ANA JCBカードというクレジットカードがあります。ANAカードとJCBの提携カードです。
特にソラチカカードはANAマイラーに大人気となっており、殿堂入り・レジェンドの称号にふさわしいハイ・クオリティー・カードです。
また、ANA JCB一般カードは年会費2,200円(税込)で毎年1,000ボーナスANAマイルを得られるので、1マイル2円と考えるならばトントンとなり、バイマイルの観点で保有することも選択肢となります。
ソラチカカード、ANA JCB一般カードの年会費は初年度無料、2年目以降は2,200円(税込)となります。
しかし、2年目以降も1,375円のキャッシュバックを受けて、消費税増税後の保有コストを825円(税込)まで引き下げることが可能です。
リボ払いのスマリボを活用することで、安い年会費で維持できてファンタスティックです。手順について解説します。
目次
JCBの自動リボ払いサービス「スマリボ」への登録で年会費が割引
JCBは他のクレジットカード会社と同様に、支払い分をすべて自動的にリボ払いに転換する自動リボサービスを提供しています。
以前は「支払い名人」という名前でしたが、2019年に「スマリボ」にリニューアルしました。
スマリボに登録すると、以下のメリットがあります。
- 年会費のキャッシュバック
- Oki Dokiポイントが2倍(ボーナスポイントが+1倍)
- 国内ショッピング保険(年間100万円)が自動付帯
- キャンペーンの抽選口数が2倍
他方、初回からリボ金利手数料が発生する点がデメリットです。
また、毎月の支払元金は5,000円~20,000円と、10,000円~のコースの2つで、必ずリボ残高が残る仕様になっています。
基本的にはソラチカカード、ANA JCB一般カードを死蔵カードとして使っている方におすすめのサービスです。
スマリボの仕組みや内容の詳細については以下で徹底的に解説しています。
スマリボの登録で年会費のキャッシュバックあり
年会費の割引額
スマリボの主要な特典である年会費キャッシュバックの金額はカードの種類によって異なります。
種別 | 年会費(税込) | キャッシュバック金額 |
---|---|---|
一般カード | 1,375円以上 | 1,375円 |
1,375円未満 | 年会費(税込)と同額 | |
ゴールドカード | 5,000円以上 | 5,000円 |
5,000円未満 | 年会費(税込)と同額 |
JCBオリジナルシリーズはもちろん、ANA JCB一般カード、SFC、ソラチカカード以外のJCBカードでも1,375円の割引を受けられます。
ANA JCB ワイドゴールドカード、SFC JCB ゴールドカードの場合は5,000円割引です。
ただし、JCB THE CLASS、JCBプラチナカード、家族カードの年会費はディスカウントの対象外です。
ANA JCB 一般カード、ソラチカカード、SFC一般カードは年会費1,375円以上の一般カードなので、1,375円のキャッシュバックを受けられます。
スマホリボでのキャッシュバックの条件は、(1)スマリボへの登録、(2)年1回のカード利用の2点です。
年1回のカードショッピングのサイクルは、「カードの有効期限月の前月15日から1年以内」となります。Amazonギフト券15円でもOKです。
初年度は前年のカード利用実績がないので、割引は2年目以降からとなります。
ただし、ゴールドカード以下のJCBカードは多くのカードが初年度の年会費無料キャンペーンを開催しています。
初年度は無料で2年目以降は割引という形でお得に保持できるJCBカードが多いです。
キャッシュバックは他の優遇サービスと併用不可
JCBでは「スマリボ」以外にも、年会費の優遇やキャッシュバックが行われることがあります。
複数のキャッシュバックに該当した場合、最も高いキャッシュバック金額が優先して適用されて、重複適用はありません。
例えば、他の特典やサービスで1,375円以上のキャッシュバックを受けられる場合、スマリボによるキャッシュバックは対象外となります。
スマリボのポイントアップはソラチカのみ有意義
JCBのスマリボではポイントがアップする特典もあります。ソラチカカード、ソラチカゴールドカードのみ利用価値がありますが、その他のJCBカードではおすすめできません。
スマリボのポイントアップは原則として非推奨
スマリボを利用して金利が発生すると、Oki Dokiボーナスポイントが+1倍得られます。
1,000円あたり1ボーナスポイントで、1ポイント3マイルのレートで移行できるので、ANAマイル還元率は0.3%相当です。
三井住友カードのANA VISAカード、ANA Mastercardと類似の仕組みですが、スマリボの場合、10,000円を超える支払い分については、初回の支払いから金利が発生するのが大いなるデメリットです。
三井住友カードのマイ・ペイすリボは初回の支払い分は金利が発生せず、かつ初回の支払金額を利用限度額の範囲内で自由に設定可能です。
会員サイト「Vpass」の画面で、支払い額を簡単に変更できるのも便利な点となっています。
しかし、JCBのスマリボは10,001円以上の利用時はリボ残高が必ず残る仕様になっており、かつ初回の手数料も発生します。
したがって、約1.25%の月利リボ手数料と比較して、0.3%のANAマイルもしくは0.5%のnanacoポイントは圧倒的にお得ではない状況です。
バイマイルと割り切るとしても、よほどの緊急時を除いてはやはり1マイル2円前後のラインは守りたいところです。
ただし、面倒な手間をかけるとスマリボの手数料は極小化する手段が残されていますよ!
スマリボで唯一金利を抑える方法
スマリボには繰り上げ返済によって、低く金利を抑えてボーナスポイントを得る方法が存在しています。
ただし、三井住友カードとは異なり、会員サイト「MyJCB」での繰り上げ返済手続きは、翌月10日の引き落とし日に一括返済するスキームなので、それまでのリボ手数料は発生します。
毎月JCBのコールセンターに電話して、JCBの銀行口座に振り込むか、銀行やコンビニATMで繰り上げ返済する必要があります。1日でも遅れると金利がどんどん増加。
また、15日時点では請求に上がっていない明細が、毎月24日前後の最終確定前に滑り込む可能性もあります。
したがって、万全を期すならば15日にまず返済して、最終確定日前に再び繰り上げ返済する必要が生じます。
三井住友カードのマイ・ペイすリボと比較すると、絶望的な程に使い勝手が悪いのがデメリットです。
カード会社 | JCB | 三井住友カード |
---|---|---|
自動リボ名 | スマリボ | マイ・ペイすリボ |
リボ手数料 | 初回から発生 | 初回は0円 |
毎月の返済額 | 利用額に応じて自動決定 (必ず一定のリボ残が発生) | 利用限度額の範囲内で自由に決定可能 |
繰り上げ返済 | 会員サイトでは不可 | 会員サイトで可能 |
年会費割引 | ◯ | ◯ |
ポイントアップ | ANAマイル:+0.3% その他:最大+0.5% | ANAマイル:+0.3% その他:最大+0.5% |
ソラチカカード / ソラチカゴールドカードなら有意義
スマリボはソラチカシリーズの場合、年会費を抑えて高還元のANAマイルを得られて、むしろ得することが可能です。
カード名 | 年会費(税込) ※スマリボ割引後 | 最大還元率 |
---|---|---|
ソラチカカード | 3,575円 (2年に1回マイル交換) | 1.5400% |
ソラチカゴールドカード | 10,400円 | 1.5625% |
差 | 6,825円 | 0.0225% |
以下、スマリボで得する方法について掘り下げて解説します。
年間の利用額に応じて最大1.075%のマイルが獲得可
ソラチカカードはJCBスターメンバーズが適用されて、年間のショッピング利用金額が一定以上になると、翌年度のポイント還元率がアップします。
前年度の年間利用額 | ステージ | ボーナスポイント | ボーナスマイル付与率 | 合計マイル付与率 |
---|---|---|---|---|
50万円以上 | スターβ | 10% | 0.03% | 1.03% |
100万円以上 | スターα | 20% | 0.06% | 1.06% |
300万円以上 (ゴールドのみ) | ロイヤルα | 25% | 0.075% | 1.075% |
メトロポイント経由でANAマイルに交換すると最大1.125%還元
ソラチカカードは交換を工夫するとボーナスポイント分は1.5倍のレートで交換できます。
年間利用額に応じたボーナスポイントは、そのままANAマイルに交換すると1ポイント3マイルです。
しかし、ボーナスのOki Dokiポイント→メトロポイント→ANAマイルと交換すると、1ポイント4.5円になっちゃいます!
- ボーナスポイント→ANAマイル:500 Oki Dokiポイント→1,500マイル
- ボーナスポイント→メトロポイント→ANAマイル:500 Oki Dokiポイント→2,500メトロポイント→2,250マイル
したがって、ソラチカ一般カードは最大1.09%、ゴールドカードは最大1.125%となります。
- ソラチカカード:年100万円以上利用時、通常1%+ボーナス0.09%=1.09%
- ソラチカゴールドカード:年300万円以上利用時、通常1%+ボーナス0.1125%=1.1125%
Oki Dokiポイントをメトロポイントに交換できるのはソラチカカード、ソラチカゴールドカードだけですので、オンリー・ワン、スペシャル・ワン、エアフォース・ワンの力を誇っています。
スマリボを活用すると最大1.5625%還元
ソラチカカード、ソラチカゴールドカードは自動リボ払いサービスの「スマリボ」を活用すると、更に高還元で得することが可能です。
スマリボは基本的にはANA JCB一般カード、ソラチカカードを寝かす場合に、年会費が割引になってお得なサービスです。
しかし、繰り上げ返済の手間を許容できるなら、メインカードとしてガンガン活用する場合でもお得な制度です。
スマリボを設定すると、通常ポイント・マイルとは別に通常0.3%ANAマイル相当のOki Doki ボーナスポイントを得られます。
+1倍のOki Dokiボーナスポイント=3マイル(0.3%)
これをOki Dokiポイント→メトロポイント→ANAマイルという「新ソラチカルート」でANAマイルに移行すると、1.5倍の0.45%のANAマイルとなります。
したがって、ソラチカカードのANAマイル還元率は、最大で一般カード1.54%/ゴールドカード1.5625%となります。
前年度の年間利用額 | 基本還元率 | 新ソラチカルート ボーナスマイル付与率 | 合計マイル付与率 |
---|---|---|---|
50万円未満 | 1% | 0.45% | 1.45% |
50万円以上 | 1% | 0.495% | 1.495% |
100万円以上 | 1% | 0.54% | 1.54% |
300万円以上 (ゴールドのみ) | 1% | 0.5625% | 1.5625% |
なんと年会費155,000円(税抜)のANAダイナースプレミアムを凌駕する高水準に昇華しますよ!
新ソラチカルートの活用によって、日常のカードショッピングでANAマイルをザクザクと獲得できてファンタスティックです。
公式サイトソラチカカード 公式キャンペーン
スマリボを活用した還元率UPの方法の詳細については、以下で解説しています。
スマリボへの登録方法
JCBのスマリボに登録する方法は、繰り上げ返済とは異なり、非常に簡単なのでご安心ください。インターネット経由で会員サイトにてサクッと簡単に手続きできます。
まず、JCBの会員サイト「My JCB」にログインして、上部メニューにある「リボ・分割払い&キャッシング」→「スマリボ(登録型)の登録・変更」と選択します。
そして、ゆとりコース、標準コースのどちらかに登録すればOKです。
スマリボ登録後、やはり1回払いに戻したくなったら、こちらのページでスマリボの登録解除も簡単にできます。
確認画面で変更内容を確認して、登録を完了させれば終了となります。
なお、JCBのApple Payキャンペーン、JCBのGoogle Pay キャンペーンをスマリボ登録カードで利用する場合、一時的に設定を解除しないと高額のリボ手数料が発生するので、必ず一時的に解除しましょう。
スマリボの設定完了後は、年に1回ANA JCB一般カードやソラチカカードを利用すると、年会費から1,375円がマイナスされます。
したがって、消費税が10%になった後のソラチカカード、ANA JCB一般カードの年間維持コスト(税込)は、「2,200円-1,375円=825円」!
年825円の支払いで毎年1,000マイルが継続ボーナスマイルとして獲得できます。マイル単価0.825円でバイマイルが可能でファンタスティックです。
ANAマイラーなら保有しないと損といっても過言ではありません!
仮に将来的に消費税が20%まで上昇したとしても、2,400円-1,375円=1,050円で、これでもマイル単価1.05円です。
また、ANA JCBワイドカードやANA JCBワイドゴールドカードをSFC用で保有しており、メインカードが他にあって寝かしている場合は、スマリボの登録&年1回の利用が選択肢となります。
まとめ
JCBのスマリボは自動リボ払いサービスであり、初回から年率15%の手数料が発生します。
しかし、月間の利用金額が10,000円以下の場合、標準コースに設定すればリボ金利手数料は発生しません。
したがって、サブカードとして寝かせているソラチカカード、ANA JCB 一般カード、ANA JCB ワイドカード、ANA JCB ワイドゴールドカードはスマリボに登録することで、年会費を安く抑えられてスペシャルです。
シンプルで簡便な2ステップによって簡単に年会費が安くなり、毎年継続ボーナスマイルを得られます。
JCBのスマリボは利用金額の少ない死蔵カードと相性が良く、サブカードとして持っているソラチカカード、ANA JCB一般カードで活用するとお得です。
メインの決済カードをスマリボに登録する場合、Oki Dokiポイント+1倍を得る代償として、毎月の締日直後の繰り上げ返済の作業が必要になります。
リタイア後で時間敵余裕がある方など、この手間を厭わない方の場合は選択肢となりますが、大多数の方にはおすすめできません。
おすすめなのは年会費の割引にスマリボを活用する戦略です。
なんといってもスマリボに登録して年1回以上カードを利用するだけで、1,375円のキャッシュバックを享受できるのは魅力的。
低コストでソラチカカードとANA JCB一般カードを保有するのはおすすめです。
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ANA JCBカードは4種類のグレードが有り、ニーズに応じて選択できます。
各カードの比較をまとめると下表のとおりです。
ZERO | 一般/ソラチカ | ワイドカード | ワイドゴールド ソラチカゴールド | プレミアム | |
---|---|---|---|---|---|
限定デザイン | - | - | - | 数年に1度 | - |
年会費(税込) | 無料 (5年間) | 2,200 (初年度無料) | 7,975 | 15,400 | 77,000 |
マイル移行費用 | 無料 | 5,500 | 5,500 | 0 | 0 |
年間コスト(※) | 無料 | 4,950 | 10,725 | 15,400 | 77,000 |
家族会員年会費(税込) | 無料 (5年間) | 1,100 | 1,650 | 4,400 (ソラチカは 2,200) | 4,400 |
ポイント有効期間 | 2年 | 2年 | 2年 | 3年 | 5年 |
継続ボーナス | - | 1,000マイル | 2,000マイル | 2,000マイル | 10,000マイル |
フライトボーナス | +10% | +10% | +25% | +25% | +50% |
ANAワイドカード特典 | - | - | ◯ | ◯ | ◯ |
Gold Basic Service | - | - | - | ◯ | ◯ |
国内線ANAラウンジ | - | - | - | - | ◯ |
コンシェルジュ コース料理1名無料 関西有名テーマパークのJCBラウンジ 京都JCBラウンジ JCBプラチナカード特典 | - | - | - | - | ◯ |
プライオリティパス | - | - | - | - | ◯ |
楽天Edyチャージ | - | マイル× | マイル× | マイル付与 | マイル付与 |
旅行傷害保険 | - | 最高1000万 | 最高5000万 | 最高1億円 | 最高1億円 |
ショッピング保険 | - | 最高100万 | 最高100万 | 最高500万 | 年間最高500万 |
航空機遅延費用 | - | - | - | ◯ | ◯ |
※2年に1回マイル移行。自動リボのスマリボ利用の場合は割引あり
電子マネーの側面ではQUICPay(nanaco)を利用でき、セブン-イレブンでは屈指の高還元カードとなります。Apple Payも利用可能です。
各ANA JCBカードの詳細については、以下で徹底的に解説しています。
ANA JCB ワイドカードとANA JCB 一般カードの相違点については、以下で精緻に分析しています。
ANA JCBカードは、ANAカードとJCBの魅力が融合したクレジットカードです。大量のマイルを得られるキャンペーンも魅力的です。
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その他、ANAカードの種類、各カードの違いについては、以下で丹念に解説しています。
ANAカードの比較の結果として、グレードごとにおすすめANAカードを厳選した記事は以下になります。
以前ANAに取材して、ANAの安全運航に対する取り組み、搭乗までのサービス、ANAカードのお得な仕組みを伺いました。以下にまとめています。
また、JCBゴールド等を保有してあまり使っていない場合、繰り上げ返済の手間を許容できる場合は、活用を検討しえます。