ユーピーアール(7065)のIPOが決定しています。ブック・ビルディング期間は2019年5月27日(月)~5月31日(金)、上場日は2019年6月12日(水)です。
新規上場する市場は東証2部で、想定価格は3,130円(1単元31.3万円)です。
仮条件は3,130円~3,300円と上振れました。公募価格は6月3日(月)に決まります。予想PERは9.5~10.0倍、予想配当利回りは0.76~0.79%(1株配当 25)です。
ユーピーアールはパレット等物流機器のレンタル・販売を展開しています。
初値予想は「公開価格近辺で若干のプラスリターン」です。以下のレンジを想定しています。
3,300〜3,700円(仮条件の上限比±0%~+12.1%)
直前初値予想は以下の通りです。
3,700円(公開価格比+12.1%)
監査法人はEY新日本有限責任監査法人で、本社所在地は東京都千代田区内幸町1-3-2 内幸町東急ビル12Fです。
ユーピーアールとは
ユーピーアールは物流事業、コネクティッド事業を行っています。
主力商材のパレットとは荷物の保管や構内作業、輸送のために使用される薄い箱型の荷台で、木製・プラスチック製・金属製など用途ごとに多彩な種類が存在しています。
パレットの上に荷物をまとめて載せることで、フォークリフトで一度に上げ下ろしができるようになるため、荷役作業の全てを人力で行う場合と比べて、作業の効率化が可能となります。
倉庫、自動車、電子機器、農産、水産、食品など幅広い業種に利用されています。
従業員数は164名、平均年齢は37.1歳、平均勤続年数は7.2年、平均年間給与は660.0万円です。
物流事業
レンタル事業部、販売事業部、スマートパレット事業部、アシストスーツ事業部、海外事業部で構成されています。
- パレットなど物流機器のレンタル・販売
- アクティブタグを搭載しクラウド上でパレットの管理を可能とするスマートパレットのレンタル
- 現場でのあらゆる作業に従事する作業者の腰・身体的負担を軽減するアシストスーツのレンタル・販売
ユーピーアールは、木製パレットの製造、販売及びレンタルからスタートしました。
時代の流れにより変化する顧客ニーズに迅速に対応し、プラスチック製パレット、ネスティングラックやカゴ車等の金属製品など様々な場面で利用される物流機器を扱い、レンタル・販売することで発展してきました。
その過程で営業所やデポを全国に展開し、平成31年3月31日現在は国内12の営業所と174のデポで運営しており、レンタル用物流機器の保有枚数は約400万枚に達しています。
従来は、荷物保管用のレンタルパレットの割合が高くなっておりましたが、人手不足による物流の効率化が注目される中、パレットプールシステムを利用した荷物輸送用レンタルパレットの提案などにより、安定したレンタル収入を確保するよう図って行く方針です。
また、海外展開については、シンガポール、タイ、マレーシア、ベトナムに拠点を設置しています。
日系企業への荷物保管用レンタルパレットの供給をメインとしていますが、日本とアセアン地域及びアセアン地域内での荷物輸送用レンタルパレットの提案を進めています。
またローカル企業に対しても同様にビジネスを展開して行く方針です。
コネクティッド事業
コネクティッド事業は、IoT事業部とビークルソリューション事業部で構成されています。
IoT事業部は、位置情報端末とデータ閲覧のwebサイトをパッケージにした「なんつい」や「ワールドキーパー」を主力商品に据え、物流業界を中心に位置情報ソリューションを提供しています。
また、遠隔監視ソリューション「なんモニ」で培った経験と知見を活用し、物流業界向けの総合的なIoTソリューション(物流IoT)を展開しています。
ビークルソリューション事業部は、カーシェアリングシステムのレンタル・販売、カーシェアリング自主運営、カーシェアリング運営受託等のカーシェアリングサービスを提供しています。
現在の大手取引先との関係を更に深めるとともに、実証実験・行政案件に積極的に参画することでカーシェアリング業界内での知名度向上により、自動車メーカーやカーシェアリング事業者等が進めるシェアリングビジネスのパートナーとして販路拡大を継続して行く方針です。
ユーピーアールのIPOの諸データ
新規発行による手取金の使途については、事業拡大を見据えた設備資金に充当する予定です。
具体的には、レンタル資産(パレット等物流機器等)の取得のための資金として1,104,776千円(令和元年8月期220,000千円、令和2年8月期884,776千円)に充当する予定です。
ユーピーアールの業績推移
業績面では売上高は美しい右肩上がりとなっています。経常利益・純利益は減益の年度があるものの、大局的には右肩上がりの傾向となっています。
営業キャッシュフローは純利益・包括利益を上回っている年度と下回っている年度があります。
前期の自己資本利益率(ROE)は15.49%であり、自己資本比率は46.81%です。主要な経営指標等の推移は下表のとおりです。
回次 | 第39期 | 第40期 | |
---|---|---|---|
決算年月 | 平成29年8月 | 平成30年8月 | |
売上高 | (千円) | 9,312,073 | 10,367,224 |
経常利益 | (千円) | 269,820 | 803,401 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | (千円) | 155,454 | 566,949 |
包括利益 | (千円) | 193,431 | 471,024 |
純資産額 | (千円) | 3,652,556 | 4,120,710 |
総資産額 | (千円) | 13,156,952 | 14,341,961 |
1株当たり純資産額 | (円) | 3,164.29 | 3,572.09 |
1株当たり当期純利益 | (円) | 135.41 | 493.86 |
自己資本比率 | (%) | 27.61 | 28.59 |
自己資本利益率 | (%) | 4.39 | 14.66 |
株価収益率 | (倍) | - | - |
営業活動によるキャッシュ・フロー | (千円) | 1,634,968 | 2,166,305 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | (千円) | △1,542,484 | △1,401,573 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | (千円) | △1,120,139 | △451,915 |
現金及び現金同等物の期末残高 | (千円) | 2,741,686 | 3,054,563 |
従業員数 | (人) | 173 | 180 |
提出会社の経営指標等の推移は以下のとおりです。
回次 | 第36期 | 第37期 | 第38期 | 第39期 | 第40期 | |
---|---|---|---|---|---|---|
決算年月 | 平成26年8月 | 平成27年8月 | 平成28年8月 | 平成29年8月 | 平成30年8月 | |
売上高 | (千円) | 7,292,482 | 7,905,031 | 8,862,560 | 9,133,007 | 10,075,634 |
経常利益 | (千円) | 572,940 | 524,560 | 648,401 | 277,624 | 808,042 |
当期純利益 | (千円) | 341,153 | 464,010 | 360,320 | 153,697 | 577,010 |
資本金 | (千円) | 46,000 | 96,000 | 96,000 | 96,000 | 96,000 |
発行済株式総数 | (株) | 76,600 | 76,600 | 76,600 | 76,600 | 76,600 |
純資産額 | (千円) | 2,129,999 | 3,592,147 | 3,403,944 | 3,592,242 | 4,073,890 |
総資産額 | (千円) | 7,968,793 | 11,613,290 | 14,126,723 | 13,051,299 | 14,242,445 |
BPS | (円) | 27,879.57 | 47,017.64 | 59,302.17 | 3,129.13 | 3,548.68 |
1株配当 | (円) | 50 | 100 | 50 | 50 | 50 |
EPS | (円) | 4,454.00 | 6,073.44 | 4,879.93 | 133.88 | 502.62 |
自己資本比率 | (%) | 26.73 | 30.93 | 24.1 | 27.52 | 28.6 |
自己資本利益率 | (%) | 17.51 | 16.22 | 10.3 | 4.39 | 15.05 |
株価収益率 | (倍) | - | - | - | - | - |
配当性向 | (%) | 1.12 | 1.65 | 1.02 | 1.87 | 0.5 |
従業員数 | (人) | 103 | 123 | 137 | 145 | 159 |
市場トレンド
市況面では、上場直前3ヶ月間のインデックスが上昇トレンドの状況だと初値リターンが高い傾向となっています。
東証2部指数は2016年7月以降は長らく上昇トレンドが続いていましたが、2018年1月23日をピークに調整局面に突入し、下落相場が続いていました。
ただし、足元では反発してボックス相場となっています。再度堅調な相場に回帰すれば、IPOにおいて追い風となり、反落したら向かい風となります。
(※マネックス証券より)
上場規模
ユーピーアールのIPOの規模は最大で約16.6億円であり、東証二部としては標準的です。
公募株式数は384,000株、売出株式数は76,400株、オーバーアロットメント(OA)は69,000株です。
公開比率(オファリングレシオ)は約35%とやや高めです。公開比率が低ければ低いほど、初値リターンが高い傾向があります。公募株式数に占める売出の割合は約17%です。
売出人である酒田義矢及び酒田健治、貸株人である酒田三男並びにユーピーアール株主である酒田加代子、中村康久、町田敏明、大矢隆司及び髙井健介には原則として90日間、ユーピーアール従業員持株会には原則180日間のロックアップがかかっています。株価上昇による解除条項はありません。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
---|---|---|
酒田義矢 | 71.78% | ○ |
酒田三男 | 13.94% | ○ |
酒田加代子 | 5.57% | ○ |
酒田健治 | 5.40% | ○ |
ユーピーアール従業員持株会 | 2.09% | ○ |
中村康久 | 0.61% | ○ |
町田敏明 | 0.35% | ○ |
大矢隆司 | 0.17% | ○ |
髙井健介 | 0.09% | ○ |
初値予想
ユーピーアールの事業はパレット等物流機器のレンタル・販売ということで、IPOにおける人気度は低めです。
予想PERは9.5~10.0倍、予想配当利回りは0.76~0.79%であり、類似企業と比較すると割安感があります。
コード | 銘柄名 | PER | PBR | 配当利回り |
---|---|---|---|---|
4690 | 日本パレットプール | 10.04 | 0.39 | 3.67% |
約16.6億円という上場規模は東証2部としても標準的です。上位株主にはVCはなく、万遍なくロックアップがかかっています。
東証2部の10億~20億円のIPOの初値結果は以下のとおりです。
- KHC:-2.1%
- 東海ソフト:+91.5%
- オーウエル:+14.0%
- コーア商事ホールディングス:+49.8%
- 共和コーポレーション:+57.9%
- ジェイ・エス・ビー:+33.8%
- マーキュリアインベストメント:-4.1%
- イワキ(銘柄名:イワキポンプ):+2.5%
- 中本パックス:+0.7%
- JESCOホールディングス:+5.4%
- 土木管理総合試験所:-2.4%
- ホクリヨウ:+8.9%
- 東京ボード工業:-8.0%
- 綿半ホールディングス:+6.3%
- ヤマシンフィルタ:+19.6%
- ダイキアクシス:+3.9%
- エンビプロ・ホールディングス:+48.6%
- サンヨーホームズ:+78.6%
- パンチ工業:-5.4%
- アジュバンコスメジャパン:+4.8%
- 三洋貿易:-3.5%
- 阿波製紙:+0.3%
- ジャパンマテリアル:-7.9%
- AGS:-6.3%
- 大研医器:±0%
- 電算システム:-7.1%
- TAIYO:-6.7%
- ニホンフラッシュ:-7.5%
- リンクアンドモチベーション:+100.0%
- ラサ商事:+25.4%
- 山下医科器械:+0.4%
- デリカフーズ:+35.3%
- サーラ住宅:+24.0%
- ゼロ:+38.2%
以上を総合考慮して、初値予想は「公開価格近辺で若干のプラスリターン」です。
主幹事は野村證券です。その他は、東海東京証券、三菱UFJモルスタ証券、SMBC日興証券、SBI証券、ひろぎん証券、松井証券で申し込めます。
証券会社名 | 割当株式数 | 割当比率 |
---|---|---|
野村証券 | 414,400 | 90.01% |
東海東京証券 | 13,800 | 3.00% |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 9,200 | 2.00% |
SMBC日興証券 | 9,200 | 2.00% |
SBI証券 | 4,600 | 1.00% |
ひろぎん証券 | 4,600 | 1.00% |
松井証券 | 4,600 | 1.00% |
三菱UFJグループのauカブコム証券でも取り扱いが期待できます。カブドットコムのIPOは、公平性と機密性を確保したシステムによる抽選で当選者が決まります。
ユーピーアールのIPOの当選のコツについては、以下で徹底解説しています。
野村證券はIPOの取り扱いが多いのがメリットです。小口個人ですと当たりづらいですけれども、ポチポチ作業を許容できる場合は候補です。
郵政3社、JR九州などの大型株に関しては意外な程に当たりやすいです。
SMBC日興証券は小口個人投資家でもIPOが当たるチャンスがある証券会社です。口座開設をおすすめします。
今回は幹事団に入っていませんが、SBI証券が幹事に入っている場合は、着実にSBIチャレンジポイントを貯めましょう。
参考まだ安全資産は定期預金と国債だけなの?IPOチャレンジポイントで確実にS級IPOをゲットできる
SBI証券でIPOの引受け部門で活動していたプロにインタビューして、貴重なお話を聞きました。以下にまとめています。
SBI証券は当サイト限定でお得なタイアップ・プログラムを実施しています。なんと口座開設だけで3,000円分のAmazonギフト券がプレゼントされます。口座開設・維持は無料です。
↓
マネックス証券は完全抽選で小口個人投資家でも当選する可能性がある証券会社です。
岩井コスモ証券は、ネット抽選分は小口個人投資家に嬉しい完全公平抽選となっています。
SBIネオトレード証券でもIPOの取扱いを開始しています。委託幹事に名を連ねる可能性があります。
まだSBIネオトレード証券に口座をお持ちでない方は、この機会にぜひ口座開設してはいかがでしょうか。
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岡三オンラインでも取扱いの可能性があります。
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松井証券、楽天証券も委託幹事団に名を連ねる可能性があります。
<投資スタンス>
中立
(※強気・やや強気・中立・やや弱気・弱気の5段階)
- 強気:対面証券・ネット証券で全力申込
- やや強気:対面証券・ネット証券で申込(回数制限で回避することも)
- 中立:ネット証券、回数制限・S級銘柄の当落に影響がない対面証券(大量獲得を狙える場合は妙味あり)
- やや弱気:ネット口座以外は原則回避(ただし、マイナス覚悟の勝負で申し込むことも) ※安全重視ならSBI証券のみ
- 弱気:SBI証券以外は回避(対面証券はバーター取引ならOK)