SREホールディングス(2980)のIPOが決定しています。ブック・ビルディング期間は2019年12月2日(月)~12月6日(金)、上場日は2019年12月18日(水)です。
新規上場する市場は東証マザーズで、想定価格は2,975円(1単元29.75万円)です。公募価格は2019年12月11日(水)に決定。
仮条件は2,550円~2,650円と窓を開けて下振れました。予想PERは93.5~97.2倍です。
初値予想は「マイナスリターンの可能性が高い」です。以下のレンジを想定しています。
2,300〜2,650円(公開価格比-9.8%~±0%)
SREホールディングスは実業(リアル)である「不動産事業」、ITの高度なテクノロジーとAI技術を基盤とした「ITプラットフォーム事業」及び「AIソリューション事業」の3つの事業を有機的に結合させた『AI×リアル』ソリューション事業を展開しています。
監査法人はPwCあらた有限責任監査法人で、本社所在地は東京都港区北青山3丁目1-2 青山セント・シオンビル 2Fです。
SREホールディングスとは
「不動産事業」、「ITプラットフォーム事業」及び「AIソリューション事業」だけをそれぞれ行う事業者はあります。
しかし、SREホールディングスのように、これらの3つの事業を統合的に行っている事業者は稀有です。
実業(リアル)を通じて得たデータ及び知見をAI技術やITにフィードバックし、それにより向上したAI技術やITを実業(リアル)に導入しています。
そして、またそこからフィードバックを得るという、3つの事業が相互に補完し合う強固なビジネスモデルを構築している点が、SREホールディングスの強みです。
従業員数は111名、平均年齢は40.3歳、平均勤続年数は2.8年、平均年間給与は680.5万円です。
不動産事業
「不動産事業」においては、日本の不動産仲介ビジネスの従来の慣習を打破することをコンセプトとしています。
1人の社員が売主、買主の双方を担当せずにどちらか一方のみを担当し、担当する売主又は買主の利益のみを徹底追求する「エージェント制」を採用しています。
なお、2018年度にSREホールディングスが担当した不動産取引の契約額は、売主を担当する場合が9割以上を占めています。
また、売主に対して不動産査定価格を提案する際には、不動産の市場動向、不動産の専有面積、築年数、間取り、階数、バルコニー方向などの住居条件、駅からの距離などの立地条件、住居中、空室、賃貸中などの入居状況など大量のデータをAI技術によって処理する「不動産価格推定エンジン」を活用しています。
恣意性を排した客観的な不動産査定価格を提示し、その上で、担当する社員の専門性を加味した不動産査定価格を提示しています。
「エージェント制」と「不動産価格推定エンジン」の2つの特色を有することで、公平かつ客観的な不動産コンサルティングサービスを顧客に提供しています。
ITプラットフォーム事業
「ITプラットフォーム事業」としては、不動産売却媒介契約を締結できた売主の物件をインターネット上で広告し買主を募集するといった一連の不動産仲介業務を、一気通貫で支援する不動産仲介会社向けのサービスを「おうちダイレクト」というITプラットフォームを通じて提供しています。
物件を売りたい売主からの問合せをインターネット上で集め、問合せがあった売主に対して「不動産価格推定エンジン」の提示する不動産査定価格を盛り込んだ査定書を提示しています。
「おうちダイレクト」を不動産仲介会社に提供することでその利用料をサブスクリプションフィー形式で頂き、不動産仲介に係る取引データを蓄積することができています。
また、不動産仲介業者を通さずに個人が自らマンションの売出しを行うことができる個人向けサービスも提供しています。
AIソリューション事
「AIソリューション事業」では、「不動産事業」や「おうちダイレクト」を利用する不動産仲介会社を通じて得られた大量の不動産取引データを、AI技術によって処理する「不動産価格推定エンジン」を、不動産仲介会社及び金融機関向けに提供しています。
「ITプラットフォーム事業」において提供する「不動産価格推定エンジン」では、不動産売買価格のみを提供しています。
「AIソリューション事業」において提供する「不動産価格推定エンジン」においては、不動産売買価格のみならず、不動産賃貸の賃料を推定する機能なども提供しています。
さらに、不動産仲介業者及び金融機関のみならず電力業界や情報通信業界に対して、マーケティング活動、営業活動、人事業務、在庫管理業務といった顧客企業の様々な顕在的、潜在的な経営課題を、AI技術を用いて解決するコンサルティングサービスを提供しています。
顧客企業の業務の過去の実績データを表形式に整理した上で、将来予測をAI技術により行うソフトウエアに入力すると、自動的に機械学習が実行され、顧客企業の経営課題を解決するための「AIによる将来予測ツール」が生成されます。
顧客企業は、「AIによる将来予測ツール」を業務に活用して将来予測を行うことで、業務の効率化を実現できるようになります。
SREホールディングスのIPOの諸データ
SREホールディングスの業績推移
業績面では売上高は美しい右肩上がりとなっています。経常利益・純利益は減益の年度があるものの、大局的には右肩上がりの傾向となっています。
主要な連結経営指標等の推移は下表のとおりです。
回次 | 第5期 | |
---|---|---|
決算年月 | 2019年3月 | |
売上高 | (千円) | 2,896,438 |
経常利益 | (千円) | 435,049 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | (千円) | 259,568 |
包括利益 | (千円) | 259,568 |
純資産額 | (千円) | 3,179,486 |
総資産額 | (千円) | 4,115,804 |
1株当たり純資産額 | (円) | 231.45 |
1株当たり当期純利益 | (円) | 18.91 |
潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | (円) | - |
自己資本比率 | (%) | 77.2 |
自己資本利益率 | (%) | 8.5 |
株価収益率 | (倍) | - |
営業活動によるキャッシュ・フロー | (千円) | 313,839 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | (千円) | △207,027 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | (千円) | 761 |
現金及び現金同等物の期末残高 | (千円) | 2,483,489 |
従業員数 | (人) | 121 |
提出会社の経営指標等の推移は下表のとおりです。
回次 | 第1期 | 第2期 | 第3期 | 第4期 | 第5期 | |
---|---|---|---|---|---|---|
決算年月 | 2015年3月 | 2016年3月 | 2017年3月 | 2018年3月 | 2019年3月 | |
売上高 | (千円) | 226,534 | 1,168,369 | 2,067,361 | 2,597,370 | 2,853,923 |
経常利益 | (千円) | -311,874 | -427,005 | -90,069 | 196,019 | 380,287 |
当期純利益 | (千円) | -314,654 | -485,334 | -227,505 | 300,340 | 220,650 |
資本金 | (千円) | 422,500 | 1,822,450 | 1,822,450 | 1,822,450 | 1,822,450 |
発行済株式総数 | (株) | 14,650 | 45,760 | 45,760 | 45,760 | 4,576,000 |
純資産額 | (千円) | 530,345 | 2,846,140 | 2,618,634 | 2,918,804 | 3,118,376 |
総資産額 | (千円) | 757,460 | 3,329,863 | 3,240,258 | 3,568,691 | 4,022,476 |
BPS | (円) | 36,201 | 62,170 | 57,199 | 212.54 | 227 |
1株配当 | (円) | - | - | - | - | - |
EPS | (円) | -30,064 | -13,026 | -4,972 | 21.88 | 16.07 |
自己資本比率 | (%) | 70 | 85.4 | 80.8 | 81.8 | 77.5 |
自己資本利益率 | (%) | - | - | - | 10.9 | 7.3 |
株価収益率 | (倍) | - | - | - | - | - |
配当性向 | (%) | - | - | - | - | - |
営業CF | (千円) | - | - | - | 327,985 | - |
投資CF | (千円) | - | - | - | -300,724 | - |
財務CF | (千円) | - | - | - | -276 | - |
現金等 | (千円) | - | - | - | 2,375,916 | - |
従業員数 | (人) | 50 | 115 | 135 | 119 | 117 |
市場トレンド
市況面では、上場直前3ヶ月間のインデックスが上昇トレンドの状況だと初値リターンが高い傾向となっています。
東証マザーズ指数は2016年2月以降は長らく上昇トレンドが続き、2006年の高値を目指して爆進中となっていましたが、2018年1月下旬をピークとして下降トレンドが続いていました。
記事公開時点までの数ヶ月はボックストレンドとなっています。
軟調になると向かい風となり、底打ちして堅調な相場に回帰すれば、IPOにおいて追い風となります。
上場規模
SREホールディングスのIPOの規模は最大で約153.4億円であり、東証マザーズとしてはかなりの大型です。小型であればある程、初値リターンは良い傾向があります。
公募株式数は1,400,000株、売出株式数は3,084,600株、オーバーアロットメント(OA)は672,600株です。
公開比率(オファリングレシオ)は最大で約34%と高めです。公開比率が低ければ低いほど、初値リターンが高い傾向があります。公募株式数に占める売出の割合は69%です。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ | |
---|---|---|---|
ソニー(株) | 53.01% | ○ | |
Zホールディングス(株) | 41.16% | ○ | |
西山和良 | 2.61% | ○ | |
角田智弘 | 0.43% | ○ | |
河合通恵 | 0.35% | ||
青木和大 | 0.29% | ○ | |
喜志武弘 | 0.22% | ○ | |
清水卓 | 0.21% | ○ | |
上出昇 | 0.21% | ○ | |
久々湊暁夫 | 0.12% | ○ |
初値予想
SREホールディングスの事業は、実業(リアル)である「不動産事業」、ITの高度なテクノロジーとAI技術を基盤とした「ITプラットフォーム事業」及び「AIソリューション事業」の3つの事業を有機的に結合させた『AI×リアル』ソリューション事業ということで、IPOにおける業種の人気度は高めです。
訴求力の高い東証マザーズネット企業の範疇に属しており、事業の主力ではありませんが、AIというキラーワードも包含しています。
上位株主にVCはなく、満遍なくロックアップがかかっています。
約153.4億円という上場規模は東証マザーズとしてはかなりの大型です。
東証マザーズの50億円以上の大型IPOの初値結果は以下のとおりです。
- BASE:-6.9%
- HPCシステムズ:-6.0%
- ギフティ:+25.3%
- ステムリム:-7.0%
- ブシロード:+16.6%
- 新日本製薬:+13.2%
- Sansan:+5.8%
- EduLab:+2.2%
- ポート:-37.2%
- 自律制御システム研究所:-16.8%
- SBIインシュアランスグループ:±0%
- MTG:+21.6%
- メルカリ:+66.7%
- ラクスル:+9.7%
- SOU:+24.2%
- 神戸天然物化学:+56.6%
- HANATOUR JAPAN:+10.0%
- ウェルビー:+28.1%
- MS&Consulting:-2.3%
- PKSHA Technology:+128.3%
- ビーグリー:+0.1%
- アイモバイル:-6.8%
- ベイカレント・コンサルティング:-6.5%
- アカツキ:-8.0%
- ビジョン:+10.7%
- グリーンペプタイド:-8.0%
- メタップス:-7.9%
- イトクロ:+4.1%
- ヘリオス:+22.5%
- Gunosy:±0%
- サンバイオ:-14.5%
- Aiming:+12.2%
- ファーストブラザーズ:+2.5%
- イーレックス:+11.2%
- リボミック:-20.4%
- VOYAGE GROUP:+40.0%
- CYBERDYNE:+130.0%
- アキュセラ・インク:+27.8%
- シグマクシス:+0.3%
- オンコリスバイオファーマ:+34.6%
- じげん:+191.7%
- ペプチドリーム:+216.0%
- UMNファーマ:-8.0%
- ライフネット生命:-7.0%
- ダブル・スコープ:-8.0%
- テラプローブ:-7.5%
- エフオーアイ:-9.4%
- グリー:+51.5%
- カービュー:+5.5%
- ユー・エス・ジェイ:-4.9%
- ゲームオン:-8.0%
- GCA:+28.1%
- ミクシィ:+90.3%
東証マザーズの大型IPOは、メルカリ・CYBERDYNE・ミクシィのようなテーマ性がある銘柄か、バイオ旋風が吹き荒れている時のバイオ銘柄以外は軟調な傾向があります。
以上を総合考慮して、初値予想は「マイナスリターンの可能性が高い」です。
主幹事はSMBC日興証券です。その他は、大和証券、SBI証券、野村證券、マネックス証券、楽天証券で申し込めます。
証券会社名 | 割当株式数 | 割当比率 |
---|---|---|
SMBC日興証券 | 3,587,800 | 80.00% |
大和証券 | 493,300 | 11.00% |
SBI証券 | 224,200 | 5.00% |
野村証券 | 134,500 | 3.00% |
マネックス証券 | 22,400 | 0.50% |
楽天証券 | 22,400 | 0.50% |
SREホールディングスのIPOの当選のコツについては、以下で徹底解説しています。
SBI証券が幹事団に入っているので、着実にSBIチャレンジポイントを貯めましょう。
参考まだ安全資産は定期預金と国債だけなの?IPOチャレンジポイントで確実にS級IPOをゲットできる
SBI証券でIPOの引受け部門で活動していたプロにインタビューして、貴重なお話を聞きました。以下にまとめています。
SBI証券は当サイト限定でお得なタイアップ・プログラムを実施しています。なんと口座開設だけで3,000円分のAmazonギフト券がプレゼントされます。口座開設・維持は無料です。
↓
SMBC日興証券のネット口座は小口個人投資家でもIPOが当選することがあります。口座開設をおすすめします。
岩井コスモ証券は、ネット抽選分は小口個人投資家に嬉しい完全公平抽選となっています。
楽天証券も幹事団に名を連ねています。
東海東京証券は小口個人投資家には嬉しい完全抽選がある証券会社です。
野村證券はIPOの取り扱いが多いのがメリットです。小口個人ですと当たりづらいですけれども、ポチポチ作業を許容できる場合は候補です。
郵政3社、JR九州などの大型株に関しては意外な程に当たりやすいです。
マネックス証券は完全抽選で小口個人投資家でも当選する可能性がある証券会社です。
今回は幹事団に入っていませんが、むさし証券もIPOのサービスを提供しています。インターネット口座は売却手数料がリーズナブルです。
SBIネオトレード証券でもIPOの取扱いを開始しています。委託幹事に名を連ねる可能性があります。
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弱気
(※強気・やや強気・中立・やや弱気・弱気の5段階)
- 強気:対面証券・ネット証券で全力申込
- やや強気:ネット証券・対面証券で申込
- 中立:ネット証券、回数制限に問題なくS級銘柄の当落に影響がない対面証券で申込(大量獲得を狙える場合は妙味あり)
- やや弱気:ネット口座以外は原則回避(ただし、マイナス覚悟の勝負で申し込むことも) ※安全重視ならSBI証券のみ
- 弱気:SBI証券以外は回避(対面証券はバーター取引ならOK)