ローランド(7944)のIPOが決定しています。ブック・ビルディング期間は2020年12月1日(火)~12月7日(月)、上場日は2020年12月16日(水)です。
新規上場する市場は東証一部か二部で、ほぼ確実に東証1部となるでしょう。2014年にMBOで上場廃止してから、6年ぶりの再上場となります。予想PERは19.0~25.0倍です。
想定価格は2,810円~3,710円(中央値3,260円)です(1単元28.1万~37.1万円)。公募価格は2020年12月8日(火)に決定。
仮条件は2,810円~3,710円と想定価格の上限・下限と同じになりました。
初値予想は「公開価格近辺でマイナスリターンの可能性がある」です。以下のレンジを想定しています。
2,660〜3,860円(仮条件の上限比-5.3%~+4.0%)
ローランドは電子楽器の開発、製造、販売を主たる事業とする、グローバルに幅広い製品群を提供する電子楽器専業メーカーです。
監査法人は太陽有限責任監査法人で、本社所在地は静岡県浜松市北区細江町中川2036-1です。
ローランドの上場・IPO
ローランドは1972年の設立以来、エレクトロニクスの技術進歩にあわせ絶え間なく研究開発を展開してきました。
世界に先駆けた多くの技術や製品を生み出し、楽器市場へ新たな価値を提案することで、電子楽器の分野で世界的なブランドとして名高いです。
現在では、電子ピアノ、電子ドラム、シンセサイザー、ギター関連機器等、様々な製品ラインを総合的にバランスよく展開しています。
また「音」と「映像」の融合にもいち早く取り組み、映像関連機器の開発から販売までを事業として確立しています。
カテゴリー | 特徴 |
---|---|
電子ピアノ | 世界初の、「鍵盤タッチの強弱」を表現できる電子ピアノを生み出したメーカーとして、木と樹脂のメリットを活かした独自のハイブリッド鍵盤や「スーパーナチュラル・ピアノ・モデリング音源」と呼ばれるローランド独自のサウンド技術など、ピアノの命である「タッチ」と「音」にこだわった製品を販売しています。 外観デザインにおいても本格的なグランドピアノタイプから家具調デザイン、コンパクトなスタイリッシュデザインまで様々なデザインを提案しているほか、Bluetoothによるスマートフォンやタブレットとの連携機能の搭載など、電子ピアノならではの、楽しみながら上達する機能も提案しています。 |
電子ドラム | プロのライブステージでも使用可能な、アコースティックドラムのような外観の高性能モデルから、コンパクトで自宅練習にも最適なエントリーモデルまで、「V-Drums」シリーズとして充実のラインナップを揃えています。 メッシュヘッド、サウンドクオリティ、センシング技術、発音スピードなど、総合的な技術力により、「V-Drums」は、電子ドラムの代名詞として、市場での高いシェアを維持し続けています。 |
シンセサイザー | 初心者でも扱いやすく、軽量で持ち運びが容易なエントリーモデルから、プロの音楽制作やライブにも対応可能なモデルまで、様々なユーザー層に対応した製品をラインナップしています。 近年では新たな取り組みとして、ローランドの長年の音源技術を結集し新規開発した共通音源(ZEN-Core)を搭載した製品の販売を開始しました。 |
ダンス&DJ関連機器 | 1980年代にローランドが発表したリズムマシンは、ヒップ・ホップやエレクトロニック・ミュージックといった様々なダンスミュージック、カルチャーを生み出すきっかけとなったと考えられます。 そのDNAを引き継ぎ、最新のデジタル技術で進化したリズムパフォーマー、DJソフトウェアメーカーSerato Limitedと協業開発したDJコントローラーや、楽曲制作、パフォーマンスに必要な全ての機能を備えたグルーブボックスなど、幅広く展開しています。 |
ビデオ | プレゼンテーションやコンサート、イベント等で増加する映像演出ニーズを背景に、演出には欠かせない「映像ミキサー」や「AVミキサー」を中心に展開しています。 異なる規格のビデオ信号をミックスできるマルチフォーマット技術や、長年培ってきた音響技術を活かした、音と映像を1台で扱える製品がローランドの特長です。近年では、アマチュアによる動画投稿の機会が増えており、このようなニーズに対応する、お求めやすいライブ配信向け製品も展開しています。 |
エフェクター | 長年培われてきたアナログ回路及びデジタル信号処理の高い技術力がローランドの強みであり、特に単機能型エフェクターの「コンパクト・シリーズ」はこれまでに累計100機種を超えるモデルを発売し、エフェクターの定番として高いブランド力を築き上げてきました。 また、人の声にハーモニーや高品位な残響効果などを加えるボーカル用エフェクターや、録音したフレーズを繰り返し再生し重ねていく「ルーパー」と呼ばれる製品等も加え、製品展開を拡張しています。 |
楽器用アンプ | ギターアンプを中心に、キーボード用や電子ドラム用まで幅広く製品展開しています。ギターアンプでは、自宅で使用できる小型アンプから、ステージでも使用可能な大型アンプまで幅広いラインナップを展開しています。 近年では、独自のワイヤレス技術により、完全ワイヤレスギターアンプや、ワイヤレス・ヘッドホン型のギターアンプシステムなど、革新的な製品を生み出しています。 |
海外展開については、創業当初の1970年代後半から販売会社の設立を積極的に行い、世界中のあらゆる地域において製品を展開しています。
特に、近年では、成長著しい新興国市場に対して、現地の音楽文化や需要に即した製品投入を行っていくことで、販売拡大に注力。
製造については、海外生産を基本として、製品特性に応じて自社工場と外部委託から最適な拠点を選択することで、柔軟な体制を築いています。
グローバル展開の結果として、ローランドの収益の85%は(2019年12月期現在、小数点第一位を四捨五入)日本国外から得ています。
従業員数は557名、平均年齢は39.8歳、平均勤続年数は2.9年、平均年間給与は743.3万円です。
ローランドのIPOの諸データ
ローランドの業績推移
業績面では売上高は減収、営業利益・純利益は減益の年度もあります。
主要な連結経営指標等の推移は下表のとおりです。
回次 | 第47期 | 第48期 | |
---|---|---|---|
決算年月 | 2018年12月 | 2019年12月 | |
売上高 | (百万円) | 61,153 | 63,247 |
経常利益 | (百万円) | 5,169 | 4,726 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | (百万円) | 3,048 | 2,629 |
包括利益 | (百万円) | 174 | 2,122 |
純資産額 | (百万円) | 18,522 | 18,227 |
総資産額 | (百万円) | 41,144 | 43,532 |
1株当たり純資産額 | (円) | 693.09 | 670.07 |
1株当たり当期純利益 | (円) | 113.53 | 97.92 |
自己資本比率 | (%) | 45.2 | 41.3 |
自己資本利益率 | (%) | 12.5 | 14.4 |
株価収益率 | (倍) | - | - |
営業活動によるキャッシュ・フロー | (百万円) | 3,250 | 4,992 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | (百万円) | 154 | △1,588 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | (百万円) | △5,797 | △3,146 |
現金及び現金同等物の期末残高 | (百万円) | 9,052 | 8,815 |
従業員数 | (名) | 2,402 | 2,565 |
市場トレンド
市況面では、上場直前3ヶ月間のインデックスが上昇トレンドの状況だと初値リターンが高い傾向となっています。
ここ3ヶ月間の株価推移としては堅調な相場となっており、このまま好調な市況が続けば追い風となります。
上場規模
ローランドのIPOの規模は最大で約381.7億円であり、東証一部としては中型です。
公募株式数は0株、売出株式数は11,710,000株、オーバーアロットメント(OA)は585,500株です。
公開比率(オファリングレシオ)は約45%とかなり高めです。公開比率が低ければ低いほど、初値リターンが高い傾向があります。公募株式数に占める売出の割合は100%です。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
---|---|---|
Taiyo Jupiter Holdings, L.P. | 90.98% | ○ |
三木純一 | 2.04% | ○ |
(株)日本カストディ銀行 | 1.72% | ○ |
ローランド社員持株会 | 1.21% | ○ |
柳瀬和也 | 0.89% | ○ |
池上嘉宏 | 0.88% | ○ |
ゴードン・レイゾン | 0.45% | ○ |
田村尚之 | 0.34% | ○ |
ジェイ・ワナメイカー | 0.27% | ○ |
湯川純郎 | 0.27% |
※制度ロックアップによる継続保有を含む
初値予想
ローランドの事業は電子楽器の開発、製造、販売を主たる事業ということで、IPOにおける業種の人気度は低めです。
上場する市場は東証一部か二部ですが、ほぼ確実に東証一部となるでしょう。
予想PERは19.0~25.0倍であり、類似企業と比較すると中間的です。
コード | 銘柄名 | PER | PBR | 配当利回り |
---|---|---|---|---|
2469 | ヒビノ | 赤字 | 1.46 | 0.82% |
6694 | ズーム | 9.95 | 0.76 | 2.49% |
6952 | カシオ | 74.51 | 2.40 | 2.00% |
7951 | ヤマハ | 60.04 | 2.99 | 1.15% |
7952 | 河合楽器 | 赤字 | 0.93 | 0.38% |
上位株主にはVCが名を連ねていますが、万遍なくロックアップがかかっています。
約381.7億円という上場規模は東証一部としては中型であり、このゾーンは成績が奮わない傾向となっています。
東証一部の300億~500億円の中型IPOの初値結果は以下のとおりです。
過去実績
- 雪国まいたけ:-4.5%
- カチタス:+1.5%
- LIXILビバ:-5.0%
- KHネオケム:-5.4%
- ツバキ・ナカシマ:+4.5%
- gumi:±0%
- 西武ホールディングス:±0%
- ポーラ・オルビスホールディングス:-5.9%
- Paltac:-5.5%
- パシフィックゴルフグループ:+26.8%
- 石油資源開発:+1.1%
- 綜合警備保障:±0%
- 新日鉄ソリューションズ:-20.0%
- NECフィールディング:-2.0%
- 松井証券:+1.4%
以上を総合考慮して、初値予想は「公開価格近辺でマイナスリターンの可能性がある」です。
主幹事はSMBC日興証券、UBS証券です。その他は野村證券、松井証券、楽天証券、SBI証券、マネックス証券で申し込めます。
野村證券はIPOの取り扱いが多いのがメリットです。小口個人ですと当たりづらいですけれども、ポチポチ作業を許容できる場合は候補です。
郵政3社、JR九州などの大型株に関しては意外な程に当たりやすいです。
ローランドのIPOの当選のコツについては、以下で徹底解説しています。
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参考まだ安全資産は定期預金と国債だけなの?IPOチャレンジポイントで確実にS級IPOをゲットできる
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松井証券でのIPOの申込手順については、以下で解説しています。
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<投資スタンス>
やや弱気
(※強気・やや強気・中立・やや弱気・弱気の5段階)
- 強気:対面証券・ネット証券で全力申込
- やや強気:対面証券・ネット証券で申込
- 中立:ネット証券、回数制限・S級銘柄の当落に影響がない対面証券(大量獲得を狙える場合は妙味あり)
- やや弱気:ネット口座以外は原則回避(ただし、マイナス覚悟の勝負で申し込むことも) ※安全重視ならSBI証券のみ
- 弱気:SBI証券以外は回避(対面証券はバーター取引ならOK)