ヌーラボ(5033)のIPOが決定しています。ブック・ビルディング期間は2022年6月13日(月)~6月17日(金)、上場日は2022年6月28日(火)です。
ヌーラボが新規上場する市場は東証グロースで、想定価格は2,130円(1単元21.3万円)です。公募価格は2022年6月20日(月)に決定。
仮条件は960~1,000円と窓を開けて大幅に下振れました。予想PERは78.0~81.2倍です。
初値予想は「公開価格近辺で若干のプラスリターン(市況が回復したら上振れ余地あり)」です。以下のレンジを想定しています。
1,050~1,400円(仮条件の上限比+5.0%~+40.0%)
ヌーラボは企業や個人の生産性を向上させるべくクラウドサービス事業を展開しています。
監査法人は有限責任監査法人トーマツです。
ヌーラボとは
ヌーラボは「無の状態から試行錯誤を経て完成したアイデアは、多くのひとを魅了する素晴らしい作品になると考え、無の状態から有を創り出す「研究所」のような会社でありたい」という思いを「Null(ヌル=無)とLab(研究所)を合わせた造語」を社名に冠しています。
そして「チームのコラボレーションを促進し、働くを楽しくする」というミッションを掲げ、企業や個人の生産性を向上させるべくクラウドサービス事業を営んでいます。
ヌーラボが掲げるミッションを達成するために、4つのサービスを展開しています。
主な業務
- 自身や所属するグループの課題(タスク)をプロジェクトとして管理するツール「Backlog」
- 様々なアイデアを図で描くことにより言葉を超えて共有することができるビジュアルコラボレーションツール「Cacoo」
- 多くの人と同時に円滑なコミュニケーションを行うことができるビジネスチャットツール「Typetalk」
- IDの管理を容易にし、組織の情報セキュリティ・ガバナンスを高めるツール「Nulab Pass」
ヌーラボでは、これらのサービスによって、企業及び個人の生産性が向上されると考え、サービス提供を行っています。
従業員数は127名、平均年齢は36.1歳、平均勤続年数は3.3年、平均年間給与は690.3万円です。
ヌーラボのIPOの諸データ
ヌーラボの業績推移
業績面では売上高・経常利益・純利益は、大局的には右肩上がりの傾向となっています。
主要な連結経営指標等の推移は下表のとおりです。
回次 | 第17期 | 第18期 | |
---|---|---|---|
決算年月 | 2020年3月 | 2021年3月 | |
売上高 | (千円) | 1,585,773 | 1,938,649 |
経常損失(△) | (千円) | △48,429 | △8,522 |
親会社株主に帰属する当期純損失(△) | (千円) | △52,915 | △25,532 |
包括利益 | (千円) | △56,276 | △35,152 |
純資産額 | (千円) | 217,810 | 182,657 |
総資産額 | (千円) | 1,276,845 | 1,331,676 |
1株当たり純資産額 | (円) | 36.67 | 30.75 |
1株当たり当期純損失(△) | (円) | △9.78 | △4.30 |
潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | (円) | - | - |
自己資本比率 | (%) | 17.1 | 13.7 |
自己資本利益率 | (%) | - | - |
株価収益率 | (倍) | - | - |
営業活動によるキャッシュ・フロー | (千円) | 177,722 | 242,032 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | (千円) | △88,866 | △80,907 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | (千円) | 377,382 | △119,656 |
現金及び現金同等物の期末残高 | (千円) | 843,474 | 878,976 |
従業員数 | (人) | 111 | 122 |
市場トレンド
市況面では、上場直前3ヶ月間のインデックスが上昇トレンドの状況だと初値リターンが高い傾向となっています。
東証マザーズ指数はここ数ヶ月、ボックス相場が続いており、足元ではボックス下限で揉みあっています。
軟調な推移になるとIPOにおいて向かい風となり、堅調な展開に回帰すれば追い風となります。
上場規模
ヌーラボのIPOの規模は最大で約22.3億円であり、東証グロースとしては中型です。小型であればある程、初値リターンは良い傾向があります。
公募株式数は510,300株、売出株式数は1,429,000株、オーバーアロットメント(OA)は290,800株です。
公開比率(オファリングレシオ)は最大で約35%とやや高めです。公開比率が低ければ低いほど、初値リターンが高い傾向があります。公募株式数に占める売出の割合は74%です。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
---|---|---|
橋本正徳 | 25.42% | ◯ |
田端辰輔 | 25.34% | ◯ |
(株)アリオト | 24.01% | ◯ |
Founder Foundry1号投資事業有限責任組合 | 4.93% | ◯ |
ヌーラボ従業員持株会 | 4.48% | ◯ |
XTech1号投資事業有限責任組合 | 2.74% | ◯ |
イーストベンチャーズ2号投資事業有限責任組合 | 2.53% | ◯ |
イーストベンチャーズ3号投資事業有限責任組合 | 1.77% | ◯ |
新生ベンチャーパートナーズ1号投資事業有限責任組合 | 1.46% | ◯ |
馬場保幸 | 0.37% | ◯ |
※制度ロックアップによる継続保有を含む
初値予想
ヌーラボの事業は企業や個人の生産性を向上させるべくクラウドサービス事業ということで、IPOにおける業種の人気度は高めです。
平常時は訴求力の高いクラウドというキラーワードも事業に内包しています。
予想PERは78.0~81.2倍であり、類似企業と比較すると中間的です。
上位株主にはVCが名を連ねているものの、万遍なくロックアップがかかっています。
約25.0億円という上場規模は東証グロースとしては中型です。
旧・東証マザーズの15億~25億円の中型IPOの初値結果は以下のとおりです。
過去実績
- Recovery International:-13.7%
- CS-C:+19.3%
- 網屋:+6.6%
- グローバルセキュリティエキスパート:+43.6%
- ブロードエンタープライズ:+7.7%
- レナサイエンス:+45.7%
- モビルス:+43.0%
- ブレインズテクノロジー:+134.0%
- ラキール:+77.1%
- i‐plug:+129.0%
- ファンペップ:+10.0%
- いつも:+134.4%
- ココペリ:+125.6%
- スタメン:+133.1%
- さくらさくプラス:+47.4%
- rakumo:+204.0%
- 日本情報クリエイト:+70.0%
- MacbeePlanet:+28.3%
- NexTone:-2.4%
- ヴィス:-8.0%
- ドラフト:-22.7%
- フォースタートアップス:-8.0%
- Kids Smile Holdings:+20.9%
- AI inside:+250.0%
- global bridge HOLDINGS:+49.4%
- HENNGE:+42.9%
- サイバー・バズ:+73.9%
- Link-U:+104.3%
- ピアズ:+51.9%
- トビラシステムズ:+125.8%
- NATTY SWANKY:+20.2%
- 日本ホスピスホールディングス:+46.6%
- ギークス:+50.3%
- カオナビ:+100.5%
- サーバーワークス:+276.6%
- フロンティアインターナショナル:+12.7%
- スマレジ:+135.4%
- テクノスデータサイエンス・エンジニアリング:+98.4%
- リーガル不動産:+42.9%
- ギフト:+77.5%
- イーソル:+138.1%
- CRGホールディングス:+63.6%
- and factory:+56.0%
- GA technologies:+130.3%
- キャンディル:+52.5%
- ライトアップ:+32.1%
- アイペット損害保険:+57.9%
- RPAホールディングス:+207.7%
- フェイスネットワーク:+128.6%
- ジーニー:+98.1%
- SKIYAKI:+147.1%
- シルバーライフ:+85.2%
- ロードスターキャピタル:+37.4%
- シェアリングテクノロジー:+86.9%
- GameWith:+133.9%
- オロ:+129.5%
- ジャパンエレベーターサービスHD:+61.8%
- イントラスト:+35.6%
- スタジオアタオ:+25.7%
- ユーザーベース:+15.9%
- シンクロ・フード:+41.4%
- 串カツ田中:+13.5%
- デファクトスタンダード:+41.1%
- ベガコーポレーション:+25.0%
- エボラブルアジア:+48.3%
- LITALICO:+88.0%
- フィット:-7.9%
- ソネット・メディア・ネットワークス:+139.1%
- マイネット:+19.3%
- ダブルスタンダード:+128.8%
- インベスターズクラウド:+93.3%
- AppBank:+45.8%
- デザインワン・ジャパン:+50.9%
- リンクバル:+27.9%
- モバイルファクトリー:+99.4%
- イード:+46.4%
- KeePer技研:+49.1%
- インターワークス:+16.7%
- クラウドワークス:+73.2%
- GMOTECH:+135.2%
- 弁護士ドットコム:+215.4%
以上を総合考慮して、初値予想は「公開価格近辺で若干のプラスリターン(市況が回復したら上振れ余地あり)」です。
主幹事はSMBC日興証券です。その他は、下表の証券で申し込めます。
証券会社名 | 割当株式数 | 割当比率 |
---|---|---|
SMBC日興証券 | 1,842,500 | 95.01% |
マネックス証券 | 48,500 | 2.50% |
西日本シティTT証券 | 29,000 | 1.50% |
SBI証券 | 19,300 | 1.00% |
SBIグループのSBIネオモバイル証券、SBIネオトレード証券、大和証券グループの大和コネクト証券、野村證券ルートでLINE証券、みずほ証券ルートのPayPay証券も、各証券が幹事に入っている場合は取り扱いを期待できます。
SBIネオモバイル証券ではWealthNaviに当選して手堅いリターンを獲得しました。
ヌーラボのIPOの当選のコツについては、以下で徹底解説しています。
SBI証券が幹事団に入っているので、着実にSBIチャレンジポイントを貯めましょう。
参考まだ安全資産は定期預金と国債だけなの?IPOチャレンジポイントで確実にS級IPOをゲットできる
SBI証券でIPOの引受け部門で活動していたプロにインタビューして、貴重なお話を聞きました。以下にまとめています。
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↓
SMBC日興証券のネット口座は小口個人投資家でもIPOが当選することがあります。口座開設をおすすめします。
岩井コスモ証券は、ネット抽選分は小口個人投資家に嬉しい完全公平抽選となっています。
マネックス証券は完全抽選で小口個人投資家でも当選する可能性がある証券会社です。
野村證券はIPOの取り扱いが多いのがメリットです。小口個人ですと当たりづらいですけれども、ポチポチ作業を許容できる場合は候補です。
郵政3社、JR九州などの小型株に関しては意外な程に当たりやすいです。
大和証券も厳正かつ公平な抽選サービスとなっており、小口投資家でも当選の可能性はあります。
大和証券グループのネット証券である「大和コネクト証券」だと、お手軽にIPOに参加可能です。
岡三オンラインでも取扱いを期待できます。
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↓
<投資スタンス>
中立+
(※強気・やや強気・中立・やや弱気・弱気の5段階)
- 強気:対面証券・ネット証券で全力申込
- やや強気:ネット証券・対面証券で申込
- 中立:ネット証券、回数制限に問題なくS級銘柄の当落に影響がない対面証券で申込(大量獲得を狙える場合は妙味あり)
- やや弱気:ネット口座以外は原則回避(ただし、マイナス覚悟の勝負で申し込むことも) ※安全重視ならSBI証券のみ
- 弱気:SBI証券以外は回避(対面証券はバーター取引ならOK)