サイバーセキュリティクラウド(4493)のIPOが決定しています。ブック・ビルディング期間は2020年3月10日(火) ~3月16日(月)、上場日は2020年3月26日(木)です。
新規上場する市場は東証マザーズで、想定価格は4,010円(1単元40.1万円)です。公募価格は2020年3月17日(火)に決定。
仮条件は4,240円~4,500円と窓を開けて上振れました。
初値予想は大幅なプラスリターンです。以下のレンジを想定しています。
7,000〜10,000円(仮条件の上限比+65.1%~+122.2%)
サイバーセキュリティクラウドは「世界中の人々が安心安全に使えるサイバー空間を創造する」という経営理念を掲げ、クラウド型WAF「攻撃遮断くん」及び、AWS WAFのルール自動運用サービス「WafCharm」を軸とした、Webセキュリティ事業を展開しています。
監査法人は三優監査法人で、本社所在地は東京都渋谷区東3-9-19 VORT恵比寿maxim3階です。
サイバーセキュリティクラウドとは
あらゆるサービスがインターネットを通じて普及し、日常生活やビジネス面での利便性が格段に向上する中、サイバー攻撃数は年々増加傾向にあり、一つのIPアドレス当たりの年間総観測パケット数は過去10年間で約35倍にまで急増しています。
このような情勢下において、サイバーセキュリティクラウドはエンジニアとサポートが一丸となって「世界中の人々が安心安全に使えるサイバー空間を創造する」ためのセキュリティサービスを提供することを目指しています。
サイバーセキュリティクラウドが開発したクラウド型WAF「攻撃遮断くん」は、2013年より販売を開始しました。
導入の手軽さ、自社開発・自社運用という強みや大企業へのサービス提供実績などもあり、日本国内のクラウド型WAF市場における累計導入社数・導入サイト数が国内No.1になるまでに事業が拡大していきました。
しかしながら、近年の情報漏洩事故の多くが、Webサイトに対する不正アクセスが原因といわれているにも関わらず、Webサイトへのセキュリティ対策は未だ十分行われておらず、また対策済みであると誤認している経営者が多いという実態があります。
このような状況の中、サイバーセキュリティクラウドは経営理念を実現し、Webセキュリティ対策が当たり前に行われる世の中にするため、「攻撃遮断くん」の提供で培った技術をもとに、AWS(Amazon Web Services)が提供する「AWS WAF」のルールの自動運用を行うサービス「WafCharm」の提供も行っています。
また、2018年には「AWS WAF」のルールセットであるManaged Rules(※)の提供、「WafCharm」及び「攻撃遮断くん」の北米地域を中心とした海外展開を見据え、「Cyber Security Cloud Inc.」を米国ワシントン州に設立しています。
サイバーセキュリティクラウドの主要サービス「攻撃遮断くん」は、顧客に対し提供するサービスの対価を、使用した期間に応じて受領するサブスクリプション(月額課金)型モデルとなっており、継続したサービス提供を前提としています。
収益構造は、ストック収益である月額課金額(MRR)と、初期導入費用、スポット費用で構成され、2018年12月期において、「攻撃遮断くん」の月額課金額がサイバーセキュリティクラウドの「攻撃遮断くん」売上高全体に占める比率は94.9%となっています。
月額課金額の成長を実現するために、Webアプリケーションの脆弱性の情報収集及び迅速な脆弱性への対応、シグネチャの設定、カスタマイズ等、顧客価値向上を実現することで高い継続率の維持の実現を目指す方針です。
自社にて開発から運用、サポートまで一気通貫していることによって、顧客満足度を高めながらサービス提供を実施。なお、2017年以降の月次平均解約率は1.1%と低い数値を維持しています。
従業員数は31名、平均年齢は33.3歳、平均勤続年数は2.0年、平均年間給与は615.2万円です。
サイバーセキュリティクラウドのIPOの諸データ
サイバーセキュリティクラウドの業績推移
業績面では売上高は減収、経常利益・純利益は減益の年度があるものの、大局的には右肩上がりの傾向となっています。
主要な経営指標等の推移は下表のとおりです。
回次 | 第5期 | 第6期 | 第7期 | 第8期 | 第9期 | |
---|---|---|---|---|---|---|
決算年月 | 2015年6月 | 2016年6月 | 2016年12月 | 2017年12月 | 2018年12月 | |
売上高 | (千円) | 29,214 | 69,150 | 66,720 | 246,957 | 488,838 |
経常損失 | (千円) | -26,597 | -87,124 | -40,207 | -46,840 | -27,525 |
当期純損失 | (千円) | -26,777 | -87,414 | -40,328 | -52,256 | -27,794 |
資本金 | (千円) | 19,000 | 76,750 | 76,750 | 174,250 | 174,250 |
発行済株式総数 | (株) | 1,700 | 2,085 | 2,085 | 2,235 | 22,350 |
純資産額 | (千円) | -38,599 | -19,789 | -58,609 | 84,133 | 56,339 |
総資産額 | (千円) | 19,721 | 52,450 | 43,291 | 161,453 | 288,639 |
BPS | (円) | -22,705 | -9,491 | -28,110 | 37.64 | 25.21 |
1株配当 | (円) | - | - | - | - | - |
EPS | (円) | -16,385 | -45,385 | -19,342 | -25.03 | -12.44 |
自己資本比率 | (%) | -195.72 | -37.73 | -135.38 | 52.11 | 19.52 |
自己資本利益率 | (%) | - | - | - | - | - |
株価収益率 | (倍) | - | - | - | - | - |
配当性向 | (%) | - | - | - | - | - |
営業CF | (千円) | - | - | - | -8,000 | 6,696 |
投資CF | (千円) | - | - | - | -13,177 | -25,507 |
財務CF | (千円) | - | - | - | 130,161 | 98,612 |
現金等 | (千円) | - | - | - | 124,349 | 204,151 |
従業員数 | (人) | 4 | 12 | 14 | 19 | 27 |
市場トレンド
市況面では、上場直前3ヶ月間のインデックスが上昇トレンドの状況だと初値リターンが高い傾向となっています。
東証マザーズ指数はここ数ヶ月はボックス相場となっていますが、足元では崩れています。
このまま軟調になるとIPOにおいて向かい風となり、底打ちして再び堅調な相場に回帰すれば追い風となります。
上場規模
サイバーセキュリティクラウドのIPOの規模は最大で約2.8億円であり、東証マザーズとしてもかなりの小型です。小型であればある程、初値リターンは良い傾向があります。
公募株式数は70,000株、売出株式数は0株、オーバーアロットメント(OA)は0株です。
公開比率(オファリングレシオ)は最大で約3%と極限まで低めです。公開比率が低ければ低いほど、初値リターンが高い傾向があります。公募株式数に占める売出の割合は0%です。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
---|---|---|
Vector Group International Limited | 16.48% | ○ |
(株)オークファン | 14.33% | ○ |
GMCM Venture Capital Partners I Inc | 13.21% | ○ |
西江肇司 | 9.38% | ○ |
武永修一 | 6.37% | ○ |
大野暉 | 5.21% | ○ |
海老根智仁 | 4.17% | ○ |
B Dash Fund 3号投資事業有限責任組合 | 3.74% | ○ |
(株)AMBITION | 2.88% | ○ |
S173(株) | 2.54% | ○ |
※制度ロックアップによる継続保有を含む
初値予想
サイバーセキュリティクラウドの事業はクラウド型WAF「攻撃遮断くん」及び、AWS WAFのルール自動運用サービス「WafCharm」を軸とした、Webセキュリティ事業ということで、IPOにおける業種の人気度は最上級です。
訴求力の高い東証マザーズネット企業のど真ん中であり、セキュリティ関連はIPOの初値が高騰する傾向にあります。
予想PERは65.3倍であり、類似企業と比較すると割高です。ただし、PERは成長性に大きく左右されます。
コード | 銘柄名 | PER | PBR | 配当利回り |
---|---|---|---|---|
3040 | ソリトンシステムズ | 31.58 | 2.89 | 1.00% |
3692 | FFRI | 77.17 | 13.21 | 0.00% |
4704 | トレンドマイクロ | 27.31 | 4.00 | 2.99% |
4726 | SBテクノロジー | 23.08 | 2.75 | 0.94% |
6701 | 日本電気 | 15.66 | 1.27 | 1.42% |
9432 | 日本電信電話 | 10.55 | 1.00 | 3.79% |
3社同時上場の過密日程のIPOである点はマイナスポイントです。
約2.8億円という上場規模は東証マザーズとしてもかなりの小型で、全株公募で既存株主の売出はゼロ、オファリングレシオが低い点も好印象。上位株主にVCが名を連ねているものの、満遍なくロックアップがかかっています。
東証マザーズの5億円未満の超小型IPOの初値結果は以下のとおりです。
- ウィルズ:+372.4%
- ブランディングテクノロジー:+177.3%
- ハウテレビジョン:+209.5%
- Amazia:+33.0%
- バンク・オブ・イノベーション:+108.3%
- ZUU:+246.9%
- ビープラッツ:+354.5%
- 日本リビング保証:+189.8%
- アジャイルメディア・ネットワーク:+415.7%
- みらいワークス:+230.4%
- ウォンテッドリー:+401.0%
- インターネットインフィニティー:+281.8%
- ユナイテッド&コレクティブ:+177.8%
- シャノン:+320.7%
- エルテス:+263.7%
- フィル・カンパニー:+205.3%
- リファインバース:+62.9%
- AWSホールディングス:+235.3%
- 農業総合研究所:+78.1%
- ホープ:+130.0%
- グローバルウェイ:+373.0%
- ヨシムラ・フード・ホールディングス:+50.0%
- バリューゴルフ:+151.2%
- ラクス:+228.7%
- アクアライン:+21.7%
- アイリッジ:+429.2%
- テラスカイ:+350.0%
- エクストリーム:+296.4%
- ビーロット:+422.4%
- レアジョブ:+169.7%
- フィックスターズ:+162.0%
- シンプロメンテ:+135.3%
- サンワカンパニー:+268.4%
- フォトクリエイト:+126.0%
- ウォーターダイレクト:+200.0%
以上を総合考慮して、初値予想は大幅なプラスリターンです。
主幹事はSBI証券です。その他は、大和証券、みずほ証券、SMBC日興証券、あかつき証券、岩井コスモ証券、エース証券、岡三証券、香川証券、楽天証券で申し込めます。
証券会社名 | 割当株式数 | 割当比率 |
---|---|---|
SBI証券 | 59,500 | 85.00% |
大和証券 | 4,200 | 6.00% |
みずほ証券 | 1,400 | 2.00% |
SMBC日興証券 | 700 | 1.00% |
あかつき証券 | 700 | 1.00% |
岩井コスモ証券 | 700 | 1.00% |
エース証券 | 700 | 1.00% |
岡三証券 | 700 | 1.00% |
香川証券 | 700 | 1.00% |
楽天証券 | 700 | 1.00% |
サイバーセキュリティクラウドのIPOの当選のコツについては、以下で徹底解説しています。
SBI証券が幹事団に入っているので、着実にSBIチャレンジポイントを貯めましょう。
参考まだ安全資産は定期預金と国債だけなの?IPOチャレンジポイントで確実にS級IPOをゲットできる
SBI証券でIPOの引受け部門で活動していたプロにインタビューして、貴重なお話を聞きました。以下にまとめています。
SBI証券は当サイト限定でお得なタイアップ・プログラムを実施しています。なんと口座開設だけで3,000円分のAmazonギフト券がプレゼントされます。口座開設・維持は無料です。
↓
SMBC日興証券のネット口座は小口個人投資家でもIPOが当選することがあります。口座開設をおすすめします。
楽天証券も幹事団に名を連ねています。
マネックス証券は完全抽選で小口個人投資家でも当選する可能性がある証券会社です。
野村證券はIPOの取り扱いが多いのがメリットです。小口個人ですと当たりづらいですけれども、ポチポチ作業を許容できる場合は候補です。
郵政3社、JR九州などの大型株に関しては意外な程に当たりやすいです。
SBIネオトレード証券でもIPOの取扱いを開始しています。委託幹事に名を連ねる可能性があります。
現在はお得なキャンペーンを開催しています。
岡三オンラインでも取扱いの可能性があります。
岡三オンラインは、当サイト限定タイアップでお得な入会キャンペーンを行なっています。口座開設と1回以上の取引だけで3,500円+特別レポートがプレゼントされます。
ネット証券のキャンペーンとしては破格の内容でおすすめです。まだ口座をお持ちでない方は、ぜひこの機会に開設してみてはいかがでしょうか。
↓
松井証券も委託幹事団に名を連ねる可能性があります。
岩井コスモ証券は、ネット抽選分は小口個人投資家に嬉しい完全公平抽選となっています。
東海東京証券は小口個人投資家には嬉しい完全抽選がある証券会社です。
むさし証券もIPOのサービスを提供しています。インターネット口座は売却手数料がリーズナブルです。
<投資スタンス>
強気
(※強気・やや強気・中立・やや弱気・弱気の5段階)
- 強気:対面証券・ネット証券で全力申込
- やや強気:ネット証券・対面証券で申込
- 中立:ネット証券、回数制限に問題なくS級銘柄の当落に影響がない対面証券で申込(大量獲得を狙える場合は妙味あり)
- やや弱気:ネット口座以外は原則回避(ただし、マイナス覚悟の勝負で申し込むことも) ※安全重視ならSBI証券のみ
- 弱気:SBI証券以外は回避(対面証券はバーター取引ならOK)