新規上場!三菱地所物流リート投資法人のIPOの初値予想

更新日:   IPO

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三菱地所物流リート投資法人

三菱地所物流リート投資法人(3481)のIPOが決定しています。ブック・ビルディング期間は2017年8月31日(木)~9月5日(火)です。上場予定日は9月14日(木)です。

新規上場する市場は東証REITで、想定価格は25万円(1単元25万円)です。

仮条件は25万~26万円と上振れました。公開価格は仮条件の上限である260,000円となりました。

巡航分配金利回りは4.04%、NAV倍率は0.98倍、セイムボート出資率(三菱地所グループによる出資比率)は約3.9%です。

1株配当(DPU)は、2018年2月期は5,381円、2018年8月期は5,249円が予想されています。

初値予想は+3%~10%程度です。初値予想会社の初値予想は、260,000円~265,000円でしたが、9月7日に上方修正しました。

265,000円~270,000円(公募価格比+1.9%~+3.8%)

初値予想会社の直前初値予想は270,000円(公開価格比+3.8%)となっています。初値は274,000円(+5.38%)でした!

三菱地所物流リート投資法人は、東京・丸の内をはじめとする「まちづくり」によって得た信頼を基盤としている「三菱地所グループ」の総合力を活かした運用によって、物流施設を主な投資対象とする物流REITです。

監査法人は新日本有限責任監査法人です。JCRから「AA-」の格付を取得しており、日銀のREIT買入れの対象になります。

三菱地所物流リート投資法人とは

三菱地所物流リート投資法人のスポンサーは、日本最大級の総合デベロッパーである三菱地所です。

資産運用会社は豊富な不動産ファンドの運用実績を有する不動産アセットマネージャーである三菱地所投資顧問です。

三菱地所物流リート投資法人は、両社の強みをハイブリッド活用し、質の高いポートフォリオの構築と着実かつ安定的な資産運用を図る方針です。

東京・丸の内をはじめとする「まちづくり」によって得た信頼を基盤とする三菱地所グループの総合力を活かし、物流施設事業を取り巻く環境変化に適応していく方向性です。

スポンサーの三菱地所グループ

丸ビルと新丸ビル

「三菱地所グループ」とは、三菱地所、その連結子会社201社、持分法適用関連会社69社(2017年3月末時点)により構成される企業集団をいいます。

三菱地所は 東京・丸の内エリアで120年以上にわたりまちづくりを推進しており、総合デベロッパーとして多岐にわたる事業を展開してきました。

物流施設事業を成長事業領域の一つとして推進しています。物流施設開発実績は6物件、延床面積累計約45万㎡(2017年6月末現在)です。

三菱地所物流リート投資法人には、その三菱地所が最新型物流施設の開発・運営を通じたスポンサーパイプライン物件を継続的に供給します。

また、リーシングにおける三菱地所グループのノウハウ・法人顧客リレーションを活用します。

三菱地所グループは、ブランドスローガンである「人を、想う力。街を、想う力。」のもと、物流施設にでは2つのブランドを展開しています。

  • 三菱地所が単独開発する「ロジクロス」
  • 三菱地所投資顧問が第三者から取得する「MJロジパーク」

資産運用会社の三菱地所投資顧問

三菱地所投資顧問は、日本の不動産証券化の黎明期であった2001年に設立され、日本最大級の私募REITをはじめとする様々な不動産ファンドの組成・運用実績があります。

2011年3月にオープンエンド型非上場私募不動産投資法人である日本オープンエンド不動産投資法人の運用を開始しました。

2017年には国内私募REITとしては初めて資産規模3,000億円を達成し、着実な成長を実現しており、2017年3月末現在の受託資産残高は累計5,764億円を誇ります。

その三菱地所投資顧問が高い投資案件選別力(目利き力)による独自の物件ソーシング力、豊富な実績に基づく不動産ファンド運用力で、ブリッジファンド(不動産等を保有する私募ファンド)などの多様なスキームによる柔軟な取得戦略でサポートします。 

https://www.youtube.com/watch?v=EM-FuRf0q3s

運用体制

投資主価値の向上のため、適切な利益相反対策をとるとともに、三菱地所物流リート投資法人の投資主と三菱地所グループの利益が一致することを目指す運用体制を構築します。

  • 利害関係人取引における公正な取引フロー
  • 三菱地所によるセイムボート出資
  • 資産運用会社における優先検討順位のルール化
  • 一口当たり税引前当期純利益、NOI等に連動した資産運用報酬投

三菱地所物流リート投資法人は、「立地」「建物特性」 、 「安定性」に着眼し、テナントニーズを捉えた競争力の高い物流施設への厳選投資を通じ、長期安定的なポートフォリオの構築を目指しています。

成長戦略

三菱地所物流リート投資法人は、主として、床荷重1.5t/㎡、梁下天井有効高5.5m以上、柱スパン10m以上等といったテナントニーズを捉えた汎用性の高い仕様を備えた最新型物流施設の開発・運営ノウハウを有する三菱地所がスポンサー契約に基づいてサポートします。

三菱地所による開発物件を含む、同社が自ら所有する物流施設等を売却する場合には、優先的に取得に向けた交渉を行うことができます。

三菱地所が匿名組合出資、優先出資その他の手法により出資する特別目的会社が所有する場合、三菱地所の関係会社が保有する場合を含みます。

また、マーケットや環境変化に合わせて三菱地所のCRE戦略や共同事業等の開発戦略を活用します。

優先交渉権付与予定物件は10物件であり、延床面積合計は約58万㎡です。

三菱地所物流リート投資法人は、三菱地所の総合デベロッパーとして培った豊富な法人顧客リレーションを活かしたリーシング力、物流施設開発・運営事業によって蓄積された運営ノウハウを活用します。

また、資産運用会社の多様なアセットタイプのファンド運用実績に裏打ちされた安定的な運用力と独自のテナントリレーションを活かした安定的な物流施設の運営ノウハウをハイブリッド活用します。

個別物件のキャッシュフローの最大化、ひいては三菱地所物流リート投資法人の運用資産の安定成長に資する内部成長(ハイブリッド型内部成長)を目指します。

ポートフォリオ構築方針

三菱地所物流リート投資法人は、物件の「立地」、「建物特性」、「安定性」に着眼し、物流利便性に加え、雇用確保のしやすさや使い勝手の良さ等のテナントニーズを捉えます。

マーケットにおいて長期にわたり高い競争力が期待できる物流施設への厳選投資を通じ、長期安定的なポートフォリオの構築を目指します。

主として物流施設を投資対象としており、その他に、「物流施設に関連し又は親和性のある不動産」(工場、研究開発施設、データセンター等の産業用不動産)も投資対象としています。

将来の収益力補完を企図するものであり、アセットタイプ別の目標投資比率は以下のとおりとします。但し、資産取得等の過程で一時的にこの比率を超過又は下回ることがあります。

  • 物流施設:80%以上
  • その他:20%以下

投資エリアの一極集中による様々なリスク(賃貸市場の変動リスク、天災リスク等)を軽減し、安定した収益を確保するため、首都圏、近畿圏、中部圏を中心に、投資対象地域毎に目標投資比率を設定して分散投資を行うものとします。

投資対象地域目標投資比率
首都圏東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県50%以上
近畿圏大阪府、兵庫県、京都府、奈良県、滋賀県50%以下
中部圏愛知県、三重県、岐阜県
その他上記以外の都道府県

ただし、資産取得等の過程で一時的にこの比率を超過又は下回ることがあります。

なお、経済動向、金融情勢、不動産市場の動向等を分析し、中長期的な観点から、ポートフォリオの構成が適切であるかを検討した上で、ポートフォリオ構築方針の定期的な見直しを行うものとします。

「立地」に関する着眼点

三菱地所物流リート投資法人は、安定的な人口動態を有し、多数の商圏人口を有する大消費地に所在あるいは近接する「消費者立地」、企業や工場群が集積する「産業立地」に着眼します。

それぞれの所在する地域並びに双方を繋ぐ高速道路や空港、港湾等の物流網の結節点に重点投資を行います。

なお、三菱地所物流リート投資法人は、「消費者立地」、「産業立地」の観点から、かかる物流網の結節点が多く含まれ、重要度が高いと考える首都圏、近畿圏、中部圏の三大都市圏を中心に重点投資を行います。

アンダーズ東京の夜景

大阪駅

名古屋城のしゃちほこ

上記の観点に加え、三菱地所物流リート投資法人は、域内の企業や個人によって生み出された付加価値額の合計を表す都道府県別県内総生産の観点からも、首都圏に加え、近畿圏、中部圏は有望な投資対象地域であると考えています。

これら地域に対して投資を行うことで、地域分散が図られた長期安定的なポートフォリオを構築することを目指します。

また、三菱地所物流リート投資法人は、IC(インターチェンジ)を含む、主要幹線道路からのアクセスのしやすさ等物流拠点としての優位性に加え、物流施設の競争力を維持する上で重要度が高まっている従業員確保の容易性にも着眼します。

物流施設の周囲に住宅地が近接・隣接するかや、最寄駅からアクセスがしやすいか等の交通利便性も考慮しつつ投資対象の立地を厳選します。

さらに、三菱地所物流リート投資法人はスポンサーである三菱地所の本店・支店が所在するエリアを中心に三菱地所が培ってきた地場のネットワークに着目し、その活用を目指します。

https://www.youtube.com/watch?v=jXFA3rzOdrw

「建物特性」に関する着眼点

三菱地所物流リート投資法人は、原則として、延床面積10,000㎡以上の規模を有し、長期安定稼働の見込める物流施設に投資を行います。

また、テナントが扱う荷物の種類や物流施設の使用目的が多様化していることに鑑み、将来にわたり幅広いテナントニーズに対応できる汎用性のある物流施設への投資を積極的に検討します。

テナント需要に厚みがあり、資産規模が十分ではない段階においてもテナント分散を実現しやすい、マルチテナント型を中心に投資を行い、その他にBTS型にも投資を行っていきます。

さらに、「物流施設に関連し又は親和性のある不動産」(工場、研究開発施設、データセンター等の産業用不動産)への投資も将来的に検討します。

「マルチテナント型」とは、複数のテナントによる利用を想定した汎用性の高い物流施設をいいます。

「BTS型」とは、ビルド・トゥ・スーツ型の略称であり、特定の企業向けにその要望を取り入れた仕様とした物流施設をいいます。

「安定性」に関する着眼点

三菱地所物流リート投資法人は、ポートフォリオ全体の分散状況も踏まえつつ、収益の安定性を考慮し、テナントと将来にわたり安定した賃貸借契約が締結可能と判断される物流施設を厳選の上、積極的な投資を行います。

また、テナントとの契約については、安定した賃料収入が期待できる賃貸借契約種別である定期借家契約の締結、長期の残存賃貸借期間の確保に努めるとともに、ポートフォリオにおけるテナント分散の実現を目指します。

さらに、三菱地所グループの法人顧客リレーションを積極的に活用していくことで、物流事業者や荷主と良好な関係を構築し、ポートフォリオの安定的な運用を目指します。

上場時ポートフォリオの概要

ロジクロス福岡久山

取得(予定)資産は8物件(うち取得済資産1物件)、取得(予定)価格合計は708億円、不動産鑑定評価額は737億円、延床面積合計は約51万㎡、スポンサー開発比率は、MJIAソーシング比率は36%です。

「スポンサー開発」とは、三菱地所が単独又は共同で開発中又は開発した物流施設等を意味します。

「MJIAソーシング」とは、MJIAが独自に物件情報を取得して三菱地所物流リート投資法人による物件取得に繋がった物流施設等を意味します。

取得(予定)資産の平均稼働率は99.5%、8物件の平均鑑定NOI利回りは4.9%です。

NOI利回り

Net Operating Incomeの略であり、賃料から、管理費、固定資産税などの直接的経費をマイナスしたもの。減価償却費のような支出を伴わない費用、支払利息のような金融費用、修繕費などの資本的な支出は考慮しないため、事業によって生み出される単純なキャッシュフロー

エリア別としては首都圏74.6%、近畿圏8.6%、その他16.8%であり、後背地に住宅集積地を有する割合は100%です。

最寄り駅からの距離は1.5km未満が34.3%、1.5km以上3km未満は65.7%です。主要幹線道路からの距離は、1km未満が55.8%、1km以上3km未満が35.5%、3km以上5km未満が8.6%です。;

延床面積は10万㎡以上が55.8%、1万㎡以上10万㎡未満が42.4%、それ未満が1.8%です。物件タイプはマルチ100%です。

原則として定期借家契約を締結の上で、契約期間の長期化と契約終期の分散を実現しています。定期借家契約が99.5%であり、残存退職期間は以下のとおりです。

  • 7年以上:12.7%
  • 5年以上7年未満:30.8%
  • 3年以上5年未満:20.8%
  • 1年以上3年未満:29.5%
  • 1年未満:6.2%

特定テナントへの集中リスクに配慮したテナント分散を実現しています。

  • 山久:12.5%
  • サン都市建物:9.0%
  • 三菱地所:8.6%
  • 福岡ロジテム:7.8%
  • 開示許可が得られていない某社:7.6%
  • その他:54.5%

上場時に取得する8物件のうち7物件は本資産運用会社が投資助言業務を受託するブリッジファンドから取得します。

今後も三菱地所と本資産運用会社の両社のパイプラインを活用し、長期安定的なポートフォリオの更なる強化を目指します。

取得ルート取得(予定)資産所在地取得価格
(百万円)
延床面積鑑定NOI
利回り(%)
稼働率(%)築年数テナント数
スポンサー開発ロジクロス福岡久山福岡県5,77036,0825.11002.82
糟屋郡
久山町
ロジポート相模原神奈川県21,364200,2534.699.5415
(準共有持分49%)相模原市98,124
ロジポート橋本神奈川県18,200145,8104.497.92.614
(準共有持分45%)相模原市65,614
MJIAソーシングMJロジパーク厚木1神奈川県6,65327,8364.71004.11
厚木市
MJロジパーク船橋1(取得済資産)千葉県5,40018,2626.510027.71
船橋市
MJロジパーク加須1埼玉県1,2727,6025.710011.41
加須市
MJロジパーク大阪1大阪府6,09039,1585.11009.91
大阪市
MJロジパーク福岡1福岡県6,13039,7985.21009.96
糟屋郡
宇美町
合計(平均)70,879514,8004.999.56.541
332,476

財務運営の基本方針

計算機を手にしてOKポーズをとる女性

三菱地所物流リート投資法人は、三菱地所グループが長年培ってきたノウハウ、信用力を活かした長期安定的な財務運営を基本とします。

また、成長性に配慮してLTVコントロールを行うとともに、効率的なキャッシュマネジメントにより投資主価値向上の実現を目指します。

  • 有利子負債の返済期限の分散、負債の調達コストの長期固定化
  • 機動的な物件取得を可能とするLTVコントロール
  • 継続的な利益超過分配の実施

上場時LTVは32.4%と低めとなっており、40~50%を目途として運用します。新規の借り入れ・ポートフォリオ拡張の余地が大きい状況でのIPOとなります。

LTV

 (借入金額+投資法人債発行残高+敷金・保証金-敷金・保証金の返還等のために留保されている現預金) / (総資産額-敷金・保証金の返還等のために留保されている現預金)

三菱地所物流リート投資法人は、本書の日付現在、株式会社日本格付研究所(JCR)から長期発行体格付「AA-」を取得しています。格付けの方向性は「安定的」です。

三菱地所物流リート投資法人は、負債の調達コストの長期固定化や返済期限の分散化を通じて財務基盤の安定化を図ります。既存借入れの状況は下表のとおりです。

区分借入先借入額
(百万円)
適用利率借入
実行日
元本返済
期日
返済方法摘要
長期三菱UFJ銀行1,400基準金利+0.175%2016年9月29日2019年9月29日期限一括有担保
長期日本政策投資銀行1,400基準金利+0.175%2016年9月29日2019年9月29日期限一括有担保
長期三菱UFJ信託銀行1,200基準金利+0.175%2016年9月29日2019年9月29日期限一括有担保

今後の借入れの予定の状況は、下表のとおりです。

借入先区分借入予定利率返済期限
(借入実行日より)
三菱UFJ銀行短期15億円基準金利+0.07%1年後の応当日
長期5億円基準金利+0.23%5年後の応当日
7億円基準金利+0.26%8年後の応当日
8億円基準金利+0.27%9年後の応当日
15億円基準金利+0.28%10年後の応当日
三菱UFJ信託銀行短期15億円基準金利+0.07%1年後の応当日
長期20億円基準金利+0.24%6年後の応当日
15億円基準金利+0.28%10年後の応当日
三井住友銀行短期15億円基準金利+0.07%1年後の応当日
長期23億円基準金利+0.23%5年後の応当日
10億円基準金利+0.28%10年後の応当日
みずほ銀行長期8億円基準金利+0.22%4年後の応当日
15億円基準金利+0.24%6年後の応当日
10億円基準金利+0.28%10年後の応当日
日本政策投資銀行長期17億円基準金利+0.22%4年後の応当日
福岡銀行長期5億円基準金利+0.24%6年後の応当日
10億円基準金利+0.25%7年後の応当日

返済方法は期限一括弁済です。さすがの三菱地所REITであり、非常に低金利です。信用リスクは極めて低い状況となっています。

借入先借入先別比率
三菱UFJ銀行25.3%
三菱UFJ信託銀行24.5%
三井住友銀行19.0%
みずほ銀行13.0%
日本政策投資銀行11.3%
福岡銀行5.9%

借入れ実施後の三菱地所物流リート投資法人の長期負債比率、固定金利比率、平均借入残存年数は以下のとおりです。

  • 長期負債比率:82.1%(借入期間が1年超の借入れの比率)
  • 固定金利比率:66.3%
  • 平均借入残存年数:5.2年

三菱地所物流リート投資法人は、減価償却費の30%相当額を利益超過分配金額の目途とし、原則として毎期継続的に利益超過分配を実施する方針です。

また、継続的な利益超過分配に加えて、新投資口発行等の資金調達又は大規模修繕等により、一時的に1口当たり分配金の額が一定程度減少することが見込まれる場合は、1口当たり分配金の金額を平準化する目的で、一時的な利益超過分配を行うことがあります。

安定的な財務運営を継続する観点から、上記の金銭の分配を実施した場合に鑑定LTVが60%を超える場合においては、利益超過分配を実施しないものとします。

市場トレンド

右肩上がりのグラフと喜ぶ女性のイラスト

市況面では、上場直前3ヶ月間のインデックスが上昇トレンドの状況だと初値リターンが高い傾向となっています。

東証REIT指数は2016年4月下旬をピークとして、ダラダラとした下落トレンドが続いていました。

しかし、2016年11月中旬をボトムとして急速に反発していましたが、2017年1月がピークとなり、それ以降は下降トレンドが続いています。

株価指数と比較してREIT指数は著しく軟調な状況が続いてきました。しかし、2017年7月に入ってからは反発の萌芽が出始めています。

このまま反騰したら三菱地所物流リート投資法人のIPOにおいて追い風となり、反落して再度下降トレンドが続いたら向かい風となります。

東証REITのチャート(2017年5月~2017年8月)
(※SBI証券より)

上場規模

大きさ

三菱地所物流リート投資法人のIPOの規模は最大で515.0億円と東証リートとしてはやや大型です。

2017年2月に上場した森トラスト・ホテルリート投資法人の約+14%です。

ケネディクス商業リート投資法人、大和ハウスリート、投資法人みらいよりも若干小型であり、ラサールロジポート投資法人、日本プロロジスリート投資法人、GLP投資法人の半分弱の規模です。

公募口数は198,000口、売出口数が0株、オーバーアロットメントは8,000口です。

初値予想

現在の情勢下ではNOI利回りが高めで三菱地所の物流REITである点は魅力です。JCRからAA-の格付をしっかりと取得しています。

日銀の異次元緩和でイールド・カーブが盛大に潰されており、僅かな利回りでも貴重な情勢となっている側面はあります。

100%公募で売出がゼロというのもIPOにおいては好感される要素となります。森トラスト・ホテルリート投資法人の100%真逆です。

ネット通販は伸長の一途を辿っており、物流機能の社会的重要性は一段と向上しています。

REITのIPOは資産インフレの波に乗って2013年半ばから9連勝中でした。

しかし、2015年はREIT全体が軟調になったのに伴い、年後半は、ジャパン・シニアリビングREIT、サムティ・レジデンシャルREIT、いちごホテルリートと3連敗となりました。2015年のREITのIPOは2勝3敗と負け越しです。

2016年はラサールロジポートREIT+5.0%、スターアジア不動産-0.9%、タカラレーベン・インフラ+9.9%、マリモ地方創生リート-3.8%、三井不動産ロジREIT+0.5%、大江戸温泉リート-4.1%、さくら総合リート-13.2%、いちごグリーンインフラ-3.9%、投資法人みらい-3.8%と3勝6敗でした。

ラサールと三井不動産ロジで利益を出し、いちごグリーンとみらい以外はスルーしました。さくらとマリモは勧誘の暴風を辛くも逃げ切りました。

しかし、みらいは日興はZMP直前ということで断れず、また三菱からは「非常に珍しい強めの依頼」があり、JR九州の恩があったので総合考慮の上で引受けて被弾しました。

いちごグリーンはバーター取引だったので、「損して得取れ」で無問題でした。

2017年は森トラスト・ホテルリート投資法人が+1.4%となり、被弾覚悟で貢献目的で日興から引き受けた分が嬉しい利益となりました。

日本再生可能エネルギーインフラ投資法人は-4.1%であり、こちらは何とかセカンダリーでカバーしました。

ここ最近はREITのIPOは鬼門が続いていますけれども、REITのIPOは日銀の投資対象となる格付けがあるREITは堅調な傾向があります。

三菱地所物流リート投資法人は三井不動産ロジスティクスパーク投資法人、ラサールロジポート投資法人と同じような結果になると考えています。

幹事団は全て対面口座があるので、日興を中心として全力参戦の予定です。初値が低かったら三井不動産ロジの二番煎じを期待して初値突撃も検討します。

東証REITの500億円以上の大型IPOの初値結果は以下のとおりです。

  • 投資法人みらい:-3.8%
  • 三井不動産ロジスティクスパーク投資法人:+0.5%
  • ラサールロジポート投資法人:+5.0%
  • ケネディクス商業リート投資法人:+13.3%
  • ヒューリックリート投資法人:+13.0%
  • イオンリート投資法人:+9.5%
  • 野村不動産マスターファンド投資法人:-3.3%
  • 日本プロロジスリート投資法人:+27.3%
  • GLP投資法人:+3.3%
  • 大和ハウスリート投資法人:+0.8%
  • アクティビア・プロパティーズ投資法人:-3.3%

主幹事はSMBC日興証券(引受比率の観測値55%)です。その他では、三菱UFJモルガン・スタンレー証券(25%)、大和証券(12%)、みずほ証券(5%)、野村證券(3%)で購入できます。

三菱地所物流リート投資法人のIPOの当選のコツについては、以下で徹底解説しています。

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<投資スタンス>
やや強気(+3%~10%程度)
(※強気・やや強気・中立・やや弱気・弱気の5段階)

過去のIPO初値予想の履歴

過去のIPO初値予想の履歴

銘柄名(2015年)発表時BB直前結果
Keeper技研やや強気やや強気49.1%
ケネディクス商業リート投資法人中立やや強気13.3%
ファーストロジック強気強気52.5%
ファーストブラザーズやや弱気やや弱気2.5%
ホクリヨウ中立中立8.9%
ALBERT強気強気115.7%
シリコンスタジオやや強気やや強気102.0%
コラボス強気強気137.6%
エムケイシステム強気強気332.0%
ショーケース・ティービー強気強気193.9%
ヘルスケア&メディカル投資法人やや強気やや強気54.5%
エスエルディー強気強気15.3%
ヒューマンウェブやや強気やや強気11.7%
イード強気強気46.4%
ファーストコーポレーションやや強気やや強気25.0%
RSTechnologies中立中立-23.6%
シンデン・ハイテックスやや強気やや強気12.2%
ハウスドゥやや強気やや強気47.2%
Aiming中立中立12.2%
モバイルファクトリー強気強気99.4%
日本動物高度医療センターやや強気やや強気44.2%
プラッツやや強気やや強気70.2%
sMedioやや強気やや強気58.7%
サンバイオ弱気弱気-14.5%
海帆やや強気やや強気76.5%
Hameeやや強気やや強気67.2%
日本スキー場開発中立中立9.9%
シーアールイー弱気弱気-7.3%
三機サービス中立中立37.1%
レントラックス強気強気53.1%
リンクバルやや強気やや強気27.9%
ジグソー強気強気236.4%
Gunosy中立中立0.0%
デザインワン・ジャパンやや強気やや強気50.9%
テラスカイ強気強気350.0%
ヘリオス中立弱気22.5%
スマートバリュー強気強気344.9%
マーケットエンタープライズ強気強気167.0%
デジタル・インフォメーション・テクノロジー強気強気246.2%
エコノス弱気中立120.0% 
中村超硬弱気弱気11.8%
メニコンやや強気やや強気73.5%
冨士ダイス弱気弱気50.9%
ファンデリー強気強気102.1%
ナガオカ中立中立40.6%
サムティ・レジデンシャル投資法人中立中立 -2.9%
富士山マガジンサービス強気強気126.4%
クレステックやや強気やや強気82.4%
平山やや強気やや強気29.5%
アイリッジ強気強気429.2%
デクセリアルズ弱気弱気-3.1%
ジャパン・シニアリビング投資法人やや強気やや強気-10.5%
イトクロ中立中立4.1%
PCIホールディングスやや強気やや強気169.6% 
エスケーホーム中立やや強気13.8%
パルマ強気強気70.5%
メタップス中立中立-7.9%
ラクト・ジャパン中立中立0.0%
土木管理総合試験所中立中立-2.4%
アクアライン強気強気21.7% 
ベステラやや強気やや強気25.0%
STUDIOUSやや強気やや強気20.0%
JESCOホールディングス中立中立5.4%
ピクスタ強気強気34.8%
アイビーシー強気強気251.0%
ブランジスタやや強気強気43.8%
AppBankやや強気強気45.8%
グリーンペプタイド弱気弱気-8.0%
GMOメディアやや強気やや強気101.1%
パートナーエージェントやや強気強気217.5%
バルニバービやや強気やや強気130.0%
日本郵政中立中立16.5%
ゆうちょ銀行中立中立15.9%
かんぽ生命保険中立中立33.1%
ロゼッタ強気強気433.1%
あんしん保証強気強気292.5%
ベルシステム24HD弱気弱気-5.0%
ネオジャパン強気強気401.7%
いちごホテルリート投資法人投資法人中立中立-1.8%
インベスターズクラウドやや強気やや強気93.3%
鎌倉新書やや強気強気 180.6%
ラクス強気強気228.7%
ランドコンピュータやや強気やや強気103.4%
ダブルスタンダード強気強気128.8%
オープンドアやや強気やや強気23.3%
ミズホメディーやや強気やや強気156.5%
ツバキ・ナカシマ弱気弱気4.5%
アートグリーン中立中立46.2%
フリューやや強気弱気0.6%
ビジョン中立中立 10.7%
アークン強気強気262.1%
マイネット強気やや強気19.3%
ソネット・メディア・ネットワークス強気強気139.1%
ソーシャルワイヤー強気強気56.9%
ケイアイスター不動産弱気弱気6.8%
プロパティエージェントやや強気やや強気115.0%
一蔵中立弱気2.1%
銘柄名(2014年)発表時BB直前結果
ヒューリックリート投資法人中立中立13.0%
アキュセラインクやや強気中立27.8%
サイバーリンクス強気強気172.9%
日本BS放送中立中立6.6%
エンバイオ・ホールディングス強気強気126.0%
ダイキョーニシカワ中立中立12.4%
日立マクセルやや弱気やや弱気-4.8%
ジャパンディスプレイ中立中立-14.6%
ホットマンやや強気やや強気67.5%
みんなのウェディング強気強気27.1%
ディー・エル・イーやや強気やや強気101.0%
サイバーダイン強気強気130.0%
エスクロー・エージェント・ジャパンやや強気やや強気290.8%
トレックス・セミコンダクターやや弱気やや弱気-10.4%
丸和運輸機関中立中立-8.8%
ジョイフル本田中立中立-1.9%
フィックスターズ強気強気162.0%
白鳩強気強気46.2%
日本リート投資法人中立中立4.0%
西武ホールディングスやや弱気やや弱気0.0%
東武住販やや強気やや強気12.0%
インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人中立中立5.7%
ニュートン・フィナンシャル・コンサルティング中立中立-7.7%
ムゲンエステート中立中立10.0%
フリークアウト強気強気250.0%
ポバール興業中立中立6.6%
OATアグリオ中立中立-6.3%
メドピア強気強気131.3%
レアジョブ強気強気169.7%
VOYAGEGROUP強気強気40.0%
鳥貴族やや強気やや強気120.7%
イグニス強気強気342.1%
日本ビューホテルやや弱気やや弱気-1.3%
ジャパンインベストメントアドバイザーやや強気やや強気126.3%
ロックオン強気強気284.6%
リアルワールド強気強気79.8%
AMBITIONやや強気強気62.0%
ジェネレーションパス強気強気119.2%
リボミック中立やや強気-20.4%
FFRI強気強気176.5%
ホットランド中立中立-1.7%
ヤマシンフィルタ中立中立19.6%
すかいらーく中立中立0.0%
リクルートホールディングス中立中立1.3%
GMOリサーチ強気強気133.3%
セレス強気強気55.4%
オプティム強気強気260.0%
アルファポリス強気強気93.2%
エランやや強気やや強気70.3%
日本ヘルスケア投資法人やや強気やや強気48.1%
SHIFT強気強気361.5%
CRI・ミドルウェア強気強気462.5%
日本PCサービス中立やや強気67.7%
トーセイリート投資法人やや弱気中立11.6%
積水ハウス・リート投資法人やや強気やや強気22.7%
弁護士ドットコム強気強気215.4%
クラウドワークス強気強気73.2%
スノーピークやや強気やや強気134.3%
ビーロット強気強気422.4%
GMOTECH強気強気135.2%
テクノプロ・ホールディングス中立中立-5.0%
アトラやや強気やや強気77.4%
マークラインズ強気強気77.3%
メディカル・データ・ビジョン強気強気135.9%
U-NEXTやや強気中立31.7%
SFPダイニングやや弱気やや弱気-16.5%
今村証券中立中立27.4%
フルッタフルッタ強気やや強気51.5%
竹本容器中立中立2.0%
gumi中立中立0.0%
大冷やや弱気やや弱気-6.7%
アドベンチャー強気強気127.2%
メタウォーターやや弱気やや弱気-6.0%
サイジニア強気強気125.8%
インターワークスやや強気やや強気16.7%
イーレックス中立中立11.2%
データセクション強気強気73.1%
綿半ホールディングスやや弱気やや弱気6.3%
ヨシックス中立中立29.4%
東京ボード工業やや弱気やや弱気-8.0%
カヤック強気強気222.0%
エクストリーム強気強気296.4%
MRT強気強気309.4%

-IPO