東海ソフト(4430)のIPOが決定しています。ブック・ビルディング期間は2019年2月8日(金)~2月15日(金)、上場日は2018年2月27日(水)です。
新規上場する市場は東証2部、名証2部で、想定価格は1,290円(1単元12.9万円)です。公募価格は2月18日(月)に決定します。
仮条件は1,410円~1,500円と窓を開けて上振れました。予想PERは11.0~11.7倍、予想配当利回りは1.33~1.41%(1株配当 20)です。
初値予想はプラスリターンです。以下のレンジを想定しています。
2,000〜2,900円(想定価格比+33.3%~+93.3%)
直前初値予想は以下の通りです。
2,400円(公開価格比+60.0%)
東海ソフトは、多くのソフトウエア開発の協力会社を活用して、ソフトウエア受託開発とソフトウエア開発に係る役務を展開しています。
監査法人は有限責任監査法人トーマツで、本社所在地は神奈川県横浜市港北区新横浜1丁目4番1号 東海ソフト新横浜ビルです。
東海ソフトとは
東海ソフトの事業戦略においては、組込み関連事業、製造・流通及び業務システム関連事業、金融・公共関連事業が主力となっています。
従業員数は446名、平均年齢は36歳3ヶ月、平均勤続年数は11年11ヶ月、平均年間給与は561.3万円です。
組込み関連事業
車載関連開発
車載関連開発では、自動車をはじめ船舶・工事及び農業用特殊車両等に搭載される動力系を制御するECUから、車体関連機器を制御するECUや情報・セキュリティ系ECUのソフトウエア開発(プログラムの設計・開発・テスト等)を受託又は派遣の形態で行っています。
これまでに、エアバッグ制御、電源制御、ドア・照明制御、ステアリング制御、変速機制御関連、ナビゲーション関連、キーリモコン制御のECU開発実績があります。
一般的に開発規模が大きく開発期間・開発要員も多く必要とされるため、機動的な開発要員の確保・投入とプロジェクトマネジメントノウハウ、また開発プロセスと呼ばれる開発手法の理解と適用が事業の重要な成功要因となります。
東海ソフトは、継続的に取引のある車載ECUメーカーとの開発協力を通じて顧客の品質管理手法を身に着け、開発要員の技術力向上と開発手法や開発体制の整備を進め、定常的・安定的に開発案件を受注・開発できる状況を整えています。
また、平成27年11月からは欧州発車載ECU開発の標準プラットフォームとされるAUTOSARの国産開発を行うAPTJ株式会社に資本参加して、当該プラットフォームの量産開発を受託しました。
次期車載関連ソフトウエア開発技術の習得に努めており、今後の普及に合わせて事業の拡大を目指しています。
民生・産業機器関連開発
民生・産業機器関連開発では、デジタル家電から自動販売機やATM(現金自動預け払い機)まで様々な民生・産業機器の制御ソフトウエア開発を行っています。
複数年にわたる顧客の製品に関するソフトウエア開発の安定的かつ継続的な取引を通じて、東海ソフトが顧客製品や当該製品の顧客事業についての知見を深め、開発ノウハウを蓄積してきたことを強みとしています。
この結果、前記のように安定的・継続的な取引関係にある定常顧客が売上の多くを占めています。
その他顧客については、開発規模・期間が様々であり、定常的な顧客となりにくいという問題があります。
ただし、定常顧客からは得られない様々な新技術や制御技術のノウハウを得る機会と捉え可能な限り対応しています。
定常顧客のための開発の空き工数(開発案件の狭間にできる仕事の空白期間)を埋め事業全体の売上の平準化に寄与する事業と位置づけています。
製造・流通及び業務システム関連事業
製造・流通システム関連開発
製造・流通システム関連開発では、長年培った通信や様々なメーカーの制御機器との接続技術を活かしています。
工場の生産ラインや物流システムの搬送装置等を監視・制御するソフトウエアを中心に、近年、開発が活発化しているIoTや産業向けのAI利用を支える開発も手掛けています。
また、過去のIoT関連開発の成果を基に工場設備のIoT化を簡単に実現するソフトウエアパッケージ「FlexSignal」を開発・製品化しています。
適用するノウハウ及び基礎的技術は同様なものが多いものの、ほとんどが新規顧客あるいは数年以上の間隔を経たリピート顧客となっています。
年間を通じて取引企業や案件数が多く、年度毎の顧客の入れ替わりが多いことから、顧客毎の特性を捉えた柔軟な対応が求められます。
また、顧客の業務システムを一括して受託する開発案件が多く、開発プロジェクトのマネジメントの成否により、高い利益率を稼ぐことが可能です。
他方、顧客との仕様や工程の調整等に係るプロジェクトマネジメントの問題により、想定外の開発工数が掛かり、開発案件が不採算化する可能性もあります。
そこで東海ソフト品質保証部が主導してPMBOKの手法を取り入れ品質改善とプロジェクト管理を強化しています。
業務システム関連開発
東海ソフトの主たる顧客である製造業の生産管理、在庫管理、工程管理を中心に、物販・サービス業における顧客向けの販売管理、在庫管理に加え、Eコマースに関連するソフトウエアの開発等も行っています。
金融・公共関連事業
金融・公共関連事業は、大手SIerの協力会社として、主に大手金融機関向けのソフトウエア開発・各種省庁、地方自治体、大学、公益法人等のソフトウエア開発を主たる事業としています。
金融関連開発
大手SIerのパートナー企業の一員として、主に大手金融機関向けソフトウエア開発を受託しており、長年に渡り総合振込業務を中心に銀行業務に関するノウハウを蓄えています。
公共関連開発
公共関連開発では、大手SIerのパートナー企業の一員として、継続して様々な省庁、地方自治体、大学、公益法人等のソフトウエア開発を受託しています。
これら官公庁の特定業務についてノウハウを蓄えています。
これら事業の特徴としては、開発が大規模かつ長期間で複数の企業が参加するプロジェクト型の事業が大半です。
受託開発会社には、まとまった規模の開発人員とプロジェクトマネジメント能力とSIer固有の開発手法や品質管理手法のノウハウ及びプラットフォーム活用のノウハウの蓄積が要求されます。
東海ソフトは金融・公共関連事業における長年の開発実績を評価され、発注先であるSIerからこれらの要求を満たす開発会社として、安定的、継続的な受注・売上が可能な状況にあり、業績に安定的に貢献しています。
これら大型プロジェクトに要求される、品質管理・セキュリティマネジメント、個人情報保護などの要件に対し、QMS、ISMS、Pマークなどを取得し、一層の受注拡大に向け開発体制を整えています。
東海ソフトのIPOの諸データ
新規発行による手取金の使途については、設備資金、借入金の返済、運転資金に充当する予定です。
- 本社エレベータ及び本社貨物エレベータ等の改修、基幹業務システムの改修、サーバ等IT投資
- 長期借入金の返済
- 人材採用費、広告宣伝費、研究開発費、業務システム及びITインフラの維持管理費
東海ソフトの業績推移
業績面では売上高は減収、経常利益、純利益は減益の年度も目立っており、ボックスでの推移となっています。
営業キャッシュフローは純利益・包括利益を上回っている年度と下回っている年度があります。
前期の自己資本利益率(ROE)は15.49%であり、自己資本比率は46.81%です。主要な経営指標等の推移は下表のとおりです。
回次 | 第45期 | 第46期 | 第47期 | 第48期 | 第49期 | |
---|---|---|---|---|---|---|
決算年月 | 平成26年 5月 | 平成27年 5月 | 平成28年 5月 | 平成29年 5月 | 平成30年 5月 | |
売上高 | (千円) | 4,174,213 | 4,516,119 | 5,407,113 | 5,450,465 | 5,790,964 |
経常利益 | (千円) | 113,751 | 226,289 | 308,492 | 219,054 | 312,263 |
当期純利益 | (千円) | 56,069 | 28,338 | 234,369 | 156,903 | 221,879 |
資本金 | (千円) | 221,150 | 221,150 | 221,150 | 221,150 | 221,150 |
発行済株式総数 | (株) | 172,500 | 172,500 | 172,500 | 172,500 | 172,500 |
純資産額 | (千円) | 877,508 | 917,706 | 1,192,392 | 1,333,094 | 1,531,004 |
総資産額 | (千円) | 2,513,800 | 2,728,498 | 3,017,888 | 2,908,573 | 3,270,524 |
BPS | (円) | 5,792.14 | 6,057.47 | 7,383.24 | 825.44 | 947.99 |
1株配当 | (円) | 120 | 120 | 160 | 160 | 160 |
EPS | (円) | 370.09 | 187.05 | 1,537.28 | 97.15 | 137.38 |
自己資本比率 | (%) | 34.91 | 33.63 | 39.51 | 45.83 | 46.81 |
自己資本利益率 | (%) | 6.55 | 3.16 | 22.21 | 12.43 | 15.49 |
株価収益率 | (倍) | - | - | - | - | - |
配当性向 | (%) | 32.42 | 64.15 | 10.41 | 16.47 | 11.65 |
営業CF | (千円) | - | - | - | -139,247 | 392,716 |
投資CF | (千円) | - | - | - | -45,969 | 62,407 |
財務CF | (千円) | - | - | - | -164,335 | 24,892 |
現金等 | (千円) | - | - | - | 564,232 | 1,044,248 |
従業員数 | (人) | 347 | 366 | 392 | 417 | 455 |
市場トレンド
市況面では、上場直前3ヶ月間のインデックスが上昇トレンドの状況だと初値リターンが高い傾向となっています。
東証2部指数は2016年7月以降は長らく上昇トレンドが続いていましたが、2018年1月23日をピークに調整局面に突入し、下落相場が続いていました。
ただし、足元では反発しつつあります。逆に再度堅調な相場に回帰すれば、IPOにおいて追い風となります。
(※マネックス証券より)
上場規模
東海ソフトのIPOの規模は最大で約8.9億円であり、東証二部としても小型です。
公募株式数は580,000株、売出株式数は20,000株、オーバーアロットメント(OA)は90,000株です。
公開比率(オファリングレシオ)は約31%とやや高めです。公開比率が低ければ低いほど、初値リターンが高い傾向があります。公募株式数に占める売出の割合は約3%です。
売出人である水谷多嘉士及び貸株人である水谷慎介並びに株主である伊藤秀和、大川稔、長尾正己、株式会社りそな銀行、株式会社大垣共立銀行、株式会社三菱UFJ銀行、三井住友信託銀行株式会社、仲原龍、水谷茂斗子及び山下一浩には、原則として90日間のロックアップがかかっています。株価上昇による解除条項はありません。
また、株主である株式会社OKBキャピタルには、原則として90日間のロックアップがかかっています。ロックアップは1.5倍で解除されます。
株主名 | 保有株数 | 保有割合 | ロックアップ |
---|---|---|---|
東海ソフト社員持株会 | 434,580 | 26.07% | ○ |
水谷慎介 | 432,000 | 25.92% | ○ |
水谷多嘉士 | 197,000 | 11.82% | ○ |
伊藤秀和 | 163,250 | 9.79% | ○ |
大川稔 | 72,000 | 4.32% | ○ |
長尾正己 | 67,000 | 4.02% | ○ |
(株)りそな銀行 | 60,000 | 3.60% | ○ |
(株)ネクスティエレクトロニクス | 51,750 | 3.10% | ○ |
(株)大垣共立銀行 | 30,000 | 1.80% | ○ |
(株)OKBキャピタル | 30,000 | 1.80% | ○ |
(株)三菱UFJ銀行 | 30,000 | 1.80% | ○ |
三井住友信託銀行(株) | 30,000 | 1.80% | ○ |
初値予想
東海ソフトの事業は多くのソフトウエア開発の協力会社を活用して、ソフトウエア受託開発とソフトウエア開発に係る役務ということで、IPOにおける業種の人気度は高くありません。
予想PERは11.0~11.7倍、予想配当利回りは1.33~1.41%であり、類似企業と比較すると割安感があります。
コード | 銘柄名 | PER | PBR | 配当利回り |
---|---|---|---|---|
2186 | ソーバル | 16.16 | 2.39 | 2.86% |
3816 | 大和コンピューター | 13.43 | 0.90 | 1.72% |
3916 | デジタル・インフォメーション | 29.51 | 7.43 | 1.10% |
3988 | SYSホールディングス | 16.13 | 1.36 | 1.32% |
約8.9億円という上場規模は東証2部としても小型です。上位株主にはVCはなく、万遍なくロックアップがかかっています。
東証2部の10億円未満の超小型IPOの初値結果は勝率が高いです。過去10年間では8勝1敗です。
- フルテック:+105.0%
- ランドコンピュータ:+103.4%
- 竹本容器:+2.0%
- スターフライヤー:+73.0%
- 日本ドライケミカル:+8.9%
- 島根銀行:+22.3%
- 電算:+2.9%
- 八洲電機:+120.0%
- 内外トランスライン:-7.0%
以上を総合考慮して、初値予想はプラスリターンです。
割安感のある仮条件となるか、並びに直前の需給動向に着目します。
主幹事は野村證券です。その他は、三菱UFJモルスタ証券、むさし証券、みずほ証券、SMBC日興証券、SBI証券、東海東京証券、岡三証券、エース証券で申し込めます。
証券会社名 | 割当株式数 | 割当比率 |
---|---|---|
野村証券 | 510,000 | 85.00% |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 24,000 | 4.00% |
むさし証券 | 24,000 | 4.00% |
みずほ証券 | 12,000 | 2.00% |
SMBC日興証券 | 6,000 | 1.00% |
SBI証券 | 6,000 | 1.00% |
東海東京証券 | 6,000 | 1.00% |
岡三証券 | 6,000 | 1.00% |
エース証券 | 6,000 | 1.00% |
三菱UFJグループのauカブコム証券でも取り扱いが期待できます。カブドットコムのIPOは、公平性と機密性を確保したシステムによる抽選で当選者が決まります。
岡三グループの岡三オンライン証券でも取扱いを期待できます。口座数が少なくてライバルは少なめです。
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東海ソフトのIPOの当選のコツについては、以下で徹底解説しています。
なんといっても野村證券はIPOの取り扱いが多いのがメリットです。小口個人ですと当たりづらいですけれども、ポチポチ作業を許容できる場合は候補です。
郵政3社、JR九州などの大型株に関しては意外な程に当たりやすいです。
SBI証券が幹事に入っているので、着実にSBIチャレンジポイントを貯めましょう。
参考まだ安全資産は定期預金と国債だけなの?IPOチャレンジポイントで確実にS級IPOをゲットできる
SBI証券でIPOの引受け部門で活動していたプロにインタビューして、貴重なお話を聞きました。以下にまとめています。
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SMBC日興証券は小口個人投資家でもIPOが当たるチャンスがある証券会社です。口座開設をおすすめします。
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<投資スタンス>
やや強気
(※強気・やや強気・中立・やや弱気・弱気の5段階)
- 強気:対面証券・ネット証券で全力申込
- やや強気:対面証券・ネット証券で申込(回数制限で回避することも)
- 中立:ネット証券、S級銘柄の当落に影響がない対面証券では申込(大量獲得を狙える場合は妙味あり)
- やや弱気:SBI証券以外は原則回避(ただし、マイナス覚悟の勝負で申し込むことも)
- 弱気:SBI証券以外は回避(対面証券はバーター取引ならOK)