マーキュリアインベストメント(7190)のIPOが決定しています。ブック・ビルディング期間は2016年9月29日(木)~10月5日(水)、上場日は10月17日(月)です。
新規上場する市場は東証二部で、想定価格は1,640円(1単元16.4万円)です。仮条件は1,400円~1,450円と窓を開けて下振れました。
公募価格は仮条件の上限である1,450円となりました。予想PERは8.1倍、予想配当利回りは3.10%です。
初値予想は「マイナスリターンの可能性がある」です。大手初値予想会社の初値予想は以下の通りです。
- 1,450〜1,600円(仮条件の上限比±0%~+10.3%)
- 1,400〜1,450円(仮条件の上限比-3.5%~±0%)
初値予想会社の直前初値予想は以下の通りとなっています。
- 1,450円(公開価格比±0%)
- 1,500円(公開価格比+3.5%)
マーキュリアインベストメントは、国内外投資家の資金を投資事業組合等のファンドを通じて運用を行うファンド運用事業、自己資金の運用を行う自己投資事業を主たる業務としています。
監査法人は有限責任あずさ監査法人で、本社所在地は東京都千代田区内幸町 1-3-3です。
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目次
マーキュリアインベストメントとは
マーキュリアインベストメントは、クロスボーダー(国や地域を超えること、既存のビジネスの枠組みにとらわれずに挑戦すること)をコンセプトとした投資運用を行っており、投資対象の性質により事業投資と資産投資に大別されます。
マーキュリアインベストメントは、投資事業組合等のファンドを組成し、国内外投資家から資金調達、投資対象の発掘、投資対象への投資実行、投資対象のモニタリング、投資対象の売却等による投資回収等の管理運営業務を行うことでファンドより管理報酬を得ています。
また、投資家に対する分配実績や投資家の投資採算等に応じてファンドより成功報酬を得ています。
マーキュリアインベストメントは、主にマーキュリアインベストメントが管理運営を行うファンドに対して自己投資を実行し、当該ファンドにおける持分損益を得ています。
また、自己投資対象からの配当や自己投資対象の売却による売却益を得ています。
投資戦略別AUM推移は下表のとおりです。
投資戦略別AUM推移 | 平成24年 12月期 | 平成25年 12月期 | 平成26年 12月期 | 平成27年 12月期 |
---|---|---|---|---|
成長投資戦略 | 162 | 252 | 281 | 249 |
バリュー投資戦略 | 37 | 30 | 19 | 15 |
バイアウト投資戦略 | - | 15 | 15 | 15 |
不動産投資戦略/ CF投資戦略 | 1,029 | 1,341 | 1,575 | 1,547 |
合計 | 1,228 | 1,638 | 1,890 | 1,826 |
投資戦略別報酬の推移は下表のとおりです。
投資戦略別報酬 | 平成24年12月期 | 平成25年12月期 | 平成26年12月期 | 平成27年12月期 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
管理報酬 | 成功報酬 | 管理報酬 | 成功報酬 | 管理報酬 | 成功報酬 | 管理報酬 | 成功報酬 | |
成長投資戦略 | 1.7 | - | 2 | - | 3.1 | - | 4.6 | - |
バリュー投資戦略 | 0.9 | 1 | 0.7 | - | 0.6 | 0.7 | 0.5 | 0.4 |
バイアウト投資戦略 | - | - | 0.2 | - | 0.3 | - | 0.3 | - |
不動産投資戦略/ CF投資戦略 | 5.1 | 4.7 | 5.8 | 3.5 | 10.2 | - | 10.1 | - |
合計 | 7.7 | 5.7 | 8.7 | 3.5 | 14.1 | 0.7 | 15.5 | 0.4 |
マーキュリアインベストメントの従業員数は25名、平均年齢は42歳、平均勤続年数は2.8年、平均年間給与は1023.2万円です。
成長投資戦略(事業投資)
マーキュリアインベストメントの成長投資戦略は、例えば伝統的な金融業と新たな技術の融合といった、既存のビジネスの枠組みにとらわれずに挑戦する事業への投資を行い、投資リターンをもたらしています。
中でも主に次のような要素に着目しています。
- マクロ経済の成長に伴い需要の伸びが予想される新しいサービスの展開
- 社会構造の変化に伴い変化が求められる既存産業における新たなビジネスモデル
- モノ造りに関する管理の技術やノウハウ等の日本の優れた特性を活かすことができる分野の海外市場への展開
マーキュリアインベストメントでは、このような観点で主要プレーヤーとなりうる企業に対し、中長期的な視野による投資を行い、一時的な状況の変化に左右されない資金面、事業面等の分野での継続的なサポートを提供します。
バリュー投資戦略(事業投資)(資産投資)
バリュー投資とは理論的な価格より安く取引される事業・資産への投資です。
金融法人、事業法人、個人といった様々な投資家の投資サイクル等の関係で、安定的な資産及び事業であっても理論的な価格よりも安い価格で取引されることがあります。
マーキュリアインベストメントは、グループ会社のネットワークや役職員のネットワークを活用することでそのような機会を見つけ、ローン債権(流動化された貸付金)や不動産などキャッシュ・フローを伴う投資資産を中心にバリュー投資を行っています。
バイアウト投資戦略(事業投資)
バイアウト投資とは、企業への株式投資を行うことにより、経営に参画し、事業の拡大や再編、構造改革などにより企業価値の向上を目指す投資です。
経営を改善することで企業価値の向上の余地のある企業を友好的に買収することにより、投資先経営陣と共に経営改革の推進、投資先企業の成長および企業価値向上を目指します。
特にマーキュリアインベストメントでは、グループ会社のネットワークやリソースも活用した新たな成長シナリオを描くことで企業価値の向上を図ります。
不動産投資戦略(資産投資)
マーキュリアインベストメントでは、地域毎に異なる経済発展レベルや経済環境に照らし合わせた不動産投資によりリスクに見合ったリターンが得られる不動産投資を目指しています。
経済が成長局面にあるアジア地域においては、中国国内の個人消費の拡大とともに北京の貸オフィスビルへの需要が拡大することを見越し、北京市の中心的なオフィス街にあるオフィスビル2棟にいち早く投資を行いました。
マーキュリアインベストメントでは、マーキュリアインベストメント子会社であるSpring Asset Management Limitedにおいて、香港証券取引所へ上場しているリート(不動産投資信託)であるSpring REITの管理運営を行うなどの実績を上げています。
日本やその他の先進国においても、主にバリュー投資やキャッシュ・フロー投資戦略のアプローチも取り込んでいます。
キャッシュ・フロー投資戦略(CF投資戦略)(資産投資)
社会インフラ関連、賃貸不動産など、安定的なキャッシュ・フロー収入が期待できる資産に対するファンド投資を通じ、一定のキャッシュ・フローをもたらす金融商品として投資家へ提供しています。
安定したリターンの確保には、資産の種類だけでなく、資産管理体制も重要なファクターであり、マーキュリアインベストメントではそれぞれの分野でグローバルなフランチャイズや実績を持つパートナーと組み、投資機会の発掘や運用管理を行っています。
キャッシュ・フロー投資戦略は、従前は不動産投資戦略と一体として取り組んで参りましたが、今後は国内外の投資家に対して安定運用機会を提供すべく、独立した戦略としてより強化していく分野となります。
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マーキュリアインベストメントのIPOの諸データ
新規発行による手取金の使途については、今後組成を予定しているファンドへの自己投資資金に充当する予定です。
事業会社が保有する使途の定まった事業用不動産を投資対象とするキャッシュ・フロー投資戦略ファンドを平成29年12月期中を目途に、リースを目的とした航空機を投資対象とするキャッシュ・フロー投資戦略ファンドを平成30年12月期中を目途にそれぞれ組成することを計画しています。
キャッシュ・フロー投資戦略ファンドは、安定的なキャッシュ・フロー収入が期待できる事業・資産に対するファンド投資を通じ、金融商品として一定のキャッシュ・フローを投資家へ提供することを目的としています。
マーキュリアインベストメントは、世界的な低金利化が進み、十分な利回りを得にくい投資環境下においては、一定のキャッシュ・フローをもたらす金融商品は、投資家の需要を喚起すると考えています。
マーキュリアインベストメントの業績推移
業績面では売上高は減収、経常利益・当期純利益は減益の年度があるものの、大局的には右肩上がりの傾向となっています。
営業キャッシュフローは純利益を下回っています。
連結経営指標では、前期の自己資本利益率(ROE)は23.1%であり、自己資本比率は87.2%です。連結経営指標等は下表のとおりです。
回次 | 第10期 | 第11期 | |
---|---|---|---|
決算年月 | 平成26年12月 | 平成27年12月 | |
営業収益 | (千円) | 1,616,137 | 2,047,567 |
経常利益 | (千円) | 966,912 | 900,213 |
当期純利益 | (千円) | 739,790 | 620,829 |
包括利益 | (千円) | 859,509 | 423,306 |
純資産額 | (千円) | 2,151,969 | 3,322,962 |
総資産額 | (千円) | 2,492,269 | 3,699,161 |
1株当たり純資産額 | (円) | 676.63 | 826.05 |
1株当たり当期純利益金額 | (円) | 236.88 | 177.46 |
自己資本比率 | (%) | 86.3 | 87.2 |
自己資本利益率 | (%) | 43.2 | 23.1 |
営業活動によるキャッシュ・フロー | (千円) | △411,562 | 303,694 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | (千円) | △37,249 | △30,664 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | (千円) | 15,601 | 747,248 |
現金及び現金同等物の期末残高 | (千円) | 551,387 | 1,589,202 |
従業員数 | (人) | 26 | 33 |
提出会社の経営指標等は下表のとおりです。過去1度だけ配当を実施したことがあります。
回次 | 第7期 | 第8期 | 第9期 | 第10期 | 第11期 | |
---|---|---|---|---|---|---|
決算年月 | 平成23年12月 | 平成24年12月 | 平成25年12月 | 平成26年12月 | 平成27年12月 | |
営業収益 | (千円) | 877,977 | 1,413,667 | 1,174,610 | 622,586 | 760,178 |
経常利益 | (千円) | 609,334 | 1,156,183 | 706,475 | 297,924 | 382,433 |
当期純利益 | (千円) | 150,079 | 241,962 | 419,367 | 178,106 | 331,990 |
資本金 | (千円) | 50,000 | 50,000 | 55,400 | 84,200 | 429,050 |
発行済株式総数 | (株) | 1,400 | 1,400 | 1,430 | 1,590 | 19,530 |
純資産額 | (千円) | 460,664 | 731,569 | 1,249,862 | 1,476,779 | 2,394,797 |
総資産額 | (千円) | 1,246,768 | 1,617,632 | 1,947,670 | 1,662,584 | 2,710,992 |
BPS | (円) | 329,046 | 522,550 | 874,029 | 464.4 | 612.74 |
1株当たり配当 | (円) | - | - | 29,370 | - | - |
EPS | (円) | 107,199 | 172,830 | 294,126 | 57.03 | 94.9 |
自己資本比率 | (%) | 37 | 45.2 | 64.2 | 88.8 | 88.3 |
自己資本利益率 | (%) | 39.1 | 40.6 | 42.3 | 13.1 | 17.2 |
配当性向 | (%) | - | - | 10 | - | - |
従業員数 | (人) | 13 | 13 | 12 | 14 | 20 |
市場トレンド
市況面では、上場直前3ヶ月間のインデックスが上昇トレンドの状況だと初値リターンが高い傾向となっています。
東証2節数は英国のEU離脱があった6月から7月上旬にかけて軟調な展開でしたが、その後、切り返して来ました。
IPOにおいては、このまま上昇トレンドに回帰すると追い風となります。
(※マネックス証券より)
上場規模
マーキュリアインベストメントのIPOの規模は最大で約17.2億円であり、東証2部としては中型です。小型であればある程、初値リターンは良い傾向があります。
公募株式数は531,000株、売出株式数は381,100株、オーバーアロットメント(OA)は135,100株です。
公開比率(オファリングレシオ)は最大で約24%と標準的です。公開比率が低ければ低いほど、初値リターンが高い傾向があります。公募株式数に占める売出の割合は約42%です。
貸株人である豊島俊弘、売出人である許暁林、佐柄木伸匡、マーキュリアインベストメント株主である株式会社日本政策投資銀行、伊藤忠商事株式会社、あすかホールディングス株式会社、合同会社ユニオン・ベイ、石野英也及び中井竜馬には、原則として180日間のロックアップがかかっています。株価上昇による解除条項はありません。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
---|---|---|
(株)日本政策投資銀行 | 32.51% | ○ |
伊藤忠商事(株) | 24.43% | ○ |
あすかホールディングス(株) | 8.78% | ○ |
谷家衛 | 8.59% | |
豊島俊弘 | 4.92% | ○ |
三井住友信託銀行(株) | 4.51% | |
(同)ユニオン・ベイ | 3.07% | ○ |
石野英也 | 2.81% | ○ |
三好達雄 | 1.86% | |
許暁林 | 1.56% | ○ |
上記のほか、マーキュリアインベストメントは、取引所の定める有価証券上場規程施行規則の規定に基づき、上場前の第三者割当等による募集株式等の割当等に関し、割当を受けた者との間で継続所有等の確約を行っています。
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初値予想
マーキュリアインベストメントの事業は、国内外投資家の資金を投資事業組合等のファンドを通じて運用を行うファンド運用事業、自己資金の運用を行う自己投資事業ということで、IPOにおける業種の人気度は市況に大きく左右されます。
予想PERは8.1倍、予想配当利回りは3.10%であり、類似企業と比較して割安感があります。
コード | 銘柄名 | PER | PBR | 配当利回り |
---|---|---|---|---|
2337 | いちご | 16.11 | 3.17 | 1.17% |
3266 | ファンドクリエーションGP | 12.60 | 2.28 | 0.69% |
3454 | ファーストブラザーズ | 6.35 | 1.22 | 0.00% |
3772 | ウェルス・マネジメント | 3.40 | 2.01 | 1.25% |
4321 | ケネディクス | 12.23 | 1.34 | 0.87% |
8518 | 日本アジア投資 | 14.28 | 1.13 | 0.00% |
8595 | ジャフコ | 11.67 | 0.67 | 3.45% |
8739 | スパークス・グループ | 15.04 | 2.47 | 2.31% |
約17.2億円という上場規模は東証2部としては小型IPOと大型IPOの中間的な規模です。特にエッジはありませんが、吸収は至難というわけではありません。
多くの株主にはロックアップがかかっています。東証2部の20億円未満の小型IPOの初値結果は以下のとおりです。
- イワキ(銘柄名:イワキポンプ)+2.5%
- ランドコンピュータ:+103.4%
- JESCOホールディングス:+5.4%
- 土木管理総合試験所:-2.4%
- ホクリヨウ:+8.9%
- 東京ボード工業:-8.0%
- 綿半ホールディングス:+6.3%
- 竹本容器:+2.0%
- ヤマシンフィルタ:+19.6%
- ダイキアクシス:+3.9%
- エンビプロ・ホールディングス:+48.6%
- サンヨーホームズ:+78.6%
- パンチ工業:-5.4%
- アジュバンコスメジャパン:+4.8%
- 三洋貿易:-3.5%
- 阿波製紙:+0.3%
- 東京スター銀行:-3.5%
以上を総合考慮して、初値予想は「マイナスリターンの可能性がある」です。
主幹事はSMBC日興証券です。その他は、SBI証券、マネックス証券、岡三証券、SMBCフレンド証券、エース証券、丸三証券、岩井コスモ証券で申し込めます。
証券会社名 | 割当株式数 | 割当比率 |
---|---|---|
SMBC日興証券 | 766,200 | 84.00% |
SBI証券 | 36,500 | 4.00% |
マネックス証券 | 36,500 | 4.00% |
岡三証券 | 27,400 | 3.00% |
SMBCフレンド証券 | 18,200 | 2.00% |
エース証券 | 9,100 | 1.00% |
丸三証券 | 9,100 | 1.00% |
岩井コスモ証券 | 9,100 | 1.00% |
マーキュリアインベストメントのIPOの当選のコツについては、以下で徹底解説しています。
岡三グループの岡三オンライン証券での取扱いも期待できます。口座数が少なくてライバルは少なめです。
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SMBC日興証券は小口個人投資家でもIPOが当たるチャンスがある証券会社です。口座開設をおすすめします。
SBI証券が幹事に入っているので、着実にSBIチャレンジポイントを貯めましょう。
参考まだ安全資産は定期預金と国債だけなの?IPOチャレンジポイントで確実にS級IPOをゲットできる
SBI証券でIPOの引受け部門で活動していたプロにインタビューして、貴重なお話を聞きました。以下にまとめています。
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マネックス証券は完全抽選で小口個人投資家でも当選する可能性がある証券会社です。
岩井コスモ証券では、創業100周年を記念して、お得な入会キャンペーンを行っています。
SBIネオトレード証券でもIPOの取扱いを開始しています。委託幹事に名を連ねる可能性があります。
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弱気
(※強気・やや強気・中立・弱気の4段階)