TORICO(7138)のIPOが決定しています。ブック・ビルディング期間は2022年3月7日(月)~3月11日(金)、上場日は2022年3月23日(水)です。
TORICOが新規上場する市場は東証マザーズで、想定価格は1,830円(1単元18.3万円)です。公募価格は 2022年3月9日(水)に決定。
仮条件は1,500円~1,700円と窓を開けて下振れました。予想PERは6.6~7.4倍です。
日本市場のIPOは「国策に買いなし」という情勢に陥っており、IPO市場は冷え込んでいます。
初値予想はプラスリターンです。以下のレンジを想定しています。
2,300円~3,000円(仮条件の上限比+25.7%~+63.9%)
TORICOはコミック全巻セットに特化したネット書店「漫画全巻ドットコム」を中心のサービスとしたECサービス、国内外へのデジタルコミック配信サービス、リアルスペース及びECサイトでのマンガイベントサービスを展開しています。
監査法人はアーク有限責任監査法人です。
TORICOとは
TORICOは「世界を虜にする」をビジョンに掲げています。
「世界に”楽しみ”を増やす」というミッションを実現するために、日本が世界に誇るカルチャーであるマンガを軸足として多角的な事業展開を行っています。
休日に自宅でマンガを一気読みする楽しさ、ちょっとしたスキマ時間に読むデジタルコミックの楽しさ、マンガの世界観を凝縮したスペースに浸る楽しさなど、あらゆる生活シーンに楽しみを増やすことで社会に貢献したいとTORICOは考えています。
TORICOはマンガ事業の単一セグメントでありますが、3つのサービスを並行して展開することで、サービス間の垣根を越えたシナジーを生み出しているのが強みです。
- コミック全巻セットに特化したネット書店「漫画全巻ドットコム」を中心のサービスとしたECサービス
- 国内外へのデジタルコミック配信サービス
- リアルスペース及びECサイトでのマンガイベントサービス
従業員数は16名、平均年齢は46.6歳、平均勤続年数は3.6年、平均年間給与は633.0万円です。
TORICOのIPOの諸データ
TORICOの業績推移
業績面では売上高・経常利益・純利益は、大局的には右肩上がりの傾向となっています。
主要な連結経営指標等の推移は下表のとおりです。
回次 | 第15期 | 第16期 | |
---|---|---|---|
決算年月 | 2020年3月 | 2021年3月 | |
売上高 | (千円) | 3,173,891 | 4,991,170 |
経常利益 | (千円) | △28,628 | 273,669 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | (千円) | △2,730 | 254,307 |
包括利益 | (千円) | △2,730 | 254,307 |
純資産額 | (千円) | 434,905 | 689,212 |
総資産額 | (千円) | 1,046,566 | 1,503,556 |
1株当たり純資産額 | (円) | △730.69 | △101.84 |
1株当たり当期純利益 | (円) | △6.75 | 628.85 |
潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | (円) | ― | ― |
自己資本比率 | (%) | 41.6 | 45.8 |
自己資本利益率 | (%) | ― | 45.2 |
株価収益率 | (倍) | ― | ― |
営業活動によるキャッシュ・フロー | (千円) | △59,815 | 288,598 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | (千円) | △5,266 | △29,310 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | (千円) | 134,253 | △9,111 |
現金及び現金同等物の期末残高 | (千円) | 298,834 | 549,011 |
従業員数 | (名) | 44 | 50 |
市場トレンド
市況面では、上場直前3ヶ月間のインデックスが上昇トレンドの状況だと初値リターンが高い傾向となっています。
東証マザーズ指数はここ数ヶ月、下降トレンドが続いています。
軟調な推移が続くとIPOにおいて向かい風となり、堅調な展開に回帰すれば追い風となります。
上場規模
TORICOのIPOの規模は最大で約2.9億円であり、東証マザーズとしては小型です。小型であればある程、初値リターンは良い傾向があります。
公募株式数は50,000株、売出株式数は100,000株、オーバーアロットメント(OA)は22,500株です。
公開比率(オファリングレシオ)は最大で約14%とかなり低めです。公開比率が低ければ低いほど、初値リターンが高い傾向があります。公募株式数に占める売出の割合は67%です。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
---|---|---|
安藤拓郎 | 36.47% | ◯ |
石井昭 | 14.93% | ◯ |
テクノロジーベンチャーズ3号投資事業有限責任組合 無限責任組合員 伊藤忠テクノロジーベンチャーズ(株) | 11.74% | ◯ |
鯉沼充 | 10.66% | ◯ |
三菱UFJキャピタル5号投資事業有限責任組合 無限責任組合員 三菱UFJキャピタル(株) | 5.06% | ◯ |
AJC企業育成投資事業有限責任組合 無限責任組合員 AJキャピタル(株) | 4.19% | ◯ |
(株)A | 2.94% | ◯ |
SuMi TRUSTイノベーション投資事業有限責任組合 無限責任組合員 SBIインベストメント(株) | 2.85% | ◯ |
日本アジア投資(株) | 2.55% | ◯ |
SMBCベンチャーキャピタル1号投資事業有限責任組合 無限責任組合員 SMBCベンチャーキャピタル(株) | 1.76% | ◯ |
※制度ロックアップによる継続保有を含む
初値予想
TORICOの事業はコミック全巻セットに特化したネット書店「漫画全巻ドットコム」を中心のサービスとしたECサービス、国内外へのデジタルコミック配信サービス、リアルスペース及びECサイトでのマンガイベントサービスということで、IPOにおける業種の人気度は高めです。
訴求力の高い東証マザーズネット企業の範疇に属しています。予想PERは6.6~7.4倍であり、類似企業と比較すると割安です。
上位株主にはVCが名を連ねているものの、万遍なくロックアップがかかっています。
約2.9億円という上場規模は東証マザーズとしてもかなりの小型です。
東証マザーズの5億円未満の超小型IPOの初値結果は以下のとおりです。
過去実績
- CaSy:+48.2%
- エフ・コード:+197.0%
- ラバブルマーケティンググループ:+284.5%
- サイエンスアーツ:+165.8%
- ROBOT PAYMENT:+100.3%
- BCC:+157.7%
- アイ・パートナーズフィナンシャル:+216.7%
- ENECHANGE:+300.0%
- タスキ:+655.2%
- ヘッドウォータース:+1,090.0%
- Branding Engineer:+495.9%
- フィーチャ:+805.8%
- アディッシュ:+70.8%
- サイバーセキュリティクラウド:+104.7%
- 関通:+110.6%
- ウィルズ:+372.4%
- ブランディングテクノロジー:+177.3%
- ハウテレビジョン:+209.5%
- Amazia:+33.0%
- バンク・オブ・イノベーション:+108.3%
- ZUU:+246.9%
- ビープラッツ:+354.5%
- 日本リビング保証:+189.8%
- アジャイルメディア・ネットワーク:+415.7%
- みらいワークス:+230.4%
- ウォンテッドリー:+401.0%
- インターネットインフィニティー:+281.8%
- ユナイテッド&コレクティブ:+177.8%
- シャノン:+320.7%
- エルテス:+263.7%
- フィル・カンパニー:+205.3%
- リファインバース:+62.9%
- AWSホールディングス:+235.3%
- 農業総合研究所:+78.1%
- ホープ:+130.0%
- グローバルウェイ:+373.0%
- ヨシムラ・フード・ホールディングス:+50.0%
- バリューゴルフ:+151.2%
- ラクス:+228.7%
- アクアライン:+21.7%
- アイリッジ:+429.2%
- テラスカイ:+350.0%
- エクストリーム:+296.4%
- ビーロット:+422.4%
- レアジョブ:+169.7%
- フィックスターズ:+162.0%
- シンプロメンテ:+135.3%
- サンワカンパニー:+268.4%
- フォトクリエイト:+126.0%
- ウォーターダイレクト:+200.0%
ただし、新しい資本主義ではこれまでの常識が通じない側面があります。
日本市場のIPOは「国策に買いなし」という情勢に陥っており、IPO市場は冷え込んでいます。
以上を総合考慮して、初値予想はプラスリターンです。
主幹事は日興証券です。その他は、下表の証券で申し込めます。
証券会社名 | 割当株式数 | 割当比率 |
---|---|---|
SMBC日興証券 | 135,000 | 90.00% |
SBI証券 | 4,500 | 3.00% |
楽天証券 | 1,500 | 1.00% |
マネックス証券 | 1,500 | 1.00% |
岡三証券 | 1,500 | 1.00% |
いちよし証券 | 1,500 | 1.00% |
松井証券 | 1,500 | 1.00% |
岩井コスモ証券 | 1,500 | 1.00% |
東海東京証券 | 1,500 | 1.00% |
SBIグループのSBIネオモバイル証券、SBIネオトレード証券、大和証券グループの大和コネクト証券、野村證券ルートでLINE証券、みずほ証券ルートのPayPay証券も、各証券が幹事に入っている場合は取り扱いを期待できます。
SBIネオモバイル証券ではWealthNaviに当選して手堅いリターンを獲得しました。
TORICOのIPOの当選のコツについては、以下で徹底解説しています。
SBI証券が幹事団に入っているので、着実にSBIチャレンジポイントを貯めましょう。
参考まだ安全資産は定期預金と国債だけなの?IPOチャレンジポイントで確実にS級IPOをゲットできる
SBI証券でIPOの引受け部門で活動していたプロにインタビューして、貴重なお話を聞きました。以下にまとめています。
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SMBC日興証券のネット口座は小口個人投資家でもIPOが当選することがあります。口座開設をおすすめします。
岩井コスモ証券は、ネット抽選分は小口個人投資家に嬉しい完全公平抽選となっています。
マネックス証券は完全抽選で小口個人投資家でも当選する可能性がある証券会社です。
野村證券はIPOの取り扱いが多いのがメリットです。小口個人ですと当たりづらいですけれども、ポチポチ作業を許容できる場合は候補です。
郵政3社、JR九州などの小型株に関しては意外な程に当たりやすいです。
大和証券も厳正かつ公平な抽選サービスとなっており、小口投資家でも当選の可能性はあります。
大和証券グループのネット証券である「大和コネクト証券」だと、お手軽にIPOに参加可能です。
岡三オンラインでも取扱いを期待できます。
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<投資スタンス>
やや強気
(※強気・やや強気・中立・やや弱気・弱気の5段階)
- 強気:対面証券・ネット証券で全力申込
- やや強気:ネット証券・対面証券で申込
- 中立:ネット証券、回数制限に問題なくS級銘柄の当落に影響がない対面証券で申込(大量獲得を狙える場合は妙味あり)
- やや弱気:ネット口座以外は原則回避(ただし、マイナス覚悟の勝負で申し込むことも) ※安全重視ならSBI証券のみ
- 弱気:SBI証券以外は回避(対面証券はバーター取引ならOK)