オムニ・プラス・システム・リミテッド(7699)のIPOが決定しています。ブック・ビルディング期間は2021年6月15日(火)~6月18日(金)、上場日は2021年6月30日(水)です。
2014年のアキュセラ・インク以来7年ぶりの外国株の上場となります。
新規上場する市場は東証マザーズで、想定価格は950円(1単元9.5万円)です。公募価格は2021年6月21日(月)に決定。
仮条件は940円~960円と上限が上振れました。予想PERは10.2~10.5倍です。
初値予想はプラスリターンです。以下のレンジを想定しています。
1,150〜1,550円(仮条件の上限比+19.8%~+61.5%)
オムニ・プラス・システム・リミテッドはエンジニアリング・プラスチックを軸に、顧客のニーズに応じたカタログ販売や汎用品(ジェネリック)の販売を行うエンジニアリング・プラスチックの流通事業と、顧客ニーズにより深く関与して高耐久・高耐熱、デザイン性を有する樹脂コンパウンド(混合、着色等)を行う開発・製造事業を展開しています。
本社所在地はシンガポール 339943 ベンデマー・ロードB-セントラル#01-03,994Fです。
オムニ・プラス・システム・リミテッドとは
オムニ・プラス・システム・リミテッドの事業の特徴は、顧客の製品ライフサイクルの初期段階である材料の研究開発から製品の量産プロセスまでを継続的にフォローしていくことです。
最大の強みは、本社(シンガポール)に隣接するエンジニアリング・センターを中心とした研究開発能力にあります。
エンジニアリング・センターでは、開発・エンジニアリング分析・特性評価機能により、アプリケーションの詳細な調査・分析、差別化及び迅速なカスタマイズが可能です。
シンガポール企業、A*STAR(シンガポール科学技術研究庁)、およびシンガポールの各種研究機関とのパートナーシップにより、特に自動車・家電分野向け新材料の共同開発・投資を図ると同時に、アプリケーション・マッチング(デザイン・インの重要な指標)のための強力で体系的な材料データベースの構築も担っています。
また、山形大学とは機械学習と人工知能(AI)を使用したポリマー着色剤ライブラリについて共同研究開発を行っています。
流通事業は原則としてオムニ・プラス・システム・リミテッドのエンジニアリング・センター機能及び高機能エンジニアリング・プラスチックのコンパウンド(混合、着色等)を介さない製品の流通です。
その多くは汎用品(ジェネリック)の販売として、売上収益の約60~70%を占めています。
また、オムニ・プラス・システム・リミテッドは、最終顧客(ブランドメーカー)が生産する家庭用電気機器、電子機器、OA機器、自動車、通信関連機器、医療機器等の製品において、筐体や内蔵部品等の部品用途のニーズに対応した素材の耐久性、耐熱性等に優れた高機能エンジニアリング・プラスチックの開発を実施。
また、最終顧客(ブランドメーカー)との共同研究、さらには、A*STAR(シンガポール科学技術研究庁)及びシンガポールの各種研究機関との共同研究を行っています。
さらに、マレーシア(ジョホール・バル)の製造子会社 Nihon Pigment Sdn.Bhd.において、最終顧客(ブランドメーカー)のニーズに基づく高耐久性、高耐熱性、或いはデザイン性を有した高機能エンジニアリング・プラスチックのコンパウンド(混合、着色等)品の製造・供給を実施。
従業員数は40名、平均年齢は39歳、平均勤続年数は5年、平均年間給与は63,910米ドルです。
オムニ・プラス・システム・リミテッドのIPOの諸データ
オムニ・プラス・システム・リミテッドの業績推移
業績面では売上高・純利益・経常利益のいずれも、大局的には右肩上がりの傾向となっています。
主要な連結経営指標等の推移は下表のとおりです。
回 次 | 第14期 | 第15期 | 第16期 | 第17期 | 第18期 | |
---|---|---|---|---|---|---|
決算年月 | 2016年3月 | 2017年3月 | 2018年3月 | 2019年3月 | 2020年3月 | |
売上収益 | (千米ドル) | 81,468 | 109,767 | 168,962 | 209,116 | 192,779 |
税引前利益 | (千米ドル) | 2,240 | 3,304 | 9,619 | 11,553 | 10,703 |
当期利益 | (千米ドル) | 2,086 | 3,083 | 8,069 | 9,264 | 10,026 |
当期包括利益 | (千米ドル) | 1,924 | 3,425 | 8,600 | 8,912 | 9,833 |
純資産額 | (千米ドル) | 7,585 | 10,802 | 20,218 | 38,123 | 28,010 |
総資産額 | (千米ドル) | 40,015 | 53,121 | 88,209 | 98,205 | 105,283 |
BPS | (米ドル) | 2.09 | 2.97 | 5.01 | 1.9 | 1.4 |
EPS | (米ドル) | 0.57 | 0.85 | 2.05 | 0.57 | 0.5 |
自己資本比率 | (%) | 19 | 20.3 | 22.9 | 38.8 | 26.6 |
自己資本利益率 | (%) | 31.1 | 33.5 | 52 | 31.8 | 30.3 |
営業CF | (千米ドル) | 3,847 | △ 3,720 | △ 283 | 8,248 | 6,429 |
投資CF | (千米ドル) | △ 807 | △ 4,154 | △ 2,972 | △ 5,534 | △ 4,114 |
財務CF | (千米ドル) | 795 | 5,135 | 8,450 | 6,858 | △ 8,456 |
現金等 | (千米ドル) | 7,131 | 5,091 | 11,011 | 20,560 | 14,191 |
従業員数 | (人) | 46 | 108 | 146 | 141 | 191 |
市場トレンド
市況面では、上場直前3ヶ月間のインデックスが上昇トレンドの状況だと初値リターンが高い傾向となっています。
東証マザーズ指数は他の株価指数が好調な中、ここ数ヶ月はボックスでの推移となっています。
軟調な推移が続くとIPOにおいて向かい風となり、堅調な展開に回帰すれば追い風となります。
上場規模
オムニ・プラス・システム・リミテッドのIPOの規模は最大で約9.6億円であり、東証マザーズとしても小型です。小型であればある程、初値リターンは良い傾向があります。
公募株式数は880,000株、売出株式数は0株、オーバーアロットメント(OA)は132,000株です。
公開比率(オファリングレシオ)は最大で約5%とかなり低めです。公開比率が低ければ低いほど、初値リターンが高い傾向があります。公募株式数に占める売出の割合は0%です。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
---|---|---|
Neo Puay Keong | 40.23% | |
ITOCHU Plastics Pte. Ltd. | 26.52% | |
D3cube Venture Pte Ltd | 20.00% | |
Ang Whai Hoon | 7.25% | |
Omni-2025 Pte Ltd | 6.00% |
初値予想
オムニ・プラス・システム・リミテッドの事業は、顧客のニーズに応じたカタログ販売や汎用品の販売を行うエンジニアリング・プラスチックの流通事業と、高耐久・高耐熱、デザイン性を有する樹脂コンパウンド(混合、着色等)を行う開発・製造事業ということで、IPOにおける業種の人気度は高くありません。
4社同時上場となり、過密日程のIPOである点はマイナスポイントです。
予想PERは10.2~10.5倍であり、類似企業と比較すると中間的です。
コード | 銘柄名 | PER | PBR | 配当利回り |
---|---|---|---|---|
3407 | 旭化成 | 11.29 | 1.19 | 2.70% |
4005 | 住友化学 | 10.04 | 0.98 | 3.25% |
4021 | 日産化学 | 24.34 | 4.17 | 1.87% |
4023 | クレハ | 11.67 | 0.67 | 2.66% |
4182 | 三菱瓦斯化学 | 12.82 | 1.00 | 2.77% |
4188 | 三菱ケミカルHLDGS | 13.14 | 1.03 | 2.67% |
4215 | タキロンシーアイ | 10.03 | 0.66 | 3.92% |
8090 | 昭光通商 | 6.20 | 0.66 | 0.00% |
8098 | 稲畑産業 | 7.45 | 0.60 | 4.04% |
8103 | 明和産業 | 11.04 | 0.57 | 4.62% |
約9.6億円という上場規模は東証マザーズとしても小型です。上位株主にロックアップはかかっていません。
東証マザーズの5億~10億円の小型IPOの初値結果は以下のとおりです。
過去実績
- ブロードマインド:+93.3%
- ジーネクスト:+131.8%
- ベビーカレンダー:+123.8%
- T.S.I:+100.0%
- WACUL:+342.4%
- オンデック:+190.3%
- クリングルファーマ:+48.0%
- 交換できるくん:+125.1%
- かっこ:+290.6%
- ビートレンド:+257.5%
- カラダノート:+320.0%
- アクシス:+432.7%
- ニューラルポケット:+466.7%
- ティアンドエス:+150.4%
- KIYOラーニング:+133.0%
- アイキューブドシステムズ:+202.2%
- グッドパッチ:+299.6%
- コマースOneホールディングス:+335.6%
- 松屋アールアンドディ:-7.9%
- ミクリード:-8.1%
- リグア:-2.1%
- スポーツフィールド:+211.4%
- ユナイトアンドグロウ:+152.4%
- ALinkインターネット:+136.5%
- ジェイック:+117.3%
- インティメート・マージャー:+110.5%
- AI CROSS:+65.1%
- パワーソリューションズ:+155.5%
- フィードフォース:+140.0%
- インフォネット:+130.2%
- バルテス:+175.8%
- グッドスピード:+25.0%
- エードット:+121.0%
- Welby:+246.7%
- gooddaysホールディングス:+128.1%
- 識学:+152.8%
- テノ.ホールディングス:+25.0%
- AmidAホールディングス:+6.3%
- Kudan:+276.3%
- アルー:+46.7%
- 霞ヶ関キャピタル:+133.7%
- VALUENEX:+133.7%
- ブリッジインターナショナル:+92.6%
- イーエムネットジャパン:+133.3%
- アズーム:+113.3%
- チームスピリット:+101.4%
- アクリート:+100.3%
- ロジザード:+177.8%
- エーアイ:+250.0%
- プロパティデータバンク:+130.3%
- ログリー:+149.2%
- ベストワンドットコム:+242.5%
- HEROZ:+988.9%
- コンヴァノ:+135.4%
- ブティックス:+137.8%
- 和心:+167.9%
- Mマート:+333.9%
- すららネット:+113.0%
- ナレッジスイート:+150.5%
- イオレ:+169.8%
- エル・ティー・エス:+313.2%
- 一家ダイニングプロジェクト:+173.5%
- サインポスト:+287.7%
- エスユーエス:+116.1%
- ユニフォームネクスト:+137.1%
- Fringe81:+133.1%
- ビーブレイクシステムズ:+361.1%
- アセンテック:+197.5%
- 旅工房:+173.7%
- テモナ:+215.7%
- 力の源ホールディングス:+271.7%
- ファイズ:+220.8%
- フォーライフ:+31.6%
- グレイステクノロジー:+130.0%
- イノベーション:+214.1%
- リネットジャパングループ:+92.9%
- G-FACTORY:+54.3%
- シルバーエッグ・テクノロジー:+191.3%
- チェンジ:+149.9%
- バリューデザイン:+111.5%
- カナミックネットワーク:+186.7%
- デジタルアイデンティティ:+88.3%
- ストライク:+125.9%
- ハイアス・アンド・カンパニー:+189.5%
- はてな:+278.1%
- ソーシャルワイヤー:+56.9%
- アークン:+262.1%
- 鎌倉新書:+180.6%
- ネオジャパン:+401.7%
- パートナーエージェント:+217.5%
- ピクスタ:+34.8%
- べステラ:+25.0%
- パルマ:+70.5%
- 富士山マガジンサービス:+126.4%
- ファンデリー:+102.1%
- マーケットエンタープライズ:+167.0%
- ジグソー:+236.4%
- レントラックス:+53.1%
- 海帆:+76.5%
- プラッツ:+70.2%
- 日本動物高度医療センター:+44.2%
- ハウスドゥ:+47.2%
- ショーケース・ティービー:+193.9%
- ヒューマンウェブ:+11.7%
- コラボス:+137.6%
- ALBERT:+115.7%
主幹事がみずほ証券であり、初値売りすると干されるというリスクが有る点も初値の騰落率にはプラス材料です。
以上を総合考慮して、初値予想はプラスリターンです。
主幹事はみずほ証券です。その他は、SBI証券、岡三証券で申し込めます。
証券会社名 | 割当株式数 | 割当比率 |
---|---|---|
みずほ証券 | 704,000 | 80.00% |
SBI証券 | 132,000 | 15.00% |
岡三証券 | 44,000 | 5.00% |
SBIグループのSBIネオモバイル証券、SBIネオトレード証券でも取り扱いの可能性があります。SBIネオモバイル証券ではWealthNaviに当選して手堅いリターンを獲得しました。
みずほ証券の委託幹事としてPayPay証券でも取り扱いを期待できます。
岡三グループの岡三オンラインでも取扱いの可能性があります。
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<投資スタンス>
やや強気
(※強気・やや強気・中立・やや弱気・弱気の5段階)
- 強気:対面証券・ネット証券で全力申込
- やや強気:ネット証券・対面証券で申込
- 中立:ネット証券、回数制限に問題なくS級銘柄の当落に影響がない対面証券で申込(大量獲得を狙える場合は妙味あり)
- やや弱気:ネット口座以外は原則回避(ただし、マイナス覚悟の勝負で申し込むことも) ※安全重視ならSBI証券のみ
- 弱気:SBI証券以外は回避(対面証券はバーター取引ならOK)