GRCS(9250)のIPOが決定しています。ブック・ビルディング期間は2021年11月1日(月)~11月8日(月)、上場日は2021年11月18日(木)です。
新規上場する市場は東証マザーズで、想定価格は3,270円(1単元32.7万円)です。公募価格は2021年11月9日(火)に決定。
仮条件は3,270円~3,600円と上振れました。予想PERは26.4~29.0倍です。
初値予想はやや大き目のプラスリターンです。以下のレンジを想定しています。
5,000〜6,600円(仮条件の上限比+38.9%~+83.3%)
GRCSは全社的リスク・外部委託先・プライバシー保護・セキュリティインシデント等に係る情報管理の効率化を図り、全社横断的な把握・管理を可能にする「GRCソリューション」、ITセキュリティソリューションを展開しています。
監査法人は仰星監査法人で、本社所在地は東京都千代田区五番町1-9 MG市ヶ谷ビルディング9Fです。
GRCSとは
GRCSは、「テクノロジーデシンプルニ」をビジョンに掲げ、テクノロジーを活用して情報管理の効率化を図ることにより、複雑な外部環境から企業を守ることを目指しています。
近年、様々な社会情勢の変化により、企業を取り巻く外部環境が多様化し、ガバナンスの不備による企業不祥事や情報漏洩等の事件・事故が起こることで新たな規制強化等が行われてきました。
GRCSの属する事業環境は、ビジネスのグローバル化に伴う海外の法規制の適用拡大、巧妙で執拗なサイバー攻撃の頻発、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴うテレワークの急拡大等、外部環境が急激に変化しています。
外部環境に変化が起こる度に、企業は対応を迫られるものの、欧米と比較して日本国内においては、ガバナンスの強化やセキュリティ対策等への対応が遅れています。
各企業では、様々なリスクに晒されている状況が続き、対応の遅れから不祥事の発生等に繋がっているとGRCSは考えています。
また、企業不祥事の情報がSNSの普及等により個人でも簡単に発信・拡散できるようになり、過去と比較して同様の不祥事であっても、事業活動に与える影響が大きくなっているとGRCSは考えています。
このような環境の中、GRCSは、G:ガバナンス、R:リスク、C:コンプライアンス(GRC)及びS:セキュリティの視点に着目し、外部環境の変化に伴う企業課題を解決する事業を展開しています。
現在では主としてセキュリティ領域で展開していますが、今後は全社的リスク、外部委託先、プライバシー保護などの領域での深耕を行います。
このGRCSが今後深耕する領域は「GRC」と呼ばれ、欧米ではすでに認知されている領域であり、リスク管理、規制/ポリシー管理、内部監査、インシデント管理などの業務に対して専用ツールを導入することで、情報管理の効率化を図り全社横断的な把握・管理を実現しています。
同領域をGRCSは今後の深耕領域として位置付けています。
GRCSは上記のような各領域に精通したコンサルタントやエンジニアといった専門人材によるソリューションを提供することで、専門性の高いノウハウを活かした課題解決策を提案し、サービスの品質向上に努めています。
また、自社開発プロダクトと他社プロダクトの活用により、膨大な情報を集約することで、全社横断的な把握・管理や効率的な対応を可能にしています。
このようにテクノロジーを活用した管理強化・業務効率化に取り組み、リスクを見える化することで「ガバナンスのDX化」を推進しています。
従業員数は121名、平均年齢は41.5歳、平均勤続年数は2.3年、平均年間給与は642.3万円です。
GRCSのIPOの諸データ
GRCSの業績推移
業績面では売上高は美しい右肩上がりです。経常利益・純利益は減益の年度も目立っており、収益化は道半ばとなっています。
主要な経営指標等の推移は下表のとおりです。
回次 | 第12期 | 第13期 | 第14期 | 第15期 | 第16期 | |
---|---|---|---|---|---|---|
決算年月 | 2016年11月 | 2017年11月 | 2018年11月 | 2019年11月 | 2020年11月 | |
売上高 | (千円) | 630,496 | 694,405 | 770,662 | 1,101,145 | 1,431,849 |
経常利益 | (千円) | 20,407 | △96,070 | △161,136 | △70,390 | 22,476 |
当期純利益 | (千円) | 11,887 | △97,393 | △161,554 | △70,808 | 46,396 |
資本金 | (千円) | 44,750 | 100,000 | 108,100 | 187,400 | 50,000 |
発行済株式総数 | (株) | 433 | 528 | 534 | 1,159,000 | 1,159,000 |
純資産額 | (千円) | 19,925 | 122,031 | △23,322 | 64,469 | 110,865 |
総資産額 | (千円) | 236,716 | 484,573 | 324,461 | 485,403 | 599,437 |
BPS | (円) | 46,016.75 | 231,120.88 | △43,674.85 | 55.62 | 95.66 |
1株配当 | (円) | - | - | - | - | - |
EPS | (円) | 29,514.80 | △216,992.42 | △305,684.38 | △63.87 | 40.03 |
自己資本比率 | (%) | 8.4 | 25.2 | △7.2 | 13.3 | 18.5 |
自己資本利益率 | (%) | △110.4 | △137.2 | - | △344.2 | 52.9 |
配当性向 | (%) | - | - | - | - | - |
営業CF | (千円) | - | - | - | △35,478 | △37,313 |
投資CF | (千円) | - | - | - | △2,666 | △655 |
財務CF | (千円) | - | - | - | 158,955 | 14,567 |
現金等 | (千円) | - | - | - | 277,629 | 254,214 |
従業員数 | (人) | 21 | 30 | 67 | 73 | 105 |
市場トレンド
市況面では、上場直前3ヶ月間のインデックスが上昇トレンドの状況だと初値リターンが高い傾向となっています。
ここ数ヶ月の東証マザーズ指数はボックスでの推移となっています。
堅調な展開に回帰すればIPOにおいて追い風となり、反落して軟調な推移になると向かい風となります。
上場規模
GRCSのIPOの規模は最大で約12.3億円であり、東証マザーズとしてはやや小型です。小型であればある程、初値リターンは良い傾向があります。
公募株式数は150,000株、売出株式数は176,000株、オーバーアロットメント(OA)は48,900株です。
公開比率(オファリングレシオ)は最大で約29%と若干高めです。公開比率が低ければ低いほど、初値リターンが高い傾向があります。公募株式数に占める売出の割合は54%です。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
---|---|---|
(同)Trojans | 35.49% | ◯ |
ニッセイ・キャピタル7号投資事業有限責任組合 | 14.99% | ◯ |
佐々木慈和 | 9.39% | ◯ |
塚本拓也 | 6.55% | ◯ |
岩手新事業創造ファンド1号投資事業有限責任組合 | 5.21% | ◯ |
コタエル信託(株) | 5.01% | |
板倉聡 | 4.73% | ◯ |
田中郁恵 | 3.39% | ◯ |
ひまわりG4号投資事業有限責任組合 | 2.84% | ◯ |
イノベーション・エンジン産業創出投資事業有限責任組合 | 1.97% | ◯ |
※制度ロックアップによる継続保有を含む
初値予想
GRCSの事業は全社的リスク・外部委託先・プライバシー保護・セキュリティインシデント等に係る情報管理の効率化を図り、全社横断的な把握・管理を可能にする「GRCソリューション」、ITセキュリティソリューションということで、IPOにおける業種の人気度は高めです。
訴求力の高い東証マザーズネット企業の範疇に属しています。
予想PERは26.4~29.0倍であり、類似企業と比較すると中間的です。
コード | 銘柄名 | PER | PBR | 配当利回り |
---|---|---|---|---|
3040 | ソリトンシステムズ | 17.53 | 3.43 | 0.99% |
3692 | FFRIセキュリティ | 57.13 | 7.54 | 0.00% |
3927 | フーバーブレイン | 赤字 | 4.24 | 0.00% |
4288 | アズジェント | 54.97 | 2.56 | 0.50% |
4704 | トレンドマイクロ | 30.25 | 4.54 | 2.45% |
4726 | SBテクノロジー | 21.67 | 3.20 | 1.38% |
約12.3億円という上場規模は東証マザーズとしてはやや小型です。上位株主にVCはなく、満遍なくロックアップがかかっています。
東証マザーズの10億~15億円のやや小型IPOの初値結果は以下のとおりです。
過去実績
- アスタリスク:+74.5%
- コアコンセプト・テクノロジー:+101.1%
- ユミルリンク:+71.1%
- メディア総研:+7.1%
- シイエヌエス:+55.2%
- デリバリーコンサルティング:+54.9%
- Waqoo:+23.0%
- コンフィデンス:+65.4%
- セレンディップ・ホールディングス:+46.5%
- サイバートラスト:+315.7%
- アールプランナー:+126.2%
- トヨクモ:+351.0%
- インターファクトリー:+429.2%
- GMOフィナンシャルゲート:+157.9%
- コパ・コーポレーション:+126.5%
- リビングプラットフォーム:-9.0%
- AHCグループ:+61.4%
- ジモティー:+130.0%
- WDBココ:+122.2%
- スペースマーケット:+121.4%
- INCLUSIVE:+114.9%
- ランディックス:+124.5%
- BuySell Technologies:+92.7%
- セルソース:+164.0%
- ビーアンドピー:+20.0%
- リビン・テクノロジーズ:+130.8%
- ヴィッツ:+130.2%
- 東名:+27.8%
- フレアス:+118.6%
- リックソフト:+126.3%
- リンク:+112.8%
- ベルトラ:+33.9%
- ピアラ:+97.3%
- フロンティア・マネジメント:+121.2%
- アイリックコーポレーション:+25.8%
- システムサポート:+128.6%
- エクスモーション:+49.7%
- マネジメントソリューションズ:+114.3%
- アイ・ピー・エス(銘柄名:IPS):+71.0%
- ヒューマン・アソシエイツ・ホールディングス:+207.7%
- ファイバーゲート:+127.4%
- SERIOホールディングス:+130.3%
- グローバル・リンク・マネジメント:+134.0%
- クックビズ:+134.7%
- テンポイノベーション:+93.5%
- テックポイント・インク:+64.9%
- UUUM:+226.8%
- トランザス:+170.0%
- ツナグ・ソリューションズ:+112.0%
- ユーザーローカル:+325.2%
- ピーバンドットコム:+113.9%
- レノバ:+50.0%
- エイトレッド:+133.9%
- シンシア:-7.1%
- JMC:+89.2%
- インソース:+55.8%
- セラク:+160.0%
- キャリア:+98.5%
- ジェイリース:+34.5%
- アトラエ:+135.6%
- PR TIMES:+59.0%
- ベネフィットジャパン:+67.2%
- フェニックスバイオ:-2.1%
- ブラス:+6.4%
- バルニバービ:+130.0%
- GMOメディア:+101.1%
- ブランジスタ:+43.8%
- アイビーシー:+251.0%
- STUDIOUS:+20.0%
- PCIホールディングス:+169.6%
- Hamee:+67.2%
- sMedio:+58.7%
- ファーストコーポレーション:+25.0%
- ファーストロジック:+52.5%
- データセクション:+73.1%
- サイジニア:+125.8%
- フルッタフルッタ:+51.5%
- メディカル・データ・ビジョン:+135.9%
- セレス:+55.4%
- オプティム:+260.0%
以上を総合考慮して、初値予想はやや大き目のプラスリターンです。
主幹事は野村證券です。その他は、みずほ証券、SBI証券、あかつき証券、岩井コスモ証券、楽天証券で申し込めます。
証券会社名 | 割当株式数 | 割当比率 |
---|---|---|
野村証券 | 293,600 | 90.06% |
みずほ証券 | 16,300 | 5.00% |
SBI証券 | 6,500 | 1.99% |
あかつき証券 | 3,200 | 0.98% |
岩井コスモ証券 | 3,200 | 0.98% |
楽天証券 | 3,200 | 0.98% |
野村證券ルートでLINE証券、みずほ証券ルートのPayPay証券でも取り扱いの可能性があります。
また、SBIグループのSBIネオモバイル証券、SBIネオトレード証券も同様です。SBIネオモバイル証券ではWealthNaviに当選して手堅いリターンを獲得しました。
GRCSのIPOの当選のコツについては、以下で徹底解説しています。
SBI証券が幹事団に入っているので、着実にSBIチャレンジポイントを貯めましょう。
参考まだ安全資産は定期預金と国債だけなの?IPOチャレンジポイントで確実にS級IPOをゲットできる
SBI証券でIPOの引受け部門で活動していたプロにインタビューして、貴重なお話を聞きました。以下にまとめています。
SBI証券は当サイト限定でお得なタイアップ・プログラムを実施しています。なんと口座開設だけで3,000円分のAmazonギフト券がプレゼントされます。口座開設・維持は無料です。
↓
SMBC日興証券のネット口座は小口個人投資家でもIPOが当選することがあります。口座開設をおすすめします。
マネックス証券は完全抽選で小口個人投資家でも当選する可能性がある証券会社です。
野村證券はIPOの取り扱いが多いのがメリットです。小口個人ですと当たりづらいですけれども、ポチポチ作業を許容できる場合は候補です。
郵政3社、JR九州などの小型株に関しては意外な程に当たりやすいです。
岡三オンラインでも取扱いの可能性があります。
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大和証券グループのネット証券である「大和コネクト証券」だと、お手軽にIPOに参加可能です。
岩井コスモ証券は、ネット抽選分は小口個人投資家に嬉しい完全公平抽選となっています。
<投資スタンス>
やや強気+
(※強気・やや強気・中立・やや弱気・弱気の5段階)
- 強気:対面証券・ネット証券で全力申込
- やや強気:ネット証券・対面証券で申込
- 中立:ネット証券、回数制限に問題なくS級銘柄の当落に影響がない対面証券で申込(大量獲得を狙える場合は妙味あり)
- やや弱気:ネット口座以外は原則回避(ただし、マイナス覚悟の勝負で申し込むことも) ※安全重視ならSBI証券のみ
- 弱気:SBI証券以外は回避(対面証券はバーター取引ならOK)