日本グランデ(2976)のIPOが決定しています。ブック・ビルディング期間は2019年5月31日(金)~6月6日(木)、上場日は2019年6月19日(水)です。
新規上場する市場は札幌アンビシャスで、想定価格は720円(1単元7.2万円)です。公募価格は6月7日(金)に決まります。
仮条件は720円~750円と上振れました。予想PERは3.7~3.8倍です。
初値予想は「公開価格近辺でマイナスリターンの可能性がある」です。以下のレンジを想定しています。
730〜830円(仮条件の上限比-2.7%~+10.7%)
直前初値予想は以下の通りです。
780円(公開価格比+4.0%)
日本グランデは「人に優しい、生活に優しい、環境に優しい、未来に優しい」を基本コンセプトに掲げ、不動産分譲事業、不動産賃貸事業及び不動産関連事業を展開しています。
監査法人は太陽有限責任監査法人で、本社所在地は札幌市中央区大通西5丁目1番地1 です。
日本グランデとは
日本グランデは、日本グランデ株式会社及び連結子会社2社(グランコミュニティ株式会社、グランホーム株式会社)の計3社で構成されています。
従業員数は37名、平均年齢は45.1歳、平均勤続年数は6.2年、平均年間給与は478.1万円です。
不動産分譲事業
不動産分譲事業は、分譲マンション事業、分譲戸建住宅事業及びその他の不動産取引事業を行っています。
主要事業である分譲マンション事業及び分譲戸建住宅事業は、札幌市において展開しています。
用地仕入・企画立案・設計・施工監理・販売・マンション管理業務を、日本グランデグループで担う自社一貫体制により事業展開し、建築施工期間中の適切な品質管理及び事業コスト管理等を行う開発体制を構築しています。
分譲マンション事業は自社ブランドの「グランファーレ」シリーズとして事業展開しており、付加価値のある永住型マンションを提供しています。
「グランファーレ」は、環境・エコに配慮した居住機能として日本グランデが開発した、室内の空気をクリーンな状態に保つ「炭パワークリーンシステム」を備えています。
建築基準法に基づき換気設備の設置が義務付けられている「24時間換気システム」による第一種換気方式を採用しています。
また、水回り以外の間取りの変更等が可能な「自由設計」の採用、雨水用ドレン管からの水跳ねを防止する「寒冷地用水跳ね防止カバー」を備えています。
更に、分譲マンションの共用スペースには、温泉、フィットネスジム、シアタースタジオ&通信カラオケルーム、屋上庭園、オーナーズサロン、読書ルーム、ペット対応等多彩な共用施設、「パノラマビューウインドウ」等を、マンションごとの仕様に応じて採用しています。
分譲戸建住宅事業は、日本グランデの分譲マンション事業で培った永住型マンションの換気システム等のノウハウを活かし、「安心・安全・満足の家づくり」をテーマにしています。
耐震・耐久・耐火・気密・断熱・遮音性のあるRC3階建て戸建住宅に「自由設計」を採用し、「炭パワークリーンシステム」や屋上スカイテラス等を備えた、連結子会社グランホーム株式会社のブランドである「エステティカ」シリーズとして事業展開しています。
その他の不動産取引事業として、土地及び中古住宅の不動産売買事業、販売代理を含む不動産仲介媒介事業、リフォーム事業等を行っています。
不動産賃貸事業
不動産賃貸事業は、主として札幌市において、天然温泉の大浴場施設を備えたサービス付き高齢者向け住宅を、「グランウエルネス」シリーズとして事業展開しています。
更に「24時間換気システム」、フィットネスルーム、娯楽ラウンジ、カラオケルーム等の共用施設を「グランウエルネス」シリーズの運営物件ごとの仕様に応じて採用しています。
日本グランデの分譲マンション事業で培った永住型マンションの共用施設や管理等のノウハウを活かしています。
その他の不動産賃貸事業として、賃貸マンションや立体駐車場の収益不動産の賃貸等も行っています。
不動産関連事業
連結子会社グランコミュニティ株式会社は、主としてマンション管理事業を行っています。
日本グランデが供給する分譲マンションの管理組合から、マンションの管理事務及び建物等の点検・保守等の管理業務を受託し、顧客の資産の品質管理、サポート体制を構築しています。
その他の不動産関連事業として、火災保険等の保険代理店事業、業務委託斡旋事業、設計監理事業等の事業を行っています。
日本グランデのIPOの諸データ
新規発行による手取金の使途については、全額不動産賃貸事業における開発資金に充当する予定です。
具体的には、2019年6月に開発予定のサービス付き高齢者向け住宅(所在地 札幌市西区)の開発資金である建築工事代、初期費用の一部として95,360千円を2020年3月期中に充当する予定です。
日本グランデの業績推移
業績面では売上高は減収、経常利益・純利益は減益の年度があるものの、大局的には右肩上がりの傾向となっています。
営業キャッシュフローは純利益・包括利益を上回っている年度と下回っている年度があります。
前期の自己資本利益率(ROE)は8.9%であり、自己資本比率は15.3%です。主要な連経営指標等の推移は下表のとおりです。
回次 | 第14期 | 第15期 | |
---|---|---|---|
決算年月 | 2017年3月 | 2018年3月 | |
売上高 | (千円) | 5,314,741 | 3,772,732 |
経常利益 | (千円) | 171,752 | 106,189 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | (千円) | 129,340 | 85,652 |
包括利益 | (千円) | 129,295 | 85,650 |
純資産額 | (千円) | 919,418 | 1,003,069 |
総資産額 | (千円) | 8,477,110 | 6,552,657 |
1株当たり純資産額 | (円) | 919.42 | 1,003.07 |
1株当たり当期純利益金額 | (円) | 129.34 | 85.65 |
自己資本比率 | (%) | 10.8 | 15.3 |
自己資本利益率 | (%) | 14.9 | 8.9 |
株価収益率 | (倍) | - | - |
営業活動によるキャッシュ・フロー | (千円) | 1,906,204 | △930,356 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | (千円) | △10,193 | △113 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | (千円) | 423,710 | △659,284 |
現金及び現金同等物の期末残高 | (千円) | 3,655,832 | 2,066,077 |
従業員数 | (名) | 41 | 42 |
提出会社の経営指標等の推移は以下のとおりです。
回次 | 第11期 | 第12期 | 第13期 | 第14期 | 第15期 | |
---|---|---|---|---|---|---|
決算年月 | 2014年3月 | 2015年3月 | 2016年3月 | 2017年3月 | 2018年3月 | |
売上高 | (千円) | 2,931,238 | 3,409,739 | 3,466,068 | 5,092,204 | 3,196,677 |
経常利益 | (千円) | 22,852 | -113,183 | 146,580 | 160,669 | 41,302 |
当期純利益 | (千円) | 28,876 | -78,077 | 93,124 | 107,466 | 28,273 |
資本金 | (千円) | 100,000 | 100,000 | 100,000 | 100,000 | 100,000 |
発行済株式総数 | (株) | 10,000 | 10,000 | 10,000 | 10,000 | 10,000 |
純資産額 | (千円) | 767,050 | 689,006 | 782,140 | 888,560 | 914,832 |
総資産額 | (千円) | 4,939,389 | 5,414,263 | 5,400,616 | 8,250,102 | 6,313,758 |
BPS | (円) | 76,705 | 68,901 | 78,214 | 889 | 915 |
1株配当 | (円) | - | - | 100 | 200 | 100 |
EPS | (円) | 2,887.69 | -7,807.78 | 9,312.40 | 107.47 | 28.27 |
自己資本比率 | (%) | 15.5 | 12.7 | 14.5 | 10.8 | 14.5 |
自己資本利益率 | (%) | 3.8 | - | 12.7 | 12.9 | 3.1 |
株価収益率 | (倍) | - | - | - | - | - |
配当性向 | (%) | - | - | 1.1 | 1.9 | 3.5 |
従業員数 | (名) | 29 | 25 | 33 | 35 | 35 |
市場トレンド
市況面では、上場直前3ヶ月間のインデックスが上昇トレンドの状況だと初値リターンが高い傾向となっています。
札幌証券取引所の新興市場であるアンビシャスには7社が上場しています。
- 1449:FUJIジャパン
- 2137:株式会社光ハイツ・ヴェラス
- 2172:株式会社インサイト
- 2928:RIZAPグループ株式会社
- 3136:株式会社エコノス
- 3802:株式会社エコミック
- 3849:日本テクノ・ラボ株式会社
- 3987:エコモット
- 3977:フュージョン株式会社
ここ3ヶ月ほどは、上昇傾向、ボックス、下落傾向と分かれています。
上場規模
日本グランデのIPOの規模は最大で約1.3億円であり、札証アンビシャスとしても小型です。小型であればある程、初値リターンは良い傾向があります。
公募株式数は150,000株、売出株式数は35,800株、オーバーアロットメント(OA)は0株です。
公開比率(オファリングレシオ)は約16%と低めです。公開比率が低ければ低いほど、初値リターンが高い傾向があります。公募株式数に占める売出の割合は約19%です。
株主である雅リアルエステート株式会社、平山恒産株式会社、平野雅博、矢代俊二、米盛公和、佐々木裕一、石井雅之、北谷博之及び宮前匡雄には原則180日間のロックアップがかかっています。株価上昇による解除条項はありません。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
---|---|---|
雅リアルエステート(株) | 28.04% | ○ |
平山恒産(株) | 27.56% | ○ |
平野雅博 | 27.44% | ○ |
矢代俊二 | 4.89% | ○ |
米盛公和 | 3.10% | ○ |
木村司 | 2.88% | |
佐々木裕一 | 1.07% | ○ |
小林正義 | 0.80% | |
日本グランデ従業員持株会 | 0.57% |
初値予想
日本グランデの事業は不動産分譲事業、不動産賃貸事業及び不動産関連事業ということで、IPOにおける人気度は市況に大きく左右されます。
株式市場・不動産市場の低迷期は人気が離散する反面、インフレ期待醸成期では大きく人気化します。
予想PERは3.7~3.8倍であり、類似企業と比較すると割安感があります。
コード | 銘柄名 | PER | PBR | 配当利回り |
---|---|---|---|---|
3238 | セントラル総合開発 | 3.11 | 0.40 | 3.97% |
3246 | コーセーアールイー | 8.18 | 1.06 | 4.45% |
3280 | エストラスト | 4.91 | 0.72 | 1.97% |
8891 | エムジーホーム | 3.24 | 0.58 | 1.14% |
8928 | 穴吹興産 | 4.86 | 0.69 | 3.20% |
8931 | 和田興産 | 4.64 | 0.38 | 4.39% |
約1.3億円という上場規模は札幌アンビシャスとしても小型です。上位株主にはVCはなく、万遍なくロックアップがかかっています。
札幌アンビシャスのIPOは機関投資家の参戦がほぼ皆無なので、需給面では個人投資家の動向に大きく左右されます。
2007~2012年は6回連続の公募割れでが続いており、鬼門の市場でしたが、2015年のエコノスが連敗ストッパーとなりました。
その後のフュージョン、エコモットはテーマ性がある事業内容で高騰が期待できるIPOでした。リフォーム工事事業のUJIジャパンは約0.8億円規模で手堅いプラスリターンでした。
- 2018年 FUJIジャパン:+22.6%
- 2017年 エコモット:+53.7%
- 2017年 フュージョン:+151.9%
- 2015年 エコノス:+120.0%
- 2012年 北の達人コーポレーション:-15.0%
- 2008年 インサイト:-23.0%
- 2007年 オストジャパングループ:-23.7%
- 2007年 日本テクノラボ:-20.0%
- 2007年 テラネッツ:-25.0%
- 2007年 インネクスト:-28.6%
- 2007年 光ハイツ・ヴェラス:+4.4%
IPOバブルの余波が残る2006年は、イージーユーズ+3.9%、ナノテックス+20.0%、RIZAPグループ+246.4%、エコミック+325.0%と全勝でした。
以上を総合考慮して、初値予想は「公開価格近辺でマイナスリターンの可能性がある」です。
主幹事は 藍澤證券です。その他は、北洋証券、岡三証券、SBI証券、あかつき証券、エース証券で申し込めます。
証券会社名 | 割当株式数 | 割当比率 |
---|---|---|
藍澤證券 | 157,900 | 84.98% |
北洋証券 | 9,300 | 5.01% |
岡三証券 | 7,400 | 3.98% |
SBI証券 | 7,400 | 3.98% |
あかつき証券 | 1,900 | 1.02% |
エース証券 | 1,900 | 1.02% |
岡三グループの岡三オンラインでも取扱いの可能性があります。
岡三オンラインは、当サイト限定タイアップでお得な入会キャンペーンを行なっています。口座開設と1回以上の取引だけで3,500円+特別レポートがプレゼントされます。
ネット証券のキャンペーンとしては破格の内容でおすすめです。まだ口座をお持ちでない方は、ぜひこの機会に開設してみてはいかがでしょうか。
↓
日本グランデのIPOの当選のコツについては、以下で徹底解説しています。
SBI証券が幹事団に名を連ねているので、着実にSBIチャレンジポイントを貯めましょう。
参考まだ安全資産は定期預金と国債だけなの?IPOチャレンジポイントで確実にS級IPOをゲットできる
SBI証券でIPOの引受け部門で活動していたプロにインタビューして、貴重なお話を聞きました。以下にまとめています。
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今回は幹事団に入っていませんが、野村證券はIPOの取り扱いが多いのがメリットです。小口個人ですと当たりづらいですけれども、ポチポチ作業を許容できる場合は候補です。
郵政3社、JR九州などの大型株に関しては意外な程に当たりやすいです。
SMBC日興証券は小口個人投資家でもIPOが当たるチャンスがある証券会社です。口座開設をおすすめします。
マネックス証券は完全抽選で小口個人投資家でも当選する可能性がある証券会社です。
岩井コスモ証券は、ネット抽選分は小口個人投資家に嬉しい完全公平抽選となっています。
SBIネオトレード証券でもIPOの取扱いを開始しています。委託幹事に名を連ねる可能性があります。
まだSBIネオトレード証券に口座をお持ちでない方は、この機会にぜひ口座開設してはいかがでしょうか。
↓
SBIネオトレード証券 公式キャンペーン
松井証券、楽天証券も委託幹事団に名を連ねる可能性があります。
<投資スタンス>
やや弱気
(※強気・やや強気・中立・やや弱気・弱気の5段階)
- 強気:対面証券・ネット証券で全力申込
- やや強気:対面証券・ネット証券で申込(回数制限で回避することも)
- 中立:ネット証券、回数制限・S級銘柄の当落に影響がない対面証券(大量獲得を狙える場合は妙味あり)
- やや弱気:ネット口座以外は原則回避(ただし、マイナス覚悟の勝負で申し込むことも) ※安全重視ならSBI証券のみ
- 弱気:SBI証券以外は回避(対面証券はバーター取引ならOK)