ANA Payの旧コード決済はANAホールディングスとJCBが提携して運営しているモバイル決済サービスでした(2023年11月に終了)。
2023年6月に新規入会登録が停止されて、10月にチャージ・11月に決済がそれぞれ停止。9月以降に残高がある場合は返金されます。
2023年5月23日より新しいANA Pay(タッチ払い)が開始し、1ANAマイル=1円相当としてチャージできるようになりました(新しいANAマイルの使い道)。
電子マネーiDの決済や、バーチャルプリペイドカード機能でVisa加盟店でのオンラインショッピングも利用可能です。
VISA・Mastercard・JCB・ダイナースクラブのクレジットカードでチャージでき、ポイント二重取りが可能。アメックスには非対応となっており、ANAアメックス以外のANAカードならマイル二重取りできます。
また、特典航空券に必要なマイルを貯められないライトユーザーにとっては、1マイル=1円でタッチ決済やAmazonギフト券購入に使えるのはとても便利です。
また、2023年秋以降には新しいANA Payでも再びコード払いを利用できるようになります(詳細)。
さらに、ANA PayやANAカードでプレミアムポイントを獲得でき、ANA上級会員を目指す上でキャッシュレス決済が役立つ制度もあります。
ANA Payのメリット、デメリット、お得な使い方について解説します。
目次
年会費は無料
ANA Payの入会金・年会費は無料で、その他の維持コストもありません。完全無料で利用可能です。
ANA Payのコスト | 費用 |
---|---|
入会金・加入手数料など初期費用 | 無料 |
年会費 | 無料 |
データ維持費・事務手数料など | 無料 |
チャージ手数料 | 無料 |
更新手数料 | 無料 (有効期限なし) |
解約手数料・中途解約違約金 | 無料 |
再インストール手数料 | 無料 |
利用にあたっては、iPhoneもしくはAndroidスマホが必要であり、またインターネットにつながっている必要があります。
当面はiOS14以上のiPhoneのみですが、Android版も近日リリース予定です。
スマートフォンの購入費用、インターネットの費用(モバイル通信の場合)は自己負担です。iPhoneとAndroidの比較は以下で解説しています。
Wi-Fi環境下でも利用可能です。なお、公衆無線LANは同一ネットワーク内からの盗聴(中間者攻撃)などのリスクがあり、セキュリティ面で問題があるため、VPNソフトを使うのが無難・安全です。
ANA Payのメリット
ANA PayはANAマイルを獲得できる仕組みが豊富であり、トラベルに役立つのが利点です。
iD・Visaタッチ・オンラインショップでの支払いが可能で便利!ANAマイルも利用可能
先行しているPayサービスと比較しても、ANA Payは使えるお店が多くて便利です。
電子マネーiD、Visaのタッチ決済、Visaのオンライン加盟店で使えるので、幅広いシーンで利用できます。
1ANAマイル=1円としてチャージして支払うことも可能です。
基本0.5%マイル還元
クレジットカード・Apple Pay・セブン銀行ATM等でチャージした「ANA Pay キャッシュ」を利用して支払うと、200円(税込)の支払いごとに1マイルを獲得できます。ANAマイル還元率は0.5%です。
マイルは価値にレバレッジがかかるのが魅力的です。特典航空券へ交換すると、1ポイントの価値が数円に昇華します。
国内線特典航空券で利用すると1マイルの価値が1.5円~2円程度、国際線のビジネスクラスだと1マイル2.5~6円程度、ファーストクラスなら7~16円程度に跳ね上がります。
マイルの価値については諸説がありますが、通説に則り1マイルの価値を2円と考えると、実質還元率は1.0%となります。
ANAアメックス以外のANAカードでチャージしたら、ANAマイル二重取りが可能です。
旧ANA Payと同様にJCBカードでもチャージできます(おすすめのJCBカード)。
ただし、Oki Dokiポイントは付与対象外なので、JCBオリジナルシリーズからのチャージだとポイントを得られません。また、JCBプリペイドカードからのチャージは不可能です。
ANAカードを持っていない場合は、エポスゴールドカード・楽天カード・PayPayカード・イオンカード等を使いましょう。
ポイント対象外となるまでは、ANA Payへのチャージでポイントを得られる可能性があります。
なお、ANA JCB プリペイドカードへのチャージも楽天カード・PayPayカードはポイント対象で、JCB加盟店なら原則としてどこでも使えるので、ANA Payより格段に便利です。
旧ANA PayではANA Payマイルプラス加盟店で1%以上
旧ANA Pay時代は、ANA FESTA、はるまやグループ、てもみん等のANA Payマイルプラス加盟店でお買いものすると、更にボーナスマイルが付与されました。
店舗例 | 通常マイル | ボーナス | 合計 |
---|---|---|---|
ANA FESTA ANA Hangar bay Kitchen ANA DUTY FREE SHOP | 0.5% | 0.5% | 1.0% |
はるやま Perfect Suit Factory(P.S.FA) 大きいサイズの店 フォーエル HAL SUIT TOCHI-DOCHI | 0.5% | 0.5% | 1.0% |
てもみん コナカ フタタ FUTATA THE FLAG SUIT SELECT(店舗) DIFFERENCE | 0.5% | 1.0% | 1.5% |
なお、これらの店舗はANAカードマイルプラス加盟店でもあるので、ANAカード決済と比較した強みはありません。
新ANA Payでも同様の仕組みが導入される可能性があります。
ANAマイル二重取りで最大1.6%還元
ANAカードでANA Payにチャージすると、チャージ時と決済時の両シーンでANAマイルを得られます。
マイル二重取りが可能であり、一般加盟店では最大で基本1.6%還元となります。
カード名 | チャージ時 | 利用時 | 合計 |
---|---|---|---|
ANA JCB 一般カード ANA To Me CARD PASMO JCB その他ANA一般カード | 0.1% | 0.5% | 0.6% |
ANAカード学生用 | 0.1% | 0.5% | 0.6% |
ANA JCB ワイドカード ANA VISA/マスターワイドカード | 0.1% | 0.5% | 0.6% |
ANA JCB ワイドゴールドカード その他ANAワイドゴールドカード | 0.6% | 0.5% | 1.1% |
ANA JCBカード プレミアム その他ANAカード プレミアム | 1.1% | 0.5% | 1.6% |
ゴールドカード以上の場合、一般加盟店ではクレジット決済の基本還元率を上回るので、利用する価値が生じます。
ただし、ANAカードマイルプラス加盟店ではANAカード決済の方がお得になる場合がある点に注意が必要です。
また、スマリボを活用すると、一般加盟店での通常カードショッピングでも、ソラチカカードは最大1.54%、ソラチカゴールドカードは最大1.5625%となります。
お得なキャンペーン
ANA Payは定期的にお得なキャンペーンが開催されています(最新の状況)。
ANAプレミアムメンバーステイタス獲得チャレンジに役立つ
「ANAプレミアムメンバーステイタス獲得チャレンジ」では、プレミアムポイント以外にANA上級会員を目指せる手段の構築が検討されています。
航空機への搭乗に加えて、ANAマイレージクラブサービス利用、ANA PayやANAカードの利用額なども上級会員資格獲得の基準となります。
従来通りプレミアムポイントだけでもANAステータスやSFCを得られますし、決済サービスの利用なども組み合わせればフライトだけの時よりも、低いプレミアムポイントで上級会員になれます。
ANA Payを活用すれば、SFC修行も楽になります。
JQ CARD エポスゴールドなら合計2.25%ANAマイル&1.5%キャッシュバック
JQ CARD エポスゴールドをお持ちなら、EPOSミクシィANA Payルートが最高峰の還元率に昇華します。
エポスゴールドカード・JQ CARD エポスゴールドは、選べるポイント3倍ショップにミクシィを登録すると、MIXI Mへのチャージが1.5%になります。
年100万円ちょうどポイント3倍ショップで利用すると1%のポイントを得られるので、合計還元率は最大2.5%です。
改悪リスクが高いですが、ANA PayのVisaバーチャルプリペイドカードで、トヨタウォレットにチャージできます。
トヨタウォレットは利用で1%のキャッシュバックを得られて、モバイルSuicaチャージもポイント対象で便利です。
私自身は2023年5月26日19時20分にトヨタウォレット→ANA Payチャージが可能でした。
ただし、ANA Pay→トヨタウォレットチャージができないという意見もネットではあり、遠からず封鎖される可能性もあります。
現金還元派の方は最大5.5%還元が具現化
ANA Payはマイラーだけではなく、現金還元希望の方にとっても有意義です。
エポスゴールドカード(2.5%)→MIXI M→FamiPay(0.5%)→ANA Pay(0.5%)→トヨタウォレット(1.0%)→gifteeでmajicaギフト→ドン・キホーテで楽天ギフトカード購入も有効です。
- エポスゴールドカード→MIXI M(最大2.5%のエポスポイント)
- MIXI M→ファミペイ(0%)
- ファミペイ→ANA Pay(0.5%)
- ANA Pay→TOYOTA Wallet(0.5%)※ANA Payで1マイル=1円で利用可能
- TOYOTA Walletでgifteeにてmajicaギフト購入(1%キャッシュバック)
- ドン・キホーテで楽天ギフトカード購入
- 楽天ギフトカードをチャージして楽天ペイ(1.0%)
- 合計還元率(最大5.5%)
こちらは楽天ギフトカードの購入が合計4.5%、楽天ペイの通常利用で5.5%ですが、手間がかかって面倒なのが難点となります。
他のPayと共通の利点
機種変更時の手続きが簡便
おサイフケータイが面倒なのは、機種変更時のデータ移行です。
特に事前にチャージするプリペイド式の電子マネーの場合は、データ移行を忘れて残高がパーになる事態を避ける必要が生じます。
Apple Payはこの点が上手く工夫されていて、機種変更時も自動的に前に使っていたクレジットカードを一気に登録できます。
また、クレジットカードを再びカメラで読み込ませて、メッセージ等で本人認証するだけでOKと簡便です。
ANA Payもデータ移行の手間が小さく、機種変更後の新しいスマホにて、同じANAマイレージクラブ会員情報でログインするだけで使えるようになります。
煩わしい小銭・紙幣の管理が不要に
お買い物や飲食代金などの決済を行うと、支払額773円といった端数になることが多いです。
そういう時に千円札で支払うと、小銭が山のように出てお財布が重くなってしまいます。したがって、できる限り手持ちの小銭をうまく組み合わせて、お釣りが出ないようにしますよね。
しかし、小銭をいちいち探すのは手間がかかるし、時間もかかります。混んでいる時だと無言のプレッシャーを感じることもあります。
また、現金で支払いをしていると、どんどんお財布の中のお金が減っていくので、定期的にATMでおろして補充する必要が生じます。
ATMが混んでなければいいのですが、お昼や夕方などの時間帯は長蛇の列になっていることも多いです。
日常の支払いをANA Payのようなキャッシュレス決済サービス払いにすると、財布の中の現金はあまり減らないので、ATMを使う頻度は減少します。いちいちATMに並んでおろす時間と手間が省けます。
意義に乏しい無駄な時間と手間を省いて、その時間を好きなことや楽しいことに使って、人生を楽しむことができます!
スキミング等のリスクが低減
ANA Payの場合は店員さんにクレジットカードを渡す必要がありません。クレジットカードの情報も店舗には渡りません。
したがって、クレカをスキミングされたり、カード情報を写真撮影されて不正利用されるリスクがなくなります。
デメリット
ANA Payには長所が多い反面、短所も存在しています。
利用ごとに200円未満は切り捨て
ANA Payは1回の支払いごとにマイルが付与されるので、200円未満は切り捨てられます。198円や398円といった支払いだと無駄が多くなってしまいます。
ANA JCBカード払いなら1ヶ月の利用金額合計に対して、1,000円ごとに還元されるので、小口ポイントの切り捨てが少ないです。
有効期限は1年もしくは4年
ANA Payは他のPayのように都度クレジットカードで支払うことが出来ず、事前にチャージした範囲内でのみ使える方式です。
有効期限は最終チャージ日 or 支払日のどちらか遅い日から4年なので、使わなくなって忘れてしまうと失効のリスクがあります。
また、ANAマイルをチャージした「ANA Payマイル」残高は、有効期限は最後にANA Payマイルを使用、またはチャージした翌月から起算して1年です。
なお、ANA Payの有効期限は、アプリで簡単に確認できます。
WAON・nanacoチャージは不可能
ANA PayのバーチャルカードはVisaブランドなので、Apple PayでもWAON・nanacoへのチャージができません。
共通ポイント加盟店でのポイント二重取りは不便
Tポイント、Pontaポイント、楽天ポイントカード、dポイント等の共通ポイント加盟店で支払う場合、共通ポイントを貯める作業がケータイ一つだと少し手間がかかるのがデメリットです。
まずANA Pay以外のアプリでモバイルポイントカードを提示して、続いてANA Payを操作する必要があります。
これよりも共通ポイント一体型のクレジットカード1枚を出して決済した方がスムーズな側面があります。特にサインレス決済可能な店舗だとなおさらです。
ただし、サインか暗証番号の入力が必要になる店舗においては、ANA Payだとサインレスとなるメリットがあります。
また、現時点ではANA Payの対象店舗で共通ポイント加盟店はほぼないので、このデメリットは今後対応店舗が拡大した時の話となります。
ガラケーでは利用不可能
スマートフォンの普及が進行していますけれども、ガラケーを愛用している方も多いでしょう。
ANA Payはフィーチャー・フォンでは利用できないのがデメリットです。
また、Windowsスマホ、ブラックベリーでも利用できません。日本ではこれらのシェアは著しく低いですが、これらを使っている方は使えません。
ANA Payの使い方
ANAの公式サイトでANA Payの使い方は解説されています。
ANAマイレージクラブ アプリ(iPhone・Android)をダウンロードし、ANAマイレージクラブアプリ下部に出る「Pay」をタップすれば、チャージや支払いが可能です。
生体認証にも対応しているので、一度設定すれば利用の都度ログインID・パスワードを入力する必要はありません。
利用するごとにアプリやメールで通知する設定も可能なので、万が一の不正利用の際には迅速に察知できます。
まとめ
ANA Payの入会金・年会費は無料で、電子マネーiD、Visaのタッチ決済、Visaのオンライン加盟店で利用可能。200円(税込)あたり1ANAマイルを得られます。
VISA・Mastercard・JCB・ダイナースクラブのクレジットカードでのチャージ時、利用時に還元を二重取りできます。ANAアメックス以外のANAカードならマイル二重取りが可能です。
カード名 | チャージ時 | 利用時 | 合計 |
---|---|---|---|
ANA JCB 一般カード ANA To Me CARD PASMO JCB その他ANA一般カード | 0.1% | 0.5% | 0.6% |
ANAカード学生用 | 0.1% | 0.5% | 0.6% |
ANA JCB ワイドカード ANA VISA/マスターワイドカード | 0.1% | 0.5% | 0.6% |
ANA JCB ワイドゴールドカード その他ANAワイドゴールドカード | 0.6% | 0.5% | 1.1% |
ANA JCBカード プレミアム その他ANAカード プレミアム | 1.1% | 0.5% | 1.6% |
なお、スマリボを活用すると、一般加盟店での通常カードショッピングでも、ソラチカカードは最大1.54%、ソラチカゴールドカードは最大1.5625%となります。
2023年秋以降には新しいANA Payでも再びコード払いを利用できるようになります(詳細)。
ライトユーザーにとっては、1マイル=1円でチャージして支払いに使えるのが便利で、お得なキャンペーンが定期的に開催されており、その際にはバリューが高いキャッシュレス決済の手段となります。
ANA Payを使う場合は、マイル二重取りが可能でコストパフォーマンスが良好なANA JCBカードがおすすめです。
お得な入会キャンペーンも開催されています。
活用すると家計が頑健化し、獲得したマイルを活用して、新しい地平へ雄飛できる機会を手に入れられます。
公式サイトANA JCBカード 公式キャンペーン
JCB以外のANAカードも、入会キャンペーンが豪華絢爛です。
年会費有料のANAカードに抵抗がある場合は、JQ CARD エポスゴールド・エポスゴールドカード・楽天カード・PayPayカード・イオンカード等を使いましょう。
意欲があるならトヨタウォレットも活用すると、ANA Payへのチャージ+ANA Payからトヨタウォレットへのチャージ+トヨタウォレットの利用で三重取りが可能です。
JQ CARD エポスゴールドをお持ちなら、EPOSミクシィANA Payルートが最高峰の還元率に昇華します。
さらに手間をかけるなら、エポスゴールドカード(2.5%)→MIXI M→ファミペイ(0.5%)→ANA Pay(0.5%)→トヨタウォレット(1.0%)→gifteeでmajicaギフト→ドン・キホーテで楽天ギフトカード購入も有効です。
こちらは楽天ギフトカードの購入が合計4.5%、楽天ペイの通常利用で5.5%ですが、手間がかかって面倒なのが難点となります。
また、ANA Pay→トヨタウォレットチャージができないという意見もネットではあり、遠からず封鎖される可能性もあります。
ANA Pay以外の主要Payサービスは以下のとおりです。
おすすめのPayの種類