モバイルSuicaには「EasyモバイルSuica」という制度もあります。
年会費が無料というメリットがある一方で、モバイルSuicaと比較すると機能が大きく減少するというデメリットがあります。
EasyモバイルSuicaのメリット、デメリット、使い方についてまとめます。
目次
EasyモバイルSuicaとは
EasyモバイルSuicaは、モバイルSuicaと同様に、携帯電話等の携帯情報端末でカードタイプのSuicaのように電車に乗ったり、お買い物できるサービスです。
おサイフケータイ搭載のスマホやガラケーなど、モバイルSuica対応の携帯電話などが必要です。
モバイルSuicaに会員登録する時に、「EasyモバイルSuica」を選択すると使えるようになります。モバイルSuicaについては以下で徹底解説しています。
SuicaやPASMO、その他全国の相互利用可能な電子マネーエリアで電車に乗れます。
また、Suica加盟店やPASMO加盟店でのお買い物の際に、EasyモバイルSuicaで支払うことができます。
EasyモバイルSuicaは年会費無料です。クレジットカードを登録することなく使えるのが特徴です。
通常のSuica同様に、電車やバスの乗車だけではなく、Suica加盟店でのお買い物も可能です。
駅ナカやルミネ等のデパートのお弁当やお惣菜も買えます。日常のお買い物が小銭いらずになって便利です。
クレジットカードによるチャージが不可
EasyモバイルSuicaは、普通のモバイルSuicaとは異なり、クレジットカードでのチャージができません。チャージ手段は以下3つです。
- キャリア決済(2018年5月27日終了)
- 一部のコンビニ店頭での現金チャージ
- 銀行(モバイルバンキングによる入金)
EasyモバイルSuicaは「キャリア決済」でのチャージがメインでしたが、2018年5月27日に終了します。
NTTドコモは「ドコモ ケータイ払い」、auは「auかんたん決済」、ソフトバンクは「ソフトバンクまとめて支払い」で、携帯電話の利用料金と合算して支払うことになります。
携帯電話料金の支払いに使っている方法によっては、EasyモバイルSuicaのキャリア決済を使えない場合があります。
1ヶ月あたりのチャージの上限額は3,000円です。キャリア決済の手数料は当面無料で、モバイルSuicaを使える4:00~翌日2:00の間はいつでも利用できます。
キャリア決済の操作手順は以下のとおりです。
- 会員サイトのトップメニューから「2.SF電子マネー」を選択
- 「1.入金(チャージ)」を選択
- 入金(チャージ)額を入力
- 入金額を確認後、「3.入金する(通信キャリア)」を選択
- 取扱い対象のキャリア決済サービスから、自分が使っている携帯電話会社のサービスを選択
- 各キャリア決済サービスのサイトへログイン
- 電子マネーにチャージする金額を決済
- モバイルSuicaの画面に戻る
- 決済した金額が、受取可能な状態になっていることを確認し、「1.入金(チャージ)する」を選択
各キャリア決済サービスで一度チャージしたら、取り消すことはできません。
各キャリア決済の支払いをクレジットカード払いにしていたら、EasyモバイルSuicaへのチャージでクレジットカードのポイント等の還元を享受できます。
ただし、登録してあるクレジットカードによっては、キャリア決済できない場合があります。
この他、EasyモバイルSuicaはJR東日本の駅にあるコンビニ「NEWDAYS」、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート、サークルKサンクス、ミニストップ、イオンなどのコンビニ店頭でチャージできます。
レジでチャージする旨を伝えて、チャージ料金を現金で支払い、携帯電話等を読取り端末にタッチするとチャージできます。
EasyモバイルSuicaにチャージできる時間帯は、4:00~翌日2:00までの間です。
また、2019年9月までは、銀行のインターネットバンキングでもチャージできました。
auじぶん銀行は無料ですが、三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行は有料で、三井住友銀行とみずほ銀行は、取引状況によって無料にできました。
オートチャージ・定期券は不可
モバイルSuicaはビューカードを登録した場合、オートチャージが可能になります。
オートチャージとは、自動改札機にタッチして入場するだけで、Suicaへの入金(チャージ)ができる便利なサービスですね。Suicaだけではなく、PASMO改札でもオートチャージされます。
Suicaの残額が設定金額以下になると、自動改札の入出場時に自動的に設定金額がチャージ(入金)されるので、残額不足の心配がなくなります。
EasyモバイルSuicaはビューカードを登録できませんので、オートチャージは使えません。オートチャージの利用にはビューカードが必要です。
また、定期券を搭載することはできません。通勤、通学などあらゆる定期券を利用できません。
モバイルSuicaだと買える「Suicaグリーン券」は、EasyモバイルSuicaで購入できないので、駅の券売機などで買う必要が生じます。
EasyモバイルSuicaでグリーン車に乗ることはできません。エクスプレス予約も利用不可能です。
EasyモバイルSuicaは、モバイルSuicaと比較すると、使える機能がかなり限定的になります。
紛失・盗難・故障時も再発行は不可
EasyモバイルSuicaに登録した携帯電話等の携帯情報端末を無くしたり、盗難されたり、あるいは故障した場合でも、再発行ができません。
この点は、モバイルSuicaやカードタイプのSuica定期券・記名式Suicaとは異なります。
この場合、チャージ済みの残高は、連絡時点の残高から手数料をマイナスした金額が払い戻されます。
EasyモバイルSuicaとモバイルSuicaの比較まとめ
Easyと普通のどちらがいいのか一目でわかるように、EasyモバイルSuicaとモバイルSuicaの違いについて、表にまとめました。
項目 | モバイルSuica | EASYモバイルSuica |
---|---|---|
クレジットカードによるチャージ | ○ | × |
オートチャージ | ○ | × |
定期券 | ○ | × |
Suicaグリーン券 | ○ | × |
モバイルSuica特急券 (2020年3月13日終了) | ○ | × |
銀行チャージ (2019年9月終了) | ○ | ○ |
キャリア決済でチャージ (2018年5月27日終了) | × | ○ |
店頭での現金チャージ | ○ | ○ |
ネット決済 | ○ | ○ |
電子マネーでの鉄道利用 | ○ | ○ |
電子マネーでのお買い物 | ○ | ○ |
再発行 | ○ | × |
EasyモバイルSuicaはモバイルSuicaと比べると、大幅に機能は見劣ります。
ただし、各キャリア決済の支払いをクレジットカード払いにしていたら、EasyモバイルSuicaへのチャージでクレジットカードのポイント等の還元を享受できる場合もありましたが、こちらは終了しました。
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ビューカードを保有するのが嫌な場合は、携帯電話の支払いに登録したクレジットカードでチャージ代金を決済できる場合があるというメリットがあります。
キャリア決済によるビューカード以外のクレカのポイント獲得が、モバイルSuicaと比べたEasyモバイルSuicaの唯一のメリットでしたが、こちらは終了しました。
クレジットカードによるSuicaチャージが不要の場合で、定期券・特急券・グリーン車・オートチャージ機能は要らない場合は、EasyモバイルSuicaを検討しえます。
キャリア決済が終了した2018年5月28日以降は、クレジットカードが利用可能な場合はモバイルSuicaがおすすめです。
モバイルSuicaに登録するクレカはビューカードがおすすめです。ビューカード一覧については以下で徹底解説しています。
年会費無料にできるのはビックカメラSuicaカード、定期券一体型で最も低コストなのは「ビュー・スイカ」カードです。
アトレビューSuicaカードは年会費が477円(税抜)ですが、アトレでのポイントアップ、優待特典というメリットがあります。アトレをよく利用する方ですとお得です。
ルミネカードは年会費が上がりますが、ルミネで5~10%割引という特典があります。
エスパル仙台とフェザンをよく利用する方は、同じく5~10%お得になるエスパルカードとフェザンカードがお得です。
ビューカードにはゴールドカードもあります。年会費は高いものの、JR関連の特典が充実しています。
カード名 | 年会費(税抜) | 一般加盟店 | Suicaチャージ | 備考 |
---|---|---|---|---|
ビックカメラSuicaカード | 477円 (年1度の利用で無料) | 1.0% | 1.5% | ビックカメラでSuica払いならポイント二重取り |
「ビュー・スイカ」カード | 477円 | 0.5% | 1.5% | 定期券一体型。家族カードあり |
JRE CARD | 477円 | 0.5% | 1.5% | アトレ等のJRE CARD優待店で約3.5%還元 |
ルミネカード | 953円 | 0.5% | 1.5% | ルミネで5-10%OFF |
ビューゴールドプラスカード | 10,000円 | 0.5% | 1.5% | 年1回のプレゼント・東京駅ラウンジ等の特典 |
大人の休日倶楽部ミドルカード | 2,386円 | 0.5% | 1.5% | 大人の休日倶楽部パス、JR東日本線・JR北海道線5%OFF等 |
大人の休日倶楽部 ジパングカード | 3,968円 (夫婦会員6,780円) | 0.5% | 1.5% | 大人の休日倶楽部パス、JR東日本線・JR北海道線30%OFF等 |
JALカードSuica | 2,000円 | 0.5-2% | 0.5-1% (マイル) | JRE POINTをJALマイルに移行可 JALカード特約店は2倍 |
JALカードSuica CLUB-Aカード | 10,000円 | 0.5-2% | 0.5-1% (マイル) | JAL CLUB-Aカード特典 |
JALカードSuica CLUB-A ゴールドカード | 19,000円 | 0.5-2% | 0.5-1% (マイル) | ビューゴールドプラスカード特典 JAL CLUB-Aカード特典 |
「ビュー・スイカ」リボカード | 無料 | 0.5% | 1.5% | リボ払い専用カード |
Google PayのSuicaとの比較
EASYモバイルSuicaと同じく年会費無料で利用できるサービスとして、5.0以上のAndroidで使える「Google PayのSuica」があります。
どちらがいいのか一目でわかるように、2つのSuicaサービスの違いについて、表にまとめました。
項目 | Google PayのSuica | EASYモバイルSuica |
---|---|---|
利用可能端末 | 5.0以上のAndroid (おサイフケータイ) | モバイルSuica対応端末 (Android・ガラケー等) |
クレジットカード によるチャージ | ○ | × |
オートチャージ | × | × |
定期券 | △(※) | × |
Suicaグリーン券 | × | × |
モバイルSuica特急券 | × | × |
店頭での現金チャージ | ○ | ○ |
ネット決済 | × | ○ |
電子マネーでの鉄道利用 | ○ | ○ |
電子マネーでのお買い物 | ○ | ○ |
再発行 | × | × |
※モバイルSuicaアプリで定期券を使用している場合、Google Payからも定期券の継続購入が可能
EasyモバイルSuicaは、モバイルSuica対応端末ならばOKなので、古いAndroidやフィーチャーフォン(ガラケー)でも利用できます。また、銀行口座からのチャージ、ネット決済が可能となっています。
他方、Google PayのSuicaはクレジットカード・デビットカード・国際ブランド搭載型プリペイドカードによるチャージが可能で、得することが可能である点が最大のメリットです。
基本的にはGoogle Payが使えるAndroidを持っている場合は、Google PayのSuicaの方がおすすめです。
Apple PayではモバイルSuicaと類似の機能
7以降のiPhone、Series 2以降のApple Watchは、おサイフケータイに類似するサービス「Apple Pay」が利用可能です。
モバイルSuicaに類似した仕組みで電車・バス等に乗ることができます。また、iD、QUICPayの店舗でお買い物することが可能です。
Suica、PASMO(モバイルPASMO)は使えますが、SMART ICOCA、PiTaPaには対応していません。
7以降のiPhoneにフェリカの読み取り機と信号をやり取りする機能が搭載されて、フェリカ対応の読み取り機があるコンビニ、自販機、改札などで、iPhoneでの決済が可能となりました。
ビューカードをApple Payに登録すると、QUICPayとして割り当てられて、全国のQUICPay加盟店でお買い物できます。JRE POINTも貯まります。
QUICPayに割り当てられた場合、「QUICPay+」の機能もあるため、QUICPay+加盟店では2万円を超える金額も決済できます。加盟店はビックカメラ、ヨドバシカメラ、コジマ、Right-on、auショップ等です。
JCB、Mastercardブランドのビューカードの場合、店舗でのお買い物・Suicaアプリだけではなく、Walletアプリ内でApple PayのSuicaにチャージすることも可能です。
JR東日本が出しているiPhone用の「Suica」アプリの会員登録時にVISAのカードを登録して、Suicaアプリ内のチャージ画面で「クレジットカード」を選択すると、VISAでもチャージが可能です。
ビューカードの場合、QUICPayの利用分だけではなく、Suica利用分もポイント付与の対象になりました。「VIEWプラス」の対象商品となり、JRE POINTが3倍(還元率1.5%)です。
ポイントアップのキャンペーンが開催されることもあります。一例として2017年8月1日~10月31日は2.5%還元のキャンペーンが開催されました。
Apple PayでのSuicaチャージ、定期券・新幹線eチケットサービス・Suicaグリーン券の購入が対象です。
Visaブランドのビューカード、iiマークのあるカード(イオンSuicaカード等の提携カード)、ビュー法人カードはキャンペーン対象外となります。
モバイルSuicaと同様に、Apple Payでもビューカード限定でオートチャージが可能となりました。もちろん、オートチャージでも1.5%のポイントが得られます。
JRE POINTは券売機に行くことなく、会員サイトでApple PayのSuicaにチャージできるので便利です。全国どこに住んでいても活用できます。
Suicaアプリの「Suicaの詳細」画面にある「Suica識別ID」を、JRE POINTサイトに登録することでチャージ可能です。
2018年6月28日には従来のビューサンクスポイントがJRE POINTと統合して、使い道が拡大してますます便利になりました。
Apple PayとSuica、国際ブランドの関係については、以下にまとめています。
セキュリティも高く、安心に利用できるような頑健な仕組みとなっています。個人情報は、暗号化された状態で安全にデバイス内のセキュア・エレメントに保管されます。
Apple Payを使っている端末を紛失した場合、「iPhoneを探す」機能で紛失モードに設定すると、簡単にApple Payの利用を一時停止できます。
新しいiPhoneやApple Watchに、Suicaのチャージ残高や定期券を移行することも可能です。Apple Payが使えるクレジットカードについては、以下で比較しています。
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Apple PayのSuica機能の詳細、アップルペイでのSuicaチャージでポイントが貯まるクレジットカードについては、以下で分析しています。
実際にApple Payを使ってみた感想については、以下にまとめています。