アイスコ(7698)のIPOが決定しています。ブック・ビルディング期間は2021年3月23日(火)~3月29日(月)、上場日は2021年4月8日(木)です。
新規上場する市場は東証JASDAQスタンダードで、想定価格は1,750円(1単元17.5万円)です。公募価格は2021年3月30日(火)に決定。
仮条件は1,750円~2,000円と上振れました。予想PERは8.4~9.6倍です。
初値予想はやや大き目のプラスリターンです。以下のレンジを想定しています。
2,900〜3,900円(仮条件の上限比+45.0%~+95.0%)
アイスコはアイスクリーム・冷凍食品の卸売業を行うフローズン事業、食品スーパーマーケットの運営を行うスーパーマーケット事業を展開しています。
監査法人はPwC京都監査法人で、本社所在地は神奈川県横浜市泉区新橋町1212です。
アイスコとは
アイスコは「I Care Everybody Company ~あらゆる人々に慈しみの心をもって接する企業でありたい~」という企業理念を掲げ、フローズン事業、スーパーマーケット事業を運営しています。
フローズン事業
アイスコのフローズン事業では、関東及び東海エリアを中心に13拠点の物流センター・営業所と約300台の配送用のトラックを所有し、主にドラッグストア、食品スーパー等の小売店で販売されるアイスクリーム及び市販用冷凍食品の卸売を行っています。
アイスコの取り扱うアイスクリームは、一般社団法人日本アイスクリーム協会の調査によると、2019年の市場規模は5,151億円となり、冷凍食品は、女性の社会進出などを背景として、近年市場が拡大しています。
アイスクリーム・冷凍食品の商品知識を備えた営業担当者を育成し、小売業のニーズに応える商品提案を行っています。
ドラッグストアなど、バックヤードに冷凍庫がなく少人数で運営する店舗においては、アイスクリーム・冷凍食品の性質上溶解が発生してしまうため、すぐに売場の冷凍ケースに陳列しなければなりません。
アイスコは、アイスクリーム・冷凍食品の専門の卸問屋として、「ドロップ納品」(商品をバックヤードに置いてくるだけの納品スタイル)ではなく、売り場に直接陳列して納品する「フルメンテナンスサービス」(得意先の売り場に直接商品を納品し、売り場づくりまでアイスコの配送員が行うサービス)を主として提供しています。
小売業の人手不足を補い、店舗に陳列の業務負担をかけることなく、商品を販売できるという付加価値を付けたサービスを対価を得て提供しています。
フルメンテナンスサービスの中には、アイスコ社員が得意先に代わって需要を予測し発注する、発注サービスも提供しています。
また、物流業界は深刻な人手不足、ドライバー不足となっていますが、アイスコの配送は、通常9割を自社社員が行い、残り1割を協力会社等に委託しています。
自社社員で配送することで、きめ細かいサービスを提供するとともに、フルメンテナンスサービスの質を高める教育を積極的に行い、得意先の開拓、拡大を図っています。
スーパーマーケット事業
アイスコスーパーマーケット事業は神奈川県を中心に「スーパー生鮮館TAIGA」を8店舗、テナントとして2店舗展開しています。
アイスコの強みである生鮮3品(青果・鮮魚・精肉)に注力する事で、大手スーパーとの差別化を図っています。
生鮮3品につきましては、鮮度・品質・品揃え・価格に徹底的にこだわり、より良い商品、美味しい商品を、よりお求めやすく提供できるよう不断の努力を続けています。
アイスコの直営店舗は、出店立地の環境に応じ、主に売場面積150坪から320坪の範囲で店舗展開を進めています。
商品の供給につきましては、鮮度を重視するため、早朝に市場にて、担当バイヤーが青果・鮮魚を買い付けています。
知識・経験豊富なバイヤーが買い付けた商品が、その日のうちに店頭に並び販売される、つまり当日仕入れ当日販売を行うことによって、鮮度にこだわっています。
従業員数は651名、平均年齢は36.8歳、平均勤続年数は5.5年、平均年間給与は413.7万円です。
アイスコのIPOの諸データ
アイスコの業績推移
業績面では売上高・純利益・経常利益は右肩上がりの傾向となっています。
主要な経営指標等の推移は下表のとおりです。
回次 | 第64期 | 第65期 | 第66期 | 第67期 | 第68期 | |
---|---|---|---|---|---|---|
決算年月 | 2016年3月 | 2017年3月 | 2018年3月 | 2019年3月 | 2020年3月 | |
売上高 | (千円) | 32,163,478 | 31,346,402 | 32,991,382 | 35,214,791 | 36,728,211 |
経常利益 | (千円) | 261,296 | 434,944 | 831,414 | 419,247 | 212,303 |
当期純利益 | (千円) | 165,041 | 228,658 | 416,732 | 223,205 | 144,457 |
資本金 | (千円) | 75,000 | 75,000 | 75,000 | 75,000 | 75,000 |
発行済株式総数 | (株) | 107,000 | 107,000 | 107,000 | 107,000 | 107,000 |
純資産額 | (千円) | 698,195 | 1,078,050 | 1,498,096 | 1,718,105 | 1,833,626 |
総資産額 | (千円) | 9,795,845 | 11,098,160 | 12,227,610 | 12,350,223 | 13,648,457 |
BPS | (円) | 6,525 | 10,075 | 14,001 | 1,070.07 | 1,141.46 |
1株配当 | (円) | ― | ― | ― | 250 | 250 |
EPS | (円) | 1,563 | 2,137 | 3,895 | 139.07 | 90 |
自己資本比率 | (%) | 7.1 | 9.7 | 12.3 | 13.9 | 13.4 |
自己資本利益率 | (%) | 27.2 | 25.7 | 32.4 | 13.9 | 8.1 |
配当性向 | (%) | ― | ― | ― | 12 | 18.5 |
営業CF | (千円) | ― | ― | ― | 682,684 | 311,279 |
投資CF | (千円) | ― | ― | ― | △474,657 | △564,431 |
財務CF | (千円) | ― | ― | ― | △235,461 | △98,011 |
現金等 | (千円) | ― | ― | ― | 1,582,806 | 1,231,642 |
従業員数 | (人) | 411 | 443 | 518 | 579 | 632 |
市場トレンド
市況面では、上場直前3ヶ月間のインデックスが上昇トレンドの状況だと初値リターンが高い傾向となっています。
JASDAQ指数は美しい右肩上がりの傾向となっていますが、足元では調整含みとなっています。
このまま軟調な相場が続くと向かい風となり、堅調な推移に回帰すればIPOにおいて追い風となります。
上場規模
アイスコのIPOの規模は最大で約10.7億円であり、JASDAQスタンダードとしてはやや小型です。小型であればある程、初値リターンは良い傾向があります。
公募株式数は217,500株、売出株式数は315,500株、オーバーアロットメント(OA)は79,900株です。
公開比率(オファリングレシオ)は最大で約34%とやや高めです。公開比率が低ければ低いほど、初値リターンが高い傾向があります。公募株式数に占める売出の割合は59%です。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
---|---|---|
(株)KANコーポレーション | 38.70% | ○ |
相原敏貴 | 21.07% | ○ |
相原貴久 | 8.60% | ○ |
アイスコ従業員持株会 | 4.56% | ○ |
江崎グリコ(株) | 4.30% | ○ |
相原久子 | 3.01% | ○ |
青木哲也 | 2.58% | ○ |
野口みゆき | 2.58% | ○ |
永野泰敬 | 1.03% | ○ |
山本宗男 | 0.95% | ○ |
※制度ロックアップによる継続保有を含む
初値予想
アイスコの事業はアイスクリーム・冷凍食品の卸売業を行うフローズン事業、食品スーパーマーケットの運営を行うスーパーマーケット事業ということで、IPOにおける業種の人気度は高くありません。
予想PERは8.4~9.6倍であり、類似企業と比較すると割安感があります。
コード | 銘柄名 | PER | PBR | 配当利回り |
---|---|---|---|---|
3038 | 神戸物産 | 41.08 | 11.36 | 0.49% |
3094 | スーパーバリュー | 5.85 | 1.45 | 0.62% |
3160 | 大光 | 赤字 | 2.07 | 1.29% |
3222 | ユナイテッド・スーパーマーケ | 21.00 | 0.99 | 1.57% |
7481 | 尾家産業 | 赤字 | 1.15 | 0.00% |
8006 | ユアサ・フナシヨク | 赤字 | 0.44 | 0.67% |
8079 | 正栄食品 | 27.11 | 1.84 | 1.08% |
8142 | トーホー | 209.78 | 1.11 | 0.00% |
8194 | ライフコ-ポレ-ション | 9.91 | 1.72 | 1.48% |
8198 | マックスバリュ東海 | 19.94 | 1.29 | 1.94% |
8279 | ヤオコー | 17.95 | 2.37 | 0.94% |
8289 | OLYMPICグループ | 6.48 | 0.79 | 2.28% |
9823 | マミーマート | 9.19 | 0.96 | 1.54% |
9974 | ベルク | 15.39 | 1.70 | 1.32% |
約10.7億円という上場規模はJASDAQスタンダードとしてはやや小型です。上位株主にVCがなく、万遍なくロックアップがかかっています。
JASDAQスタンダードの10億~20億円のやや小型IPOの初値結果は以下のとおりです。
過去実績
- 室町ケミカル:+73.7%
- 東和ハイシステム:+130.4%
- リベルタ:+76.7%
- グラフィコ:+133.7%
- ミアヘルサ:-25.0%
- コンピューターマネージメント:+58.5%
- 浜木綿:+39.2%
- 共栄セキュリティーサービス:+36.5%
- プリントネット:+45.8%
- イボキン:+19.7%
- ABホテル:+104.0%
- ヴィスコ・テクノロジーズ:+204.9%
- 幸和製作所:+126.7%
- 大阪油化工業:+66.7%
- 壽屋:+32.5%
- クロスフォー:+44.0%
- ネットマーケティング:+36.1%
- ズーム:+49.9%
- ほぼ日:+128.1%
- グッドコムアセット:+32.4%
- ウイルプラスホールディングス:-8.0%
- ヒロセ通商:±0%
- 平山:+29.5%
- ヨシックス:+29.4%
- 鳥貴族:+120.7%
- ホットマン:+67.5%
- イーグランド:+27.3%
- 日本コンセプト:-8.0%
- マックスバリュ九州:+4.0%
以上を総合考慮して、初値予想はやや大き目のプラスリターンです。
主幹事は野村證券です。その他は、SMBC日興証券、SBI証券、楽天証券、マネックス証券で申し込めます。
証券会社名 | 割当株式数 | 割当比率 |
---|---|---|
野村証券 | 506,600 | 95.05% |
SMBC日興証券 | 18,600 | 3.49% |
SBI証券 | 2,600 | 0.49% |
楽天証券 | 2,600 | 0.49% |
マネックス証券 | 2,600 | 0.49% |
アイスコのIPOの当選のコツについては、以下で徹底解説しています。
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参考まだ安全資産は定期預金と国債だけなの?IPOチャレンジポイントで確実にS級IPOをゲットできる
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<投資スタンス>
やや強気+
(※強気・やや強気・中立・やや弱気・弱気の5段階)
- 強気:対面証券・ネット証券で全力申込
- やや強気:ネット証券・対面証券で申込
- 中立:ネット証券、S級銘柄の当落に影響がない対面証券では申込(大量獲得を狙える場合は妙味あり)※回数制限やS級狙いで回避することも
- やや弱気:SBI証券以外は原則回避(ただし、マイナス覚悟の勝負で申し込むことも)
- 弱気:SBI証券以外は回避(対面証券はバーター取引ならOK)