2017年4月以降、クレジットカードと現金でも、国民年金保険料の「2年前納」が可能になりました。
国民年金の前納制度は、保険料をまとめて前払いすると保険料がディスカウントされてお得になる制度です。6カ月前納、1年前納、2年前納の3種類があります。
最も割引額が大きいのが「2年前納」です。2016年度は6ヶ月前納は1,110円OFF、1年は4,090円OFFでしたが、2年はなんと15,690円とパワフルでした。
2016年までは2年前納は口座振替か現金払いしかミッション・インポッシブルでした。しかし、2017年からはクレジットカード払いが可能になりました。
クレジットカード払いだとポイント・マイル・キャッシュバック等が受けられるというメリットがあります。国民年金の保険料のクレジットカード払いについてまとめます。
クレジットカード払いの概要・割引額・手続き
国民年金の2年前納の割引額は、口座振替の場合と、クレジットカードや現金の場合では、金額が異なります。
クレジットカードは納付書で収めた場合の割引額となり、口座振替での前納払いによる割引は適用されません。数百円~1,000円程度、割引額が小さくなり保険料が上がります。
これは手数料や手間代という趣旨でしょう。2017年度の具体的な割引額は、厚生労働省告示により金額が確定次第アナウンスされます。
2016年4月における2年前納の割引額は、口座振替が15,690円でした。具体的な起算方法は以下のとおりです。
- 平成28年度保険料16,260円×12カ月+29年度保険料16,490円×12カ月=393,000円
- 393,000円-15,690円=377,310円
2016度保険料額から推計すると、クレジットカード・現金納付による2年前納の割引は、2年間で15,000円程度となる予定です。
口座振替と比較すると1,000円程度高くなります。しかし、クレジットカードはポイント・マイルなどが得られるので、十分にペイします。
クレジットカードでの2年前納の申し込み期限は毎年2月末となります。2017年度分は2017年1月20日から受付開始となります。
2年前納の手続きを郵送で行う場合は、郵便物の到着までに日数がかかるので、早めに送るのがベターです。
口座振替の場合は、「国民年金保険料口座振替納付(変更)申出書兼国民年金保険料口座振替依頼書」(長い!!)に必要事項を記入の上、預貯金口座を金融機関(郵便局を含む)の窓口、または年金事務所(郵送も可)へ提出します。
本丸のクレジットカードの場合、「国民年金保険料クレジットカード納付(変更)申出書」に必要事項を記入の上、年金事務所(郵送も可)へ提出する必要があります。
申し込みには、基礎年金番号の記入が必要となります。また、当然ながらクレジットカードの番号などの情報記入が必要です。
ボールペンで記入して捺印して郵送もしくは窓口に提出という手間が発生するのがデメリットです。地味に面倒な事務処理が発生します。
2017年1月4日からは、所得税、相続税、法人税、消費税、贈与税、たばこ税などの国税でも、クレジットカード納付がスタートしました。
こちらは「国税クレジットカードお支払サイト」でサクッとお手軽に納税できるので、極めて便利です。パソコンやスマホ&インターネット時代においては、手記入&捺印は面倒なことこの上ありませんね。
国民年金保険料のクレジットカード納付も、できればインターネット上で手続きできれば最高です。今後の改善を期待したいところです。
手続きが完了した場合、申込から数週間後に「国民年金保険料クレジットカード納付のお知らせ」が送られてきます。NGだった場合は、「クレジットカード有効性確認結果のお知らせ」が届きます。
本人以外の他者名義のクレジットカードでも、国民年金保険料の納付は可能です。例えば夫名義のクレジットカードで、妻の保険料払いが可能です。
カード会員との続柄が配偶者以外の場合、カード会員に対して年金事務所から電話または書面による同意確認が行われます。
国民年金保険料を2年間前納した場合、2年分の保険料の総額を、支払った年度の社会保険料控除の対象にすることが可能です。
所得が増えそうな時は所得控除によって所得税・住民税が減るというメリットもあります。2年間前納した場合でも、2年目の分は翌年に繰り越すこともできます。
2年前納のデメリットとしては、前納した後に大病で就業不能に陥った場合など、国民年金保険料の減免を受けられるようになっても、前納した期間は保険料の減免が受けられなくなる点です。
しかし、こうしたリスクは低いのが通例ですので、デメリットを考慮してもなお2年前納にはメリットがあり、かつクレジットカード払いが可能になったことによって、利便性・お得さがストップ高となりました。
まさに株式投資の用語におけるGU(ギャップ・アップ)です。2年で15,000円相当がお得になり、かつクレカのポイント等を得られるのは絶大なメリットです。
美味しい食事、楽しい旅行、好きなアイテム購入など様々なことが可能になる金額を浮かせることが可能です。
国税に続いて国民年金の保険料もクレジットカード払いが可能になり、どんどん便利になってきています。
前納金額が利用可能枠を上回らないか注意
クレジットカードの支払い方法は1回払のみです。当然ですが、クレカの利用可能枠が前納金額を上回っている必要があります。
30数万円になるので、可能枠を確保しておきましょう。カード利用限度額・有効期限などの確認作業は、2年納付の場合、4月の月初から数えて第8営業日から18日の間に行われます。
注意点としては、カード利用限度額の超過などによって、クレジットカード決済ができなかった場合、その対象期間は毎月納付の扱いになってしまうことです。
この場合、4月分を納付書により現金で納付することになります。
今のクレカが限度額が40万円や50万円で利用可能枠超過の懸念がある場合は、事前に入金さえすれば、限度額が無くなるアメックス、ダイナースがおすすめです。
アメックス、ダイナースクラブカードには、一律の限度額は設定されていません。
ただし、無制限にカードが利用できるわけではなく、ユーザー一人一人の状況に応じてフレキシブルに利用に際しての目安額が設定されています。
アメックスには税金のみ、事前にアメックスの銀行口座に振込めば、その範囲で利用できる事前入金(デポジット)の制度があります。
例えば、700万円を事前入金しておけば限度額700万円のクレジットカードとして使えます。高額の税金の支払いがある場合、事前入金しておけば限度額の制限でカードが使えないという事態はありません。
アメックスの銀行口座に振り込むことになります。振込手数料は自己負担ですので、他行宛振込手数料が無料の銀行から振込みましょう。
クレジットカード特有の支払いの後払いはできませんが、ポイントかマイルが貯まるというメリットがあります。余った入金額は次回以降の支払いに利用できます。
事前承認手続きを行う場合は、フリーダイヤルで通話料無料のデスクに電話をかければOKです。具体的には事前承認係に連絡しましょう。
利用例を挙げると、合計で約1200万円の支払いを行う必要があり、アメックスにその旨を相談したら800万円振り込んでくださいと案内されたケースがあります。
アメックスの銀行口座に振り込む際にはカード番号を必ず名前の前後に入力しましょう。振り込んだらすぐに「お支払い/調整金額」に反映されます。
以下は12,026,503円のカード利用を行い、800万円を事前振込みして、次回の引落しが4,026,503円になっている例になります。
例えば7月25日にカードで支払う場合、24日までに振り込んでおけば、その夕方にアメックスが振込を確認して、決済できるようにしてくれます。
国税のクレジットカード払いに使うクレジットカードとしても有力です。この場合は還元率0.5%となりますが、ポイントをマイル交換に使う場合はお得です。
ダイナースの方は、ダイナースプレミアムでどれ程の金額を決済できるのか相談したことがあります。
金額が大きい場合は、まず会員デスクの電話で相談した方では決済ができず、内部で検討して後日回答という流れになりました。
時間はかからずにすぐにコールバックをいただきました。「事前にお振込みいただければOK」という結論でした。
少なくても数千万円台まではラグジュアリーカード同様に事前入金すれば決済できます。
家でも、フェラーリでもロールス・ロイスでも、飛行機でも業者が対応していれば、ダイナースで買うことが可能です。
事前入金は必要でクレジットカード特有の支払いの後払いはできませんが、ポイントが貯まるというメリットがあります。余った入金額は次回以降の支払いに利用できます。
おそらく一般のダイナースクラブカードでも同様の取扱いになります。
ダイナースの利用限度額については、平カード、プレミアムカードの双方を保有した経験に基づき、以下で丹念に分析しています。
例えば、100万円を事前入金しておけば限度額100万円のクレジットカードとして使えます。
高額の税金の支払いがある場合、事前入金しておけば限度額の制限でカードが使えないという事態はありません。
他社のカードだと利用限度額という壁にぶち当たるケースがあります。しかし、ダイナースなら利用限度額の壁を突破できます。
クレジットカード会社に課せられた制約によって国民年金保険料の前納に支障をきたす事態はなくなります。アメックス、ダイナースの事前振込のシステムは一歩先に進んだ画期的な制度です。
クレジットカード特有の支払いの後払いはできませんが、ポイントが貯まるというメリットがあります。余った入金額は次回以降の支払いに利用できます。
アメックスの事前入金の仕組みは秀逸なクオリティであり、国民年金保険料の支払いでも八面六臂の活躍を見せてくれます。
アメックスゴールドプリファードかグリーンに入会すると、お得な入会キャンペーンが適用されます。
ボーナスポイントがプレゼントされて、なんと年会費を超える価値があるポイント等を得られます(1ポイント=1ANAマイル)。
- アメックス・ゴールドプリファード:100,000ポイント
- アメックス・グリーン:35,000ポイント+初月1ヶ月分の月会費が無料
「何でアメックスはこんなに破格のキャンペーンを行っているの?」と疑問に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
これに関しては、アメックスの充実したサービス・高いステータスを実感すると、ずっと利用する方が多いからです。
大量のポイントを獲得できるキャンペーンですので、アメックスをまだお持ちでない方は、この機会にぜひ発行してみてはいかがでしょうか。
更に充実の特典をご希望の場合、アメックスプラチナが候補となります。詳細は以下をご参照ください。
ダイナースクラブカードは年会費は高価ですけれども、多様な特典が付帯したメリットが多いクレジットカードです。詳細は以下で徹底解説しています。
以前にダイナースの五十嵐 幸司 代表取締役社長に取材しました。充実の特典、高いステータスの秘訣、クラブメンバーシップ・哲学など多様な角度で聞き倒しています!
ダイナースクラブカードには、銀座でお得な優待特典がある「銀座ダイナースクラブカード」もあります。
ANAとの提携カードであるANAダイナースカードについては、以下にまとめています。ANAカードとダイナースクラブカードの魅力が融合したカードです。
カードの有効期間が変更になった場合は、新しい有効期限がクレジットカード会社から日本年金機構に通知され、原則としてクレジットカード納付が継続します。
カード更新の際にいちいち手続きする必要はありません。これはナイスです!
ただし、カードの再発行や上位カードへの切り替えなどで、カード番号が変更となった場合は、申込用紙に必要事項を再記入して提出する必要があります。
クレジットカードの還元率の確認が重要
今後、国民年金の保険料のクレジットカード払いが急増した場合、国民年金保険料に関しては、ポイント還元率を下げるカード会社が出る可能性があることです。
国民年金保険料の支払いはクレジットカード会社が得られる手数料は僅少なので、改悪のリスクがあります。
現時点では、国民年金保険料は還元の対象外あるいは還元率が半減するカードはごく一部です。
しかし、今後は発生する可能性があるので、支払い前は念のためにカード会社のコールセンター、会員デスクに電話して確認するのが無難です。
個人用のおすすめクレジットカードについては、以下にまとめています。
日本有数のクレジットカードの専門家でいらっしゃる岩田昭男さんのおすすめクレカについては、以下で徹底的に解説しています。
クレジットカード界のレジェンドであり、キャッシュレス決済のカリスマ・菊地崇仁さんのおすすめカードには、珠玉のクレジットカードが集結しています。
多様な項目での最強のクレジットカードについては、以下で論述しています。
クレジットカードの中で特に高還元カードにフォーカスを絞った記事は以下の通りです。
VISAデビットカードでも国民年金保険料の支払いが可能です。前納の場合は、カードの確認作業の際に支払いが行われます。
2年納付の場合、4月の月初から数えて第8営業日から18日の間に行われるので、この期間は銀行預金の残高が保険料合計を下回らないようにしましょう。
デビットカードの中で最も高還元なのは楽天銀行デビットカードの1%です。楽天銀行ベーシックデビットカードは年会費無料なのでおすすめ!
名前 | 特徴 |
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楽天銀行デビットカード | 還元率1%で楽天スーパーポイント還元。デビットカードの中では基本還元率が日本一 |
住信SBIネット銀行 Visaデビット付キャッシュカード | 還元率0.6%。月1万円以上利用で住信SBIネット銀行のスマートプログラムのランクアップ。年会費無料 |
デビットカード(Mastercard) ※住信SBIネット銀行 | 還元率0.8%。月1万円以上利用で住信SBIネット銀行のスマートプログラムのランクアップ。年会費無料 |
プラチナデビットカード(Mastercard) ※住信SBIネット銀行 | 還元率1%。ラウンジキー、コース料理1名分無料サービス、手荷物無料宅配、モバイル保険など充実の特典 |
GMOあおぞらネット銀行のデビットカード | 還元率0.6%。1円単位でのキャッシュバックが魅力。年会費無料 |
セブン銀行 デビット付きキャッシュカード | 一般加盟店では還元率0.5%でnanacoポイントが貯まる。セブンイレブンでは1.5%。年会費無料 |
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ソニー銀行のSony Bank WALLET | 優遇プログラム Club S のステージに応じて、利用額の0.5%~2.0%がキャッシュバック。上限は20万円/月。年会費無料 |
PayPay銀行のVisaデビットカード | 0.2%PayPayポイント還元。年会費無料 |
三菱UFJ-VISAデビット | 利用金額の0.2%がキャッシュバック。年100万円のショッピング保険あり。年会費無料 |
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国民年金保険料の支払いは反復継続的な支払いなので、国際ブランド搭載のプリペイドカードでは、支払いが不可能だと思われます。
ちなみに国際ブランド搭載のプリペイドカードで最も高還元なのは、ポイント二重取りができるau PAY プリペイドカードです。
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Revolut | Visaブランド。還元なしも外貨決済の手数料がなく、為替コストも僅少なので、外貨建て決済におすすめ |
トヨタウォレット | Mastercardのネットで使えるプリペイドカード。リアル店舗ではiD決済が可能。還元率1% |
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JAL Global WALLET | カード利用でJALマイルを獲得可能。海外ATMでの現地通貨引き出し、クレジットカードでのチャージも可能 |
ANA JCBプリペイドカード | 0.5%のANAマイルが付与。JCB加盟店で利用可能 ANA JCBカード、楽天カードやヤフーカード等のJCBならチャージ無料 |
ANA VISAプリペイドカード | 0.5%のANAマイルが付与。Visa加盟店で利用可能。ANA VISAカード、ANA Mastercardならチャージ無料 |
エポスVisaプリペイドカード | エポスカード保有者が利用可能。ポイントをチャージしてVisa加盟店で利用可能。還元率0.5% |