ALiNKインターネット(7077)のIPOが決定しています。ブック・ビルディング期間は2019年11月22日(金)~11月28日(木)、上場日は2019年12月10日(火)です。
新規上場する市場は東証マザーズで、想定価格は1,470円(1単元14.7万円)です。公募価格は2019年11月29日(金)に決定。
仮条件は1,560円~1,700円と窓を開けて上振れました。予想PERは16.9~18.4倍です。
初値予想は大幅なプラスリターンです。以下のレンジを想定しています。
2,900〜3,500円(仮条件の上限比+70.6%~+105.9%)
ALiNKインターネットは「未来の予定を晴れにする」を経営理念として、「天気情報」を社会インフラ化することを目的として事業を展開しています。
具体的には日本気象協会との共同事業である天気予報専門メディア「tenki.jp」、「tenki.jp 登山天気」を運営しています。
監査法人はEY新日本有限責任監査法人で、本社所在地は東京都新宿区山吹町337 都住創山吹町ビル801です。
ALiNKインターネットとは
ALiNKインターネットは、設立当初より「気象業界×インターネット」の領域で事業推進を行っています。
tenki.jpは、生活にかかせない天気予報と気象予報士が日替わりで季節の話題を提供する等のコンテンツに加え、観測データ、地震・津波等の防災情報の提供を行い、気象情報を多種多様な形態で提供しています。
PCのWebページ、スマートフォンアプリ、スマートフォンサイトを合わせて年間約40億PV(2019年2月期実績)、Twitterのフォロワー数が約280万人(2019年2月末時点)に達する天気予報専門メディアです。
tenki.jp及びtenki.jp 登山天気は、週末のレジャー計画をする人、出張先の服装を選びたい人、花粉で困っている人、有感地震で不安を感じている人等、多種多様なシーンの方が未来の行動の判断材料を探すために利用しています。
どんなに世界が便利になっても、どこにいても、どんな人でも、天気情報は欠かせないため、ALiNKインターネットは老若男女問わず使いやすい、どんなときでも繋がるメディアを目指しています。
従業員数は9名、平均年齢は38.7歳、平均勤続年数は2.8年、平均年間給与は467.3万円です。
システム構築・運用
ALiNKインターネットは少人数(2019年9月末現在、従業員9名)であるものの、年間で40億PV(2019年2月期実績)を超える規模のサービスを運用できる体制を構築しています。
過年度に発生している大災害時のユーザーの行動傾向等を蓄積しており、過去の異常気象時や災害時等の突発的なユーザー増加状況を踏まえ、さくらインターネット株式会社と連携を取り、緊急時の対応に備えています。
tenki.jpに係るプログラム・システムは社内でマニュアル化されており、また、オープンソースのプログラム言語で運用しています。
したがって、どのエンジニアが入社してもすぐに対応できるよう社内体制を整えることで、少人数で対応できる組織となっています。
日本気象協会との共同運営
ALiNKインターネットは設立以来、気象情報等をメディア上で提供し、メディア運営ノウハウ及びメディアマネタイズノウハウを蓄積しながら、気象業界に関連したインターネット事業を営んできました。
一方で、気象予報士を抱え、予報業務をリアルタイムで行うだけのリソースは保有していませんでした。
したがって、気象予報士を200名以上抱え、予報業務や気象に係るコンテンツの制作・設計に長けている日本気象協会と互いのリソースを活かした共同事業(天気予報専門メディアの運営)を行っています。
マネタイズ方法
運営メディアであるtenki.jpの主な収益は各ページに掲載される広告収入となります。
アドネットワークを駆使した運用型広告の収入と枠売りやタイアップ広告等の純広告の収入が大半を占めますが、2019年2月期の実績では運用型広告の収入が全体の90%以上を占めています。
ALiNKインターネットは、収益の拡大を図るべく、日々アドネットワーク業者とやり取りを重ね、自社で広告運用を担っています。
当該業界は日進月歩で最新のテクノロジーが開発されていますが、ALiNKインターネットは常に最先端のアドテクノロジーを追い求め、既存の業者だけでなく、海外の新興系のプロダクトも活用して0.01円単位の広告チューニングを行い、最適な運用を行うよう心掛けています。
ALiNKインターネットのIPOの諸データ
ALiNKインターネットの業績推移
業績面では売上高は減収、経常利益・純利益は減益の年度があるものの、大局的には右肩上がりの傾向となっています。
主要な経営指標等の推移は下表のとおりです。
回次 | 第2期 | 第3期 | 第4期 | 第5期 | 第6期 | |
---|---|---|---|---|---|---|
決算年月 | 2015年2月 | 2016年2月 | 2017年2月 | 2018年2月 | 2019年2月 | |
売上高 | (千円) | 272,582 | 245,033 | 373,704 | 445,033 | 694,139 |
経常利益 | (千円) | 146,697 | 105,796 | 248,427 | 199,157 | 344,530 |
当期純利益 | (千円) | 96,997 | 67,558 | 161,459 | 131,734 | 232,349 |
資本金 | (千円) | 3,000 | 3,000 | 3,000 | 3,000 | 18,045 |
発行済株式総数 | (株) | 300 | 300 | 300 | 32,200 | 32,540 |
純資産額 | (千円) | 164,709 | 232,267 | 393,726 | 563,678 | 826,117 |
総資産額 | (千円) | 262,471 | 297,342 | 528,154 | 651,198 | 975,177 |
BPS | (円) | 549,031 | 774,226 | 1,312,423 | 291.76 | 423.13 |
1株配当 | (円) | - | - | - | - | - |
EPS | (円) | 323,325 | 225,194 | 538,197 | 72.33 | 120 |
自己資本比率 | (%) | 62.8 | 78.1 | 74.5 | 86.6 | 84.7 |
自己資本利益率 | (%) | 83.5 | 34 | 51.6 | 27.5 | 33.4 |
株価収益率 | (倍) | - | - | - | - | - |
配当性向 | (%) | - | - | - | - | - |
営業CF | (千円) | - | - | - | 61,626 | 203,448 |
投資CF | (千円) | - | - | - | 749 | △1,040 |
財務CF | (千円) | - | - | - | - | 30,090 |
現金等 | (千円) | - | - | - | 281,079 | 513,669 |
従業員数 | (人) | 2 | 4 | 4 | 5 | 9 |
市場トレンド
市況面では、上場直前3ヶ月間のインデックスが上昇トレンドの状況だと初値リターンが高い傾向となっています。
東証マザーズ指数は2016年2月以降は長らく上昇トレンドが続き、2006年の高値を目指して爆進中となっていましたが、2018年1月下旬をピークとして下降トレンドが続いていました。
記事公開時点までの数ヶ月はボックストレンドとなっています。
軟調になると向かい風となり、底打ちして堅調な相場に回帰すれば、IPOにおいて追い風となります。
上場規模
ALiNKインターネットのIPOの規模は最大で約8.5億円であり、東証マザーズとしても小型です。小型であればある程、初値リターンは良い傾向があります。
公募株式数は150,000株、売出株式数は355,200株、オーバーアロットメント(OA)は75,700株です。
公開比率(オファリングレシオ)は最大で約28%とやや低めです。公開比率が低ければ低いほど、初値リターンが高い傾向があります。公募株式数に占める売出の割合は70%です。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
---|---|---|
池田洋人 | 51.10% | ○ |
松本修士 | 42.93% | ○ |
富田知尚 | 3.21% | ○ |
池田直紀 | 1.46% | ○ |
(一財)日本気象協会 | 0.99% | 制度 |
藤倉昭幸 | 0.12% | |
塚本真由子 | 0.09% | |
高安伸 | 0.09% | |
松田茜 | 0.01% |
初値予想
ALiNKインターネットの事業は、日本気象協会との共同事業である天気予報専門メディア「tenki.jp」、「tenki.jp 登山天気」ということで、IPOにおける業種の人気度はやや高めです。
新規性はないものの、訴求力の高い東証マザーズネット企業の範疇に属しています。
予想PERは16.9~18.4倍であり、類似企業と比較すると割安感があります。
コード | 銘柄名 | PER | PBR | 配当利回り |
---|---|---|---|---|
4825 | ウェザーニューズ | 25.38 | 2.75 | 2.87% |
約8.5億円という上場規模は東証マザーズとしても小型です。
上位株主にVCはおらず、万遍なくロックアップがかかっています。
東証マザーズの5億~10億円未満の小型IPOの初値結果は以下のとおりです。
- ジェイック:+117.3%
- インティメート・マージャー:+110.5%
- AI CROSS:+65.1%
- パワーソリューションズ:+155.5%
- フィードフォース:+140.0%
- インフォネット:+130.2%
- バルテス:+175.8%
- グッドスピード:+25.0%
- エードット:+121.0%
- Welby:+246.7%
- gooddaysホールディングス:+128.1%
- 識学:+152.8%
- テノ.ホールディングス:+25.0%
- AmidAホールディングス:+6.3%
- Kudan:+276.3%
- アルー:+46.7%
- 霞ヶ関キャピタル:+133.7%
- VALUENEX:+133.7%
- ブリッジインターナショナル:+92.6%
- イーエムネットジャパン:+133.3%
- アズーム:+113.3%
- チームスピリット:+101.4%
- アクリート:+100.3%
- ロジザード:+177.8%
- エーアイ:+250.0%
- プロパティデータバンク:+130.3%
- ログリー:+149.2%
- ベストワンドットコム:+242.5%
- HEROZ:+988.9%
- コンヴァノ:+135.4%
- ブティックス:+137.8%
- 和心:+167.9%
- Mマート:+333.9%
- すららネット:+113.0%
- ナレッジスイート:+150.5%
- イオレ:+169.8%
- エル・ティー・エス:+313.2%
- 一家ダイニングプロジェクト:+173.5%
- サインポスト:+287.7%
- エスユーエス:+116.1%
- ユニフォームネクスト:+137.1%
- Fringe81:+133.1%
- ビーブレイクシステムズ:+361.1%
- アセンテック:+197.5%
- 旅工房:+173.7%
- テモナ:+215.7%
- 力の源ホールディングス:+271.7%
- ファイズ:+220.8%
- フォーライフ:+31.6%
- グレイステクノロジー:+130.0%
- イノベーション:+214.1%
- リネットジャパングループ:+92.9%
- G-FACTORY:+54.3%
- シルバーエッグ・テクノロジー:+191.3%
- チェンジ:+149.9%
- バリューデザイン:+111.5%
- カナミックネットワーク:+186.7%
- デジタルアイデンティティ:+88.3%
- ストライク:+125.9%
- ハイアス・アンド・カンパニー:+189.5%
- はてな:+278.1%
- ソーシャルワイヤー:+56.9%
- アークン:+262.1%
- 鎌倉新書:+180.6%
- ネオジャパン:+401.7%
- パートナーエージェント:+217.5%
- ピクスタ:+34.8%
- べステラ:+25.0%
- パルマ:+70.5%
- 富士山マガジンサービス:+126.4%
- ファンデリー:+102.1%
- マーケットエンタープライズ:+167.0%
- ジグソー:+236.4%
- レントラックス:+53.1%
- 海帆:+76.5%
- プラッツ:+70.2%
- 日本動物高度医療センター:+44.2%
- ハウスドゥ:+47.2%
- ショーケース・ティービー:+193.9%
- ヒューマンウェブ:+11.7%
- コラボス:+137.6%
- ALBERT:+115.7%
以上を総合考慮して、初値予想は大幅なプラスリターンです。
主幹事は野村證券です。その他は、SMBC日興証券、三菱UFJモルスタ証券、SBI証券、岡三証券、エース証券で申し込めます。
証券会社名 | 割当株式数 | 割当比率 |
---|---|---|
野村証券 | 475,100 | 94.04% |
SMBC日興証券 | 10,100 | 2.00% |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 5,000 | 0.99% |
SBI証券 | 5,000 | 0.99% |
岡三証券 | 5,000 | 0.99% |
エース証券 | 5,000 | 0.99% |
三菱UFJグループのauカブコム証券でも取り扱いが期待できます。カブドットコムのIPOは、公平性と機密性を確保したシステムによる抽選で当選者が決まります。
岡三グループの岡三オンライン証券でも取扱いの可能性があります。
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ネット証券のキャンペーンとしては破格の内容でおすすめです。まだ口座をお持ちでない方は、ぜひこの機会に開設してみてはいかがでしょうか。
↓
ALiNKインターネットのIPOの当選のコツについては、以下で徹底解説しています。
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参考まだ安全資産は定期預金と国債だけなの?IPOチャレンジポイントで確実にS級IPOをゲットできる
SBI証券でIPOの引受け部門で活動していたプロにインタビューして、貴重なお話を聞きました。以下にまとめています。
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SMBC日興証券のネット口座は小口個人投資家でもIPOが当選することがあります。口座開設をおすすめします。
岩井コスモ証券は、ネット抽選分は小口個人投資家に嬉しい完全公平抽選となっています。
マネックス証券は完全抽選で小口個人投資家でも当選する可能性がある証券会社です。
今回は幹事団に入っていませんが、東海東京証券は小口個人投資家には嬉しい完全抽選がある証券会社です。
むさし証券もIPOのサービスを提供しています。インターネット口座は売却手数料がリーズナブルです。
野村證券はIPOの取り扱いが多いのがメリットです。小口個人ですと当たりづらいですけれども、ポチポチ作業を許容できる場合は候補です。
郵政3社、JR九州などの大型株に関しては意外な程に当たりやすいです。
SBIネオトレード証券でもIPOの取扱いを開始しています。委託幹事に名を連ねる可能性があります。
口座開設キャンペーンでは、約2ヶ月間も売買手数料が無料となります。
楽天証券、松井証券も委託幹事団に名を連ねる可能性があります。
<投資スタンス>
強気
(※強気・やや強気・中立・やや弱気・弱気の5段階)
- 強気:対面証券・ネット証券で全力申込
- やや強気:ネット証券・対面証券で申込
- 中立:ネット証券、S級銘柄の当落に影響がない対面証券では申込(大量獲得を狙える場合は妙味あり)※回数制限やS級狙いで回避することも
- やや弱気:SBI証券以外は原則回避(ただし、マイナス覚悟の勝負で申し込むことも)
- 弱気:SBI証券以外は回避(対面証券はバーター取引ならOK)