東京メトロが2018年3月24日に「メトロポイントクラブ」を導入しました。愛称は「メトポ」です。
事前に登録したPASMOで東京メトロに乗車すると、実績に応じてメトロポイントを得られるのがメリットです。
To Me CARD会員の「メトロポイントPlus」とも併用可能で、これまで以上にメトロポイントをザクザクと獲得できるようになりました。
平日10:30~16:30は1日5ポイント、土日祝日は1日7ポイントを獲得可能です。月間乗車回数に応じたボーナスもあります。
2024年4月15日からはTo Me CARDの「メトロポイント」と統合し、より便利に共通ポイントを貯めて利用可能です。
メトポのメリット、デメリット、お得な使い方、ポイント二重取りについて、注意点を完全網羅してわかりやすく徹底的に解説します。
目次
メトポとは
従来からあった「メトロポイント」はTo Me CARD会員限定で、東京メトロの乗車やPASMOの利用などに応じてポイントが貯まる仕組みでした。
また、他の共通ポイント等からメトロポイントに交換することも可能です。
メトロポイントは10ポイント単位で1ポイント1円で、PASMOにチャージして乗車や交通系電子マネー加盟店での決済に利用できるので現金同様の利便性があります。
また、ソラチカカード保有者は1対0.9の高レートでANAマイルに移行できるのが最大のメリットです。
ソラチカルートは封鎖されましたが、東京メトロ乗車などで貯めたメトロポイントは、これまで通り90%のレートでANAマイルに移行できます。
PASMOユーザーなら誰でも利用可能
新しいメトポはTo Me CARD会員だけではなく、PASMOもしくはモバイルPASMOを持っていれば誰でも利用可能なサービスです。
事前に登録した記名・無記名PASMOのチャージ金額で東京メトロの電車に乗車するとと、以下2つのポイントを獲得できます。
- 通常ポイント(デイリーポイント・ホリデーポイント):乗車日数に応じて付与
- ボーナスポイント:1か月あたりの乗車回数に応じて付与
平日に乗車するとデイリーポイント、休日に乗車するとホリデーポイントを得られて、更に1ヶ月間の乗車回数が一定基準を突破したらボーナスポイントも獲得できる方式です。
メトポは専用ページか郵送で仮会員登録して、東京メトロ各駅の多機能券売機で本登録すると使えるようになります。
モバイルPASMO(Apple Pay含む)でも利用可能です(モバイルPASMOチャージがお得なクレジットカード)。
モバイルSuicaやApple PayでもOK
メトポの対象はPASMOを持っている方なので、交通系電子マネーはSuicaカード、モバイルSuica、Apple PayのSuicaという方は利用できません。
iPhoneやAndroidのモバイルPASMOでも利用可能です。

問い合わせ先電話番号は0570のナビダイヤル
メトポの問い合わせ先は「メトロポイントクラブ事務局」です。電話の問い合わせに大雨押しているのはユーザーフレンドリーですが、携帯電話の無料電話し放題プランの対象外であるナビダイヤルなのが切ないです。
問い合わせ先
- 電話番号:0570-053106
- 営業時間:9:00~17:00(年中無休)
メリット
メトポの最大のメリットは、東京メトロでの有料乗車で、PASMOチャージに使えるメトロポイントが得られる点です。
2023年3月から開始したランク制度では、メトロ各線の毎月の利用状況に応じて「ランクスコア」がたまっていきます。
そしてランクスコアに応じて「レギュラー」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」の4種類の会員ランクが付与されて、上位になるほど多くのポイントを獲得できます。
ランクスコアの獲得方法
- 東京メトロ線利用金額に対して、1円あたり1ランクスコア
- デイタイム乗車 (平日10:30~16:30):1日あたり50ランクスコア
- ホリデー乗車 (土日祝日):1日あたり70ランクスコア
- 定期乗車券:1ヶ月あたり3,000ランクスコア
ランクの判定は1ヶ月ごとで、乗れば乗るほどお得になる仕組みです。
月末時点のランクスコア
- 600未満:翌月の会員ランクは「レギュラー」→ポイント還元の対象外
- 600以上:「シルバー」→利用額の2%還元
- 4,000以上:「ゴールド」→5%還元
- 8,000以上:「プラチナ」→10%還元
例えば1ヶ月に1日だけ平日10:30~16:30に3回乗ったら、合計150ランクスコアとなり、450円以上の利用でシルバーとなり、2%のメトポを得られます。
メトポで毎月100ポイントを獲得できた場合、このペースで1年間乗車すると年間1,200ポイントとなり、侮れない金額になります。
なお、2021年7月1日からは、1日3ポイントのデイリーポイントは廃止されました。
メトポで貯めたポイントは10ポイント単位でPASMOチャージできるので便利です。例えば370ポイントなら370円分になりますよ!
メトポでのポイントの進呈は翌月11日となります。定期券・企画券区間内の乗車はポイント進呈の対象外です。
毎年4月1日から翌年3月末日までの間に得たポイントは、翌年度の3月31日(翌々年の3月末)まで有効です。
- 2022年4月1日~2023年3月31日に獲得→2024年3月31日まで有効
- 2023年4月1日~2024年3月31日に獲得→2025年3月31日まで有効
したがって、ポイント有効期限は最短で約1年、最長で約2年となります。
ちなみに「メトロポイント」の方は、ソラチカカード保有者なら100ポイント=90ANAマイル(90%の高レート)で交換できるので、マイラーにとってはファンタスティックな還元。

国際ブランド |
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マイル還元の電子マネー・Pay・NFC決済 |
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- ETC
- 家族カード
- 2回払い
- リボ払い
- 海外旅行保険
- ショッピング保険(海外)
- 航空機搭乗中の保険(ANA一般カード共通)
年会費(税込) | 継続ボーナス | |
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初年度 | 2年目~ | |
無料 | 2,200円 | 1,000マイル |
マイル | ポイント | フライトボーナス |
ANAマイル | Oki Dokiポイント | +10% |
- 年間ボーナスポイントをメトロポイント経由でANAマイルに交換すると最大1.09%還元
- 東京メトロ乗車でポイント(平日5P、土休日15P)
- メトロPlus 自販機で100円につき1P、店舗200円につき1P
- PASMOチャージが還元対象
- 定期券購入時1,000円につき5メトロポイント+1 Oki Dokiポイント
- 100メトロポイント⇒90ANAマイル
メトポとメトロポイントPlusの比較
従来の「メトロポイントPlus」と新しいメトポの違いを比較すると下表の通りです。
項目 | メトポ | メトロポイントPlus |
---|---|---|
条件 | PASMO保有 | To Me CARD保有 |
ポイント | 平日:5ポイント 休日:7ポイント 10回乗車で10pt | 平日:2~20ポイント 休日:6~40ポイント 指定自販機・店舗:1~2pt |
最大の相違点は、メトポはTokyo Metro To Me CARD、ソラチカカードを持っていなくても、PASMOさえあればOKである点です。
乗車ポイントでは、メトロポイントPlusは月間乗車回数に応じたボーナスはないのに対して、メトポは存在しています。
メトロポイントPlusで獲得できるメトロポイント数は、カードの種別によって変わってきます。
メトロポイントPlusは電車の乗車だけではなく、「メトロポイントPlus加盟店」でPASMO電子マネーを利用すると、メトロポイントが貯まります。
- 店舗 :200円(税込)につきメトロポイント1ポイント
- 自販機:100円(税込)につきメトロポイント1ポイント
メトロポイントPlus加盟店には「メトロポイントPlusロゴ」を掲出しています。
- 店舗:売店(METRO'S)、Echika、Echika fit、Metro pia、Esola等ロゴ掲出先
- 自動販売機:自動販売機及びコインロッカー等ロゴ掲出先
メトポとメトロポイントPlusは相互に排他的な関係にはないので、併用することが可能です。
To Me CARD会員は、両方に登録してPASMOで乗車すると、ダブルでメトロポイントを獲得できます。
訴求力の高いポイント二重取りが可能です。将棋において飛車だけよりは、飛車・角の方が強いのと同様に、ポイントも一つだけよりは二つ獲得できる方が嬉しいですね。
ただし、メトポとメトロポイントPlusを合算することはできません。
To Me CARD会員はメトロポイントをANAマイルや楽天ポイントに交換できますが、メトポのポイントをこの用途で利用するのはできません。
デメリット
登録に若干の手間
メトポのデメリットは、Webや郵送での会員登録と多機能券売機での本登録を済ませないと利用できない点です。この点はJR東日本のJRE POINTと同一です。
To Me CARDのメトロポイントPlusを利用中の方も、別途メトポの登録手続きが必要になります。
多機能券売機設置駅は、日比谷線北千住駅、中目黒駅、中野駅、代々木上原駅、和光市駅、半蔵門線・副都心線渋谷駅、目黒駅を除く各駅となります。
西船橋駅の多機能券売機ではメトロポイントクラブのサービスは使えません。
これらの駅だけしか普段は使っていないという方ですと、いちいち他の駅に登録しに行く必要が生じます。
郵送での申し込みは、駅に設置したリーフレット中の申込書に必要事項を記入し、メトロポイントクラブ事務局宛に郵送する必要があります。この場合は切手代が自己負担となるのもデメリットです。
なお、メトポに登録したPASMOを変更することは可能です。他のメトポ会員登録に使われていないPASMOへの交換はOKです。1つのPASMOを2つの会員が共有することはできません。
モバイルPASMO(Android・iPhone)も以下の青いチャージ専用券売機でメトポに登録できます。
ポイントチャージが多機能券売機のみ
貯めたポイントをPASMOにチャージするには、東京メトロ各駅の多機能券売機でメトロポイントクラブの画面から金額を設定して手続きする必要があります。
パソコンやスマホでチャージできないのは、JRE POINTと比較すると弱い点です。
また、メトポで貯めたポイントはANAマイルには交換できません。ANAマイラーにとってはデメリットです。

まとめ
2018年3月24日からメトロポイントクラブ(メトポ)を利用可能になります。
To Me CARD会員だけではなく、PASMO、AndroidやiPhoneのモバイルPASMOを持っていれば誰でも使えます。
メトポの最大のメリットはPASMOチャージに使えるポイントが得られる点です。
ランクスコアに応じて「レギュラー」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」の4種類の会員ランクが付与されて、上位になるほど多くのポイントを獲得できます。
ランクスコアの獲得方法
- 東京メトロ線利用金額に対して、1円あたり1ランクスコア
- デイタイム乗車 (平日10:30~16:30):1日あたり50ランクスコア
- ホリデー乗車 (土日祝日):1日あたり70ランクスコア
- 定期乗車券:1ヶ月あたり3,000ランクスコア
ランクの判定は1ヶ月ごとで、乗れば乗るほどお得になる仕組みです。
月末時点のランクスコア
- 600未満:翌月の会員ランクは「レギュラー」→ポイント還元の対象外
- 600以上:「シルバー」→利用額の2%還元
- 4,000以上:「ゴールド」→5%還元
- 8,000以上:「プラチナ」→10%還元
従来の「メトロポイントPlus」とも併用でき、ザクザクと東京メトロ乗車でポイントを獲得できるようになります。
実際にメトポを活用して、年250ポイント程度を獲得しました。
主なデメリットはメトポで得たポイントは、東京メトロ各駅の多機能券売機でPASMOチャージする必要がある点です。
ただし、総合的に見て、短所より長所が勝っており、活用すると家計が助かる制度です。
特にPASMO定期券を利用していて、日常的にカードタイプのPASMOを持ち歩くか、スマホでモバイルPASMOを使う必要がある方にとっては、メリットしかない制度です。
実際に私もメトポで370円の還元を受けました。
PASMOの詳細、具体的な使い方については、以下で徹底的に解説しています。

PASMOの最大のライバルであるSuicaとの相違点は以下にまとめています。

PASMOとSuicaは改札から出た時もオートチャージが発動するようになり、より一層便利になりました。

PASMOは東海道新幹線にお得な運賃で乗車できるスマートEXも利用可能です。

JR東日本の新幹線では、利用開始の登録をするだけで在来線のようにSuica・PASMOをタッチするだけでOKのサービスが開始しました。

2020年3月14日からはインターネットで予約するとJR東日本の新幹線にSuica・PASMO・Kitaca・ICOCA等の交通系ICカードで乗車できるサービスが開始しました。

PASMOへのオートチャージがお得になるクレジットカードは、以下で精緻に分析しています。

2020年に開始したモバイルPASMOでは、手動チャージも可能です。

PASMOへのオートチャージなら、ANAマイルを貯めている方ならソラチカカードかANA東急カード、JALマイルを貯めている方ですとJALカード OPクレジットがおすすめです。
マイルは不要の場合は、自分がよく使う沿線のクレジットカードをおすすめします。独自特典が充実している傾向があります。
JALマイルを貯めたい場合は最大1%還元のJALカード OPクレジットがおすすめです。
ANAマイルを得たい方は、以下どれかの選択肢が有力候補です。
- ANA東急カード:最大1.0%
- ソラチカカード:スマリボの活用で最大1.54%
- ソラチカゴールドカード:スマリボの活用で最大1.5625%
マイルに関心がない場合はその他のカードのお得度はほぼ同一なので、メインカードとして使っているクレカでいいでしょう。
クレジットカード名 | 年会費 (税抜) | 還元率 | PASMO |
---|---|---|---|
Tokyo Metro To Me CARD Prime PASMO | 2,000円 初年度無料、 年50万円以上利用で 次年度以降無料 | 0.5%-0.6% | 一体型 定期券 |
ANA To Me CARD PASMO JCB | 2,000円 / 7,000円 | 0.5%-1.06% (マイル) | 一体型 定期券 |
TOKYU CARD ClubQ JMB PASMO | 1,000円 | 1.0% | 一体型 定期券 |
ANA TOKYU POINT ClubQ PASMOマスターカード | 751円 / 6,751円 | 0.5%-1.48% (マイル) | 一体型 定期券 |
JALカード TOKYU POINT ClubQ | 2,000円 / 6,500円 | 0.5% (TOKYU POINT) | 別カード |
OPクレジットカード | 年1回利用で無料 | 0.5% | 別カード |
JALカード OPクレジット | 2,000円 / 6,500円 | 0.5%-1% (マイル) | 別カード |
京王パスポートPASMOカードVISA | 年1回利用で無料 | 0.5% | 一体型 定期券 |
京王パスポートVISAカード | 年1回利用で無料 | 0.5% | 別カード |
SEIBU PRINCE CLUBカード セゾン | 無料 | 0.5% | 別カード |
京急プレミア ポイント シルバー | 無料 | 0.5% | 別カード |
京急プレミア ポイント ゴールド | 1,905円 / 951円 | 0.5% | 別カード |
京成カード(オリコ) | 無料 / 10,000円 | 0.5% / 1% | 別カード |
相鉄カード | 無料 | 0.5% | 別カード |
東武カード | 無料 | 0.50% | 別カード |
東京スカイツリー 東武カードPASMO | 1,000円 年10万利用で無料 | 0.50% | 一体型 定期券 |
Pastownカード | 1,250円 | 0.50% | 別カード |
パスタウンPASMOカード(VISA) | 1,250円 マイ・ペイすリボで無料 | 0.50% | 一体型 |
クレジットカードを活用すると、PASMOオートチャージがより一層お得になります。