野村證券という総合証券があります。日本のNo.1証券会社です。
野村證券は対面口座だけではなく、インターネット口座の「野村ネット&コール」もあり、小口個人投資家にとってもメリットが多く、資産形成に有用な総合証券です。
素晴らしい厳選ラインナップのつみたてNISA、1,000円からの投信積立、豊富な債券、TOBにネットで申込可能、IPO・PO、野村信託銀行との連携サービスなどがメリットです。
他方、最安値のネット証券と比較すると株式取引では手数料が高い点などのデメリットもあります。改悪されて以降は、信用取引を使わない限りメリットが乏しくなりました。
野村ファンドネット証券、ジョインベスト証券、野村ネットコールの改悪と、ネット証券事業で3回の失敗があります。
ジョインベスト証券時代の2006年から実際に長年に渡って使った経験にもとづき、悪い点も含めて野村證券のメリット、デメリット、お得な使い方について徹底的に解説します。
目次
長い歴史と高い安心感
野村證券は1925年(大正14年)創業で、100年近い歴史を持つ老舗の証券会社です。
ユーザーから絶大な支持を受けて、大正、昭和、平成、令和と時を紡いできました。
全国に156店舗を網羅しており、顧客資産残高は110.0兆円、口座数は535.4万で全国の証券会社の預かり口座数の21.9%を占めています(2018年12月末現在)。
野村ネット&コールの場合でも、必要に応じて支店で相談することも可能です。
全国津々浦々に支店があり、絶大な安心感がある点は、インターネット専業証券にはない野村證券ならではのメリットです。
日本を代表する野村ホールディングスの資本力のもとで、顧客が安心して取引できるように、システムの安定化に向けた取組みやセキュリティ対策が講じられています。
研ぎ澄まされた「つみたてNISA」
野村證券のつみたてNISAの取扱ファンドは7本のみとなっており、各資産分類(アセットクラス)ごとに評判・口コミが良好な厳選された投信が用意されています。
初心者の方が迷うこと無く選べてユーザーフレンドリーな側面があります。
「商品数が多すぎて選べない」という初心者の声に配慮しつつ、特色があるアクティブ投信もあり、投資経験者のニーズにも応えられる商品構成となっています。
分類 | 商品名 | 購入時手数料 | 運用管理費用(信託報酬) | 信託財産留保額 |
---|---|---|---|---|
日本株 | 野村つみたて日本株投信 | 無料 | 税抜 年0.17% | なし |
ひふみプラス | 無料 | 税抜 年0.98% | なし | |
コモンズ30ファンド | 無料 | 税抜 年0.98% | なし | |
外国株 | 野村つみたて外国株投信 | 無料 | 税抜 年0.19% | なし |
野村スリーゼロ先進国株式投信 | 無料 | ・2030年12月 までは0% ・2031年1月以降 年0.11% | なし | |
バランス | 野村6資産均等バランス | 無料 | 税抜 年0.22% | なし |
つみたて8資産均等バランス | 無料 | 税抜 年0.22% | なし |
「野村つみたて外国株投信」は、日本を除く先進国と新興国の株式全体に投資します。原則として為替ヘッジなしで、中長期的な世界の株価の動きをとらえた投資成果を目指します。
つまり、日本株の3つのうち1つと、野村つみたて外国株投信を選択すれば、世界中の株式に分散投資することが可能です。
野村スリーゼロ先進国株式投信は日本以外の先進国のMSCI-KOKUSAI指数(円換算ベース・為替ヘッジなし)に連動します。
2030年12月末まで信託報酬が0円で、2031年1月1日以降の信託報酬率は税抜0.10%以内と卓越した低コストです。
「野村6資産均等バランス」は、国内および外国の「債券」「株式」「REIT」6つの資産にバランスよく分散投資します。
原則として為替ヘッジなしで、毎月リバランスを行います。面倒な場合はこれ1本でもOKとなっています。
「つみたて8資産均等バランス」は、以下を投資対象とします(原則として為替ヘッジなし)。
区分 | 投資対象の資産 | |
---|---|---|
日本 | 株式、債券、REIT | |
海外 | 先進国 | 株式、債券、REIT |
新興国 | 株式、債券 |
先進国だけでなく新興国の「債券」「株式」にも投資することで、より幅広い資産に分散投資が可能になります。
通常のNISAも含めた野村證券のNISA開設口座数(累計)は169万口座で日本一となっています(2018年12月末時点)。その他、詳細については、以下で徹底的に解説しています。

野村證券のつみたてNISAなら、投資知識がない初心者の方でも、簡単に世界中の株式に分散投資できて、中長期的にはインフレに負けない無難な投資成果が期待できます。
豊富な銘柄のIPO・POに当選の可能性
野村証券はIPOの取り扱いについては大手証券の中でも屈指の実力を誇ります。多数の上場企業・REITの幹事団に名を連ねています。
2018年の引受銘柄数(主幹事)は23銘柄でNo.1となっています。2012年以降7年連続で首位を独走しています。
ガリバー・野村の真骨頂を発揮しており、大和証券(auアセットマネジメント仲介)、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルスタ証券を圧倒的に凌駕しています。
IPO攻略において極めて重要な証券会社の1つが野村証券なのです。
しかも野村證券のネット専用口座の場合、裁量配分ではなく完全抽選が採用されているので、誰にでも当選のチャンスがあります!
IPOチャレンジポイントが貯まるSBI証券と並んで、一般の個人投資家におすすめできるネット口座です。
また、PO(公募増資・売出)もネット口座で申し込めます。POを大量獲得するには店頭口座でのお付き合いが重要ですけれども、ネットでもお手軽に申し込めるのはメリットです。
特にREITや大型株は当たりやすくなっており、郵政三社、JR九州、SG HD(佐川急便)のIPOでは野村証券の野村ネット&コールで多数の当選者が出て、手堅いリターンを獲得できました。
投資信託も充実!大手ネット証券にはないメリットあり
野村證券は株式だけではなく、投資信託も充実しています。
投信積立は1,000円から可能なので、1,000円ずつ10本、2,000円ずつ10本といった設定が可能になります。
コツコツと積み立て投資を行うことで、手間をかけない着実な資産形成が可能になっています。
時間がない方、投資にかける労力を極力カットしたい方にとって高い利便性があります。
債券が充実(注文は電話のみ)
野村證券は社債、外債が充実しているのが特徴。大手証券会社ならではのメリットです。
個人向け国債以外はインターネットでは注文ができず、電話のみとなる点に注意が必要ですが、充実のラインナップが揃っています。
過去の実績
- オリックス 社債
- イオンモール 社債
- コンコルディア・フィナンシャルグループ 劣後債(※横浜銀行・東日本銀行の持株会社)
- 米国債
- カナダ国債
- イギリス国債
- オーストラリア国債
- トヨタモータークレジット
- 地方公共団体金融機構
- 欧州復興開発銀行
- 国際復興開発銀行
- 国際金融公社
TOBにネットで申し込める!
野村證券はTOBにインターネットからお手軽に申し込むことが可能です。
他社は郵送や支店に出向く必要がある証券会社が多いので手間がかかります。
応募期限ギリギリまで情勢を見極めた上で応募することや、期限間際で購入して募集することが可能です。
もちろん店頭で申し込むこともできるので、ニーズに応じて選択できます。
キャッシュカード「野村カード」で入出金可能
野村證券はキャッシュカードである野村カードを用意しています。
セブン銀行、ゆうちょ銀行、三井住友銀行、BANCS提携銀行、ローソン銀行、イーネットのATMを利用して証券総合口座から、入金・出金が可能となっています。
本・支店のATMコーナーには、セブン銀行ATMが設置されており、平日の利用はもちろん、休日・夜間でも手数料は無料です。
偽造・盗難により、預り資産が不正にATMより引き出された場合、証券取引約款に従い原則として全額補償されます。
豊富な取引ツールと充実の投資情報
野村證券は大手証券らしく、アナリストレポート、その他レポート、投資情報が充実しています。
- 野村週報(口座開設者限定)
- 野村ウィークリー(口座開設者限定)
- Nomura21 Global(口座開設者限定)
- 季刊資産管理(口座開設者限定)
- マーケットアウトルック
- Nomura Fund21
- 企業業績見通し等の調査レポート
野村證券に無料口座開設するだけで、これらのコンテンツを閲覧できるのはバリューが高いです。一切費用がかからずに情報を取得できます。
便利な銀行・証券連携サービス
野村證券には野村信託銀行との連携サービスがあります。野村信託銀行から野村證券取引口座への振込は手数料無料となります。
また、他行宛振込手数料も月10回まで無料となるのが大きなメリットです。
無料回数を超える他の金融機関宛の振込は、1回あたり200円(税抜)の振込手数料が必要となります。
他行宛振込手数料が無料の銀行は僅少であり、これだけでも利用する価値があります。
野村信託銀行のバンキングサービスの利用にあたっては、野村證券の口座開設が必要になります。
野村證券も野村信託銀行も口座開設・維持は無料なので、月10回の振込手数料無料回数を確保したい場合は、野村證券の口座開設をおすすめします。
充実したサポート体制
野村證券は、メールや電話を通じたサポートが充実しています。
嬉しいフリーダイヤルのコールセンターが用意されており、通話料0円で問い合わせできます。携帯電話・スマホからも無料通話が可能です。
しかも営業時間が平日8:40~20:00、土日 9:00~17:00(祝日・年末年始を除く)と長く、忙しい方にも嬉しい問い合わせ体制を構築しています。
野村證券のカスタマーサポートは人員が充実しており、待ち時間が少ないのがメリットです。
大手ネット証券の中には顧客数のわりにはコールセンターの人員数が少なく、電話がつながるまで数分~場合によっては十数分待たさせる証券会社もあります。
しかし、野村證券は比較的すぐに出てくれるのでとてもユーザーフレンドリーです。
証券会社によっては顧客サポートがひどい会社があり、間違った回答を平然と連発するネット証券が存在しています。
この点、野村證券は大手証券会社ならではの体制を構築しており、しっかりと適切な回答を実施しています。安心して問い合わせられます。
実際に野村證券の顧客サポートは第三者機関から客観的に高く評価されています。
HDI-Japan(ヘルプデスク協会)主催の問合せ窓口格付け(証券業界)において、最高評価の三ツ星獲得に加えて、2部門で五つ星を認証しています。
HDI-Japanは、コールセンターのサービス向上を目的に、国際標準に基づいて設定された評価基準に沿って、「問合せ窓口格付け」調査を実施しています。
格付け調査の審査員は、認定を受けた専門審査員と一般公募ユーザから構成され、複数の評価項目から総合的に判断します。
この調査は審査員が顧客の視点で、各企業の問合せ窓口を調査し、「星なし」から「三つ星」までの4段階評価で格付けを行います。
更に五つ星認証プログラムが用意されており、特に優れた会社には五つ星が認定されます。
まとめ
野村證券は大正14年創業、100年近い歴史を持つ老舗の証券会社であり、高い安心感を持つ証券会社です。
わが国におけるNo.1証券としての安心感・信頼性と、お得で便利なサービスが卓越しています。
特につみたてNISA、豊富な債券、TOBにネットで申込可能、IPO・PO、野村信託銀行で他行宛振込手数料が月10回無料になる点が大きなメリットです。
野村ネット&コールは大口投資家だけではなく、小口個人投資家もフル活用できます。
私も以前は野村證券の野村ネット&コールをフル活用して、資産形成を図ることができました。
幸い運用額がそれなりの水準になり、対面取引でのメリットが大きくなってきたので、2017年に窓口相談コース(本・支店口座)に切り替えました。
ただし、私の支店では総合コースはハードルが高く、再びネット&コールに戻ろうか思案中となっています。
野村證券の野村ネット&コールに口座を開くと、資産形成に着実に役立ちます。億り人になる上で八面六臂の大活躍を見せてくれる証券会社です。
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