ゆうちょ銀行にはデビットカードの機能もあります。年会費は無料です。
Visa加盟店で利用できるデビットカード、J-Debitの加盟店のみ利用可能なタイプの2種類があります。
国際ブランドのうち、JCB・Mastercard・アメックス・ダイナースクラブのデビットカードはありません。
ゆうちょ銀行のデビットカードのメリット、デメリット、使い方についてまとめます。
ゆうちょ銀行のデビットカード機能
Visaデビット
「ゆうちょデビット」は、0.25%キャッシュバックを受けられるVisaデビットカードです。
保険料などの反復継続的な支払い、機内販売など一部を除くVisa加盟店で幅広く利用可能。リアル店舗・インターネットの両方に対応しています。
Visaのタッチ決済も搭載しており、キャッシュカード一体型です。
J-Debit
ゆうちょ銀行の総合口座のキャッシュカードを保有していると、「日本デビットカード推進協議会(J-Debitナビ)」の加盟店でデビットカードとして利用できます。
小売店、家電量販店での買い物や飲食等の代金を全国約45万か所以上で利用可能です。「J-Debitマークのある加盟店」の他、ローソンでも利用できます。
「J-Debit」は「JAPAN」の「J」と「借方」という意味の 「Debit」を組み合わせた造語です。
金融企業1379行が、加盟店が計518社加盟している日本デビットカード推進協議会が運営しています。2015年8月20日現在のデータです。
海外では利用できません。日本国内のみです。東京都で使える代表的な店舗は下表のとおりです。
ジャンル | 店名 |
---|---|
コンビニ | ローソン |
ディスカウント店 | ドン・キホーテ、大黒屋 |
百貨店 | 西武百貨店、小田急百貨店、京王百貨店、大丸、松坂屋 |
家電量販店 | ヤマダ電機、ヨドバシカメラ、ケーズデンキ、PC DEPOT、ラオックス |
ホテル | パレスホテル、リーガロイヤルホテル東京 |
地域によって使えるお店が異なり、例えば北海道ではガソリンスタンドのコスモ石油、大阪では阪急百貨店でも使えます。
お店で使う際は、店員さんに「支払いはジェイデビットで」旨を伝えて、ゆうちょ銀行のキャッシュカードを渡せばOKです。
支払い時に店舗の数字キーでキャッシュカードの暗証番号の入力することになります。
ゆうちょ銀行の他、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行、地銀・信金・信組・労金・農業協同組合などのキャッシュカードにも、同じ仕組みのデビットカード機能があります。
ゆうちょ銀行のキャッシュカードで決済した料金は、口座の貯金残高から即座に引き落されます。VISA・JCB・Mastercardのデビットカードと同じです。
デビットカード機能を使う場合は、総合口座の開設する際に、総合口座利用申込書のデビット機能選択欄に「1」を記入する必要があります。
2002年4月以降にキャッシュカードの利用を申し込んでデビットカード機能を申し込んでいない場合は、ゆうちょ銀行・郵便局の貯金窓口または、インターネットの会員サイト「ゆうちょダイレクト」で手続きが必要です。
メリット
Visaデビットの方は0.25%のキャッシュバック還元を受けられるのがメリットです。
還元がキャッシュバックなのが利点。交換作業が面倒な場合は、ポイントよりも現金還元が嬉しいですね。
J-Debitの方は還元率0%なので、使っても1円たりとも得しません。
お財布に現金がなかった時でも、いちいち貯金を引き下ろしに行かなくて済むのがメリットです。
また、数十万円といった多額のお買い物をする際は、大金を引き出して現物で持っていくのは危ない側面があります。
大金を持ち歩くことによる強盗や窃盗リスクをなくすことができるのもメリットです。
もちろんこのようなメリットはクレジットカードでも代替できます。クレジットカードの場合はポイント還元もあるので、より一層お得です。ゆうちょ銀行もクレジットカードを発行しています。
ただし、クレジットカードは保有したくないという方も多いでしょう。そのような場合はデビットカードを使うことで、現金の持ち運びの手間やリスクを減らすことができます。
また、預金残高の範囲内でしかお買い物できないので、クレジットカードだと使い過ぎるという場合でも、使い過ぎる心配がありません。
クレジットカードだと使い過ぎる場合は、マネーフォワードなどの家計管理ソフトを使うと、今の資産・家計状況が一目で可視化できます。
定期的にチェックすることで、いくら使っているのかが明白になり、使い過ぎを減らせる可能性があります。
ヤマダ電機などの家電量販店ではポイントが貯まることが多いです。J-Debitの場合は現金払いと同じ取扱いになる店舗が多いため、家電量販店のポイントが満額付与となることもメリットです。
デメリット
ゆうちょ銀行のデビットカードのうち、J-Debit機能については、利用可能時間が0:05~23:55であるのがデメリットです。10分間は使えない時間があります。
たった10分ですし、この時間に空いている店舗はあまりないので、使えないリスクは少ないですが、一応はデメリットとなります。
また、1日あたりのデビットカード利用上限額は、特にお届けのない限り、ATMの利用額と合計で「50万円」となっています。
これはゆうちょ銀行・郵便局の貯金窓口、ゆうちょATMまたはゆうちょダイレクトで変更できますが、1回あたりの利用上限額は「100万円」となります。
100万円を超えるお買い物をすることは滅多にないですし、そのような場合は銀行振込で決済することがほとんどですが、これも一応はデメリットです。
最大のデメリットはゆうちょ銀行のJ-Debitで支払っても、ポイント還元などのお得なシステムがないことです。
ただ単にキャッシュカードで支払いができるだけで0.01%も得することはありません。
また、Visaデビットの「ゆうちょデビット」も、還元率は0.25%にとどまっています。
JCB・Visa・Mastercardのデビットカードでは、ポイントが付与されるカードもあります。最も高還元なのは楽天銀行のデビットカードです。
なんと還元率1%とクレジットカード並みの還元率を誇ります。還元率重視のデビットカードなら最有力候補となります。
キャッシュバックで高還元のデビットカードがいい場合は、ネット銀行だとソニー銀行の「Sony Bank WALLET」が候補となります。
優遇プログラム Club S のステージに応じて、利用額の0.5%~2.0%がキャッシュバックされます。上限は20万円/月です。
三菱UFJ銀行のデビットカードは還元率は基本0.2%で、ゆうちょデビットに見劣ります。
セブン銀行のデビットカードは、セブン‐イレブン、そごう・西武、セブンネットショッピングでは1%、それ以外の加盟店も0.5%還元でnanacoポイントが得られます。
イオン銀行のデビットカードは還元率0.5%でイオンでの5%OFFの特典があります。
スルガ銀行のTポイント支店のデビットカードではTポイント、ANAマイル支店ではANAマイルが貯まります。
住信SBIネット銀行のVisaデビットカードはいつでも0.6%の還元で、会員制度スマートプログラムのランクアップに役立つのがメリットです。
Mastercardデビットカードであるミライノデビットは0.8%還元、ミライノデビット PLATINUMは1.0%還元です。
その他、おすすめのデビットカードの比較については、以下で徹底的に解説しています。
JPバンクカードを発行しているゆうちょ銀行、親会社の日本郵政は2015年11月に新規上場します。IPOについては以下にまとめています。
ゆうちょ銀行はスマホで支払える「ゆうちょPay」を開始します。d払いや楽天ペイの類似サービスです。
スーパーなどのレジで預金が引き出せる可能性
金融庁は、スーパーなどのレジ、宅配業者が持つ端末でもキャッシュカードで口座から預金を引き出せるよう規制を緩和する方針です。
デビットカードを使って、加盟店の店頭で現金(キャッシュ)を引き出す「キャッシュアウト」の導入です。イギリスでは既にかなり普及している制度です。
サーブス開始の準備が進んでおり、2017年に導入される可能性があります。利用者は店員さんに金額を伝えて、ボタンで暗証番号を入力する流れです。
レジの現金を受け取り、その分、口座の預金が減る仕組みとなっています。利用者の手数料は無料になる見通しです。
これは「J-Debit」に対応しているキャッシュカードが対象です。ゆうちょ銀行のデビットカード(J-Debit対応のキャッシュカード)でもこの新しい仕組みが使えます。
買い物などのついでに現金を受け取れます。地方や郊外ではATMの少なさを補えます。
また、宅配業者がカードによる着払いのため持ち歩いている携帯型端末を使えば、お年寄りや病などで移動が難しい人が、自宅で預金を引き出せます。
レジの行列緩和のためのスムーズなオペレーションの導入、なりすまし詐欺の防止、加盟店や宅配業者の防犯対策など、課題も山積しています。
ただし、これらの課題が解決して導入された後は、ゆうちょ銀行のデビットカード(J-Debit対応のキャッシュカード)があれば、スーパーや宅配業者でお金を下ろせるようになり、利便性が格段に向上します。
2018年4月からまずはイオンでキャッシュアウトが開始します。