日本電解(5759)のIPOが決定しています。ブック・ビルディング期間は2021年6月10日(木)~6月16日(水)、上場日は2021年6月25日(金)です。
新規上場する市場は東証マザーズで、想定価格は2,480円(1単元24.8万円)です。公募価格は2021年6月17日(木)に決定。
仮条件は1,800~2,480円と下振れました。予想PERは14.9~20.6倍です。
初値予想は「公開価格近辺でマイナスリターンの可能性が高い」です。以下のレンジを想定しています。
1,650〜2,550円(公開価格比-8.3%~+2.8%)
日本電解は硫酸銅を主成分とする電解液から電気分解により金属銅を薄膜状に析出生成させ、加工する電解銅箔製造事業を展開しています。
監査法人は太陽有限責任監査法人で、本社所在地は茨城県筑西市下江連1226です。
日本電解とは
日本電解が製造している電解銅箔は、製品そのものを見かける機会はほぼありませんが、電子・電気機器には必ず使用されている重要な素材です。
電子・電気機器を制御する電気信号を伝える回路基板の導体は、ほとんどが電解銅箔で形成されています。
また、電気自動車に代表される電動機械で使用される電池は軽量化のためにリチウムイオン二次電池(LIB)が使用されています。
LIBに用いられる負極集電体(負極活物質から電子を集める部品)にも主に電解銅箔が用いられており、電解銅箔は日常生活に欠かすことのできない様々な機器に使用されています。
従業員数は204名、平均年齢は42.2歳、平均勤続年数は11.7年、平均年間給与は483.6万円です。
日本電解のIPOの諸データ
日本電解の業績推移
業績面では売上高・純利益・経常利益のいずれも、右肩上がりの傾向となっています。
主要な 連結経営指標等の推移は下表のとおりです。
回次 | 第3期 | 第4期 | |
---|---|---|---|
決算年月 | 2019年3月 | 2020年3月 | |
売上高 | (千円) | 10,866,149 | 12,480,112 |
経常利益 | (千円) | 417,871 | 842,874 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | (千円) | 22,935 | 1,988,030 |
包括利益 | (千円) | 22,935 | 1,972,610 |
純資産額 | (千円) | 2,461,648 | 4,434,258 |
総資産額 | (千円) | 10,227,866 | 13,747,168 |
1株当たり純資産額 | (円) | 341.9 | 615.87 |
1株当たり当期純利益 | (円) | 3.19 | 276.12 |
潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | (円) | ― | ― |
自己資本比率 | (%) | 24.1 | 32.3 |
自己資本利益率 | (%) | 0.9 | 57.7 |
株価収益率 | (倍) | ― | ― |
営業活動によるキャッシュ・フロー | (千円) | 466,207 | 1,892,432 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | (千円) | △3,349,196 | △2,086,852 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | (千円) | 2,143,597 | 846,056 |
現金及び現金同等物の期末残高 | (千円) | 597,694 | 1,253,829 |
従業員数 | (名) | 182 | 273 |
市場トレンド
市況面では、上場直前3ヶ月間のインデックスが上昇トレンドの状況だと初値リターンが高い傾向となっています。
東証マザーズ指数は、ここ数ヶ月ボックスでの推移となっており、足元では抵抗線を割っています。
軟調な推移が続くとIPOにおいて向かい風となり、堅調な展開に回帰すれば追い風となります。
上場規模
日本電解のIPOの規模は最大で約178.0億円であり、東証マザーズとしては大型です。小型であればある程、初値リターンは良い傾向があります。
公募株式数は50,000株、売出株式数は6,285,700株、オーバーアロットメント(OA)は842,300株です。
公開比率(オファリングレシオ)は最大で約99%と極めて高めです。公開比率が低ければ低いほど、初値リターンが高い傾向があります。公募株式数に占める売出の割合は99%です。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
---|---|---|
MSD第一号投資事業有限責任組合 | 89.00% | ◯ |
日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 | 10.00% | 100%売出 |
徳岡工業株式会社 | 1.00% | ◯ |
※制度ロックアップによる継続保有を含む
初値予想
日本電解の事業は硫酸銅を主成分とする電解液から電気分解により金属銅を薄膜状に析出生成させ、加工する電解銅箔製造事業ということで、IPOにおける業種の人気度は高くありません。
予想PERは14.9~20.6倍であり、類似企業と比較すると割高感があります。
コード | 銘柄名 | PER | PBR | 配当利回り |
---|---|---|---|---|
5706 | 三井金属 | 7.75 | 0.90 | 2.69% |
5711 | 三菱マテリアル | 15.01 | 0.55 | 2.17% |
5715 | 古河機金 | 13.81 | 0.54 | 3.93% |
5753 | 日本伸銅 | 5.76 | 0.40 | 0.67% |
5757 | CKサンエツ | 9.39 | 0.80 | 1.76% |
5801 | 古河電工 | 17.50 | 0.80 | 2.01% |
約178.0億円という上場規模は東証マザーズとしては大型です。上位株主にVCが名を連ねているものの、満遍なくロックアップがかかっています。
東証マザーズの50億円以上の大型IPOの初値結果は以下のとおりです。
過去実績
- ビジョナル:+43.0%
- スパイダープラス:+48.4%
- Appier Group:+26.9%
- ココナラ:+91.7%
- coly:+104.6%
- アクシージア:+41.4%
- QDレーザ:+134.4%
- ウェルスナビ:+50.0%
- ヤプリ:+65.8%
- プレイド:+99.4%
- Kaizen Platform:+1.7%
- クリーマ:+35.9%
- Retty:+36.5%
- プレミアアンチエイジング:+37.0%
- 日通システム:+83.3%
- I-ne:+12.5%
- ロコガイド:+130.3%
- SREホールディングス:-6.6%
- ランサーズ:+15.3%
- JTOWER:+63.8%
- フリー:+25.0%
- JMDC:+32.5%
- メドレー:-2.3%
- BASE:-6.9%
- HPCシステムズ:-6.0%
- ギフティ:+25.3%
- ステムリム:-7.0%
- ブシロード:+16.6%
- 新日本製薬:+13.2%
- Sansan:+5.8%
- EduLab:+2.2%
- ポート:-37.2%
- 自律制御システム研究所:-16.8%
- SBIインシュアランスグループ:±0%
- MTG:+21.6%
- メルカリ:+66.7%
- ラクスル:+9.7%
- SOU:+24.2%
- 神戸天然物化学:+56.6%
- HANATOUR JAPAN:+10.0%
- ウェルビー:+28.1%
- MS&Consulting:-2.3%
- PKSHA Technology:+128.3%
- ビーグリー:+0.1%
- アイモバイル:-6.8%
- ベイカレント・コンサルティング:-6.5%
- アカツキ:-8.0%
- ビジョン:+10.7%
- グリーンペプタイド:-8.0%
- メタップス:-7.9%
- イトクロ:+4.1%
- ヘリオス:+22.5%
- Gunosy:±0%
- サンバイオ:-14.5%
- Aiming:+12.2%
- ファーストブラザーズ:+2.5%
- イーレックス:+11.2%
- リボミック:-20.4%
- VOYAGE GROUP:+40.0%
- CYBERDYNE:+130.0%
- アキュセラ・インク:+27.8%
- シグマクシス:+0.3%
- オンコリスバイオファーマ:+34.6%
- じげん:+191.7%
- ペプチドリーム:+216.0%
- UMNファーマ:-8.0%
- ライフネット生命:-7.0%
- ダブル・スコープ:-8.0%
- テラプローブ:-7.5%
- エフオーアイ:-9.4%
- グリー:+51.5%
- カービュー:+5.5%
- ユー・エス・ジェイ:-4.9%
- ゲームオン:-8.0%
- GCA:+28.1%
- ミクシィ:+90.3%
以上を総合考慮して、初値予想は「公開価格近辺でマイナスリターンの可能性が高い」です。
主幹事はSMBC日興証券です。その他は、野村證券、SBI証券、マネックス証券、楽天証券、岩井コスモ証券、水戸証券で申し込めます。
証券会社名 | 割当株式数 | 割当比率 |
---|---|---|
SMBC日興証券 | 5,702,300 | 90.00% |
野村証券 | 158,400 | 2.50% |
SBI証券 | 95,000 | 1.50% |
マネックス証券 | 95,000 | 1.50% |
楽天証券 | 95,000 | 1.50% |
岩井コスモ証券 | 95,000 | 1.50% |
水戸証券 | 95,000 | 1.50% |
SBIグループのSBIネオモバイル証券、SBIネオトレード証券でも取り扱いの可能性があります。SBIネオモバイル証券ではWealthNaviに当選して手堅いリターンを獲得しました。
野村證券ルートでLINE証券でも取り扱いの可能性あり。
日本電解のIPOの当選のコツについては、以下で徹底解説しています。
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参考まだ安全資産は定期預金と国債だけなの?IPOチャレンジポイントで確実にS級IPOをゲットできる
SBI証券でIPOの引受け部門で活動していたプロにインタビューして、貴重なお話を聞きました。以下にまとめています。
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野村證券はIPOの取り扱いが多いのがメリットです。小口個人ですと当たりづらいですけれども、ポチポチ作業を許容できる場合は候補です。
郵政3社、JR九州などの大型株に関しては意外な程に当たりやすいです。
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<投資スタンス>
弱気
(※強気・やや強気・中立・やや弱気・弱気の5段階)
- 強気:対面証券・ネット証券で全力申込
- やや強気:ネット証券・対面証券で申込
- 中立:ネット証券、回数制限に問題なくS級銘柄の当落に影響がない対面証券で申込(大量獲得を狙える場合は妙味あり)
- やや弱気:ネット口座以外は原則回避(ただし、マイナス覚悟の勝負で申し込むことも) ※安全重視ならSBI証券のみ
- 弱気:SBI証券以外は回避(対面証券はバーター取引ならOK)