ファーストコーポレーション(1430)のIPOが決定しています。ブック・ビルディング期間は3月6日(金)~3月12日(木)、上場日は3月24日(火)です。
新規上場する市場は東証マザーズで、想定価格は1,530円(1単元15.3万円)です。
ファーストコーポレーションは、分譲マンションに特化した建設工事の施工を中心に、マンション・デベロッパーへの事業化提案も行う「分譲マンション建設事業」を行っています。
監査法人は有限責任あずさ監査法人です。所在地は東京都杉並区天沼2丁目3番9号 朝日生命杉並ビルです。
ファーストコーポレーションのIPO
ファーストコーポレーションとは
ファーストコーポレーションは、「建設業法」に基づく建設業許可、さらに「建築士法」「建築基準法」に基づく一級建築士事務所としての登録ほか、マンション・デベロッパーへの事業化提案の過程で生じる不動産の仲介、売買等に必要な「宅地建物取引業法」に基づく宅地建物取引業の登録を行い事業を行っています。事業の内容は次のとおりです。
ファーストコーポレーションは、施工するマンションの品質確保を最優先に、業務に取組んでいます。建物の強度を保つ根幹となる躯体部分については、特に厳格な品質管理を実施しています。
構造検査については、法令に則った所定の検査に加え、ファーストコーポレーション安全品質管理室によるダブルチェックを追加実施する等の検査・運用基準を実践しています。
ファーストコーポレーション事業の特徴の一つは、事業エリアを首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)としていることです。
これは、現在のファーストコーポレーションの体制では広域をカバーすることは難しいため、事業エリアを限定することにより、土地情報の迅速な入手やコストパフォーマンスに優れた下請業者を確保することが可能であると考えているからです。
二つ目の特徴としましては、鉄筋コンクリート(RC)工法による建設工事に特化しているという点があります。
この特定の分野に特化していることにより、施工品質の均一化や施工工程の効率化が図られることになります。
建設工事において重要な役割である施工管理について、ファーストコーポレーションは経験豊富な技術者により、安定した施工を実践しています。
三つ目の特徴としましては、「造注方式」というビジネスモデルを導入している点です。ファーストコーポレーションは、「分譲マンション建設事業」について、「競争入札方式」と「造注方式」の二つのモデルに分類しています。
「競争入札方式」においては、マンション・デベロッパーが選択した複数の建設会社に対し、決められた仕様に基づき、相見積りを実施し、マンション・デベロッパーが発注先を選定します。
そのため、マンション・デベロッパーに最も有利な条件を提示した建設会社が選定されることになります。現在は、この方式が、ファーストコーポレーションの受注の多数を占めている状況です。
「造注方式」とは、ファーストコーポレーションが土地情報の収集を行い、マンション用地を確保し、その土地に建設するマンションを一体とした事業企画を造り、その企画を複数のマンション・デベロッパーに提案します。
その結果、建設工事を特命で受注するというビジネスモデルです。
造注方式によるマンション・デベロッパーとの取引形態については、マンション用地をファーストコーポレーションが紹介、仲介、地位譲渡及び売買し、当該土地にかかる建設工事を受注するケースのほか、ファーストコーポレーションが、土地を取得し、その土地に建物を建設後に土地と建物を一体でマンション・デベロッパーに売却する方法等があります。
造注方式をファーストコーポレーションが重点戦略として導入しましたのは、マンション・デベロッパーと対等の立場での条件交渉が可能となり、競争入札方式と比べて高い利益の確保が見込まれるためです。
施工事例は、プレシス千歳船橋、プレシス大宮Ⅰ、プレシス八王子、ヴェレーナ東松戸、プレシス田園調布、プレシス関内です。
従業員数は81名、平均年齢は41.1歳、平均勤続年数は1.6年、平均給与は594.9万円です。
業績推移
業績面では、売上高・経常利益・純利益のいずれも美しい右肩上がりです。
営業キャッシュフローは純利益を上回っています。一般論としては安心感があります。
平成26年5月期の自己資本利益率(ROE)は111.5%であり、自己資本比率は8.7%です。
市場トレンド
市況面では、上場直前3ヶ月間のインデックスが上昇トレンドの状況だと初値リターンが高い傾向となっています。
東証マザーズ指数は12月3日をピークに下降トレンドとなっています。底入れして底打ちできるか否かの重要なチャートポイントにいます。
(※マネックス証券より)
上場規模
ファーストコーポレーションのIPOの規模は最大で約11.3億円であり、東証マザーズとしてはやや小型です。小型であればある程、初値リターンは良い傾向があります。
公開比率は最大で27%と標準的です。公開比率が低ければ低いほど、初値リターンが高い傾向があります。公募株式数に占める売出の割合は約64%と高めです。
売出人かつ貸株人である中村利秋、及び売出人である飯田一樹、株式会社中村、並びにファーストコーポレーション株主である斉藤みさを、中村莉紗、中村建二、佐藤和広、堀口忠美、諸橋隆章、片山剛志、小平定、平野洋子、遠藤美紀、鈴谷健三、安部敏弥、海老根宏、青木公司、亀山周二、林淳二、及び村上功には、原則として90日間のロックアップがかかっています。株価上昇による解除条項はありません。
筆頭株主の状況は以下の通りです。第3株主にはロックアップがかかっていません。NVCC6号投資事業有限責任組合には一部に制度ロックアップがかかっています。
株主名 | 保有割合 | ロックアップ |
---|---|---|
飯田一樹 | 30.37% | ○ |
中村利秋 | 23.16% | ○ |
株式会社中村 | 11.49% | ○ |
斉藤みさを | 4.65% | ○ |
中村莉紗 | 4.52% | ○ |
中村建二 | 4.52% | ○ |
従業員持株会 | 2.87% | |
佐藤和広 | 2.79% | ○ |
堀口忠美 | 2.79% | ○ |
横山一夫 | 0.82% |
まとめ
業種面では不動産建設関連ということで、IPOにおける人気度は高いとは言えません。
また、3社同時上場で翌日も2社上場という過密日程は、マイナス要素です。
ただし、約11.3億円という上場規模は東証マザーズとしては問題ない規模であり、VC皆無で上位株主に満遍なくロックアップがかかっており、先行き不安はあるものの高い成長性も確保しています。
以上を総合考慮して、初値予想はプラスリターンです。
主幹事はみずほ証券です。その他は、SMBC日興証券、いちよし証券、SMBCフレンド証券、岡三証券、マネックス証券で申し込めます。岡三オンライン証券での取扱いも期待できます。
マネックス証券も完全抽選で小口個人投資家でもIPOが当たるチャンスがある証券会社です。
<投資スタンス>
やや強気
(※強気・やや強気・中立・やや弱気・弱気の5段階)
※過去1年間のIPO初値予想の履歴
銘柄名 | 発表時 | BB直前 | 結果 |
---|---|---|---|
サイバーリンクス | 強気 | 強気 | 172.9% |
日本BS放送 | 中立 | 中立 | 6.6% |
エンバイオ・ホールディングス | 強気 | 強気 | 126.0% |
ダイキョーニシカワ | 中立 | 中立 | 12.4% |
日立マクセル | やや弱気 | やや弱気 | -4.8% |
ジャパンディスプレイ | 中立 | 中立 | -14.6% |
ホットマン | やや強気 | やや強気 | 67.5% |
みんなのウェディング | 強気 | 強気 | 27.1% |
ディー・エル・イー | やや強気 | やや強気 | 101.0% |
サイバーダイン | 強気 | 強気 | 130.0% |
エスクロー・エージェント・ジャパン | やや強気 | やや強気 | 290.8% |
トレックス・セミコンダクター | やや弱気 | やや弱気 | -10.4% |
丸和運輸機関 | 中立 | 中立 | -8.8% |
ジョイフル本田 | 中立 | 中立 | -1.9% |
フィックスターズ | 強気 | 強気 | 162.0% |
白鳩 | 強気 | 強気 | 46.2% |
日本リート投資法人 | 中立 | 中立 | 4.0% |
西武ホールディングス | やや弱気 | やや弱気 | 0.0% |
東武住販 | やや強気 | やや強気 | 12.0% |
インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人 | 中立 | 中立 | 5.7% |
ニュートン・フィナンシャル・コンサルティング | 中立 | 中立 | -7.7% |
ムゲンエステート | 中立 | 中立 | 10.0% |
フリークアウト | 強気 | 強気 | 250.0% |
ポバール興業 | 中立 | 中立 | 6.6% |
OATアグリオ | 中立 | 中立 | -6.3% |
メドピア | 強気 | 強気 | 131.3% |
レアジョブ | 強気 | 強気 | 169.7% |
VOYAGE GROUP | 強気 | 強気 | 40.0% |
鳥貴族 | やや強気 | やや強気 | 120.7% |
イグニス | 強気 | 強気 | 342.1% |
日本ビューホテル | やや弱気 | やや弱気 | -1.3% |
ジャパンインベストメントアドバイザー | やや強気 | やや強気 | 126.3% |
ロックオン | 強気 | 強気 | 284.6% |
リアルワールド | 強気 | 強気 | 79.8% |
AMBITION | やや強気 | 強気 | 62.0% |
ジェネレーションパス | 強気 | 強気 | 119.2% |
リボミック | 中立 | やや強気 | -20.4% |
FFRI | 強気 | 強気 | 176.5% |
ホットランド | 中立 | 中立 | -1.7% |
ヤマシンフィルタ | 中立 | 中立 | 19.6% |
すかいらーく | 中立 | 中立 | 0.0% |
リクルートホールディングス | 中立 | 中立 | 1.3% |
GMOリサーチ | 強気 | 強気 | 133.3% |
セレス | 強気 | 強気 | 55.4% |
オプティム | 強気 | 強気 | 260.0% |
アルファポリス | 強気 | 強気 | 93.2% |
エラン | やや強気 | やや強気 | 70.3% |
日本ヘルスケア投資法人 | やや強気 | やや強気 | 48.1% |
SHIFT | 強気 | 強気 | 361.5% |
CRI・ミドルウェア | 強気 | 強気 | 462.5% |
日本PCサービス | 中立 | やや強気 | 67.7% |
トーセイリート投資法人 | やや弱気 | 中立 | 11.6% |
積水ハウス・リート投資法人 | やや強気 | やや強気 | 22.7% |
弁護士ドットコム | 強気 | 強気 | 215.4% |
クラウドワークス | 強気 | 強気 | 73.2% |
スノーピーク | やや強気 | やや強気 | 134.3% |
ビーロット | 強気 | 強気 | 422.4% |
GMO TECH | 強気 | 強気 | 135.2% |
テクノプロ・ホールディングス | 中立 | 中立 | -5.0% |
アトラ | やや強気 | やや強気 | 77.4% |
マークラインズ | 強気 | 強気 | 77.3% |
メディカル・データ・ビジョン | 強気 | 強気 | 135.9% |
U-NEXT | やや強気 | 中立 | 31.7% |
SFPダイニング | やや弱気 | やや弱気 | -16.5% |
今村証券 | 中立 | 中立 | 27.4% |
フルッタフルッタ | 強気 | やや強気 | 51.5% |
竹本容器 | 中立 | 中立 | 2.0% |
gumi | 中立 | 中立 | 0.0% |
大冷 | やや弱気 | やや弱気 | -6.7% |
アドベンチャー | 強気 | 強気 | 127.2% |
メタウォーター | やや弱気 | やや弱気 | -6.0% |
サイジニア | 強気 | 強気 | 125.8% |
インターワークス | やや強気 | やや強気 | 16.7% |
イーレックス | 中立 | 中立 | 11.2% |
データセクション | 強気 | 強気 | 73.1% |
綿半ホールディングス | やや弱気 | やや弱気 | 6.3% |
ヨシックス | 中立 | 中立 | 29.4% |
東京ボード工業 | やや弱気 | やや弱気 | -8.0% |
カヤック | 強気 | 強気 | 222.0% |
エクストリーム | 強気 | 強気 | 296.4% |
MRT | 強気 | 強気 | 309.4% |
Keeper技研 | やや強気 | やや強気 | 49.1% |
ケネディクス商業リート投資法人 | 中立 | やや強気 | 13.3% |
ファーストロジック | 強気 | 強気 | 52.5% |
ファーストブラザーズ | やや弱気 | やや弱気 | 2.5% |
ホクリヨウ | 中立 | 中立 | 8.9% |
ALBERT | 強気 | 強気 | 115.7% |
シリコンスタジオ | やや強気 | やや強気 | |
コラボス | 強気 | ||
ショーケース・ティービー | 強気 | ||
ヘルスケア&メディカル投資法人 | やや強気 | ||
エスエルディー | 強気 | ||
ヒューマンウェブ | やや強気 | ||
イード | 強気 | ||
RS Technologies | 中立 | ||
ハウスドゥ | やや強気 | ||
Aiming | 中立 | ||
モバイルファクトリー | 強気 |