Tポイントを運営しているCCCグループからiPhone・Androidスマホのアプリ「スマホサイフ」が登場しました。
「スマホ1つでポイントから決済まで利⽤できる」をコンセプトとしたアプリです。
ポイントカード、スタンプカード、電子マネー、クレジットカード、キャッシュカード等を1つのアプリに集約できる共通プラットフォームです。
スマホサイフのメリット、デメリット、使い方についてまとめます。
スマホサイフとは
スマホサイフとは、一言で述べるとサイフのカードおまとめアプリです。様々な店舗のポイントカード、スタンプカード、電子マネー等を、1つのアプリに集約して貯めたり使ったりできます。
当初のスマホサイフの提携企業は下表のとおりでした。
名称 | ジャンル |
---|---|
Tポイント(モバイルTカード対応店) | 共通ポイント |
モスバーガー | ファーストフード |
クリスピー・クリーム・ドーナツ | ドーナツ専門店 |
日比谷花壇 | 花屋 |
ライトオン | アパレル |
アメリカンイーグル アウトフィッターズ | |
GAP | |
NATURAL BEAUTY BASICなど TSI HDの36ブランド(予定) | |
ユナイテッドアローズ(実施ブランド検討中) | |
QUICPay(JCBグループ発行のみ) | 電子マネー |
2017年2月1日からは、シュークリーム専門店のビアードパパのポイントカードにも対応しました。300円(税込)あたり1ポイントが得られます。
5ポイント貯まる毎にパイシュー(カスタード)がもらえて、30ポイント貯めた場合は、オリジナルグッズかシュークリーム(季節限定商品を含む)に交換可能です。
2017年3月7日からは、「一風堂メンバーズカード」が利用可能になりました。500円(税込)ごとに1スタンプが押してもらえて、3スタンプで麺の替玉1皿または100円以下のトッピング1品がプレゼントされます。
5スタンプで200円トッピングから1皿、100円以下のトッピング2品などを使えます。30スタンプだと任意のラーメン1杯が無料となります。
2017年3月28日から、JCBのポストペイ型電子マネー「QUICPay」を追加できるようになりました。直近6件の利用履歴を確認できます。
2017年11月中旬からAndroidのスマホサイフでは、楽天Edyの発行・Edy残高確認が可能になります。 アプリを起動して、カード追加メニューから楽天Edyを選択できるようになります。
マイカードメニューから、楽天Edyの残高、6件までの履歴を確認することができます。iPhoneのiOSのスマホサイフではEdyを利用できません。
2017年6月29日からは、大手ドラッグストアのマツモトキヨシポイントカードに対応しました。スマホサイフのバーコードを提示するだけで、支払金額に応じたポイントを貯められます。
また、バーコードを提示することで200ポイント以上、1ポイント単位で1ポイント=1円として利用可能です。
スマホサイフを利用できるのはAndroidのおサイフケータイ対応端末のみであり、おサイフケータイアプリと機能面での相違点はありません。
Tポイント等ではポイントが貯まるだけではなく、ポイント利用での決済にも対応しています。残高や利用履歴もアプリで確認可能となりました。Tポイントがますます便利になります。
利用方法はお店でモバイルSuicaのように決済端末にスマホをかざしたり、バーコードを提示して読み取ってもらうだけです。
留意点としては、スマホサイフのモバイルTカードで利用できるのは、一部店舗のみである点です。ENEOS、マルエツなどは非対応です。
対応店舗はTSUTAYA、蔦屋書店、吉野家、すかいらーくグループ(※)、ファミリーマート、ウエルシア、オートバックスセブン、洋服の青山、カメラのキタムラ、ドラッグユタカ、THE SUIT COMPANYなどです。
ガスト・バーミヤン・夢庵、グラッチェガーデンズ、藍屋、ステーキガスト、ジョナサン、しゃぶ葉
「利用するのは対象店舗のみ」という場合でない限りは、やはりカードタイプのTカードがTポイントを活用する上で必要です。
スマホサイフに取り込めるサービスで、最もスタートが早いのはモスバーガーで2016年7月下旬サービス開始予定でした。
ライトオンとアメリカンイーグル アウトフィッターズが夏に開始予定、Tポイントと日比谷花壇・NATURAL BEAUTY BASICなどが秋、それ以外は冬というスケジュールでした。
QUICPayはポストペイ型(後払い方式)の電子マネーで、事前にチャージする必要がない点がメリットです。
使った金額は後日、登録したクレジットカードから引き落とされます。残高を定期的にチェックしてチャージという手間がないので利便性が高い電子マネーです。
これまでQUICPayはカードやキーホルダータイプの他、おサイフケータイでも利用可能でした。
スマホサイフの登場によって今後はおサイフケータイ機能がないiPhoneや、安価な海外メーカー等のAndroidでもQUICPayが利用可能になります。
当初は提携企業がありませんが、クレジットカード、キャッシュカード機能を搭載することも可能となっています。
メリット
お財布の中の様々なカードを「スマホサイフ」アプリに集約することで、財布に入れるカードの枚数を減らすことができます。
クレジットカード、キャッシュカード、ポイントカード、電子マネーなど多様なカードがあり、お財布があっという間に満パンになってしまう方も多いでしょう。
カードの枚数を減らせるのは大きなメリットです。
スマホアプリが用意されているポイントカード等もありますが、結局各社のアプリをそれぞれ別個にインストールして管理する必要があります。
スマホサイフは一つのアプリで複数のポイントカード等を管理できる点にエッジ・優位性があります。
また、おすすめのカードや、お店に関するお得な情報、クーポン等もまとめてチェックできます。プッシュ配信する設定も可能なので気づかない心配がありません。
企業側としては顧客のポイント・スタンプ・電子マネー等の利用促進に加えて、お店の情報やクーポンの発信による販促効果も見込んでいるのでしょう。
一例として2017年10月16日~12月15日は、以下の10ブランドでお得なキャンペーンが開催されます。
- マツモトキヨシ
- モスバーガー
- Right-on
- ビアードパパの作りたて工房
- 一風堂
- クリスピー・クリーム・ドーナツ
- American Eagle Outfitters
- 北の家族
- ワッツ
- Tカード
一風堂やクリスピー・クリーム・ドーナツなどで、スマホサイフでしか手に入らない裏メニューを期間限定で提供されます。
スマホサイフに北の家族メンバーズカードを登録していると、北の家族では「ハイボールが半額になるじゃんけん挑戦権」がもらえます。
AEO FRIENDSをスマホサイフに登録していると、American Eagle Outfittersでは、何度でも使える10%OFFクーポンが得られます。
2017年10月~12月は「史上最大の裏メニューカーニバル'17」。2018年2月16日~3月31日は「超得満載!! 裏メニューカーニバル」が開催されました。
「スマホサイフ」アプリ会員限定で特別な裏メニューを楽しめます。
シダックスではタピオカドリンクのタピオカ2倍、クリスピー・クリーム・ドーナツではアイスのトッピング、一風堂ではオリジナルトッピング(桜玉)等が無料で提供されます。
スマホサイフはこのようなお得なキャンペーンを定期的に開催しています。
デメリット
スマホアプリなので、スマートフォンのバッテリー(電池)が切れたら使えなくなってしまいます。
また、落下等による故障、紛失、盗難時も使えなくなります。これはおサイフケータイと同じデメリットです。
スマホに対する依存度がより一層向上するので、モバイル・バッテリーの重要性がアップします。
私は毎日の通勤時はエレコムの株主優待でもらった軽い3,000mAhくらいのもの、出張・旅行時は無難にAnkerの10,000mAh(購入時点では最小最軽量・180g)を使っています。
クレジットカードやキャッシュカードもスマホサイフは対応可能となっており、今後の展開に期待が持てます。
しかし、スマホサイフだけにしてカードをお財布に入れないと、万が一の時に決済したりお金を引き出せなくなり、緊急に対する脆弱性は増幅します。
やはりメインのクレジットカードとキャッシュカード各1枚ずつくらいはお財布に入れないと落ち着かなさそうです。
それでもあまり使わないサブカードはアプリだけにできるので、お財布の中に入れるカードの枚数を減らす効果は大いに期待できます。
ポイントカードやスタンプカード程度であれば、バッテリー切れ等で貯めることができなくても、実害は大きくないので、それらはスマホサイフに集約できますね。
後は複数のTポイントカードを使っている場合、複数のTポイントカードを登録できないのもデメリットです。
例えば、ファミマTカードは、ファミマTカード限定の割引やポイントアップがある品物もあります。
しかし、ファミマTカードとソフトバンクカードの両方をスマホサイフに登録することは不可能で、Tポイントカードの使い分けができません。
登録方法・使い方は簡単
スマホサイフにポイントカード、プリペイドカード等を登録する方法は簡単です。
アプリ上部のメニュー「マイカード」や「カード追加」から登録することが可能です。
各サービスのWeb会員に未登録の場合は、会員登録が必要な場合があります。
各ポイントカード等を利用する場合は、マイカードからタップすればバーコードが表示されるので、それをレジで提示すればOKです。
まとめ
スマホサイフは仕組みとしては単純ですけれども利便性が高くて実用的です。お得なクーポンやキャンペーンを上手く活用すると家計が助かります。
CCCは、『今後は「スマホサイフ」アプリが、あらゆるカードを集約する共通プラットフォームとして、国内におけるデファクトスタンダードとなるよう、新たな顧客価値の創造を図ってまいります。』と意気込みを述べています。
当初の対応サービスで利用する方が多そうなのは、Tポイントとモスバーガーあたりです。その後に追加された電子マネーでは、QUICPay、Edyの利用履歴・残高照会も便利です。
まだ開始時点では対応アプリが多くないので、すぐに使い始める必要性は高くありませんが、今後の発展を期待したいサービスです。
また、TポイントのCCCに対抗して、Pontaポイント、dポイント、WAON POINT等の陣営も同じような利便性の高い仕組みを構築してくれることを期待します。
ただ、複数の同じようなアプリが乱立すると、結局どのポイントカードがどのアプリにあるのかという問題が浮上してイタチごっこにもなりそうです。
消費者としてはスマホサイフだけという状況が便利かもしれません。自由競争があるので難しいでしょうね。
乱立した場合は、スマホサイフのような「ポイントカード等まとめアプリ」を、更にまとめるアプリ(まとめのまとめアプリ)のニーズも高まりそうです・・・。