GMOフィナンシャルゲート(4051)のIPOが決定しています。ブック・ビルディング期間は2020年6月30日(火)~7月6日(月)、上場日は2020年7月15日(水)です。
新規上場する市場は東証マザーズで、想定価格は2,420円(1単元24.2万円)です。公募価格は2020年7月6日(月)に決定。
仮条件は2,420円~2,540円と上振れました。予想PERは46.2~48.5倍です。
初値予想は大幅なプラスリターンです。以下のレンジを想定しています。
4,800〜7,300円(仮条件の上限比+89.0%~+187.4%)
GMOフィナンシャルゲートはキャッシュレス決済市場における対面決済サービス事業を展開しています。
親会社のGMOペイメントゲートウェイ、その更に親会社のGMOインターネットも上場しているので、親子上場を通り越した親子孫上場となります。
監査法人は有限責任監査法人トーマツで、本社所在地は東京都渋谷区道玄坂1-14-6 ヒューマックス渋谷ビルです。
GMOフィナンシャルゲートとは
GMOフィナンシャルゲートは、持株会社、連結子会社のグローバルカードシステム株式会社(GCS)並びにGMOデータ株式会社(GMO-DATA)の3社から構成されています。
電子商取引(EC)事業者を対象とする非対面決済サービス事業を展開するGMOペイメントゲートウェイ株式会社の連結子会社です。
GMOフィナンシャルゲートは、提供する対面決済サービスについて、サービスの内容に従って「イニシャル」「ストック」「フィー」「スプレッド」の4つに売上を区分しています。
従業員数は36名、平均年齢は39.9歳、平均勤続年数は3.6年、平均年間給与は788.1万円です。
イニシャル(イニシャル売上)
GMOフィナンシャルゲートは、決済端末を各種決済サービスの起点として位置付けています。
加盟店が決済端末を導入する際には、当社は決済端末代金の請求に加えて、搭載アプリケーションのライセンス料や、加盟店の情報を決済処理センターに登録する登録費用等の初期費用をクレジットカード会社等の決済事業者または加盟店に請求しています。
加えて、加盟店の個別要望に応じた端末アプリケーションの開発・カスタマイズ費用、アライアンス事業者との接続費用・決済アプリケーションの開発費用等を加盟店及び決済事業者等に請求しています。
このようにスポット的にあるいは初回のみ売上請求するものを「イニシャル」と区分しています。
加盟店数の拡大やアプリケーション開発要望が多様化する事がイニシャルの拡大に繋がります。
ストック(固定費売上)
GMOフィナンシャルゲートは、決済処理サービスを提供するにあたって、決済金額の明細データの提供やシステム接続サービスならびに通信環境の提供を行っており、その対価をクレジットカード会社等の決済事業者または加盟店に請求しています。
これらはクレジットカード利用額や決済件数の規模に関わらず、月次あるいは定期的に請求する固定的に計上される売上です。
このような固定的な売上を「ストック」と区分しています。累積の加盟店数や決済端末数、接続クレジットカード会社数などの拡大がストックの拡大に繋がります。
フィー(処理料売上)
GMOフィナンシャルゲートは、加盟店とクレジットカード会社に対して決済処理サービスを提供し、決済の処理件数に応じた対価を請求しています。
オンライン環境でリアルタイムの決済処理サービスを提供しており、通常は1件当たりの決済処理金額を定め、月間の決済処理件数を乗じて請求していますが、決済処理件数のボリューム幅毎に固定金額を定めて請求する場合もあります。
また、この決済処理サービスは24時間365日対応のヘルプデスク・サービスを包含しています。
ヘルプデスク・サービスの利用料金は決済件数比例ではなく、利用回数に応じた料金をクレジットカード会社等の決済事業者または加盟店に請求しています。
また、決済端末が使用・費消するロール紙代金は、クレジットカード会社等の決済事業者または加盟店に請求しています。
このような処理件数に比例した売上を「フィー」と区分しています。大型加盟店の獲得や決済端末数の増加に伴って売上処理件数が増加し、フィーが拡大します。
スプレッド(加盟店売上)
スプレッドは、決済代行サービスの提供によって得られる売上です。
GMOフィナンシャルゲートが、加盟店とクレジットカード会社等の決済事業者との契約をまとめて締結し、加盟店への決済代金の入金も各決済事業者に代わり一括して請負う包括加盟店サービスが決済代行サービスで、加盟店での決済金額に対して料率で課金する加盟店手数料です。
また、GMOフィナンシャルゲートが、売上代金の加盟店への入金に関わらない契約方式においては、加盟店の売上金額に応じて、クレジットカード会社等の決済事業者より、取次手数料が、GMOフィナンシャルゲートに入金されます。
GMOフィナンシャルゲートは、このような加盟店手数料及び取次手数料を「スプレッド」と区分しています。
加盟店数や決済端末数連動ではなく、決済金額そのものに連動するため大型のチェーン店・専門店の獲得は勿論のこと、現金決済に代わるキャッシュレス決済の金額増加に伴ってスプレッドが拡大します。
GMOフィナンシャルゲートのIPOの諸データ
GMOフィナンシャルゲートの業績推移
業績面では売上高・経常利益・純利益のいずれも、右肩上がりの傾向となっています。
主要な連結経営指標等の推移は下表のとおりです。
回次 | 第20期 | 第21期 | |
---|---|---|---|
決算年月 | 2018年9月 | 2019年9月 | |
売上高 | (千円) | 1,617,103 | 2,379,019 |
経常利益 | (千円) | 169,037 | 226,579 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | (千円) | 90,092 | 134,820 |
包括利益 | (千円) | 90,092 | 134,820 |
純資産額 | (千円) | 2,673,625 | 3,044,163 |
総資産額 | (千円) | 4,160,716 | 4,885,196 |
1株当たり純資産額 | (円) | 743.67 | 781.17 |
1株当たり当期純利益 | (円) | 25.06 | 37.5 |
自己資本比率 | (%) | 64.26 | 57.49 |
自己資本利益率 | (%) | 3.43 | 4.92 |
株価収益率 | (倍) | ― | ― |
営業活動によるキャッシュ・フロー | (千円) | △124,526 | 339,077 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | (千円) | △140,479 | △171,712 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | (千円) | △12,671 | 227,167 |
現金及び現金同等物の期末残高 | (千円) | 2,740,961 | 3,135,493 |
従業員数 | (名) | 38 | 48 |
市場トレンド
市況面では、上場直前3ヶ月間のインデックスが上昇トレンドの状況だと初値リターンが高い傾向となっています。
東証マザーズ指数は2020年3月下旬をボトムとして右肩上がりとなっています。
このまま堅調な推移が続くとIPOにおいて追い風となり、反落して再び軟調な相場に回帰すれば向かい風となります。
上場規模
GMOフィナンシャルゲートのIPOの規模は最大で約12.5億円であり、東証マザーズとしてはやや小型です。小型であればある程、初値リターンは良い傾向があります。
公募株式数は240,000株、売出株式数は208,800株、オーバーアロットメント(OA)は67,300株です。
公開比率(オファリングレシオ)は最大で約14%とかなり低めです。公開比率が低ければ低いほど、初値リターンが高い傾向があります。公募株式数に占める売出の割合は47%です。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
---|---|---|
GMOペイメントゲートウェイ(株) | 60.39% | ○ |
(株)ケイ・エム・シー | 5.83% | ○ |
三菱UFJキャピタル3号投資事業有限責任組合 | 5.63% | ○ |
大和ベンチャー1号投資事業有限責任組合 | 4.92% | ○ |
豊山慶輔 | 4.18% | ○ |
髙野明 | 3.29% | ○ |
SMBCベンチャーキャピタル1号投資事業有限責任組合 | 2.72% | ○ |
みずほ成長支援投資事業有限責任組合 | 2.05% | ○ |
SMBCベンチャーキャピタル3号投資事業有限責任組合 | 1.58% | ○ |
倉田秀喜 | 1.30% | ○ |
※制度ロックアップによる継続保有を含む
初値予想
GMOフィナンシャルゲートの事業はキャッシュレス決済市場における対面決済サービス事業ということで、IPOにおける業種の人気度は標準的です。
予想PERは46.2~48.5倍であり、類似企業と比較すると中間的です。
コード | 銘柄名 | PER | PBR | 配当利回り |
---|---|---|---|---|
2428 | ウェルネット | 15.97 | 1.17 | 3.06% |
3623 | ビリングシステム | 42.48 | 2.29 | 1.31% |
3630 | 電算システム | 12.37 | 1.86 | 1.37% |
3753 | フライトホールディングス | 15.48 | 33.41 | 0.00% |
3769 | GMOペイメントゲートウェイ | 83.49 | 21.07 | 0.55% |
4847 | インテリジェントウェイブ | 17.26 | 1.90 | 1.90% |
6172 | メタップス | 30.40 | 1.24 | 0.00% |
約12.5億円という上場規模は東証マザーズとしてはやや小型です。上位株主にVCが名を連ねているものの、満遍なくロックアップがかかっています。
東証マザーズの10億~15億円のやや小型IPOの初値結果は以下のとおりです。
- リビングプラットフォーム:-9.0%
- AHCグループ:+61.4%
- ジモティー:+130.0%
- WDBココ:+122.2%
- スペースマーケット:+121.4%
- INCLUSIVE:+114.9%
- ランディックス:+124.5%
- BuySell Technologies:+92.7%
- セルソース:+164.0%
- ビーアンドピー:+20.0%
- リビン・テクノロジーズ:+130.8%
- ヴィッツ:+130.2%
- 東名:+27.8%
- フレアス:+118.6%
- リックソフト:+126.3%
- リンク:+112.8%
- ベルトラ:+33.9%
- ピアラ:+97.3%
- フロンティア・マネジメント:+121.2%
- アイリックコーポレーション:+25.8%
- システムサポート:+128.6%
- エクスモーション:+49.7%
- マネジメントソリューションズ:+114.3%
- アイ・ピー・エス(銘柄名:IPS):+71.0%
- ヒューマン・アソシエイツ・ホールディングス:+207.7%
- ファイバーゲート:+127.4%
- SERIOホールディングス:+130.3%
- グローバル・リンク・マネジメント:+134.0%
- クックビズ:+134.7%
- テンポイノベーション:+93.5%
- テックポイント・インク:+64.9%
- UUUM:+226.8%
- トランザス:+170.0%
- ツナグ・ソリューションズ:+112.0%
- ユーザーローカル:+325.2%
- ピーバンドットコム:+113.9%
- レノバ:+50.0%
- エイトレッド:+133.9%
- シンシア:-7.1%
- JMC:+89.2%
- インソース:+55.8%
- セラク:+160.0%
- キャリア:+98.5%
- ジェイリース:+34.5%
- アトラエ:+135.6%
- PR TIMES:+59.0%
- ベネフィットジャパン:+67.2%
- フェニックスバイオ:-2.1%
- ブラス:+6.4%
- バルニバービ:+130.0%
- GMOメディア:+101.1%
- ブランジスタ:+43.8%
- アイビーシー:+251.0%
- STUDIOUS:+20.0%
- PCIホールディングス:+169.6%
- Hamee:+67.2%
- sMedio:+58.7%
- ファーストコーポレーション:+25.0%
- ファーストロジック:+52.5%
- データセクション:+73.1%
- サイジニア:+125.8%
- フルッタフルッタ:+51.5%
- メディカル・データ・ビジョン:+135.9%
- セレス:+55.4%
- オプティム:+260.0%
以上を総合考慮して、初値予想はプラスリターンです。
主幹事は大和証券です。その他は、SMBC日興証券、みずほ証券、いちよし証券、丸三証券で申し込めます。
証券会社名 | 割当株式数 | 割当比率 |
---|---|---|
大和証券 | 381,800 | 85.07% |
SMBC日興証券 | 40,300 | 8.98% |
みずほ証券 | 13,400 | 2.99% |
いちよし証券 | 8,900 | 1.98% |
丸三証券 | 4,400 | 0.98% |
GMOフィナンシャルゲートのIPOの当選のコツについては、以下で徹底解説しています。
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参考まだ安全資産は定期預金と国債だけなの?IPOチャレンジポイントで確実にS級IPOをゲットできる
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<投資スタンス>
強気
(※強気・やや強気・中立・やや弱気・弱気の5段階)
- 強気:対面証券・ネット証券で全力申込
- やや強気:ネット証券・対面証券で申込
- 中立:ネット証券、S級銘柄の当落に影響がない対面証券では申込(大量獲得を狙える場合は妙味あり)※回数制限やS級狙いで回避することも
- やや弱気:SBI証券以外は原則回避(ただし、マイナス覚悟の勝負で申し込むことも)
- 弱気:SBI証券以外は回避(対面証券はバーター取引ならOK)