SBI証券が個人向け社債を発行します。愛称はSBI証券債です。正式名称は「株式会社SBI証券 2019年3月29日満期 円建社債」です。
期間は約1年(2019/3/29償還)であり、利率は年0.40%です。2018年3月19日~26日に申し込めます。
SBI証券の親会社はSBI債(SBIホールディングス円建て社債)を発行していましたが、今回はSBI証券が発行する債券となります。
ユーロ市場で発行された円建債券(ユーロ円債)で為替リスクはありません。
利払日は年2回(2018/9/29、2019/3/29)です。2018年に入ってから初めてのSBI証券債についてまとめます。
特約・条項
SBI証券債には劣後特約はありません。通常の円建て社債となります。無担保・非劣後の債券で、他の無担保・非劣後債務と同順位となっています。
ネガティブ・プレッジ条項、クロス・デフォルト条項が付されていますが、これは社債の購入者にとって不利な条件ではないので問題ありません。
ネガティブプレッジ条項とは、契約期間中の担保提供を原則として禁止する条項です。
つまりSBI証券債を発行した後、SBI証券が他の銀行や機関投資家からお金を借りたり別の債券を発行する際に、担保を提供することが原則としてありません。
クロス・デフォルト条項は、債務者(SBI証券)の借り入れの1つが満期になっても返済されずにデフォルト(債務不履行)となった場合、債権者が返済を要求できる仕組みです。
つまり、一つの負債がデフォルトした場合、他の負債が返済期日が到来していなくても、デフォルトになったものと見なして金返せと言える仕組みです。
デフォルトの発生時に特定の債権者のみが債務者に対して優位な立場に立つことを防ぎ、全ての債権者を同一の条件に置く効果があります。
また、債務者が安易にデフォルトを行うことを抑制する効果があります。国際協調融資においては、債権者側から契約にこの条項を入れることが要求されることが多いです。
SBI証券債は社債の購入者側にとって不利な仕組みは特に内包されていません。一般的な円建て社債となっています。
SBI証券とは
SBI証券はSBIホールディングスの100%子会社のネット証券会社であり、SBIグループにおいて中核的な役割を担っています。
ネット証券業界における堅固な事業基盤、低コスト構造と比較的分散した事業構成に裏打ちされた収益の下方抵抗力の強さ、抑制されたリスク量が格付会社から評価されています。
リーズナブルな取引手数料、投資信託・外国株式・海外ETFなど豊富な商品ラインナップの両立を強みとしています。
グループのSBIマネープラザによる対面営業や、住信SBIネット銀行などとの連携も、口座数や預り資産といった顧客基盤の拡大に寄与しています。
近年では地銀との連携を推進しており、2017年3月から幾多の地域金融機関との提携を開始して、「地方創生」に積極的に取り組んでいます。
SBI証券の口座数および個人株式委託売買代金シェアはネット証券業界1位を長らくキープしています。
口座数は対面営業の大手証券会社に匹敵する水準で、個人株式委託売買代金については35%程度のシェアを確保しています。
ただし、預り資産残高の規模は大手証券会社に比べ小さくなっています。
株式委託売買業務、信用取引、FX、投資信託関連業務にも注力しており、他のネット証券会社と比べ収益源の分散化が進んでいます。
今後は、地域金融機関向け業務や新規公開・引受業務といった法人ビジネスの強化、SBIマネープラザを通じたIFAビジネスの強化などで、収益源の一層の分散と業容拡大を図っています。
純営業収益は拡大傾向にあり、人件費を中心に固定費は増加傾向にあるものの、経常利益も比較的安定しています。
2018年3月期第3四半期も、市況回復を受け投信関連収入や委託手数料収入が増加したほか、貸株取引が活発化し金融収支が改善しても絶好調となっています。
ネット証券会社の特性として、損益分岐点が低い水準に維持されていることから、取引高減少局面においても一定の利益水準を確保可能です。
財務面では、連結純資産額は2,086億円、連結自己資本規制比率は343.1%(2017年9月末)と、問題のない水準をキープしています。
資金調達面では、銀行借入やコールマネーなどを中心に多様な調達手段を確保しており、流動性の確保に支障はみられません。
近年では法人ビジネスに注力しているが、まだ規模は小さく自己勘定トレードにかかるポジションも限定的であり、証券業務にかかる市場リスクは小さくなっています。
グループで運営しているFX取引にかかるリスクはカバーを取ることで抑制しています。
SBI証券債はSBI証券で購入できます。
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SBI証券は1000万円までは銀行預金のような公的な保護(投資者保護基金)があるので安心・安全です。銀行預金と同じで万が一破綻しても保護されます。
口座開設・維持・入出金は無料です。まだ口座をお持ちでなければ、この機会にぜひ口座開設してみてはいかがでしょうか。
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SBI証券債の分析
2018年に入ってからは初のSBI証券債です。
高金利定期預金との比較
現在の1年もの高金利定期預金は、大阪市近辺に在住または勤務している方ですと、大阪協栄信用組合で1000万円以上預け入れると年0.45%です。
次点は大阪信用金庫の年0.37%です。地銀・振興銀行のネットバンキングも高金利の傾向にあります。
地銀では、香川銀行の金利トッピング定期預金は0.25%、超金利トッピング定期預金(1年もの・預け入れ金額は100万円限定)は年0.28%となります。
愛媛銀行四国八十八カ所支店、島根銀行のインターネット定期預金が年0.20%です。
各地に店舗がある銀行では、SBJ銀行が年0.15%です。
今回のSBIホールディングスの個人向け社債の利率は、大阪市近辺に在住または勤務している方以外だと、ノーリスクの定期預金を0.25%上回っています。
定期預金との利回り格差を見て、デフォルトリスクを考慮すると利率は妥当かという観点で検討することになります。
過去のデフォルトの確率
債券格付はBBB(R&I)、A-(JCR)です。長期発行体格付の方向性は「安定的」です。
R&IはSBI債、SBIホールディングスの信用リスクについて以下の通りに評価しています。
業界最大手のオンライン専業証券会社。SBIHDの100%子会社で、SBIグループの中核会社。グループの戦略上重要な存在であるうえ利益貢献度も高い。格付はグループ全体の信用力を反映している。
個人売買代金及び口座数、預かり資産残高でトップであるなど高い市場地位を維持している。
業界最低水準の手数料と幅広い品揃えに加え、住信SBIネット銀行などグループ企業との連携効果もあり、新規顧客の獲得能力は高い。
業績は株式市場の動向に大きく影響されるが、投資信託や外国為替証拠金取引(FX)の扱いなど、収益源も一定程度多様化している。
新規公開引受業務や地域金融機関向けビジネスなどホールセールビジネスにも注力している。
従来対面販売を強化してきたが、法人への販売強化も視野に入れ、グループ会社のSBIマネープラザを連結子会社化した。
株式ではブローカレッジ業務を中心としており、SBI証券自体のリスク選好度は低い。
業容の拡大や、グループ会社への貸付残高の増加でリスク耐久力は大幅に低下したが、格付に対し十分な水準にある。
収益源が一定程度分散しており、格付相応の収益耐久力を備える。コスト構造も格付対比で良好だ。
システム関連業務のグループ内製化でコスト削減に取り組んでおり、その動向を見守る。
R&IのBBB格社債(1年)の平均累積デフォルト率(1978~2016年度)は0.11%でした。
同じ格付の社債、店頭売買参考利回りとの比較
日本証券業協会のデータでは、R&IのBBB格社債(1年)の複利利回り平均値は0.276%です。
親会社のSBIホールディングスの社債の店頭売買参考統計値利回り平均(複利)は、残存期間約1年もの(2019/03/29償還)が0.658%でした。
財務状況
財務指標
自己資本比率は10.0%、有利子負債は4481億円、現金等は3915億円、営業キャッシュ・フローは-179億円です。
2014年3月期・2015年3月期と2期連続で過去最高益を叩き出し、2016年3月期も前期の特殊要因を除いた税引前利益では増益、収益(売上高)は過去最高を更新しました。
2017年3月期の営業収益は微増となり、2018年3月期は大幅な増収・増益が見込まれています。目下のところ絶好調となっています。
社債及び借入金の内訳
2017年3月末のSBIホールディングスの短期借入金の平均利率は0.58%、1年内返済予定の長期借入金は0.43%です。
長期借入金の平均利率は0.48%で、返済期限は2018~2023年です。
第4回無担保社債(3年)は年2.16%、第5回無担保社債(3年)は年2.15%でした。第6回無担保社債(社債間限定同順位特約付・3年)は年2.00%でした。
個人向け社債である第31回・32回のSBI債は年1.43%、33回は年1.42%、34回は0.70%、35回は0.48%、36回は0.5%でした。
第7回無担保社債(社債間限定同順位特約付)は年1.1%で、第8回SBI債は0.75%でした。
かつては高金利でしたが、堅調な業績推移、信用力の向上、マイナス金利政策によって、調達金利は著しく低下しています。
SBI社債の投資スタンス
金利は極限まで低下しており、日本ではハイイールド債市場が発達してなく、信用スプレッドが乗った社債がほとんどない状況下において、SBI債は貴重な高金利社債となっています。
もちろん高金利は高リスクの裏返しです。「1年なら大丈夫だろう」という意見が多いものの、SBI証券は事業構造から市況によって業績が大きく変動します。
今回の個人向け社債の利回りの中央値は、親会社のSBIホールディングス店頭売買参考統計値利回り平均(複利)と比較すると低めです。
足元では0.4%まで低下してしまい、定期預金との金利差が低くなり、積極的に買いたい社債ではなくなりました。
とりわけ安定的に絶対リターンを獲得できる投資家にとっては妙味がありません。
しかし、真面目にポートフォリオを組んで分散投資をするような投資家の方、株式・投信のような目に見える価格変動リスクは取りたくない方にとっては、選択肢となります。
申し込みは50万円以上、50万円単位です。デフォルトの可能性を考慮して、あくまで資産の一部を投資するのが無難です。全財産のうちかなりの部分を突っ込むようなことは止めましょう。
SBI証券債はSBI証券で申し込めます。インターネットだけではなくコールセンターでもOKです。
SBI債は先着順の時期もありましたが、大人気で瞬間蒸発となり、買えない投資家から不満が出たため、購入は抽選となることが増えています。
SBI証券債の抽選の申し込み(注文)は1人1回限りで、上限金額は5,000万円となります。期間は2018/3/19(月)13:00~ 3/26(月)17:00です。
申し込み受付完了後の注文の取消は、抽選申込期間中なら可能です。申込金額を変更したい場合は、一度キャンセルしてから再申し込みしましょう。
抽選の結果として最後に当選した方の申し込み分については、一部約定となる可能性があります。
抽選結果は2018年3月27日(火)20:00以降に、「メッセージボックス」>「当社からのお知らせ」で表示されます。
当選した場合は「約定」、当選しなかった場合は「約定出来ず」と表示されます。
「約定」の場合、「口座管理」>「口座(円建)」への反映は、3/28(水)早朝の予定です。
SBI証券は、日本におけるネット証券の先駆者として、「顧客中心主義」の経営理念のもと、「業界屈指の格安手数料で業界最高水準のサービス」を提供してきました。
短期のトレーディングから中長期投資まで、幅広い個人投資家がフル活用できます。私もフル活用して、パフォーマンスを向上させています。
以前にはSBI証券に取材に行き、株式会社SBI証券 商品開発部の杉本部長、稲場さんにインタビューしました。
杉本部長は以前にSBI証券のIPO引受け部門で活動していたことがある方です。IPOを知り尽くしたプロから、貴重なIPOに関するお話を伺えました!
続いて以下では、IPO以外のあらゆるサービスについても、株式・外国株式から投資信託、FXまで色々と聞き倒しています!
また、iDeCoについても取材しました。低コストと商品ラインナップ、ロボアドバイザーサービスがメリット大となっています。
SBI証券は大手証券会社に引けをとらない幅広い商品ラインナップを取り揃えており、しかもコストは低いです。100万の資産運用でも大活躍します。
特に国内株式の手数料0円、PTS、IPO、立会外分売、つなぎ売りに使える一般信用売り、米国株、投信保有で付与されるSBIポイント(投信マイレージ)、住信SBIネット銀行との連携、CFD、金・プラチナ、銀取引、Vポイント投資には絶大なメリットがあります。
トレーディングに有用なサービス・取引ツールから、充実の投信積立、小口分散投資のテーマキラー!まで幅広いサービスを提供しています。SBIでの投資はボーナスの使い道としても有力な選択肢です。
デイトレーダー、スイングトレーダー、バリュー投資家、グロース投資家、インデックス投資家などありとあらゆる投資家が有効活用できる、総合ネット証券です。
活用していくと、リターンが着実に向上します。私はSBI証券がなかったら困り果ててしまいます。
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