QDレーザ(6613)のIPOが決定しています。ブック・ビルディング期間は2021年1月21日(木)~1月27日(水)、上場日は2021年2月5日(金)です。
新規上場する市場は東証マザーズで、想定価格は230~320円(1単元2.3~3.2万円)です。公募価格は2021年1月28日(木)に決定。
仮条件は300円~340円と上振れました。予想PERは赤字です。
初値予想はプラスリターンです。以下のレンジを想定しています。
430〜600円(仮条件の上限比+26.4%~+76.5%)
QDレーザはレーザ技術を用いた製品の開発・製造・販売を行っており、レーザデバイス事業とレーザアイウェア事業を展開しています。
レーザ(Laser)とは、Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation(誘導放出による光増幅放射)の頭文字を取ったもので、共振器を用いて電磁波を増幅して得られる人工的な光であり、指向性や収束性に優れ、また波長を一定に保つことができる等の物理的な特長があります。
監査法人はEY新日本有限責任監査法人で、本社所在地は神奈川県川崎市川崎区南渡田町1番1号京浜ビル1階です。
QDレーザとは
QDレーザのレーザデバイス事業では、結晶成長を自社で実施し、半導体レーザチップ加工及びモジュール実装を社外協力会社に製造委託しています。
水平分業体制によるファブレス製造を実現し、ハイエンド技術を基にした事業となっています。
QDレーザは半導体レーザの特性を決める活性層成長を担っており、特に量子ドットの結晶成長については他社にはないノウハウを有しています。
また、研究機関からの基礎技術の研究開発や、メーカの新規アプリケーションの光源開発を行う開発受託業務も行っています。
コア技術
- 半導体結晶成長:半導体基板の上に半導体材料を作製すること
- レーザ設計:所望の機能を満たす半導体レーザを作製するために、必要なパラメータ(例えば半導体レーザの長さ)を決定すること
- 小型モジュール:半導体レーザは半導体レーザチップをパッケージの中に入れますが、そのパッケージのことをモジュールと言い、QDレーザの532nmや561nmレーザのモジュールサイズは、他社に比べて小さい
- VISIRIUM Technology:メガネ型フレームに内蔵された超小型レーザプロジェクタから、網膜に直接画像を投影する技術
- 回折格子:半導体レーザ内部に波長を選択するための周期100ナノメール程度の凹凸を作り込んでいる
- 量子ドット:半導体材料で出来たナノメートルサイズの塊で、電子をこの中に閉じ込めることによって、温度特性を改善
従業員数は50名、平均年齢は50.33歳、平均勤続年数は3.38年、平均年間給与は766.8万円です。
QDレーザのIPOの諸データ
QDレーザの業績推移
業績面では売上高は減収、経常利益・純利益は減益の年度があり、収益化は道半ばとなっています。
主要な経営指標等の推移は下表のとおりです。
回次 | 第10期 | 第11期 | 第12期 | 第13期 | 第14期 | |
---|---|---|---|---|---|---|
決算年月 | 2016年3月 | 2017年3月 | 2018年3月 | 2019年3月 | 2020年3月 | |
売上高 | (千円) | 613,864 | 579,952 | 664,017 | 960,986 | 756,633 |
経常損失 | (千円) | -358,313 | -808,127 | -1,075,219 | -996,094 | -1,225,739 |
当期純損失 | (千円) | -356,506 | -810,967 | -1,128,917 | -1,040,521 | -1,240,167 |
資本金 | (千円) | 1,803,240 | 2,553,240 | 10,000 | 343,852 | 763,310 |
発行済株式総数 | ||||||
普通株式 | (株) | 60,400 | 60,400 | 60,400 | 61,700 | 25,132,380 |
A種優先株式 | (株) | 355,498 | 355,498 | 355,498 | 355,498 | ― |
B種優先株式 | (株) | 41,666 | 41,666 | 41,666 | 41,666 | ― |
C種優先株式 | (株) | 58,680 | 58,680 | 58,680 | 58,680 | ― |
D種優先株式 | (株) | 85,714 | 85,714 | 85,714 | 85,714 | ― |
E種優先株式 | (株) | ― | 187,500 | 187,500 | 187,500 | ― |
F種優先株式 | (株) | ― | ― | 22,224 | 345,984 | ― |
純資産額 | (千円) | 485,805 | 1,174,837 | 245,935 | 2,130,953 | 1,729,699 |
総資産額 | (千円) | 1,131,202 | 1,855,978 | 1,199,950 | 2,999,407 | 2,919,364 |
BPS | (円) | -51,256 | -64,682 | -83,373 | -4,914.53 | 68.82 |
1株配当 | (円) | ― | ― | ― | ― | ― |
EPS | (円) | -5,902 | -13,427 | -18,691 | -850.79 | -72.24 |
自己資本比率 | (%) | 42.95 | 63.3 | 20.5 | 71.05 | 59.25 |
自己資本利益率 | (%) | ― | ― | ― | ― | ― |
配当性向 | (%) | ― | ― | ― | ― | ― |
営業CF | (千円) | ― | ― | ― | -1,184,162 | -1,208,362 |
投資CF | (千円) | ― | ― | ― | -112,880 | -204,730 |
財務CF | (千円) | ― | ― | ― | 2,897,541 | 1,161,374 |
現金等 | (千円) | ― | ― | ― | 1,722,684 | 1,464,175 |
従業員数 | (人) | 22 | 33 | 45 | 50 | 55 |
市場トレンド
市況面では、上場直前3ヶ月間のインデックスが上昇トレンドの状況だと初値リターンが高い傾向となっています。
東証マザーズ指数は他の株価指数が好調な中、ここ数ヶ月は軟調な展開となっています。
このまま軟調な推移が続くとIPOにおいて向かい風となり、堅調な展開に回帰すれば追い風となります。
上場規模
QDレーザのIPOの規模は最大で約42.9億円であり、東証マザーズとしてはやや大型です。小型であればある程、初値リターンは良い傾向があります。
公募株式数は9,451,800株、売出株式数は4,107,600株、オーバーアロットメント(OA)は2,033,900株です。
公開比率(オファリングレシオ)は最大で約45%高めです。公開比率が低ければ低いほど、初値リターンが高い傾向があります。公募株式数に占める売出の割合は30%です。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
---|---|---|
東京センチュリー(株) | 13.02% | ○ |
MGI Global Fund L.P. (常任代理人 Mitsui&Co. Global Investment, Inc.) | 12.45% | ○ |
グローバル・イノベーション・ファンド | 11.30% | 100%売出 |
グローバル・イノベーション・ファンドⅡ | 8.75% | ○ |
アクサ生命保険(株) | 6.80% | |
グローバル・イノベーション・ファンドⅢ | 6.59% | ○ |
菅原 充 | 5.17% | ○ |
Beyond Next Ventures1号投資事業有限責任組合 | 2.67% | ○ |
第一生命保険株式会社 (常任代理人株式会社日本カストディ銀行) | 2.67% | ○ |
リアルテックファンド1号投資事業有限責任組合 | 2.66% | ○ |
※制度ロックアップによる継続保有を含む
初値予想
QDレーザの事業はレーザ技術を用いた製品の開発・製造・販売ということで、IPOにおける業種の人気度は標準的です。
予想PERは赤字であり、類似企業と比較すると割高感があります。ただし、PERは成長性に大きく左右されます。
コード | 銘柄名 | PER | PBR | 配当利回り |
---|---|---|---|---|
6702 | 富士通 | 18.33 | 2.38 | 1.32% |
6863 | ニレコ | 14.13 | 0.48 | 2.76% |
6920 | レーザーテック | 97.97 | 31.27 | 0.36% |
7713 | シグマ光機 | 16.52 | 0.65 | 3.36% |
7725 | インターアクション | 19.81 | 2.64 | 0.95% |
8031 | 三井物産 | 17.46 | 0.84 | 4.05% |
約42.9億円という上場規模は東証マザーズとしてはやや大型です。上位株主にVCが名を連ねていますが、満遍なくロックアップがかかっています。
東証マザーズの35億~50億円未満のやや大型IPOの初値結果は以下のとおりです。
過去実績
- Fast Fitness Japan:+33.3%
- モダリス:+110.0%
- ビザスク:-12.7%
- きずなホールディングス:-4.3%
- マクアケ:+74.8%
- トゥエンティーフォーセブン:+11.1%
- ダブルエー:-0.2%
- ツクルバ:±0%
- Delta-Fly Pharma:-8.1%
- マネーフォワード:+93.5%
- ティーケーピー:+74.3%
- ソレイジア・ファーマ:+26.5%
- うるる:+11.0%
- MS-Japan:+5.8%
- グローバルグループ:+60.0%
- オープンドア:+23.3%
- 中村超硬:+11.8%
- U-NEXT:+31.7%
- ムゲンエステート:+10.0%
- GABA:-6.0%
- ネクスト:+35.5%
- エムケーキャピタルマネージメント:+157.8%
- ナノ・メディア:+62.7%
- クリエイト・レストランツHD:+28.6%
- フィンテック グローバル:+103.0%
- ディー・エヌ・エー:+210.0%
- コスモス薬品:+5.5%
- シコー技研:+66.7%
- ディップ:+100.0%
- 日本ケアサプライ:+23.1%
- 日本ベリサイン:+108.3%
- メディネット:+260.0%
- トランスジェニック:+30.6%
- ウォーターダイレクト:+200.0%
以上を総合考慮して、初値予想はプラスリターンです。
主幹事はSMBC日興証券、SBI証券です。その他は、岩井コスモ証券、水戸証券、極東証券で申し込めます。
証券会社名 | 割当株式数 | 割当比率 |
---|---|---|
SMBC日興証券 | 11,484,800 | 84.70% |
SBI証券 | 1,898,300 | 14.00% |
岩井コスモ証券 | 67,800 | 0.50% |
水戸証券 | 67,800 | 0.50% |
極東証券 | 40,700 | 0.30% |
QDレーザのIPOの当選のコツについては、以下で徹底解説しています。
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参考まだ安全資産は定期預金と国債だけなの?IPOチャレンジポイントで確実にS級IPOをゲットできる
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東海東京証券は小口個人投資家には嬉しい完全抽選がある証券会社です。
むさし証券もIPOのサービスを提供しています。インターネット口座は売却手数料がリーズナブルです。
<投資スタンス>
やや強気
(※強気・やや強気・中立・やや弱気・弱気の5段階)
- 強気:対面証券・ネット証券で全力申込
- やや強気:ネット証券・対面証券で申込
- 中立:ネット証券、S級銘柄の当落に影響がない対面証券では申込(大量獲得を狙える場合は妙味あり)※回数制限やS級狙いで回避することも
- やや弱気:SBI証券以外は原則回避(ただし、マイナス覚悟の勝負で申し込むことも)
- 弱気:SBI証券以外は回避(対面証券はバーター取引ならOK)