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ソフトバンクが個人向け社債発行!2015年11月の第48回無担保社債

更新日: 個人向け社債

ソフトバンク

ソフトバンクが個人向け社債を発行します。正式名称は「ソフトバンク株式会社第48回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」です。

愛称は「福岡ソフトバンクホークスボンド」です。

ソフトバンク社債の期間は約7年(2022年12月9日償還)であり、仮条件は1.75~2.35%(中央値2.05%)です。利率は2.13%に決まりました。募集期間は2015年11月27日(金)〜2015年12月9日(水)です。

社債間限定同順位特約とは、発行者が当該社債以外の社債に対して担保を設定する場合には、当該社債にも同等の担保を設定することです。これは付いていた方が安全な特約です。


ソフトバンクとは

言わずと知れたソフトバンクは、移動通信などを展開する総合通信会社です。パソコン用パッケージソフトの流通業から事業を開始し、2001年9月よりブロードバンド総合サービス「Yahoo!BB」を開始しました。

2004年7月に固定通信事業会社の日本テレコム(現ソフトバンクテレコム)、06年4月に移動通信事業会社のボーダフォン(現ソフトバンクモバイル)を買収しました。

グループ全体の経営戦略としてネット関連事業を軸に、多様な収益基盤を確立しています。

国内で移動・固定通信サービスを提供するソフトバンクモバイルを主軸に、インターネット上で広告事業を行うヤフー、スマートフォン向けオンラインゲームを配信するガンホー・オンライン・エンターテイメントやSupercellなどの有力子会社を有しています。

2013年7月には 米国の大手移動通信事業者である Sprint Corporation(スプリント)を買収し、子会社化しています。

また、持分法適用会社には中国でインターネット関連事業を展開する Alibaba Group Holding Limited(アリババ)があります。「ネットの世界ではアジアを制するものが世界を制する」との考えのもと、中国企業への出資を中心にアジアでの戦略的シナジーグループの形成を進めてきました。

事業別売上構成比(2015年3月期)は、移動通信事業48%、スプリント事業41%、固定通信事業5%、インターネット事業5%、その他(プロ野球球団経営他)事業1%です。

社債によるファイナンスを積極的に活用して資金調達しています。

ソフトバンク銀座店

ソフトバンク劣後特約付第1回無担保社債(劣後債)の分析

高金利定期預金との比較

現在の5年もの高金利定期預金は、大阪市近辺に在住または勤務している方ですと、大阪協栄信用組合で1000万円以上預け入れると年0.70%です。

全国的な銀行等のネットバンキングでは、5年ものですとSBJ銀行が年0.55%です。次は尼崎信用金庫ウル虎支店が年0.50%です。

今回のソフトバンク社債の利率は、ノーリスクの定期預金を1.25%~1.80%上回っています。

定期預金との利回り格差を見て、デフォルトリスクを考慮すると利率は妥当かという観点で検討することになります。


過去のデフォルトの確率

債券格付はA-(JCRより取得予定)です。発行体格付は、JCRはA-です。格付の見通しは「安定的」です。ちなみにJCRはR&Iよりもワン・ノッチ格付けが高い傾向にあります。

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JCRの格付けはR&Iよりワンノッチ(1つ)高いという企業は結構あります。ソフトバンクがR&IではなくJCRから格付けを取得予定というのは、ソフトバンク側に立つと意図はよくわかります。

Moody’sのソフトバンクの発行体格付はBa1(BB+)、S&PはBB+です。

JCRは2015年4月7日にソフトバンク社債について以下の通りに評価しています。

多額の資金を投入したスプリント事業については、依然として収益改善の余地が大きく、抜本的な経営の立て直しが必要な状況にある。

しかし、国内の移動通信事業を中心に、業績は好調を維持しており、15/3期の連結営業利益は9,000億円(一時益を含まず)となったもようである。

移動通信事業では、スマートフォンの接続率が業界トップであるなど競争力は維持されており、引き続き高水準の収益を確保している。加えて固定通信事業やインターネット事業も順調に推移している。

スプリントの買収により財務内容は悪化したものの、国内事業の安定したキャッシュフローにより徐々に改善が進むとJCRは考えている。また、保有する上場株式に多額の含み益があり、財務面で一定のバッファとなる。

移動通信事業では、音声端末の市場が成熟化し始めており、今後契約数は大きく伸びない可能性が高いが、一方で新規契約獲得コストはコントロールしやすくなるだろう。

国内通信4子会社の経営統合によりコスト削減が進み、当面現状レベルの収益力は維持されると見ている。

また、前倒しで実施してきた設備投資が一巡し、高水準のフリーキャッシュフローが確保可能な状況になりつつある。

ただし、スマートフォンの普及もあって商材の差別化が難しくなっており、国内市場は3グループで寡占されているとはいえ、一度価格競争が起きれば収益への影響は無視できない。競争状況の変化については注意が必要であろう。

スプリント事業では、計画通りに経営改善が進捗しておらず、15/3期第3四半期にはスプリントにおいて減損損失が計上された。14年8月より経営体制を刷新し、営業攻勢を強めるとともに追加の人員削減などコスト圧縮にも取り組んでいる。

足元ではポストペイドの純増数がプラスに転じるなど、その効果も具体化し始めている。また、ネットワーク品質も改善しつつあり、他社比見劣りしていた競争力の強化も進んでいる。

しかし、業界内の競争は激しく、純利益の黒字化など経営改善に向けた地道な取り組みが必要である。今後の進捗状況を注意深く見守っていく。

スプリントの買収に伴い連結ベースのネット有利子負債は大幅に増加し、ネットDERや純有利子負債/EBITDAなどの財務指標は悪化した。しかし、国内事業をベースとした高水準のキャッシュフローにより、財務内容の改善は徐々に進むと見ている。

スプリントの有利子負債については、基本的に国内事業のキャッシュフローで返済すべきものではなく、連結財務から分離するなど多面的な評価が必要であると考えている。

一方、アリババの株式公開に伴って多額の含み益が顕在化した。含み益は大きく変動する可能性があり、保守的に見ていく必要はあるが、財務上のバッファとして評価できる。

なお、インドや東南アジアにおいてインターネット関連企業への投資を積極化させている。今後投資に伴い財務への影響が生じるようであれば、その状況に応じて格付への反映が必要になろう。

JCRのA格社債(5年)の平均累積デフォルト率(2000~2014年)は0.54%でした。


同じ格付の社債、店頭売買参考利回りとの比較

日本証券業協会のデータでは、JCRのA格社債(5年)の複利利回り平均値は0.460%です。

ソフトバンク社債の店頭売買参考統計値利回り平均(複利)は、残存期間約6年3ヶ月もの(2022/2/9償還)が2.629%でした。また、残存期間約6年1ヶ月もの(2021/12/17償還)が2.625%でした。

これと比較すると今回の個人向け社債はやや物足りない水準です。

ソフトバンク

ソフトバンクの財務状況

財務指標

自己資本比率は13.5%、純有利子負債/EBITDA 倍率3.8倍、インタレスト・カバレッジ・レシオ 5.8倍です。

非常に高いレバレッジをかけており、低金利の波に乗ってM&Aによる成長を加速しています。

レバレッジ経営の申し子であり、投資対象としては、社債よりは株式向きの企業であることは確かです。

社債及び借入金の内訳

2014年3月末のソフトバンクの短期借入金の平均利率は1.25%、1年内返済予定の長期借入金は0.95%です。

長期借入金の平均利率は1.34%で、返済期限は2015年4月~2020年です。社債の平均利率は5.96%で、返済期限は2015年4月~2040年12月です。

ソフトバンクの有利子負債には財務制限条項が付されており、主な内容は次の通りです。

  • 事業年度末におけるソフトバンクの純資産の額が、前事業年度末におけるソフトバンクの純資産の額の75%を下回らないこと。
  • 連結会計年度末におけるソフトバンク㈱の連結財政状態計算書およびBBモバイルの連結貸借対照表、ならびにソフトバンクモバイル、ソフトバンクBB、ソフトバンクテレコム各社の事業年度末における貸借対照表において債務超過とならないこと。
  • ソフトバンクの連結損益計算書において営業損益または親会社の所有者に帰属する純損益が2期連続損失とならないこと。
  • 借入契約で定める調整後純有利子負債またはレバレッジレシオが、各事業年度末日および第2四半期末日において、それぞれ一定の金額または数値を上回らないこと。

ソフトバンク劣後特約付社債(劣後債)の投資スタンス

金利は極限まで低下しており、日本ではハイイールド債市場が発達してなく、信用スプレッドが乗った社債がほとんどない状況下において、今回のソフトバンク社債は貴重な高金利社債です。

もちろん高金利は高リスクの裏返しです。約7年という長めの年限であり、金融緩和期はレバレッジをかければかける程に得をする側面がありますが、財務状態がよくない企業は金融危機的な状況になると脆弱です。

店頭売買参考統計値利回り平均と比較すると利回りはやや低めの水準の社債です。現在は空前の債券バブル(低金利)であり、7年という長い年限の債権を買うのが妥当な時期とは言えません。

申し込みは100万円以上100万円単位です。デフォルトの可能性はゼロではありませんので、あくまで資産の一部を投資するのが無難です。

今回の利回りは、第46回無担保社債の1.26%と比較すると日あり高めの水準です。

ソフトバンクの第1回劣後債第2回劣後債の2.5%よりは低いですが、今回は劣後特約がついていないことが大きな要因です。

ソフトバンク株式会社第48回無担保社債は、大和証券、三菱UFJモルスタ、みずほ証券、SMBC日興証券、SBI証券、岡三証券、東海東京証券、SMBCフレンド証券、岩井コスモ証券、水戸証券などで購入できます。利払日は年2回(毎年6月10日・12月10日)です。

ソフトバンク株式会社第48回無担保社債を募集期間内に購入すると、もれなくソフトバンクグループ株式会社から「お父さん応援隊長シヤチハタ」がプレゼントされます。

ネットで気軽に申し込めて利便性が高いのはSBI証券です。

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ソフトバンクグループ社債の過去の利率は下表のとおりです。

銘柄 償還期限 利率(年)
第39回無担保普通社債
(福岡ソフトバンクホークスボンド)
2017年9月22日 0.740%
第40回無担保普通社債 2017年9月14日 0.732%
第41回無担保普通社債
(福岡ソフトバンクホークスボンド)
2017年3月10日 1.470%
第42回無担保普通社債 2017年3月1日 1.467%
第43回無担保普通社債
(福岡ソフトバンクホークスボンド)
2018年6月20日 1.740%
第44回無担保普通社債 2020年11月27日 1.689%
第45回無担保普通社債
(福岡ソフトバンクホークスボンド)
2019年5月30日 1.450%
第46回無担保普通社債
(福岡ソフトバンクホークスボンド)
2019年9月12日 1.260%
第47回無担保普通社債
(福岡ソフトバンクホークスボンド)
2020年6月18日 1.360%
第1回劣後特約付無担保社債 2021年12月17日 2.500%
第2回劣後特約付無担保社債 2022年2月9日 2.500%

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