
SBI証券のiDeCoの既加入者の場合、手数料無料でセレクトプランとオリジナルプランを変更する事が可能です。
プラン変更手続きの資料を請求して、申込書に記入して返信すると、セレクトプランへの切り替えが可能です。
ただし、切り替えの際には、投資にタイムラグが生じる点が要注意です。
現在加入または運用指図しているプランの資産を全て売却して現金化した上で、資産の移換を行う流れとなります。
資産の移換には2~3カ月程度かかる予定となっています。この間に株価が急上昇した場合は、大きな機会損失となるリスクが有る点に注意が必要です。
iDeCo以外に余剰キャッシュがある場合は、クロス取引を行うことで資産運用の継続性を確保することが可能です。
SBI証券のiDeCoの資産をまず売却して、それと同じタイミングでiDeCo以外の口座で購入するクロス取引を行って、自分でiDeCo資産を現金化&他の口座で投資購入を行います。
その後にプランの変更手続きを行って、無事にプラン変更が完了した後に再び他の口座とiDeCo口座の間でクロス取引すればOKです。
ただし、手間がかかりますし、またiDeCo、NISAではない総合口座の場合は、タイミングによっては売却益がかかって税金が発生するといったリスクもあります。
個人型確定拠出年金、NISA、つみたてNISAの違いについては、以下で比較しています。いずれも100万円の資産運用でも活用できる制度です。
SBI証券のiDeCoのセレクトプランまとめ
SBI証券のiDeCo(個人型確定拠出年金)に2018年11月からセレクトプランが導入されました。
2005年から提供している現行のプランは「オリジナルプラン」となり、2つのプランから自由に選択することが可能です。
手数料はどちらも完全に同一であり、SBI証券独自の口座管理手数料は無条件で無料です。プランの変更は手数料無料で手続きすることが可能です。
SBI証券の個人型確定拠出年金は、手数料が業界屈指の最低水準(完全無料)であり、幅広いアセットクラスにおいて優良な低コスト投信が揃っています。
低コストと秀逸な商品ラインナップの両面を高い次元で両立させている点にエッジ・優位性があります。これがセレクトプランの導入で更に強化されます。
以前にSBI証券を訪問して、iDeCoについて取材しました。低コストと商品ラインナップ、ロボアドバイザーサービスがメリット大となっています。
SBI証券は、『今後も「業界屈指の格安手数料で業界最高水準のサービス」を提供するべく、魅力ある商品・サービスの拡充を行い、個人投資家の皆さまの資産形成を支援してまいります。』と表明しています。
既に手数料の完全無料化でiDeCoの手数料は極限まで低下しました。今後もより一層の取扱商品の優れたブラッシュアップ、充実したサービスの提供が期待できます。
SBI証券は確定拠出年金以外でもメリットが多い証券会社です。詳細は以下で徹底解説しています。
以前にSBI証券にインタビューに行き、個人型確定拠出年金も含めてサービス内容について取材したこともあります。iDeCoだけではなく総合証券取引口座も卓越したハイ・クオリティーとなっています。
SBI証券は当サイト限定でお得な入会キャンペーンを行っています。
SBI証券は当サイト限定でお得なタイアップ・プログラムを実施しています。なんと3,000円分で、ネット証券としては破格の内容です。
口座開設と5万円以上の入金・SBIハイブリッド預金への振替だけで、3,000円分のAmazonギフト券がプレゼントされます。
口座開設時に以下の項目(無料)に申し込めば、SBI証券に入金するだけで自動的に振り替えられるので面倒な手間はありません。
SBI証券は1000万円までは銀行預金のような公的な保護(投資者保護基金)があるので安心・安全です。銀行預金と同じで万が一破綻しても保護されます。
口座開設・維持・入出金は無料です。まだ口座をお持ちでなければ、この機会にぜひ口座開設してみてはいかがでしょうか。
↓
SBI証券以外では、楽天証券、マネックス証券、松井銀行も手数料が安くて信託報酬が安めのインデックス投信が揃っています。
楽天証券とSBI証券のiDeCoの比較については、以下で徹底的に分析しています。
以前に楽天証券、マネックス証券を訪問して、iDeCoについて取材しました。
楽天証券は管理画面のインターフェイスの工夫、シングル・サインオンの仕組みが独自のメリットです。
マネックス証券はロボアドバイザーの仕組みの他、後発の強みを活かして新発の投信を導入しています。
その他、おすすめの金融機関については、以下で丹念に分析しています。
なお、万が一iDeCoの口座を開設した金融機関(運営管理機関)が破綻したとしても、iDeCoの資産が削減されることはありません。
個人型確定拠出年金の運用資産は信託財産として信託銀行で管理されているので保全されます。ただし、新しい運営管理機関へ変更するための手続きが必要です。