Enjin(7370)のIPOが決定しています。ブック・ビルディング期間は2021年6月2日(水)~6月8日(火)、上場日は2021年6月18日(金)です。
新規上場する市場は東証マザーズで、想定価格は1,290円(1単元12.9万円)です。公募価格は2021年6月9日(水)に決定。
仮条件は1,300円~1,380円と窓を開けて上振れました。予想PERは24.0~25.5倍です。
初値予想はプラスリターンです。以下のレンジを想定しています。
1,700〜2,600円(仮条件の上限比+23.2%~+88.4%)
Enjinは主に中小・中堅企業、医療機関を対象としたPR支援サービスや顧客とメディア又は決裁者をつなぐプラットフォームサービスを提供するPR事業を展開しています。
監査法人はPwC京都監査法人で、本社所在地は東京都中央区銀座5-13-16 ヒューリック銀座イーストビル8Fです。
Enjinとは
Enjinは、(1) 法人/経営者向けPR支援サービス、(2) 医療機関/医師向けPR支援サービス、(3) メディチョク、て(4) アポチョクの4つのサービスを展開しています。
Enjinは、幅広い業界に対するPRのノウハウを生かし、Enjinプランナーが、TV・新聞等の他社既存メディアやオウンドメディア、プラットフォーム等のサービスの提供において徹底したマニュアライズと制作運用のパッケージ化を行うことで、PRサービスを安価に顧客に提供できる仕組みを構築しています。
またメディアへの露出が保証されない従来型のリテーナー契約とは異なり、オウンドメディアや長年積み上げてきたメディアとのコラボ提案実績やオリジナル企画実績を有しているため、成功報酬型にてメディアへの露出・掲載をより効果的かつ確度を高く行うことが可能です。
そのため、今まであまりPRに馴染みの少なかった、中小・中堅企業、医療機関におけるPRニーズという潜在市場を開拓することが可能となりました。
商圏が被りにくい中小・中堅企業、医療機関においても、例えば北海道での成功モデルをパッケージ化して活用することで沖縄でも展開する等、その汎用化が可能となっています。
収益モデルとしては、顧客が希望するメディアへの露出を獲得した場合にのみ料金が発生する成功報酬型ビジネス、月額課金型プラットフォームビジネスの2つのモデルを展開しています。
サービスの提供においては成功報酬型であることからメディアへの露出が決定した後で運用フローに入るため必要なコストを最小限に抑えることが可能です。
メデイア露出後においては制作費用などのイニシャルフィー及び顧客との契約が継続する限りにおいて、安定的に収益を獲得できる月額での継続課金モデルとなっています。
月額課金のプラットフォーム収益とあわせて、収益モデルを複数に分散することで、安定的な事業の遂行と、安定収益源がEnjinの成長を下支えしていることで積極的な事業展開をすることが可能です。
またEnjinでは、従来は暗黙知とされ共有が難しかった一人一人の貴重な知見をデータベース化し、テクノロジーとノウハウを組み合わせることで、メディア担当者を直接顧客に自動マッチングするメディアマッチングサービス「メディチョク」を展開。
また、そのノウハウを活かした、その他のサービスとして、決裁者を直接顧客にマッチングする決裁者アポイントマッチングサービス「アポチョクを提供しています。
従業員数は152名、平均年齢は26.5歳、平均勤続年数は2.3年、平均年間給与は514.5万円です。
EnjinのIPOの諸データ
Enjinの業績推移
業績面では売上高は美しい右肩上がりです。純利益・経常利益は減益の年度があるものの、大局的には右肩上がりの傾向となっています。
主要な経営指標等の推移は下表のとおりです。
回次 | 第10期 | 第11期 | 第12期 | 第13期 | 第14期 | |
---|---|---|---|---|---|---|
決算年月 | 2016年5月 | 2017年5月 | 2018年5月 | 2019年5月 | 2020年5月 | |
売上高 | (千円) | 676,799 | 684,115 | 864,995 | 1,251,525 | 1,528,948 |
経常利益 | (千円) | 37,852 | -524 | -2,553 | 156,808 | 309,693 |
当期純利益 | (千円) | 23,435 | -11,802 | -7,835 | 91,694 | 300,476 |
資本金 | (千円) | 30,000 | 30,000 | 30,000 | 30,000 | 30,000 |
発行済株式総数 | (株) | 600 | 600 | 600 | 60,000 | 60,000 |
純資産額 | (千円) | 437,828 | 426,025 | 418,189 | 509,884 | 810,361 |
総資産額 | (千円) | 907,906 | 869,481 | 788,456 | 1,043,366 | 1,458,393 |
BPS | (円) | 729,714 | 710,042 | 696,983 | 84.98 | 135.06 |
1株配当 | (円) | ― | ― | ― | ― | ― |
EPS | (円) | 39,059 | 19,671 | -13,059 | 15.28 | 50.08 |
自己資本比率 | (%) | 48.2 | 49 | 53 | 48.9 | 55.6 |
自己資本利益率 | (%) | 5.5 | ― | ― | 19.8 | 45.5 |
配当性向 | (%) | ― | ― | ― | ― | ― |
営業CF | (千円) | ― | ― | ― | 367,081 | 190,580 |
投資CF | (千円) | ― | ― | ― | 261,386 | 155,755 |
財務CF | (千円) | ― | ― | ― | -150,926 | ― |
現金等 | (千円) | ― | ― | ― | 661,236 | 1,007,461 |
従業員数 | (名) | 40 | 47 | 61 | 76 | 107 |
市場トレンド
市況面では、上場直前3ヶ月間のインデックスが上昇トレンドの状況だと初値リターンが高い傾向となっています。
東証マザーズ指数は、ここ数ヶ月ボックスでの推移となっており、足元では抵抗線を割っています。
軟調な推移が続くとIPOにおいて向かい風となり、堅調な展開に回帰すれば追い風となります。
上場規模
EnjinのIPOの規模は最大で約39.7億円であり、東証マザーズとしては大型です。小型であればある程、初値リターンは良い傾向があります。
公募株式数は1,000,000株、売出株式数は1,500,000株、オーバーアロットメント(OA)は375,000株です。
公開比率(オファリングレシオ)は最大で約41%とやや高めです。公開比率が低ければ低いほど、初値リターンが高い傾向があります。公募株式数に占める売出の割合は60%です。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
---|---|---|
本田幸大 | 49.31% | ○ |
(株)S&Sホールディングス | 49.31% | ○ |
平田佑司 | 0.30% | |
多鹿晴雄 | 0.30% | |
湯浅直哉 | 0.20% | |
小川浩平 | 0.20% | |
廣瀬哲夫 | 0.10% | |
平田里佳 | 0.10% | |
寺崎祐樹 | 0.10% | |
添田繁永 | 0.10% |
※制度ロックアップによる継続保有を含む
初値予想
Enjinの事業は主に中小・中堅企業、医療機関を対象としたPR支援サービスや顧客とメディア又は決裁者をつなぐプラットフォームサービスを提供するPR事業ということで、IPOにおける業種の人気度は高めです。
訴求力の高い東証マザーズネット企業の範疇に属しています。
予想PERは24.0~25.5倍であり、類似企業と比較すると割安感があります。
コード | 銘柄名 | PER | PBR | 配当利回り |
---|---|---|---|---|
2180 | サニーサイドアップG | 67.25 | 5.23 | 0.26% |
2436 | 共同ピーアール | 28.26 | 1.70 | 1.54% |
2449 | プラップジャパン | 31.33 | 1.24 | 3.05% |
6058 | ベクトル | 44.04 | 3.72 | 0.43% |
約39.7億円という上場規模は東証マザーズとしては大型です。上位株主にVCがなく、ロックアップのカバー率は高めです。
また、主幹事がみずほ証券であり、初値売りすると干されるというリスクが有る点も初値の騰落率にはプラス材料です。
東証マザーズの35億~50億円未満のやや大型IPOの初値結果は以下のとおりです。
過去実績
- ステラファーマ:+54.8%
- Fast Fitness Japan:+33.3%
- モダリス:+110.0%
- ビザスク:-12.7%
- きずなホールディングス:-4.3%
- マクアケ:+74.8%
- トゥエンティーフォーセブン:+11.1%
- ダブルエー:-0.2%
- ツクルバ:±0%
- Delta-Fly Pharma:-8.1%
- マネーフォワード:+93.5%
- ティーケーピー:+74.3%
- ソレイジア・ファーマ:+26.5%
- うるる:+11.0%
- MS-Japan:+5.8%
- グローバルグループ:+60.0%
- オープンドア:+23.3%
- 中村超硬:+11.8%
- U-NEXT:+31.7%
- ムゲンエステート:+10.0%
- GABA:-6.0%
- ネクスト:+35.5%
- エムケーキャピタルマネージメント:+157.8%
- ナノ・メディア:+62.7%
- クリエイト・レストランツHD:+28.6%
- フィンテック グローバル:+103.0%
- ディー・エヌ・エー:+210.0%
- コスモス薬品:+5.5%
- シコー技研:+66.7%
- ディップ:+100.0%
- 日本ケアサプライ:+23.1%
- 日本ベリサイン:+108.3%
- メディネット:+260.0%
- トランスジェニック:+30.6%
- ウォーターダイレクト:+200.0%
以上を総合考慮して、初値予想はプラスリターンです。
主幹事はみずほ証券です。その他は、SBI証券、楽天証券で申し込めます。
証券会社名 | 割当株式数 | 割当比率 |
---|---|---|
みずほ証券 | 2,375,000 | 95.00% |
SBI証券 | 100,000 | 4.00% |
楽天証券 | 25,000 | 1.00% |
SBIグループのSBIネオモバイル証券、SBIネオトレード証券でも取り扱いの可能性があります。SBIネオモバイル証券ではWealthNaviに当選して手堅いリターンを獲得しました。
みずほ証券の委託幹事としてPayPay証券でも取り扱いを期待できます。
EnjinのIPOの当選のコツについては、以下で徹底解説しています。
SBI証券が幹事団に入っているので、着実にSBIチャレンジポイントを貯めましょう。
参考まだ安全資産は定期預金と国債だけなの?IPOチャレンジポイントで確実にS級IPOをゲットできる
SBI証券でIPOの引受け部門で活動していたプロにインタビューして、貴重なお話を聞きました。以下にまとめています。
SBI証券は当サイト限定でお得なタイアップ・プログラムを実施しています。なんと口座開設だけで3,000円分のAmazonギフト券がプレゼントされます。口座開設・維持は無料です。
↓
岡三オンラインでも取扱いの可能性があります。
岡三オンラインは、当サイト限定タイアップでお得な入会キャンペーンを行なっています。口座開設と1回以上の取引だけで3,500円+特別レポートがプレゼントされます。
ネット証券のキャンペーンとしては破格の内容でおすすめです。まだ口座をお持ちでない方は、ぜひこの機会に開設してみてはいかがでしょうか。
↓
SMBC日興証券のネット口座は小口個人投資家でもIPOが当選することがあります。口座開設をおすすめします。
楽天証券も幹事団に名を連ねています。
マネックス証券は完全抽選で小口個人投資家でも当選する可能性がある証券会社です。
野村證券はIPOの取り扱いが多いのがメリットです。小口個人ですと当たりづらいですけれども、ポチポチ作業を許容できる場合は候補です。
郵政3社、JR九州などの大型株に関しては意外な程に当たりやすいです。
SBIネオトレード証券でもIPOの取扱いを開始しています。委託幹事に名を連ねる可能性があります。
現在はお得なキャンペーンを開催しています。
松井証券も委託幹事団に名を連ねる可能性があります。
岩井コスモ証券は、ネット抽選分は小口個人投資家に嬉しい完全公平抽選となっています。
東海東京証券は小口個人投資家には嬉しい完全抽選がある証券会社です。
むさし証券もIPOのサービスを提供しています。インターネット口座は売却手数料がリーズナブルです。
<投資スタンス>
やや強気
(※強気・やや強気・中立・やや弱気・弱気の5段階)
- 強気:対面証券・ネット証券で全力申込
- やや強気:ネット証券・対面証券で申込
- 中立:ネット証券、回数制限に問題なくS級銘柄の当落に影響がない対面証券で申込(大量獲得を狙える場合は妙味あり)
- やや弱気:ネット口座以外は原則回避(ただし、マイナス覚悟の勝負で申し込むことも) ※安全重視ならSBI証券のみ
- 弱気:SBI証券以外は回避(対面証券はバーター取引ならOK)