2018年10月15日からSBI証券で金・プラチナだけではなく、銀(シルバー)を取引可能になります。
銀は貴金属地金として古い歴史があり、産業用(ハイテク・半導体・太陽光発電需要等)用途も存在しているのが特徴です。
アクセサリー用、事業用の二刀流で、八面六臂の活躍を見せている貴金属となっています。
シルバーに投資する場合は、田中貴金属、三菱マテリアルなどの専門業者の他、ネット証券という選択肢もあります。
投資信託・ETFではなく、現実の純銀で資産運用することも可能です。
目次
SBI証券のシルバー取引の概要
SBI証券の銀取引は、スポット取引と積立取引の2種類があります。
ログイン後、サイドバー右側の「金・プラチナ」から取引・口座開設(初回のみ)が可能です。今後は「金・プラチナ・銀」などに名称が変わるでしょう。
取引対象である銀現物は純度99.90%以上の銀地金であり、ロンドン貴金属市場協会 (LBMA) の受渡供用品として規定された品質を確保したものです。
裏付資産は金100oz Barで、現物保管場所はアメリカのニューヨークとなっています。
銀取引は日本円による取引で、前金制となり、事前に金・銀・プラチナ取引口座への資金の振替が必要となります。受渡日は約定日から2営業日後です。
スポット取引
スポット取引は、営業日8:30~翌5:00までほぼ24時間、銀の価格を参照し、買付・売却が可能な取引です。
株式市場が開いている時の株やETFの取引、外貨預金やFXでの為替取引などと似たイメージです。
銀の参考価格(購入価格・売却価格)は5秒毎に更新されるので、狙ったタイミングで取引をすることが可能です。
取引画面では買付け価格と売却価格がそれぞれ表示されています。株式取引のように始値・高値・安値も表示されています。
実際にスポット取引をする場合は、参考価格とは別に、価格問い合わせをしてから15秒間固定された価格で取引できます。
取引日はSBI証券の営業日、国外金融機関営業日、COMEX、NYMEXの営業日を考慮して決まります。
日本の土日は休みで、米国の休日も取引停止となるのが基本です。例えば、アメリカの独立記念日である7月4日は休場となります。
取引時間は営業日8:30~翌5:00となっており、20時間半です。朝方の時間帯を除いてほぼ24時間となっています。
受渡日は約定日から起算して原則3営業日目(T+2)となります。ただし、休場日等の関係で受渡日が、約定日から起算して3営業日目にならない場合もあります。
スポット取引では、「金額指定」「グラム指定」で買付・売却の注文をすることが可能です。細かい単位での取引が可能です。
- 金額指定:1,000円以上、1,000円単位
- グラム指定:10g以上、10g単位
- 全量売却:保有全数量の売却(小数点第4位まで)
金とプラチナは1g単位ですが、銀は10g単位となります。
スポット取引1回における発注上限は以下のとおりです。まず問題ない水準でしょう。
- 金額指定:1回の注文につき上限1億円
- グラム指定:1回の注文につき上限10,000g
数千万や数千gといったロットが大きい取引は、田中貴金属や三菱マテリアルなどの専門業者の方をおすすめします。
積立取引
毎月設定した「一定金額」、または「一定数量」を上限に自動的に購入する取引方法です。
投資信託ではメジャーな投資方法であり、SBI証券はFXでも積立投資の制度を導入しています。
積立取引には定額(一定金額)の購入、定量(一定数量)の購入の2種類の購入方法が用意されています。定額の方はいわゆるドルコスト平均法です。
- 定額積立買付:毎月設定した金額を上限に、その月の営業日数ごとに購入
- 定量積立買付:毎月設定した数量を上限に、その月の営業日数ごとに購入
設定した日付に一気に購入するのではなく、毎営業日買い入れていく形となります。
例えば毎月1,000円購入する場合で、とある月が20営業日の場合、毎日50円分購入することになります。端数は第1営業日に投資します。積立時不足金自動振替設定も可能です。
定額と定量では定額の方が、価格が安い時に多く購入する結果となるため、中長期的なパフォーマンスは良くなる傾向があります。
定量に強いこだわりがない場合は、定額積立買付をおすすめします。積立設定単位は1,000円または1gと小口投資が可能で便利です。
- 定額積立買付:1,000円以上、1,000円単位
- 定量積立買付:1g以上、1g単位
積立設定限度額(数量)は以下のとおりです。
- 定額積立買付:1ヶ月あたり上限1億円(年12億円)
- 定量積立買付:1ヶ月あたり上限10,000g(年12万g)
ネット証券で銀を取引する方で、ここまで毎月購入する方はほぼ皆無でしょうから問題ないでしょう。
もし大量に取引する場合は、田中貴金属や三菱マテリアルなどの方が低コストとなるので、証券会社ではなく貴金属の専門業者がおすすめです。
買付手数料が業界最低水準の2%
SBI証券の純銀(シルバー)の購入手数料は、証券会社の中では最低水準の2%(税抜)です。
発生するのは購入時の手数料のみであり、売却手数料、年会費、保管料は一切かかりません。楽天証券は銀の取り扱いはありません。
手数料区分 | SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 |
---|---|---|---|
買付手数料(税抜) | 売買代金×2.0% | - | 売買代金×2.5% |
売却手数料 | 無料 | - | 無料 |
年会費 | 無料 | - | 無料 |
保管料 | 無料 | - | 無料 |
田中貴金属の金・プラチナの積立・スポット購入と比較すると、SBI証券は積立て取引での手数料、少額で取引できる点、年会費で優位性があります。
田中貴金属のnet純銀積立は1,000円(税抜)の年会費が発生します。その他、手数料率(税抜)と購入単位の比較は下表のとおりです。
積立 | スポット購入 | ||||
---|---|---|---|---|---|
購入月額 | SBI証券 | 田中貴金属 | 購入月額 | SBI証券 | 田中貴金属 |
1,000-2,000円 | 2.0% | 積立不可 | 1,000-2,000円 | 2.0% | 購入不可 |
3,000-9,000円 | 2.0% | 2.5% | 3,000-9,000円 | 2.0% | 購入不可 |
10,000-29,000円 | 2.0% | 2.5% | 10,000円以上 | 2.0% | 無料 |
保管料、売却手数料は、田中貴金属も無料となります。
金・プラチナ・銀 マイレージサービスで1%還元!
SBI証券で金・プラチナ・銀を購入すると、買付手数料(税抜)の1%のSBIポイントを獲得できます。
スポット取引と積立取引(定額買付/定量買付)の両方が対象。月間合計金額に応じて、原則翌月15日(非営業日の場合は翌営業日)に付与される方式です。
例えば、スポット取引月間合計手数料(買付代金×税抜2.0%)が3,000円の場合、30ポイント(30円相当)を翌月に付与されます。
定額積立買付月間手数料が7,000円の場合、70ポイントが翌月に付与されます。
これら2つの両方を取引した場合、100ポイント(10円相当)がもらえます。
合計手数料(税抜)に対して1.0%相当のポイントが付与される方式で、小数点以下は切り上げとなります。
税込ではなく税抜なのが地味なデメリットです。税金の分が切り捨てられて無駄になってしまいます。とはいえポイント還元があるだけお得です。
小口投資が可能で便利!現物転換請求も可能に
SBI証券の場合、スポット取引でも積立取引でも1,000円以上1,000円単位、もしくは10g以上10g単位で購入することができます。
少額で買付することができますので、手軽な分散投資が可能です。毎営業日購入する積立、リアルタイムでのスポット取引が可能なので、投資スタイルに応じて自由自在に売買できます。
現物転換請求のサービスも用意されており、銀の保有数量が一定量に到達すると、現物のシルバーに交換することができるようになります。
ニューヨークの現地保管場所から自宅まで、実物資産として配送してくれます。
単位は100oz(上限600oz)です。同一の申込期間に合算で500万円を超える申込はできません。
マネックス証券は金の現物転換が可能ですけれども、銀とプラチナは不可能です。
商品 | SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 |
---|---|---|---|
シルバー | ◯ | 取扱い無し | × |
ゴールド | ◯ | × | ◯ |
プラチナ | ◯ | × | × |
SBI証券の金・プラチナ現物転換サービスの申込可能日時は、毎週金曜日15:00~翌月曜日10:00です。
月曜日までに申し込めば、現地保管先(Brinks)から自宅まで、原則その週内に配送してくれます。
ただし、現物転換請求には配送料(引出・保険料を含む)と消費税が発生します。定時為替(米ドル/円)、月曜日15:00の為替レートで、日本円で必要な金額が確定します。
田中貴金属は1回の引出しにつき30kg相当の地金を10本(合計で300kg相当)単位で引出すことができ、手数料は1件あたり300,000円(税抜)、送料は実費となります。
銀投資のメリット・デメリット
メリット
シルバーのメリットは、株式、債券、REIT等の代表的な資産クラス(アセットクラス)と、値動きに対する相関性が低い点です。
お釣りで資産運用ができるサービス「マメタス」など、斬新なサービスを続々とリリースして勢いに乗っているウェルスナビでも、投資対象に貴金属(ゴールド)のETFが入っています。
ETFと比較したメリットは、小口で投資することが可能である点、現物で受け取ることができる単位がETFよりも低い点です。
先物取引と比較したメリットは、小口投資が可能である点、限月がないのでロールオーバーが不要である点などが挙げられます。
また、メンタル的な問題になってしまいますが、SBI証券のシルバー投資は実物資産の裏付けがあるサービスです。
実物のシルバーを保有しているという精神的充足感を味わうことができる方もいらっしゃるかもしれません。
デメリット
銀投資は実物資産ですが、宝飾用途が大きいため、人類が価値を見出している限りは価値が維持される点が特徴です。
株式のように利益や資産といったファンダメンタルズがなく、人が価値を見出すかの人気に価格が左右される点で、ビットコイン等の仮想通貨と似ています。
「人気投票がすべて」となり、ファンダが見えづらいことが、バリュー投資の観点ではデメリットとなります。
ただし、シルバーは産業用(ハイテク・半導体・太陽光発電需要)の分野でも用いられており、ゴールドと比較すると経済状況に対するファンダメンタルズが出てきます。
銀の主要産出国はメキシコ、ペルー、中国、ロシア、オーストラリア、チリ、ボリビア、ポーランド、米国、アルゼンチン等です。
シルバーの価格は、宝飾・投機・産業分野の需要、産出国の政治経済の状況によって変動する傾向にあります。
価格変動リスク(ボラティリティ)はゴールドよりもシルバーの方が高い傾向が続いています
シルバーの価格変動の推移は金と似た傾向ですが、市場規模が小さいため金に比べて大きな値動きをすることもあり、ボラティリティが高い点に留意が必要です。
まとめ
SBI証券でシルバーの取引が可能になりました。小口で銀の現物に投資したい場合は便利なサービスです。
田中貴金属や三菱マテリアルに口座を開くというのはハードルが高いですし、手数料が割高です。ネット証券でサクッと簡便に金・プラチナ現物に投資できるのは大きなメリットです。
手数料率は競合他社のマネックス証券と比較すると税抜0.5%(税込0.54%)低くて、SBIらしい業界最低水準の手数料でリーズナブルです。
スポット取引でも積立取引でも1,000円以上1,000円単位、もしくは10g以上10g単位で購入することができます。
少額で買付することができますので、手軽な分散投資が可能です。毎営業日購入する積立、リアルタイムでのスポット取引が可能なので、投資スタイルに応じて自由自在に売買できます。
現物転換請求のサービスも用意されます。銀(シルバー)の保有数量が一定量に到達すると、現物の銀に交換することができます。
SBI証券は、日本におけるネット証券の先駆者として、「顧客中心主義」の経営理念のもと、「業界屈指の格安手数料で業界最高水準のサービス」を提供してきました。
短期のトレーディングから中長期投資まで、幅広い個人投資家がフル活用できます。私もフル活用して、パフォーマンスを向上させています。シルバーの追加で、より一層ラインナップが強化されました。
以前にはSBI証券に取材に行き、株式会社SBI証券 商品開発部の杉本部長、稲場さんにインタビューしました。
杉本部長は以前にSBI証券のIPO引受け部門で活動していたことがある方です。IPOを知り尽くしたプロから、貴重なIPOに関するお話を伺えました!
続いて以下では、IPO以外のあらゆるサービスについても、株式・外国株式から投資信託、FXまで色々と聞き倒しています!
また、iDeCoについても取材しました。低コストと商品ラインナップ、ロボアドバイザーサービスがメリット大となっています。
SBI証券は大手証券会社に引けをとらない幅広い商品ラインナップを取り揃えており、しかもコストは低いです。100万の資産運用でも大活躍します。
特に国内株式の手数料0円、PTS、IPO、立会外分売、つなぎ売りに使える一般信用売り、米国株、投信保有で付与されるSBIポイント(投信マイレージ)、住信SBIネット銀行との連携、CFDには絶大なメリットがあります。
トレーディングに有用なサービス・取引ツールから、充実の投信積立、小口分散投資のテーマキラー!まで幅広いサービスを提供しています。SBIでの投資はボーナスの使い道としても有力な選択肢です。
デイトレーダー、スイングトレーダー、バリュー投資家、グロース投資家、インデックス投資家などありとあらゆる投資家が有効活用できる、総合ネット証券です。
活用していくと、リターンが着実に向上します。私はSBI証券がなかったら困り果ててしまいます。
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口座開設時に以下の項目(無料)に申し込めば、SBI証券に入金するだけで自動的に振り替えられるので面倒な手間はありません。
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