JALの上級会員になるためには「FLY ONポイント」を貯める必要があります。
5万ポイントに到達すると生涯に渡ってJALの上級会員資格を維持できるJGC(JALグローバルクラブ)に入会することが可能です。
クレジットカードのJGCカードを保有するだけで上級会員資格を維持でき、家族も対象となる制度は世界的に稀有です。
日本のエアラインであるJALならではの制度となっています。ANAも類似制度のSFCがあります。
また、JGCカードを保有して8万FLY ONポイントに到達すると「JGCプレミア」となり、エコノミーでもファーストクラスラウンジ利用可能、マイルの有効期限が無期限という至高の特典が具現化します。
10万FLY ONポイントに達すると最高峰のダイヤモンドとなり、至れり尽くせりのベネフィットを享受できます。
FLY ONポイントを貯めるために飛行機に搭乗する方も多数いらっしゃり、「修行」と呼ばれています。
JALグローバルクラブ入会のための「JGC修行」は生涯に1回だけでOKであり、中にはJGCプレミアになるための「JGP修行」を毎年行っている方もいます。
なお、2024年1月からはJALグローバルクラブ加入の条件・JALミリオンマイラーの制度は「JAL Life Status プログラム」に変更。別途FOPステータスは継続されます。
JALのFLY ONポイントの貯め方、計算、使い方、1.5倍キャンペーンについて、注意点を完全網羅してわかりやすく徹底的に解説します。
目次
FLY ONポイントとは
航空マイルは知名度が高く、フライトの機会があるなら知らない方はほとんどいないでしょう。
しかし、「FLY ONポイント」は上級会員を目指してJGC修行を行っているか、JALによく搭乗している方以外は存在すら知らない方も多いと思います。
「何それ美味しいの?」と疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
結論的には目的意識を持って上手に活用すると、価値が高いポイントプログラムとなっています。
毎年1月~12月の12カ月間(暦年)に獲得したFLY ON ポイントが一定以上に達すると、サービスステイタス(会員ランクのような制度)が付与されて、特別な特典を利用できるようになります。
ステイタス名 | 必要FOP数 | 備考 | ワンワールド |
---|---|---|---|
JMBクリスタル JGCクリスタル | 30,000 | JGCカード保有者は JGCクリスタル | ルビー |
JMBサファイア JGCサファイア | 50,000 | JGCカード保有者は JGCサファイア | サファイア |
JGCプレミア | 80,000 | JGCカードの保有が必要 | エメラルド |
JMBダイヤモンド JGCダイヤモンド | 100,000 | JGCカード保有者は JGCダイヤモンド | エメラルド |
重要な節目となるのは、2023年まではJALグローバルクラブ(JGC)に入会できるようになる50,000ポイントです。JMBサファイア会員になり、かつJGCカードを発行可能になります。
また、JAL/ワンワールドのファーストクラスラウンジが使えて、マイルの有効期限が無期限となるJGCプレミアの80,000ポイントもキーとなる臨界点です。
JALグローバルクラブ入会のためのフライトは「JGC修行」、JGCプレミア達成のためのフライトは「JGP修行」と呼ばれています。
FLY ON ポイントは基本的にはフライトマイルに連動しており、特定の路線で貯まりやすいのが特徴です。
また、搭乗ボーナスがある運賃もあり、修行僧に選好されています。キャンペーン等でも貯まるので、貯め方の工夫によってザクザクと獲得することが可能になっています。
FLY ONポイントは日本航空だけではなく、JALが加盟している航空連合「ワンワールド」加盟の航空会社のフライトでも貯まります。
ただし、JAL上級会員になるためには、各ステイタスの基準となっているFLY ONポイントの半分以上はJALグループ便を利用する必要があります。
JALグループは、日本航空(JAL)、日本トランスオーシャン航空(JTA)、日本エアコミューター(JAC)、琉球エアーコミューター(RAC)の4つです。
主要路線はJAL便が就航していますが、福岡⇔那覇、那覇⇔離島などの路線においては、JTA・JAC・RACが就航しているケースがあります。
FLY ON ポイントが貯まるのはJMB会員が対象です。まだ会員でない方は、まずはアカウントを作る必要があります。登録費・年会費などは一切かかりません。
新しいJAL Life Status プログラムはFOPとは無関係
2024年1月からの「JAL Life Status プログラム」では、JALグローバルクラブ入会には「1,500 Life statusポイント」が必要となります。
Life Status ポイントの積算対象サービス、各サービスごとに必要なアクションは下表のとおりです。
対象 | ポイント | JGC入会に必要な基準 (各サービス単独) |
---|---|---|
国内線1回搭乗 | 5 | 300回 |
国際線1,000区間マイル | 5 | 30万区間マイル |
JALカード 2,000マイル獲得 | 5 | 6000万円の支払い (1%時) |
JALPay 500マイル獲得 | 1 | 1億5000万円の支払い (0.5%時) |
JAL Mall 100マイル獲得 | 1 | 1500万円の支払い |
どれか一つの項目だけで達成する必要はなく、現実的には複数の対象サービスを組み合わせて目指すことになるでしょう。
Life Status ポイントはJALマイレージバンク加入以降、減ることはなくずっと貯まるので、FOPのように期限はありません。
JAL CLUB-Aカード、JAL CLUB-Aゴールドカード、JALカード プラチナ会員は、Life Status ポイントに応じて、充実のベネフィットを享受可能です。
主な特典
- 250ポイント:JMB elite(サクララウンジ年2回など)
- 500ポイント:JMB elite plus(サクララウンジ年6回など)
- 1,500ポイント:JGC Three Star(JGC加入可)
- 3,000ポイント:JGC Four Star(パートナー企業のステイタス・ホテル優待など)
- 6,000ポイント:JGC Five Star(マイル有効期限なし、、サクララウンジ同行家族無制限、家族をJGC本会員へ招待など)
- 12,000ポイント:JGC Six Star(ファーストクラスラウンジ使い放題など)
今後はJALステータスにおいて2種類のポイントが貯まります。
- FLY ONポイント:1年単位で貯まり、1年度のステータスを獲得可能
- Life statusポイント:生涯に渡って貯まり、JALグローバルクラブやJGC Five Starなど生涯のステータスを獲得可能
FLY ONポイントの使い方
一般的なポイントのイメージは1ポイント1円で加盟店にて使えたり、ギフト券・他の共通ポイント・品物などと交換できる制度ですね。
しかし、FLY ONポイントはポイントを使って何かできる訳ではなく、JAL上級会員になるための基準であり、上級会員の特典が不要の方にとっては無用の長物です。
JAL特典航空券・e JALポイント・その他アイテムへの交換に使えて、得できるのは「マイル」の方。1マイルの価値を10円以上に昇華させることも可能で流麗です!
JALグループ・ワンワールド便に搭乗すると、マイルとFLY ONポイントの両方が貯まる仕組みになっています。
所定のFLY ONポイント達成でJAL上級会員に
FLY ONポイントを蓄積して貯めるとJALのサービスステイタス(上級会員)の資格を獲得できます。
クリスタル、サファイア、JGCプレミア、ダイヤモンドの4段階となっており、サファイアとJGCプレミアが特にバリューが高い資格となっています。
メリットをまとめると下表のとおりです。オレンジ色の特典が特にメリットが高いベネフィットとなります。
区分 | サービス名 | クリスタル | サファイア | JGCプレミア | ダイヤモンド |
---|---|---|---|---|---|
予約時 (1S) | 専用予約デスク | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
予約時の優先キャンセル待ち | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
国内線前方座席指定サービス | × | ◯ | ◯ | ◯ | |
国際線前方座席指定サービス | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
国内線先行予約サービス | × | × | ◯ | ◯ | |
国内線特典航空券先行予約サービス | × | × | ◯ | ◯ | |
搭乗時 (2S) | 専用カウンターでのチェックイン | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
空港での優先空席待ち | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
受託手荷物無料許容量の優待 | 国内線:10kg 国際線:1個 | 国内線:20kg、国際線:1個 | |||
ダイヤモンド・JGCプレミア専用保安検査場 | × | × | ◯ | ◯ | |
JALグローバルクラブ エントランス | × | ◯ | ◯ | ◯ | |
優先セキュリティレーン | × | × | ◯ | ◯ | |
JALファーストクラスラウンジ | × | × | ◯ | ◯ | |
ダイヤモンド・プレミアラウンジ | × | × | ◯ | ◯ | |
サクララウンジ/ビジネスクラスラウンジ | × | ◯ | ◯ | ◯ | |
国際線の優先搭乗 | ◯ | ◯ | ◎ | ◎ | |
国内線の優先搭乗 | × | ◯ | ◎ | ◎ | |
プライオリティバッゲージサービス | △ (※) | ◯ | ◯ | ◯ | |
ボーナスマイル 1S (※2) | 日本航空/アメリカン航空 | 55% | 105% | 105% | 130% |
ブリティッシュ・エアウェイズ | 25% | 100% | 100% | 100% | |
イベリア航空 | 25% | 50% | 100% | 100% | |
その他 (※3) | ダイヤモンド特典航空券 | × | × | × | ◯ |
マイル有効期限の廃止 | × | × | ◯ | ◯ | |
JAL国際線機内販売事前予約 | × | × | ◯ | ◯ | |
パイロット体験 航空教室 | × | × | ◯ | ◯ | |
JALとっておきの逸品 限定商品 | × | ◯ | ◯ | ◯ | |
新羅免税店での優待 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
サービスセレクション | × | × | ◯ | ◯ | |
ディズニーシーのラウンジ | 年2回 | 年2回 | 年5回 | 年5回 | |
東京ディズニーランド ミッキーのマジカル ミュージックワールド鑑賞券 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
USJのラウンジ | × | × | ◯ | ◯ |
※国内線はクラスJ利用時のみ
※2:JALカード等との重複はなし(優位な方のマイルUP率が適用)
※3:有効期限廃止はステータス達成の翌月末から、新羅免税店は2S、サービスセレクションは3S、その他は1S
以下、各ステイタスごとの特徴について、分かりやすく掘り下げます。
クリスタル
FLY ONポイントが30,000ポイントになるとJMBクリスタル会員になり、以下のベネフィットを享受できます。
- 専用予約デスク
- 羽田空港国内線のサクララウンジ10回
- 優先キャンセル待ち
- 国際線前方座席指定サービス
- 専用カウンターでのチェックイン
- 空港での優先空席待ち
- 手荷物無料優待 国内線10kg・国際線1個
- 国際線の優先搭乗
- プライオリティバッゲージサービス(国内線はクラスJ利用時のみ)
- JAL・アメリカン航空の搭乗時55%ボーナスマイル
- ブリティッシュ・エアウェイズの搭乗時25%ボーナスマイル
- イベリア航空の搭乗時25%ボーナスマイル
- 新羅免税店での優待
- ディズニーシーのラウンジ(年2回)※ビッグバンドビートに設置
羽田空港国内線のサクララウンジを6回使えるようになるので、それ以降のJGC修行が快適になります。以前は10回という年もありました。
ボーナスマイル、国際線前方座席指定が特にお得なメリットです。ただし、さほど強力な特典があるわけではなく、クリスタル目当ての修行はおすすめできません。
専用予約デスクはワンワールドの特典航空券予約時に威力を発揮。日程を一つ一つチェックする必要が生じて面倒ですが、デスクに電話したら空き日程を調べてくれます。
国際線に搭乗する場合は前方座席指定サービスが着実なメリットとなります。平会員だと全滅状態でも、クリスタル会員なら抑えられることがあります。
プライオリティバッゲージサービスとは、手荷物の優先引き渡しです。いち早く預け入れた荷物を受け取って、空港を出発することが可能になります。
ボーナスマイルも着実なメリット。例えば羽田⇔沖縄は、一般のJAL CLUB-Aカード会員時代と比較すると、クラスJは+251マイル・ファーストクラスは+369マイルとなりました。
ただし、アップするのはフライトボーナスのみであり、獲得FLY ONポイントは上昇しません。
なお、JGCカード会員がクリスタルの条件をクリアするとJGCクリスタルとなり、JMBクリスタル会員と比較すると以下のメリットがあります。
- ブリティッシュ・エアウェイズの搭乗時50%ボーナスマイル
- イベリア航空の搭乗時50%ボーナスマイル
- その他、JGC・ワンワールドサファイア会員の特典
サファイア
FLY ONポイントが50,000ポイントに達するとJMBサファイア会員となり、クリスタルよりも圧倒的に大きなベネフィットを享受できます。
クリスタル会員にはないサファイアの独自メリットは以下の通りです。
- サクララウンジ・ワンワールド ビジネスクラスラウンジ利用
- 国内線前方座席指定サービス
- 手荷物無料優待(国内線20kg・国際線1個)
- JALグローバルクラブ エントランス
- 優先搭乗(国内線・国際線)
- プライオリティバッゲージサービス
- 日本航空・アメリカン航空の搭乗時105%ボーナスマイル
- ブリティッシュ・エアウェイズの搭乗時100%ボーナスマイル
- イベリア航空の搭乗時50%ボーナスマイル
- JALとっておきの逸品 限定商品
なんといってサクララウンジを利用可能になるのが大きなメリットです。
国際線では豊富な種類のアルコール飲み放題、美味しい食事を堪能できます。JAL特製ビーフカレーも人気。油断すると食べ飲み過ぎて太ってしまう程ですよ!
サクララウンジは日本国内だけではなく、ハワイ・ニューヨーク・ロンドンなどの海外主要空港にも設置されています。日本語が話せるスタッフが常駐しており、日本語の新聞・雑誌も用意されています。
また、ワンワールド加盟の航空会社のビジネスクラスラウンジも利用できます。サクララウンジとワンワールドのラウンジがある空港では、はしごすることも可能!
サファイアになるとJALグローバルクラブに入会できるようになるのが大きなメリットです。
JGCカードを発行するだけで、生涯に渡ってほぼサファイア会員と同一の特典を享受し続けられます。
JGCプレミア
JALグローバルクラブ会員が80,000 FLY ONポイントを獲得すると、「JGCプレミア」というステータスを得られます。
JGCカードを持っていないと、8万ポイントに達してもサファイアのままなので、その点には注意が必要です。
JGCプレミア会員はサファイアよりも更に強力な特典を利用でき、毎年ここを目指す「JGP修行僧」が後を絶たない状況となっています。
- 国内線先行予約
- 国内線特典航空券先行予約
- ダイヤモンド・JGCプレミア専用保安検査場
- JAL・ワンワールド ファーストクラスラウンジ
- ダイヤモンド・プレミアラウンジ
- JAL・アメリカン航空の搭乗時105%ボーナスマイル
- ブリティッシュ・エアウェイズの搭乗時100%ボーナスマイル
- イベリア航空の搭乗時100%ボーナスマイル
- マイル有効期限が無期限
- 国内線・国際線の優先搭乗
- JAL国際線機内販売事前予約
- パイロット体験 航空教室サービス
- サービスセレクション
- ディズニーシーのラウンジ(年5回)※ビッグバンドビートに設置
- USJ JALラウンジ
なんといっても国際線利用時にJAL・ワンワールドのファーストクラスラウンジを利用できるのがファンタスティックです!
ANAのダイヤモンド会員資格では、スターアライアンスのファーストクラスラウンジを利用できません。そうした観点でもスペシャルなベネフィットです。
ファーストクラス・ダイヤモンド・JGCプレミア専用保安検査場、ワンワールド優先セキュリティレーンも利用できるので、よりスムーズにラウンジに直行できます。
また、マイルの有効期限が無期限になるのも風雅。有効期限が迫っている間際に無理矢理マイルを消化するのは面倒な側面があります。
そうした中、JGCプレミア会員の期間中に取得したマイルは会員資格をキープしている限り有効期限が無期限となります。
JGCプレミア会員の条件をクリアできずに降格した場合、資格喪失時点から有効期限は3年間となります。
国内線では一部路線でJMBサファイア・JALグローバルクラブ会員より優先して搭乗できます。
国際線では、ファーストクラス、ダイヤモンド、JGCプレミア、ワンワールド・エメラルドメンバーが優先して案内されます。
ダイヤモンド
JALのサービスステイタスの中で最上級に位置しているのがダイヤモンド会員です。100,000ポイントという6桁のFLY ONポイントを獲得すればOKです。
JGCプレミアにない独自メリットは以下の通りです。
- ダイヤモンド特典航空券
- JAL・アメリカン航空の搭乗時130%ボーナスマイル
- サービスセレクションが一段と豪華
最高ランクだと凄いイメージがありますが、JGCプレミアとは大差がなく、特典航空券が取りやすい点、ボーナスマイルが25%増える点が相違点となります。
ダイヤモンド特典航空券は、国内線の特典航空券の枠に空席がなくても、有償の席を含めて空きがあれば、特典航空券に交換できるサービスです。
通常の特典航空券より2倍のマイルが必要となりますが、希望の便に空席さえあれば特典航空券を利用可能となります。
やはり一番を目指してダイヤモンド修行をする方もいれば、JGCプレミアにとどまる方もいらっしゃいます。
中にはJALとANAの両方の最上級会員資格である「ダイヤモンド」を二重に取得している方もいらっしゃいます。
JALの赤、ANAの青というイメージカラーから、JAL・ANA両方の最上級会員キープは「紫ダイヤ」と形容されています。
JGCプレミア / ダイヤモンド修行は2年に1回という選択肢
JGCプレミア/ダイヤモンドは達成年~翌々年3月末まで有効なので、3月末までに一気呵成に達成する場合は、2年に1回の修行でずっとJGCプレミア/ダイヤモンドを維持可能です。
- 2024年1月~3月にクリア→2026年3月末まで有効
- 2026年1月~3月にクリア→2028年3月末まで有効
- 2028年1月~3月にクリア→2030年3月末まで有効
FLY ONポイントの貯め方では計算が重要
JAL上級会員を目指してFLY ONポイントを貯める場合は、仕組みを把握して効率的に獲得することを心がけるのが重要となります。
やはり日本航空側としても修行僧を意識して貯まりやすい仕組みが用意しており、自然体で乗りたい便・シートを乗るだけではなく、少し工夫すると貯まりやすくなります。
基本的にフライトマイルに連動するので、JALグループやワンワールドの飛行機に搭乗すると自然と貯まっていきます。
FLY ONポイントの計算式=フライトマイル × FOP換算率 + 搭乗ボーナス
したがって、FLY ONポイントを効率的に獲得するためには、フライトマイル、FOP換算率、搭乗ボーナスFLY ON ポイントの3つに注目するのが重要です。
FOPの計算は自力で行うと面倒この上ありませんが、JALが提供しているFLY ONポイント数は、JALが提供しているFOP計算ページがあるので、そこで出発地・到着地・クラス・利用運賃を選択すると、FOP(片道)を出せます。
航空マイルを利用した特典航空券でフライトする場合は、FLY ONポイント積算の対象外となります。JALマイルだけではなく、ブリティッシュ・エアウェイズ等の他社マイルを利用した場合も同様です。
以下、FLY ONポイントの計算において重要な構成要素である3点についてブレイク・ダウンします。
フライトマイル
フライトマイルは区間マイルと、利用クラスや運賃に対応したマイル積算率によって計算されます。
- 飛行距離が長いほどFOPが貯まる
- 運賃クラスが高いほどFOPが貯まる
国内線では普通席よりクラスJ、クラスJよりファーストクラスの方が獲得FOPがアップします。
2023年4月12日搭乗分からの国内線は、フレックス・JALカード割引・離島割引などは100%、株主割引・セイバー・スペシャルセイバーは75%、プロモーション・当日シニア割引・スカイメイトは50%です。
FLY ON ポイント換算率
「FLY ON ポイント換算率」は利用するエリアによって異なり、日本国内線が最も優遇されており、次にアジア路線が貯まりやすくなっています。
- JALグループの日本国内線:2倍
- JALグループ便の日本発着のアジア・オセアニア路線:1.5倍
- その他国際線:1倍
搭乗ボーナスFLY ON ポイント
搭乗ボーナスとは、JALグループ便に搭乗する際、運賃に応じて追加されるポイントです。
JALグループ以外のワンワールド加盟のエアライン搭乗時は対象外となります。
最大400ポイントの搭乗ボーナス FLY ON ポイントを獲得でき、国内線・国際線のそれぞれに対象運賃が用意されています。
このボーナスFOPはJALグループ便としてカウントされるので、例えば、サファイアの場合は必要なJAL便25,000ポイントに含まれます!
JALグループ国内線
国内線だとスペシャルセイバー・株主優待割引が使い勝手が良好です。
運賃種別 | 搭乗ボーナス FLY ON ポイント |
---|---|
フレックス、JALカード割引、ビジネスフレックス、離島割引、特定路線離島割引、株主割引 | 400ポイント |
セイバー、スペシャルセイバー、往復セイバー | 200ポイント |
プロモーション、スカイメイト、当日シニア割引、特典航空券、個人包括旅行運賃、包括旅行運賃、団体割引運賃、学校研修割引運賃など | 0ポイント |
※乗継運賃の場合、搭乗ボーナスFLY ON ポイントは区間ごとに積算
JAL国際線
国際線はJALグループ便の場合は、多くのクラスで対象となります。
運賃種別 | 搭乗ボーナス FLY ON ポイント |
---|---|
F・A・J・C・D・I・X・Y・B・H・K・M | 400ポイント |
上記以外の予約クラス 対象外運賃(パッケージツアーなど) | 0ポイント |
国際線航空券に含まれる日本国内区間は、予約クラスが「 F・A・J・C・D・I・X・Y・B・H・K・M」なら、搭乗ボーナス FLY ON ポイントの対象となります。
フライトする路線・運賃ごとに具体的にどの程度のFLY ONポイントを獲得できるのかは、FLY ONポイント数は、JALが提供しているJAL公式の計算ページでサクッと簡単に調査できて便利です。
なお、JALマイルはPontaポイント、dポイント、マリオットボンヴォイのポイント、エムアイポイント、ヒルトンのポイント、WAON POINT、Oki Dokiポイント、オリコポイント、永久不滅ポイント、エポスポイント等から交換できます。
しかし、FLY ONポイントは他社のポイントから交換することは出来ず、JAL・ワンワールドのフライトで貯めるしかありません。
日本発着ではない国際線や他社便のFOP計算方法
日本発着の便の場合、JALの公式WebページでFOPを計算できるので簡便です。
外国の空港間のフライトや、JALが就航していない都市へのフライトの場合、まず「距離制特典区間マイル計算機」で搭乗区間マイルを調査します。
そして、利用運賃のマイル積算率を乗じてマイルを計算します。他社便の場合、運行会社・予約クラスによってマイル積算率が異なります。
他社便の場合、FOP換算率は1倍のみなので、基本的にはフライトマイルとFLY ONポイントは同一の値になります。
キャンペーン
FLY ONポイントは原則としてフライトでしか獲得できませんが、特別にボーナスで得られるキャンペーンが開催されています。
JALカード保有での初フライトで5,000FOP
ここ数年間はJALカードを保有している方は、毎年の最初のフライトの翌月頭に5,000 FOPを獲得できるキャンペーンが開催されています。
JALカードを持っていれば、なんとクリスタルに必要なFOPの10分の1も獲得できてファンタスティックです。
これは侮れないキャンペーンであり、上級会員を目指す方ならJALカードはマストアイテムといっても過言ではありません。
このキャンペーンのFOPはJALグループ便としてカウントされるので、サファイアの場合は残り20,000マイルがJAL便ならOKとなります。
20代の方が作成できるJAL CLUB ESTの場合、初回搭乗で2,000 FOPが更に上乗せされます。
したがって、合計で7,000 FLY ONポイントを初回搭乗で獲得できるので、残りは43,000ポイントでOKのとなります。
指定月の国内線FLY ON ポイントが1.5倍キャンペーン
ここ数年は前年にJAL上級会員資格をクリアした方向けに特定の指定月にFLY ONポイントが2倍になるキャンペーンを開催していましたが、2020年は1.5倍となり、2023年は未開催です。
開催時は指定月に集中的にフライトしたら、恐ろしい程にドンドン貯まります。一度上級会員資格を獲得した方向けに「今年も目指してね」というメッセージを感じます。
羽田⇔那覇の単純往復でも、驚異的にFLY ONポイントを獲得できてファンタスティックです!
クラス | 1往復 FOP | 2倍 |
---|---|---|
往復ファーストクラス | 5,720 | 8,580 |
往復クラスJ | 4,144 | 6,216 |
ファーストクラス + クラスJ | 4,932 | 7,398 |
その他キャンペーン
日本航空が特別にFLY ONポイントが貯まるキャンペーンを開催することがあります。
新規就航路線、特定の路線利用時に獲得できるポイントが増えるキャンペーンが開催されることがあります。
2023年2月20日~4月11日(搭乗日)の期間中、キャンペーン登録のうえで、大阪(伊丹・関西)発着の対象路線を利用すると、FOPが通常の2倍となります。
国際線では成田⇔ニューヨークで開催実績がありました。そのような機会を活用すると効率的にFLY ONポイントを獲得可能です。
FLY ONポイントをザクザク稼げるおすすめの路線
FLY ONポイントはフライトマイルと連動するので、基本的には以下に該当するフライトを行う程に貯まります!
- 距離の長い路線
- 運賃クラスが高い運賃
国内線だと2倍、日本発着のアジア・パシフィック路線だと1.5倍なので、これらが効率的です。
費用対効果を考えると、「料金の割にFLY ONポイントが貯まる」という路線をフライトするのがベストです。
「料金÷FLY ONポイント」は「FOP単価」と呼ばれており、1FLY ONポイントを獲得するためにいくら支払ったのかを示す指標です。
FOP単価が10円程度だと合格水準で、8円台以下だと効率的と評価されています。
国内線の長距離、国際線のアジア・太平洋の長距離路線で、価格が控え目のフライトを予約するのが、効率的にFLY ONポイントを貯める方法となっています。
基本的には国内線は400FOPのボーナスがある特便割引、時として価格が大幅に安い先得割引が有利で、料金のわりにはFOPの獲得数が大きい沖縄路線が最強となっています。
国際線の場合、日本発着便だとクアラルンプール、シンガポール等のアジア路線、オーストラリア・ニュージーランド等のオセアニアがFOP1.5倍の真骨頂を発揮して効率的になっています。
以下、ザクザクとFOPが貯まるおすすめ路線について解説します。
国内線
日本国内の路線だと沖縄が距離の割には運賃が安いので、修行の王道となっています。
羽田⇔那覇の単純往復を複数回行うだけで、難なくJGC入会に必要なサファイアの5万ポイントに到達するほどです。
初回搭乗の5,000FOPボーナスを含めると、現在は45,000FOPでOKなので、より一層フライト回数が少なくて済みます。
クラス | 普通運賃 | 特便割引 株主割引 | 先得割引 |
---|---|---|---|
往復ファーストクラス | 6.7往復 (1回6,704) | 7.9往復 (1回5,720) | - |
往復クラスJ | 8.8往復 (1回5,128) | 10.9往復 (1回4,144) | 13.5往復 (1回3,344) |
ファーストクラス + クラスJ | 7.6往復 (1回5,916) | 9.1往復 (1回4,932) | - |
修行僧の中には故郷の空港よりも那覇空港の利用頻度が多いという方も多いのではないでしょうか。
那覇空港はFLY ONポイントを切望してやまないJGC/JGP修行僧によって、聖地・サンクチュアリのような存在となっています。
国際線
沖縄との単純往復はつまらないという方の場合、距離が長い国際線が候補となります。
価格度外視の場合は、オーストラリア・ニュージーランドが効率的です。1.5倍のボーナス積算の対象で、日本からの距離は最も遠いので、大量のFOPを獲得できます。
次に効率的なのはクアラルンプール、シンガポール等の東南アジア路線です。日本からの距離が長めで1.5倍積算の対象なので、効率的に貯めることが可能です。
クアラルンプールはセールでビジネスクラスやプレミアムエコノミーの割引価格が登場することが多く、効率的に獲得することが可能です。
コストパフォーマンスは随一であり、JGP修行僧の中には結果として定期的にクアラルンプールに行っている方も多いでしょう。
海外発券(海外発の航空券)だと安い時期も多々あり、日本から海外まで別途フライトの便を確保する手間を厭わず、時間的余裕がある場合は、海外発券も有力な選択肢です。
OKA-SINタッチ・シドニータッチ
とにかく一気にFLY ONポイントを貯めたいという方の場合、「OKA-SINタッチ」というアクロバットなフライトが選択肢となります。
羽田⇔シンガポール、沖縄⇔シンガポールは価格がほとんど変わらないにもかかわらず、沖縄⇔羽田間のFLY ONポイントが100%得られる点に注目した修行テクニックです。
「那覇→羽田→シンガポール→羽田→那覇」とフライトすることで、ビジネスクラスの場合は一気に18,348ポイントも得られます。
羽田から那覇までの往復のフライトを別途用意する必要があり、そこで特便割引か株主優待のクラスJを使えば一撃で合計22,492ポイントを得られます。
なんとサファイアの5万ポイントの約45%ものポイントを一気に獲得することが可能です。弾丸でフライトする場合、金曜日の夜に羽田を出発して、日曜日の朝に帰れるのも魅力的です。
もちろん、弾丸ではなく沖縄旅行とシンガポール旅行をセットで組み合わせのも有力な選択肢です。
この場合は行きもしくは帰りの羽田⇔那覇の移動が余分になってしまいますが、数千ポイントを獲得できるので許容範囲でしょう。
OKA-SINタッチの詳細については、以下で徹底的に解説しています。
OKA-SINタッチ以外も、シドニータッチというフライト手法もあります。東京→沖縄→東京→シドニー→東京→沖縄→東京とフライトすることで、ワンレグで25,000FOP以上を獲得することが可能です。
また、OKA-KUL(那覇⇔クアラルンプール)など、国際線に沖縄⇔東京をドッキングするのは、FOP獲得の上で有効なストラテジーです。ただし、体力は猛烈に消耗する点に注意が必要です。
世界一周特典航空券
ワンワールドは世界一周特典航空券を発行しており、ビジネスクラスやファーストクラスで世界一周旅行が可能です。
一度に一周する必要はなく、途中で日本に戻って、再び戻った空港から開始することも可能です。
これを活用すると1回の世界一周(5フライト)で、4万ポイント以上を獲得することも可能です。
ラグジュアリーカードのコンシェルジュに、最短フライト回数でのJGC獲得を教えてもらったところ、世界一周航空券がファイナルアンサーでした!
まとめ
FLY ONポイントはJALのステイタス(上級会員)を得るために必要なポイントプログラムです。
3万ポイントでクリスタル、5万ポイントでサファイア、8万ポイント&JGC会員でJGCプレミア、10万ポイントでダイヤモンド会員になることが可能です。
基本的にはフライトマイルと連動して貯まり、距離が長いほど、価格が高い運賃であるほど貯まりやすくなっています。
2倍の優遇がある国内線、1.5倍があるアジア路線だと貯まりやすくなっており、特便割引・株主優待割引などだとフライトごとに400ポイントを得られます。
FOPを貯めやすいおすすめ路線は、沖縄、クアラルンプール・シンガポール等の東南アジア、メルボルン・オークランド等のオセアニアです。
海外発券(海外発の航空券)の場合、時としてFOP単価が安いことがあり、最初の日本→海外、最後の海外→日本の便を別途確保する手間を厭わない場合は選択肢となります。
FLY ONポイントを貯めると同時にJALマイルも貯まるので、フライトボーナス、JALカード特約店などの仕組みがあるJALカードを持っておくのがおすすめです。
また、サファイアを達成してJGCカードに申し込んだら審査落ちしたという悪夢のような事態に陥らないためにも、修行前に予めJALカードを作成しておくのがベターです。
JGC修行のためには数十万円の航空券を購入することになります。
JALカード プラチナだとJALグループ航空券の購入で2%のアドオンマイルがついて4%還元となります。
JAL・JCBカード プラチナ、JAL・アメックス プラチナの2種類があります。
仮に50万円購入したとすると、JAL CLUB-Aゴールドカード以下のJALカードと比較して10,000マイルを余分に獲得できることになります。通説に則って1マイル2円と考えると20,000円相当。
CLUB-Aゴールドカードとプラチナの年会費の差は12,000~15,000円(税抜)です。こうして考えるとJGC修行を行う年はJALカード プラチナを保有しておくのも有力な選択肢です。
毎年JGCプレミア修行を行う方なら、むしろJALカード プラチナを保有していた方がお得です。
できる限りコストを抑える場合は、事前にJAL CLUB-Aカードを作成しておきましょう。
初回搭乗で5,000 FLY ONポイントを獲得できますし、サファイア達成後に申し込んで悪夢の審査落ちとなるリスクを回避できます。
JALカードは世代を超えて愛される傑出した航空系カード、マイルが貯まるクレジットカードであり、順風満帆・視界良好で新しい世界へ雄飛する機会を手に入れられます。
国際ブランドはJCB、VISA、Mastercard、American Express、Diners Clubの5大ブランドを網羅しています。
「損して得取れ」の典型例であり、コスト以上に卓越したベネフィットを享受でき、年会費を支払ってもそれ以上にお得になります。JALカードの種類は下表のとおりです。
カード名 | 発行会社 | 国際ブランド | 独自機能 |
---|---|---|---|
JAL・JCBカード | JCB | JCB | |
JALカード OPクレジット | JCB、小田急カード | 小田急ポイント | |
JALカード Suica | JCB、ビューカード | Suica | |
JALカード DC (Visa/Mastercard) | 三菱UFJニコス(DCカード) | Visa Mastercard | |
JALカード TOKYU POINT ClubQ | 三菱UFJニコス(DCカード)、 東急カード | Visa Mastercard | TOKYU POINT |
JALアメックス | 三菱UFJニコス | Amex | |
JALダイナースカード | 三井住友トラストクラブ | Diners Club |
私もJALカードをフル活用しており、旅行や出張の移動をお得で快適なものにすることが可能になっています。
全JALカードの詳細については、以下で精緻に分析しています。
JALカードのような良いクレジットカードを使えば、長い目で見ると10万円・20万円といったリターンを得られます。
空前の低金利の時代には、JALカードのお得度は絶大な威力があります。バリューが高い生活を送れて、浮いた分を貯金したり他のことに使えるようになり、人生を豊かに彩ることができます。
公式サイトJALカード 公式キャンペーン