関東の交通系電子マネーとしては、Suica(スイカ)とPASMO(パスモ)の2種類があります。
鉄道やバスの切符として利用したり、交通系IC加盟店での支払いにも使えるプリペイド式電子マネーです。
PASMOとSuicaの相互利用が開始してからは、どちらでも相互に使えるようになったため違いがわかりにくくなりました。
しかし、依然としてSuicaとPASMOには、それぞれオリジナルの機能があります。違いについて、63枚のクレジットカードを保有した経験があり、年会費の最高額は118万円の専門家が丹念に比較します。
机上の空論ではなく、数多くの電子マネーを実生活においてフル活用した経験を活かして、2024年12月の最新の状況を分析しました。
目次
定期券が発行できる鉄道・バス
PASMOもSuicaも定期券一体型のタイプを発行できます。基本的にはJR東日本の定期券はSuicaのみです。
JR東日本の区間から東京メトロ・都営地下鉄・私鉄に乗り継ぐ場合の定期券は、Suicaに搭載できます。区間によっては搭載できないこともあります。
他方、PASMOに出資している鉄道会社、バス会社の定期券はPASMOのみに搭載できます。代表例は下表のとおりです。
区分 | 名前 |
---|---|
電車 | 小田急電鉄 京王電鉄 京成電鉄 京浜急行電鉄 相模鉄道 新京成電鉄 西武鉄道 東京急行電鉄 東京地下鉄 東京都交通局(都営地下鉄・日暮里・舎人ライナー) 東武鉄道 ゆりかもめ 横浜市交通局(横浜市営地下鉄) |
バス | 小田急バス 神奈川中央交通 川崎市交通局 京王電鉄バス 京成バス 京浜急行バス 相鉄バス 西武バス 東急バス 東京都交通局 東武バス 富士急行(バス) 新京成バス 横浜市交通局 |
こちらもPASMO対応の私鉄・東京メトロ等からJR東日本に乗り継ぐ場合は、基本的にはPASMO定期券に搭載できます。一部路線はNGです。
1枚のPASMOに、鉄道・バスそれぞれの定期券情報をのせることも可能です。
普通に乗車する場合はPASMOでもSuicaでもOKですが、定期券は別々となります。
ポイント制度
PASMOとSuicaには、独自のポイント制度が用意されています。
PASMO
東急や東京都交通局などでは、PASMOを使って電車・バス等に乗車するとポイントが貯まる制度があります。このような制度を総称して「乗車ポイント」と呼ばれています。
貯まったポイントはPASMOにチャージしたり、自社系列の店舗で利用できたりします。これらはPASMOのみが対象であり、Suicaは対象外です。
一例として都営交通は「ToKoPo」という名前であり、都営地下鉄4線、都電荒川線、日暮里・舎人ライナー、都営バスにPASMOで乗るとポイントが貯まります。
ポイント区分 | 都営地下鉄 | 日暮里・ 舎人ライナー | 都電荒川線 | 都営地下鉄 |
---|---|---|---|---|
基本ポイント(1乗車ごと) | 2pt | 2pt | 1pt | - |
土休日ボーナスポイント (1日ごと) | 2pt | 2pt | - | - |
乗り継ぎボーナスポイント (1日ごと) | 2pt |
基本ポイントに、土休日、乗り継ぎの各ボーナスポイントが加算される方式となります。
貯まったポイントは10ポイント単位でPASMOにチャージできるので現金同様の価値があります。
東京メトロでは、メトロポイント、メトポという2つの制度があり、ためたポイントをPASMOにチャージすることが可能です。
東京メトロによく有料乗車する方なら、To Me CARD一体型PASMOを利用するとザクザクとメトロポイントが貯まってお得です。
モバイルPASMOとTo Me CARDの還元制度を紐付けてもOKです。
実際にソラチカカードをフル活用したところ、流麗なANAマイル還元を享受できました。
東京メトロ乗車で最大級のメトロポイントを得られて、スマリボの活用で1.5625%ANAマイル還元となるゴールドカードもあります。
Suica
Suicaの方には「JRE POINT」という制度があり、加盟店でSuica電子マネーを利用するとSuicaポイントが貯まり、貯めたポイントはSuicaにチャージできます。
以前はSuicaポイントクラブでしたが、2017年12月5日にSuicaポイントはJRE POINTと統合されて、JR東日本グループの駅ビルでのお買い物や食事・カフェで利用できるようになりました。
2018年6月28日にはビューカードのポイントがJRE POINTと統合して、より一層便利に進化しています。
SuicaはJRE POINT加盟店での決済でポイントが貯まりますが、電車の乗車では、ポイントは付与されません。
Suica・PASMOの両方ともモバイル対応
Suica、PASMOは全国の交通系電子マネーの中でもトップで対応が進んでいます。
ほぼカードタイプと同一の機能を縦横無尽に駆使できます。
モバイルSuica
Suicaには「モバイルSuica」という、フェリカ搭載のおサイフケータイ(Androidスマホ・ガラケー等)でSuicaが使えます。カードを持ち運ぶ必要がなくなります。
JRE POINTが貯まる機能、バス特の適用もあります。
また、モバイルSuicaならではのメリットとして、新幹線にお得な価格で乗車することができます。
JR 東日本の新幹線の指定席を安く予約できる「モバイルSuica 特急券」、東海道・山陽新幹線をリーズナブルに予約できる「エクスプレス予約」(ビューエクスプレス特約)を利用できます。
エクスプレス予約を使う場合はビューカードが必要です。また、1,000円(税抜)の年会費がかかります。
他方、カードタイプのSuica・PASMOで新幹線に安く乗れるサービスは、全交通系電子マネー共通の「スマートEX」のみです。
スマートEXはPASMOなどの交通系ICカードだけで、東海道・山陽新幹線(東京~博多間)に乗ることができルサービスで、紙のきっぷと比較すると割引も受けられます。
新幹線の費用はクレジットカードでの支払いとなります。Visa・Mastercard・JCB・アメックス・ダイナースクラブであればOKです。年会費は無料で簡単にスマホやPCで予約できます。
既存のSuicaやPASMOで簡単に新幹線にスムーズに乗車できるのがメリットです。
しかし、料金面での割引は小さいのがエクスプレス予約と比較したデメリットです。特定都区市内制度の適用もありません。
スマートEXをモバイルSuicaで使う手順、留意点については、以下にまとめています。
JR東日本の新幹線では、利用開始の登録をするだけで在来線のようにSuica・PASMOをタッチするだけでOKのサービスが開始しました。
2020年3月14日からはインターネットで予約するとJR東日本の新幹線にSuica・PASMO・Kitaca・ICOCA等の交通系ICカードで乗車できるサービスが開始しました。
なお、一部のPASMO一体型クレジットカードは「エクスプレス予約」(旧・プラスEX)を利用できますが、これはPASMOの特典ではなく、クレカに付帯しているベネフィットになります。
Apple PayのSuica
7以降のiPhone、Series 2以降のApple Watchは、おサイフケータイに類似するサービス「Apple Pay」が利用可能です。
モバイルSuicaに類似した仕組みで電車・バス等に乗ることができます。また、iDかQUICPay・nanaco・WAONの店舗でお買い物することが可能です。
しかし、現在はモバイルPASMOも利用可能になりました(モバイルPASMOチャージにおすすめカード)。Suica定期券は搭載できますが、PASMOはできない点が異なります。
iPhoneのSuicaでお店でお買い物をしたり、電車・バスなどに乗ることができるようになります。
Apple PayとSuica、国際ブランドの関係については、以下にまとめています。
セキュリティも高く、安心に利用できるような頑健な仕組みとなっています。個人情報は、暗号化された状態で安全にデバイス内のセキュア・エレメントに保管されます。
Apple Payを使っている端末を紛失した場合、「iPhoneを探す」機能で紛失モードに設定すると、簡単にApple Payの利用を一時停止できます。
新しいiPhoneやApple Watchに、Suicaのチャージ残高や定期券を移行することも可能。Apple Payが使えるクレジットカードについては、以下で比較しています。
その中でおすすめ
Apple PayのSuica機能の詳細、アップルペイでのSuicaチャージでポイントが貯まるクレジットカードについては、以下で分析しています。
実際にApple Payを使ってみた感想については、以下にまとめています。
Face IDによる顔認証が導入されたApple Payの使い方、注意点、感想については以下にまとめています。
ただし、2020年からはPASMOもAndroidスマホで利用できます。iOS対応は未発表です。
モバイルPASMO
モバイルPASMOはが2020年に開始し、おサイフケータイのAndroidスマホ、Apple Pay搭載iPhone、Apple Watchで利用可能になりました。
Suicaのライバルであるパスモでもスマホ対応が進み、モバイルによるキャッシュレス決済が便利に進化しています。
主なメリット
- 500円のデポジットが不要
- PASMO定期券を利用可能
- いつでもどこでもチャージが可能
- クレジットカードでポイント還元
- スマートEXで新幹線にも乗車可能
- 紛失時の再発行が楽
- 東京メトロ乗車ポイントを取得可能
- ToKoPoにも対応予定
主なデメリット
- 紛失した際の打撃が増加
- 対応端末(おサイフケータイのAndroid)が必要
- 1つの端末でモバイルSuicaとの同時利用は不可な端末あり
- カードタイプのPASMOからの移行に制限
- 会員登録しないと機能をフル活用できない
- オートチャージは一部クレジットカードのみが可能
- ダイナースクラブカードが利用不可能
- PASMO事業者の関連カードでもチャージがポイント付与対象外のケースあり
Apple PayのPASMOとSuicaは併用可能
iOS14.0以降がインストールされたiPhone 8以降、watchOS7.0以降がインストールされたApple Watch Series 3以降の場合、モバイルPASMOとモバイルSuicaの両方を使えます。
モバイルSuicaでは○、 モバイルPASMOでは× | ・Suicaグリーン券の利用 ・エクスプレス予約(東海道・山陽新幹線)の利用 ・JRE POINTの獲得や利用 ・ビューカードでのオートチャージ |
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モバイルPASMOでは○、 モバイルSuicaでは× | ・JR東日本区間を含まない区間・経路の定期券(PASMO発売範囲内) ・バス定期券のアプリ購入(PASMO発売範囲内) ・メトロポイントの獲得など独自ポイント ・PASMO指定クレジットカードでのオートチャージ ・「バス特」情報のアプリ表示 |
以下のような使い分けが可能です。
- 東京メトロ乗車ポイントを得られる区間:Apple PayのPASMO
- JRE POINT乗車ポイントを得られるJR区間:Apple PayのSuica
JR東日本の乗車ポイント、PASMO関連のポイントの二重取りが可能になるので、効率的にポイントを獲得でき、最大限に家計が助かります。
チャージできるクレジットカード
PASMO・Suicaへのチャージはクレジットカードで行うとポイントが貯まってお得ですね。チャージできるクレカはそれぞれ異なります。
カードタイプのSuicaにチャージできるクレジットカードは、JR東日本の「ビューカード」です。代表的なカードは下表のとおりです。
カード名 | 年会費(税抜) | 一般加盟店 | Suicaチャージ | 備考 |
---|---|---|---|---|
ビックカメラSuicaカード | 477円 (年1度の利用で無料) | 1.0% | 1.5% | ビックカメラでSuica払いならポイント二重取り |
ビューカード スタンダード | 477円 | 0.5% | 1.5% | ボーナスポイント。家族カードあり |
JRE CARD | 477円 | 0.5% | 1.5% | アトレ等のJRE CARD優待店で約3.5%還元 |
ルミネカード | 953円 | 0.5% | 1.5% | ルミネで5-10%OFF |
ビューカード ゴールド | 10,000円 | 0.5% | 1.5% | 年1回のプレゼント・東京駅ラウンジ等の特典 |
大人の休日倶楽部ミドルカード | 2,386円 | 0.5% | 1.5% | 大人の休日倶楽部パス、JR東日本線・JR北海道線5%OFF等 |
大人の休日倶楽部 ジパングカード | 3,968円 (夫婦会員6,780円) | 0.5% | 1.5% | 大人の休日倶楽部パス、JR東日本線・JR北海道線30%OFF等 |
JALカードSuica | 2,000円 | 0.5-2% | 0.5-1% (マイル) | JRE POINTをJALマイルに移行可 JALカード特約店は2倍 |
JALカードSuica CLUB-Aカード | 10,000円 | 0.5-2% | 0.5-1% (マイル) | JAL CLUB-Aカード特典 |
JALカードSuica CLUB-A ゴールドカード | 19,000円 | 0.5-2% | 0.5-1% (マイル) | ビューカード ゴールド特典 JAL CLUB-Aカード特典 |
ビューカード スタンダード(リボ) | 無料 | 0.5% | 1.5% | リボ払い専用カード |
あらゆるビューカードの一覧については、以下で徹底的に解説しています。
Suicaチャージにおいては高還元で使い勝手が抜群です。
ビューカードの中でおすすめなのは、年会費が年1回の利用で無料、基本還元率1%、Suicaチャージ・JR東日本の定期券やきっぷ等の購入は1.5%還元のビックカメラSuicaカードです。
おサイフケータイ、Apple Pay対応端末をお持ちの方なら、東日本に住んでいなくてもおすすめです。
ビックカメラSuicaカードは、Suicaチャージが1.5%還元と日本最高峰で、一般加盟店でも1%還元となり、かつ年会費無料で維持できます。
ビックカメラはほとんど使わない方でもお得なクレジットカードです。
クレジットカード界のレジェンドであり、キャッシュレス決済のカリスマ・菊地崇仁さんも、ビックカメラSuicaカードがSuicaチャージにおすすめとおっしゃっていました。
クレジットカードのレジェンドがプライベートでも保有するのがビックカメラSuicaカードです!
活用すると家計改善に大活躍してくれるクレジットカードであり、大量のポイントが得られるお得な入会キャンペーンも魅力的です。
その他のビューカードでは、アトレ等のJRE CARD優待店・ルミネで3.5%還元のJRE CARD、ボーナスポイントのビューカード スタンダードも魅力的です。
PASMOにチャージするクレジットカードは、JALマイラーですとJALカードが選択肢。JALカードの中でPASMOチャージで得するのは小田急、東急との提携カードです。
JALカード OPクレジット、JALカード TOKYU POINT ClubQは、ショッピングマイルプレミアムの加入の有無を問わず、0.5%の小田急ポイントないしTOKYU POINTを獲得可能。JALマイル付与率では0.25%にとどまります。
ANAマイラーはソラチカカードやANA東急カード、東京メトロによく乗る方はTo Me CARD、その他私鉄をよく利用する方は各私鉄発行のクレジットカードでPASMOチャージするとお得です。
区分 | カード名 | 還元率 | 年会費(税抜) |
---|---|---|---|
JALマイル | JALカード OPクレジット | 0.5% | 2,000/5,000 |
JALカード TOKYU POINT ClubQ | 0.5% | 2,000/5,000 | |
東急 | TOKYU CARD ClubQ JMB | 1.00% | 1,000 |
ANAマイル | ANA To Me CARD PASMO JCB | 0.5%/1% | 2,000/7,000 |
ANA東急カード | 0.5%/1% | 751/6,751 | |
東京メトロ | Tokyo Metro To Me CARD Prime PASMO | 0.50% | 初年度無料 次年度以降2,000円 年50万円以上利用で 次年度以降無料 |
小田急 | OPクレジットカード | 0.50% | 年1回の利用で無料 |
京王 | 京王パスポートVISAカード | 0.50% | 年1回の利用で無料 |
京王パスポートPASMOカードVISA | 0.50% | 年1回の利用で無料 | |
西武 | 西武プリンスクラブカード セゾン | 0.50% | 無料 |
京急 | 京急カード | 0.50% | 無料/1,905 |
その他、PASMOオートチャージがお得になるクレジットカードについては、以下で精緻に分析しています。
2020年に開始したモバイルPASMOでは、手動チャージも可能です。
クレジットカードでの手動チャージの柔軟性
SuicaはJR東日本の駅やビックカメラの店内に設置されているビューアルッテというATMで、ビューカードでチャージすることができます。その他、オートチャージも可能となっています。
モバイルSuica・Apple PayのSuicaだとインターネットにつながっていればいつでもOKです。
他方、カード型PASMOのクレジットカードでのチャージは、東急以外はオートチャージのみです。
手動でのチャージが不可能なので、残高がゼロに近づいてしまった場合でも、次に駅の改札を通るまでクレジットカードでチャージすることができません。
東急では「クイックチャージ」というサービスが始まり、東急線にある銀色の券売機にオートチャージ設定しているPASMOを入れると、現金がなくても1,000円単位でチャージができます。
駅の自動改札機にタッチしなくても、クレジットカードでのチャージで得することが可能になります。
長距離の電車移動で駅の改札を出た後に残高が少なくなってしまった場合などは、すかさず自販機でチャージできて便利です。
今後は東急以外にも拡大していく可能性がありますが、現在は限定的で不便となっています。
カードタイプの交通系ICカードについては、Suicaの方が自由度が高くなっています。
なお、Apple PayのSuica、Apple PayのPASMOは、タクシーの移動が重なってSuica残高が尽きた場合などに、駅に行くことなくiPhoneでチャージできて便利です。
また、旅行先や出張先で電子マネーの利用が嵩み、残高が減ってしまった場合でもサクッとすぐにチャージできます。
なお、2018年3月17日から、SuicaとPASMOは改札に入る時だけではなく、出場する時もオートチャージが発動するようになりました。
その他、PASMOが優れている点
PASMO対応私鉄の店舗では優遇
PASMO対応私鉄の店舗・自販機などでは、PASMO独自の優遇があるケースが存在しています。
逆にPASMO協議会加盟の私鉄でSuica独自の優遇は皆無なので、PASMOで支払っておけば間違いありません。
防犯メールサービス
PASMOにしかないサービスとしては、駅の自動改札機をPASMOでタッチすると、通過したという情報がメールで送られてくるサービスがあります。
小児用PASMO、記名式PASMO、PASMO定期券が対象です。無記名式PASMOは対象外です。
子供の通学、習い事、通塾、外出時は、無事に目的地に進んでいるか、また家に戻ってきているのかを把握できます。
子供が改札を通過するはずの時間にメールが送られてこないと、何らかのトラブル発生を迅速に探知できます。帰りが遅い場合もスムーズにチェックできます。
東急電鉄が「東急エキッズ」、小田急電鉄が「小田急あんしんグーパス」という名前で提供しています。料金は以下の通りです。
- 東急エキッズ:1ヶ月あたり500円(税抜)
- 小田急あんしんグーパス:半年で1,800円(税抜)※1ヶ月あたり300円
東急セキュリティ株式会社の調査によると、東急沿線の私立小学校に通っている子供の約半数がエキッズを使っています。大人気のサービスとなっています。
ドコモ・au・ソフトバンクには子供用のケータイを持たせると、子供の位置情報が把握できる機能があります。ドコモは「イマドコサーチ」、auは「いますぐサーチ」、ソフトバンクは「位置ナビ」という名前です。
子供の安全は極めて重要ですね。PASMOと携帯電話会社のサービスを組み合わせると、より防犯力がアップします。
その他、Suicaが優れている点
1日のチャージ上限額
チャージ限度額はSuicaは1日2万円、カードタイプのPASMOは1日1万円・1ヶ月50,000円である点も異なります。
1日1万円、1ヶ月5万円を超える利用を頻繁に行う場合は、Suicaの方が便利になります。
なお、モバイルPASMOについては、1日あたりチャージ限度額の2万円までチャージ可能です。
電子マネー残高の印字
PASMOの弱い点は、利用履歴の印字が最大で20件と少ないことです。経費にする場合で証拠を残す必要がある場合などは、こまめに印字しないと昔の使用分が印字できなくなります。
ただし、一部の鉄道事業者では、直近26週間以内の最新100件までの表示・印字が可能です。
Suicaはどこでも最大50件まで印字できます。PASMOはどこでも100件に統一されると便利です。
モバイルSuica、Apple PayのSuicaだとオンライン上で過去26週分の履歴を確認できます。いつでもPDFに保存できます。
1画面に表示されるのは100件ですが、「表示対象」を変更すれば26週(約6ヶ月2週間分)以内の履歴は全て表示可能です。
利用者数
2021年9月末時点でのカード発行枚数は、Suicaは約8,759万枚で、PASMOは約4,000万枚です。Suicaが約2.19倍となっています。
2022年7月23日にGoogleで「Suica」と検索すると約8120万件、「PASMO」だと約3420万件がヒットしました。
Suicaの方が利用者が多いことから、情報量もそれだけ多くなっています。何か調べたい時、Suicaの方が豊富なコンテンツがあるので、スムーズに解決に辿り着く可能性があります。
ここら辺はiPhoneとAndroidの関係と同じです。単一の端末としてはiPhoneの方が利用者数が多いため、何か疑問がある場合は検索すれば、ほとんどの場合は答えが得られることが多いです。
両方持つ併用や使い分けも選択肢
SuicaとPASMOの両方持って併用し、使い分けるのも有力な選択肢です。
JR東日本ではSuicaを使うことで乗車ポイントを得られて、東京メトロではPASMOでメトポを得られます。もちろんその他のPASMO導入事業者でも、独自の特典があります。
Apple PayならSuicaとPASMOをスマホで併用でき、上手く使い分けることが可能です。
SuicaとPASMOを使い切る方法
Suica・PASMOはどちらも、解約してチャージした残高を払い戻す場合、最大220円の手数料がかかります。
以前PASMOは払い戻し(解約時)には、チャージ残高とデポジットが丸々と戻ってきましたが、2022年3月12日からはSuica同様に手数料が発生するようになりました。
ただし、Suica・PASMOは残高+現金の組み合わせで端数を使い切ることが可能です。例えばチャージ残高が113円の場合、コンビニで238円の品物を買って115円の現金を支払えばOKです。
ビックカメラでは、ビックポイントとSuica・PASMO払いを併用できます。ドラッグストアや酒類がある店舗ですと端数の消化がはかどります。
例えば、Suica残高が113円でビックカメラで198円の品物を買う場合、85 ビックポイントと113円の残高で決済することで、きれいに使い切ることができます。
すかいらーくグループのファミレスでは、まず電子マネーの残額で支払い、残りの金額をクレジットカードで支払うことが可能です。
まとめ
SuicaとPASMOは交通系電子マネーという点で同一であり、全国で共通利用が可能になっているので、ほとんどのシーンでは同じように利用できます。
しかし、細かい点では異なっています。優劣つけがたい相違点は以下の通りです。
- 定期券が発行できる鉄道・バス
- 独自のポイント制度
- チャージできるクレジットカード
Suicaにエッジ・優位性がある点は以下のとおりです。
Suica優位
- Suicaグリーン券・モバイルSuica 特急券・エクスプレス予約
- クレジットカードでの手動チャージの柔軟性(カードタイプ)
- JR東日本独自のポイント制度
PASMOの方が良い点は以下のとおりです。
- 防犯メールサービス(東急・小田急)
- 東京メトロでのポイント還元(Tokyo Metro To Me CARD限定)
- 都営地下鉄、各私鉄独自のポイント還元
現時点では東京メトロ・東急・小田急などをよく使う方以外なら、ややSuicaが上回っている感がありますけれども、PASMOも10周年を迎えて、今後も更なる進化が期待できます。