新日本製薬(4931)のIPOが決定しています。ブック・ビルディング期間は2019年6月11日(火)~6月17日(月)、上場日は2019年6月27日(木)です。
新規上場する市場は東証マザーズで、想定価格は1,470円(1単元14.7万円)です。仮条件は1,350円~1,470円と下振れました。
公開価格は仮条件の上限である1,470円となりました。予想PERは13.3倍、予想配当利回りは1.14%(1株配当 16.8)です。
初値予想は「公開価格近辺で若干のプラスリターン」です。以下のレンジを想定しています。
1,480〜1,770円(仮条件の上限比+0.7%~+20.4%)
直前初値予想は以下の通りです。
1,550円(公開価格比+5.4%)
新日本製薬は「世界中の人々の健やかで心豊かな暮らしを創造します」というビジョンを掲げ、その実現に向け、「One to One health & beauty-care.」という事業領域において、化粧品、健康食品及び医薬品の商品開発、販売を展開しています。
監査法人は有限責任監査法人トーマツで、本社所在地は福岡市中央区大手門1丁目4-7です。
新日本製薬とは
新日本製薬は顧客が抱える美と健康に関する悩みを解決することをめざし、通信販売を主軸に各販売チャネルを通じて事業を展開しています。
また、コールセンターのコミュニケーターや直営店舗のビューティーアドバイザーは、顧客のニーズや悩みに合わせ、顧客一人ひとりに合った商品の提案と様々なサポートを行っています。
顧客との取引の中で、電話やオンラインショップで顧客から直接頂いた生の声や商品購入実績等の情報は、データベースに蓄積し、厳正に管理しています。
新日本製薬では、それらの情報を活かしながら、顧客のニーズや嗜好にマッチした商品開発、サービス提供を行っています。
従業員数は363名、平均年齢は36.4歳、平均勤続年数は5.8年、平均年間給与は428.9万円です。
販売チャネル
通信販売
スキンケア、ベースメイク、ヘアケア等の化粧品、健康食品及び医薬品を通信販売で国内の個人へ販売しています。
テレビや新聞、雑誌等のメディアへ出稿している広告等を見て問い合わせてきた方々に対し、自社及び外部委託をしているコールセンターのコミュニケーターにて注文を受けるとともに、コールセンターより商品の提案と様々なサポートを行っています。
通信販売では、顧客に商品を長く利用してもらうために「お買いものサービス」を提案しています。
同サービスの中でも、「定期購入サービス」は商品を定期的に販売するサービスで、累計購入金額に応じて設定されるステージ毎に、定期購入割引価格にて商品を販売しています。
化粧品、健康食品及び医薬品の各商品は、電話だけでなく、新日本製薬のオンラインショップでの販売も行っています。
また、オンラインショップでも問い合わせをもらえるように対応しています。
直営店舗販売・卸売販売
化粧品及び健康食品を百貨店やショッピングセンターへ出店している直営店舗での対面型販売、GMSやバラエティショップ、販売代理店への卸売販売を通じて、全国の顧客へ販売しています。
全国の直営店舗では、専門のビューティーアドバイザーが専用のアプリケーションを使用して、肌診断やカウンセリングを実施し、顧客の悩みに合わせた商品の提案を行っています。
海外販売
海外販売については、平成28年に台湾市場で通信販売を開始しました。
その後、平成30年に香港市場で店舗販売、中国市場で越境EC、タイ市場で店舗販売を展開しています。
海外販売は、海外代理店を通じて、店舗やEC等にて販売しています。
取扱い商品
新日本製薬が取り扱っている主な商品及びブランドは、次のとおりです。
化粧品
化粧品は、平成12年に基礎化粧品の通信販売を開始し、平成18年5月にオールインワン化粧品ラフィネ パーフェクトワンの販売を開始しました。
現在、新日本製薬の基礎化粧品は、ブランド名を「PERFECT ONE」へ、リブランディングし、オールインワン美容液ジェル、化粧水、クレンジング・洗顔等をシンプルスキンケア商品として展開しています。
化粧品については、新日本製薬で企画立案し、製造委託会社にて製品化、物流センターから全国の顧客へ出荷しています。また、直営店舗や取扱店でも販売しています。
主力のパーフェクトワン オールインワン美容液ジェルシリーズは、化粧水・乳液・クリーム・美容液・パック・化粧下地の6役を1品で果たすシンプルスキンケア商品として、現在では機能や使用感の異なるタイプをラインナップし、販売しています。
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ヘルスケア
栄養バランス・生活習慣を整えて、顧客の健やかな毎日をサポートするために、健康食品や医薬品を展開しています。
ヘルスケア商品についても、化粧品と同様に、新日本製薬にて商品の企画を行い、製造委託会社にて製品化、物流センターから全国の顧客へ出荷、販売しています。
健康食品の朝イチスッキリ!シリーズでは、人々の健康志向が高まる中、日頃の野菜不足が気になる方のために、国産素材20種類と乳酸菌、酵素をバランス良く配合した青汁である「朝イチスッキリ!青汁サラダプラス」を販売しています。
また、ひざ関節の曲げ伸ばしや柔軟性をサポートする機能性表示食品「ロコアタックEX」、L-カルニチンと体感系サポート成分フォースリーンなどを配合し、ダイエット時の栄養補給をサポートする「カルニチンクィーン」等の商品を販売しています。
医薬品では、からだの内側から肌を整えて、イボ・肌あれに有効なヨクイニンから成分を抽出し、飲みやすい錠剤にした「新日本製薬の生薬 ヨクイニンエキス錠SH」等の商品を販売しています。
新日本製薬のIPOの諸データ
新規発行による手取金の使途については、設備投資、商品開発、チャネル開発・顧客開発に充当する予定です。
新日本製薬の業績推移
業績面では売上高は減収、経常利益・純利益は減益の年度があるものの、大局的には右肩上がりの傾向となっています。
営業キャッシュフローは純利益を上回っている年度と下回っている年度があります。
前期の自己資本利益率(ROE)は51.8%であり、自己資本比率は43.6%です。主要な経営指標等の推移は下表のとおりです。
回次 | 第25期 | 第26期 | 第27期 | 第28期 | 第29期 | 第30期 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
決算年月 | 平成26年3月 | 平成27年3月 | 平成28年3月 | 平成28年9月 | 平成29年9月 | 平成30年9月 | |
売上高 | (百万円) | 17,602 | 19,240 | 23,697 | 12,465 | 28,372 | 31,210 |
経常利益 | (百万円) | 2,226 | 1,583 | 1,663 | 839 | 2,275 | 2,499 |
当期純利益 | (百万円) | 1,343 | 818 | 1,082 | 715 | 1,477 | 1,751 |
資本金 | (百万円) | 200 | 200 | 200 | 200 | 220 | 250 |
発行済株式総数 | (株) | 4,000 | 4,000 | 4,000 | 4,000 | 1,003,630 | 1,009,630 |
純資産額 | (百万円) | 840 | 995 | 1,635 | 2,583 | 2,685 | 4,191 |
総資産額 | (百万円) | 3,662 | 4,526 | 6,288 | 7,379 | 8,560 | 9,491 |
BPS | (円) | 210,239 | 248,922 | 394,642 | 631,677 | 261.97 | 409.58 |
1株配当 | (円) | 166,048 | 125,000 | 150,000 | 350,000 | 305 | 350 |
EPS | (円) | 335,828 | 204,616 | 270,663 | 178,791 | 147.69 | 174.46 |
自己資本比率 | (%) | 23.0 | 22.0 | 25.1 | 34.2 | 30.7 | 43.6 |
自己資本利益率 | (%) | 76.8 | 89.1 | 84.1 | 34.8 | 57.3 | 51.8 |
配当性向 | (%) | 49.4 | 61.1 | 55.4 | 195.8 | 20.7 | 20.1 |
営業CF | (百万円) | ― | ― | ― | ― | 2,372 | 1,415 |
投資CF | (百万円) | ― | ― | ― | ― | △280 | △420 |
財務CF | (百万円) | ― | ― | ― | ― | △1,546 | △419 |
現金等 | (百万円) | ― | ― | ― | ― | 2,377 | 2,954 |
従業員数 | (名) | 270 | 287 | 291 | 326 | 346 | 361 |
市場トレンド
市況面では、上場直前3ヶ月間のインデックスが上昇トレンドの状況だと初値リターンが高い傾向となっています。
東証マザーズ指数は2016年2月以降は長らく上昇トレンドが続き、2006年の高値を目指して爆進中となっていましたが、2018年1月下旬をピークとして下降トレンドが続いていました。
ここ数ヶ月はボックスでの推移となっており、下降トレンドになったら向かい風となり、底打ちして堅調な相場に回帰すれば、IPOにおいて追い風となります。
(※マネックス証券より)
上場規模
新日本製薬のIPOの規模は最大で約82.3億円であり、東証マザーズとしてはかなりの大型です。小型であればある程、初値リターンは良い傾向があります。
公募株式数は300,000株、売出株式数は4,570,000株、オーバーアロットメント(OA)は730,000株です。
公開比率(オファリングレシオ)は最大で約27%と標準的です。公開比率が低ければ低いほど、初値リターンが高い傾向があります。公募株式数に占める売出の割合は94%です。
売出人かつ貸株人である後藤孝洋及び売出人である株式会社ラプリス、山田英二郎、山田恵美、八重樫宏志、公益財団法人新日本先進医療研究財団、福原光佳には、原則として90日間のロックアップがかかっています。株価上昇による解除条項はありません。
上記のほか、新日本製薬は、取引所の定める有価証券上場規程施行規則の規定に基づき、上場前の第三者割当等による募集株式等の割当等に関し、割当を受けた者との間に継続所有等の確約を行っています。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
---|---|---|
(株)ラプリス | 28.11% | ○ |
山田英二郎 | 27.92% | ○ |
山田恵美 | 19.42% | ○ |
(公財) 新日本先進医療研究財団 | 10.92% | ○ |
後藤孝洋 | 8.86% | ○ |
八重樫宏志 | 2.38% | ○ |
新日本製薬社員持株会 | 0.47% | |
福原光佳 | 0.41% | ○ |
松下大樹 | 0.22% | |
和田一廣 | 0.21% |
初値予想
新日本製薬の事業は企化粧品、健康食品及び医薬品の商品開発、販売ということで、IPOにおける業種の人気度は高くありません。
予想PERは13.3倍、予想配当利回りは1.14%であり、類似企業と比較すると割安感があります。
コード | 銘柄名 | PER | PBR | 配当利回り |
---|---|---|---|---|
4911 | 資生堂 | 44.20 | 7.43 | 0.72% |
4918 | アイビー化粧品 | 25.16 | 9.53 | 0.00% |
4919 | ミルボン | 40.02 | 5.31 | 1.00% |
4921 | ファンケル | 33.88 | 5.75 | 1.18% |
4925 | ハーバー研究所 | 15.22 | 2.75 | 0.48% |
4926 | シーボン | 68.20 | 1.08 | 1.67% |
4927 | ポーラ・オルビスHD | 27.38 | 3.70 | 3.68% |
4928 | ノエビアホールディングス | 24.97 | 4.12 | 3.08% |
約82.3億円という上場規模は東証マザーズとしてはかなりの大型です。
上位株主にVCはなく、万遍なくロックアップがかかっています。
東証マザーズの50億円以上の大型IPOの初値結果は以下のとおりです。
- EduLab:+2.2%
- ポート:-37.2%
- MTG:+21.6%
- メルカリ:+66.7%
- ラクスル:+9.7%
- SOU:+24.2%
- 神戸天然物化学:+56.6%
- HANATOUR JAPAN:+10.0%
- ウェルビー:+28.1%
- MS&Consulting:-2.3%
- PKSHA Technology:+128.3%
- ビーグリー:+0.1%
- アイモバイル:-6.8%
- ベイカレント・コンサルティング:-6.5%
- アカツキ:-8.0%
- ビジョン:+10.7%
- グリーンペプタイド:-8.0%
- メタップス:-7.9%
- イトクロ:+4.1%
- ヘリオス:+22.5%
- Gunosy:±0%
- サンバイオ:-14.5%
- Aiming:+12.2%
- ファーストブラザーズ:+2.5%
- イーレックス:+11.2%
- リボミック:-20.4%
- VOYAGE GROUP:+40.0%
- CYBERDYNE:+130.0%
- アキュセラ・インク:+27.8%
- シグマクシス:+0.3%
- オンコリスバイオファーマ:+34.6%
- じげん:+191.7%
- ペプチドリーム:+216.0%
- UMNファーマ:-8.0%
- ライフネット生命:-7.0%
- ダブル・スコープ:-8.0%
- テラプローブ:-7.5%
- エフオーアイ:-9.4%
- グリー:+51.5%
- カービュー:+5.5%
- ユー・エス・ジェイ:-4.9%
- ゲームオン:-8.0%
- GCA:+28.1%
- ミクシィ:+90.3%
以上を総合考慮して、初値予想は「公開価格近辺で若干のプラスリターン」です。
主幹事はみずほ証券です。その他は、SMBC日興証券、大和証券、SBI証券、マネックス証券、西日本シティTT証券、東海東京証券、いちよし証券で申し込めます。
証券会社名 | 割当株式数 | 割当比率 |
---|---|---|
みずほ証券 | 3,896,000 | 80.00% |
SMBC日興証券 | 389,600 | 8.00% |
大和証券 | 194,800 | 4.00% |
SBI証券 | 146,100 | 3.00% |
マネックス証券 | 97,400 | 2.00% |
西日本シティTT証券 | 48,700 | 1.00% |
東海東京証券 | 48,700 | 1.00% |
いちよし証券 | 48,700 | 1.00% |
新日本製薬のIPOの当選のコツについては、以下で徹底解説しています。
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参考まだ安全資産は定期預金と国債だけなの?IPOチャレンジポイントで確実にS級IPOをゲットできる
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<投資スタンス>
中立
(※強気・やや強気・中立・やや弱気・弱気の5段階)
- 強気:対面証券・ネット証券で全力申込
- やや強気:ネット証券で申込、対面証券では原則申込(回数制限やS級狙いで回避することも)
- 中立:ネット証券、S級銘柄の当落に影響がない対面証券では申込(大量獲得を狙える場合は妙味あり)
- やや弱気:SBI証券以外は原則回避(ただし、マイナス覚悟の勝負で申し込むことも)
- 弱気:SBI証券以外は回避(対面証券はバーター取引ならOK)