新規上場!土木管理総合試験所のIPOの初値予想

更新日:   IPO

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土木管理総合試験所

土木管理総合試験所(6171)のIPOが決定しています。ブック・ビルディング期間は8月10日(月)~8月14日(金)、上場日は8月26日(水)です。

新規上場する市場は東証2部で、想定価格は1,250円(1単元12.5万円)です。仮条件は1,200~1,250円と下振れました。公開価格は仮条件の上限である1,250円となりました。

初値予想は公開価格近辺です。大手初値予想会社の初値予想は1,300〜1,500円となっています。

土木管理総合試験所は、主に土木建設工事に係る試験総合サービス事業を展開しているほか、地盤補強サービス事業及びその他事業を行っています。

監査法人はトーマツで、本社所在地は長野県長野市篠ノ井御幣川877-1です。

土木管理総合試験所のIPO

土木管理総合試験所とは

土木管理総合試験所の代表取締役社長の下平雄二氏は、将来インフラ整備に伴う需要が拡大すると確信し、昭和60年5月に長野県長野市において、個人事業主として土質・地質調査試験を主な業とする「中央資材検査所」を創業しました。

その後、昭和60年10月法人組織として「株式会社中央資材検査所」を設立し、昭和61年4月商号を現在の「株式会社土木管理総合試験所」に変更しています。

従業員数は373名、平均年齢は32.8歳、平均勤続年数は5.0年、平均給与は341.2万円です。

試験総合サービス事業

主に建設会社や建設コンサルタント会社等の依頼を受け、土木建設工事に必要となる調査試験業務及び維持管理業務に係る以下の調査試験を実施しています。

土木管理総合試験所の試験は、大分すると試験センター内で行われる室内試験と現場試験があります。

土質・地質調査試験

土木管理総合試験所は、社会インフラ整備に伴う、土質・地質調査試験を行っています。

土質試験では、施工前や施行中において、土質等の状態確認を行うための原位置調査を現場で直接行うほか、土壌の水分や粒径、密度、強度等を確認する試験や液状化対策のための試験を土木管理総合試験所の試験センターにて実施しています。

地質調査試験では、設計に必要な地質調査、及び地すべり等の対策に必要なボーリング調査を行っています。

また、連結子会社では、所有者や借家人等の関係人に生じる補償の算定を行う、補償コンサルタント業務を行っています。さらに、設計測量業務も受注しています。

官公庁等の公共事業を行う際に、土地の取得や建物等を移転する必要がある場合には、国・地方公共団体等は正当な補償を行わなければならないことに対応しています。

非破壊調査試験

非破壊調査試験においては、橋梁、トンネル等のコンクリート構造物の経年に伴う強度の劣化や内部傷を超音波やレーダを用い非破壊にて調査し、その影響を診断するインフラストック長寿命化診断業務を行っています。

主な調査試験としては、鉄筋コンクリート構造物の完成時に必要となる、配筋状態及びかぶり測定、非破壊強度測定等があり、既存のトンネル・橋梁等に係る維持管理においては、土木構造物劣化診断・老朽化調査を行っています。

また、道路や鉄道路盤の維持管理を目的として、長い距離を従来よりも短時間で診断可能な高速移動型非接触3Dレーダ探査車両を用いた舗装・路盤の劣化状況を調べるレーダ調査も行っています。

環境調査試験

環境調査試験においては、土木建設工事等による人体や自然への影響が心配される環境汚染に対し自然環境に係る調査試験を行っています。

自然環境に関する動植物の植生調査、生活環境に関する室内空気環境測定、騒音・振動調査、安全を支える環境水・排水等の水質分析、土壌汚染分析等の環境計量分析を行っています。

その結果得られたデータを活かして、環境に対しての総合的な評価を行っています。

また、土木管理総合試験所の分析したデータの信頼性の確保を目的として計量証明事業登録を行い計量証明書の発行を行っています。

試験総合サービス事業では、土木建設工事の進行に応じて必要とされる土質・地質調査試験、非破壊調査試験、環境調査試験の分野を超えた多種多様な調査・試験を土木管理総合試験所にて一括受注できるワンストップサービスを行っています。

これに加えて営業部門が技術部門と連携し、土木建設現場(フィールド)にて顧客が抱える課題を聞き取り、顧客がどのような調査・試験を実施すべきかについて支援(サポート)するフィールド&サポート型の提案営業により他社との差別化を図っています。

更に調査・試験結果の報告時に、分析結果の活用法や考察を加えるコンサルテーションも実施しています。

このように、土木管理総合試験所では建設会社や建設コンサルタント会社等に対し、土木建設工事現場で必要とされる様々な調査・試験を通じて付加価値の高いサービスを提供しています。

地盤補強サービス事業

土木管理総合試験所が行う地盤補強サービス事業におきましては、主にハウスメーカー等に対する建設物の建設予定地や太陽光発電装置の設置予定地に係る補強工事が主な事業内容となっています。

社会インフラや一般住宅等の建設予定地を調査し地盤が軟弱だった場合は建設物完成後、不同沈下を起こす恐れがあるため、地盤補強・改良を行う必要があります。

不同沈下とは、基礎や構造物が傾いて沈下することです。

土木管理総合試験所では、建設前の地盤調査と調査結果に応じた工法による補強工事の提案を行っています。

その他事業

土木管理総合試験所が運営するWEBショップにて、一般顧客に対して、主として試験機器等の販売を行っています。

主な商品は、試験機器として、地盤調査試験機器、非破壊試験機器、コンクリート試験機器、簡易キットとして、水質調査キット、土質調査キット、その他にも様々な工事現場用品を取りそろえています。

また、自社開発した「自動載荷試験装置」、「自動浸透量計測装置」の販売も行っています。

業績推移

業績面では売上高は美しい右肩上がりとなっています。経常利益・純利益は減益の年度もあるものの、大局的には右肩上がりです。

土木管理総合試験所の業績推移

営業キャッシュフローは純利益を大幅に上回っています。一般論としては安心感があります。前期の自己資本利益率(ROE)は15.4%であり、自己資本比率は45.8%です。

決算年月平成25年12月平成26年12月
売上高(千円)3,809,0404,053,375
経常利益(千円)348,179295,930
当期純利益(千円)199,443151,046
包括利益(千円)200,889152,979
純資産額(千円)911,2031,050,753
総資産額(千円)2,215,7462,295,238
BPS(円)407.11469.46
EPS(円)89.1167.49
自己資本比率(%)41.145.8
自己資本利益率(%)24.415.4
株価収益率(倍)
営業CF(千円)302,800308,294
投資CF(千円)△411,153△115,421
財務CF(千円)141,456△169,123
現金等(千円)227,359251,109
従業員数     (名)352383

市場トレンド

市況面では、上場直前3ヶ月間のインデックスが上昇トレンドの状況だと初値リターンが高い傾向となっています。

東証2部指数は美しい右肩上がりとなっていましたが、ギリシャ大暴れ、中国大暴落の余波で急速に下落しました。7月9日に非常に長い下髭をつけて反発しました。

東証2部指数のチャート(2015年5月1日~2015年7月31日)
(※マネックス証券より)

上場規模

土木管理総合試験所のIPOの規模は最大で約16.3億円であり、東証2部としてはやや小型から中型の部類です。小型であればある程、初値リターンは良い傾向があります。

公開比率(オファリングレシオ)は最大で約43%と高めです。公開比率が低ければ低いほど、初値リターンが高い傾向があります。公募株式数に占める売出の割合は38%です。

売出人かつ貸株人である下平雄二、売出人である下平美奈子、長嶋範子及び長嶋章並びに土木管理総合試験所株主である株式会社Feel、下平絵里加、下平真里奈、佐藤明日香、田中敦夫、篠﨑典之、西澤清一、掛川明彦、八木澤一哉及び松山雄紀には、原則として90日間のロックアップがかかっています。株価上昇による解除条項はありません。

また、土木管理総合試験所は、取引所の定める有価証券上場規程施行規則の規定に基づき、上場前の第三者割当等による募集株式等の割当等に関し、割当を受けた者との間に継続所有等の確約を行っています。

株主名保有割合ロックアップ
(株)Feel30.61%
下平雄二20.40%
下平美奈子10.20%
長嶋範子7.52%
土木管理総合試験所従業員持株会6.85% 
(株)土木管理総合試験所4.29% 
長嶋章4.15%
八十二5号投資事業有限責任組合3.79%全保有株を売出
下平絵里加3.37%
下平真里奈3.37%

まとめ

土木管理総合試験所の事業は土木建設工事に係る試験総合サービス事業、地盤補強サービス事業ということで、業種面ではIPOにおける人気度は高くありません。

たかが社名、されど社名であり、地味な漢字社名はIPOにおいては好感されません。例えば、「山真製鋸」よりは「ヤマシンフィルタ」の方がIPOでは望ましいですね。

非科学的なイメージですが、事実としては地味な漢字の社名の初値は重い傾向にあります。

利益面ではやや頭打ちとなりつつあるものの、全体的には右肩上がりの成長である点はプラス材料であり、16.3億円という規模には荷もたれ感はありません。

東証2部指数の10億~20億円のIPOの初値結果(2012年以降)は以下のとおりです。

  • ホクリヨウ:+8.9%
  • 東京ボード工業:-8.0%
  • 綿半ホールディングス:+6.3%
  • ヤマシンフィルタ:+52.5%
  • ダイキアクシス:+3.9%
  • エンビプロ・ホールディングス:+48.6%
  • サンヨーホームズ:+78.6%
  • パンチ工業:-5.4%
  • アジュバンコスメジャパン:+4.8%
  • 三洋貿易:-3.5%
  • 阿波製紙:+0.3%

以上を総合考慮して、初値予想は公開価格近辺です。市況が暗転しない限りは、公募割れはなく若干のプラスリターンを確保すると予想します。

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<投資スタンス>
中立
(※強気・やや強気・中立・弱気の4段階)

過去のIPO初値予想の履歴

銘柄名(2015年)発表時BB直前結果
Keeper技研やや強気やや強気49.1%
ケネディクス商業リート投資法人中立やや強気13.3%
ファーストロジック強気強気52.5%
ファーストブラザーズやや弱気やや弱気2.5%
ホクリヨウ中立中立8.9%
ALBERT強気強気115.7%
シリコンスタジオやや強気やや強気102.0%
コラボス強気強気137.6%
エムケイシステム強気強気332.0%
ショーケース・ティービー強気強気193.9%
ヘルスケア&メディカル投資法人やや強気やや強気54.5%
エスエルディー強気強気15.3%
ヒューマンウェブやや強気やや強気11.7%
イード強気強気46.4%
ファーストコーポレーションやや強気やや強気25.0%
RS Technologies中立中立-23.6%
シンデン・ハイテックスやや強気やや強気12.2%
ハウスドゥやや強気やや強気47.2%
Aiming中立中立12.2%
モバイルファクトリー強気強気99.4%
日本動物高度医療センターやや強気やや強気44.2%
プラッツやや強気やや強気70.2%
sMedioやや強気やや強気58.7%
サンバイオ弱気弱気-14.5%
海帆やや強気やや強気76.5%
Hameeやや強気やや強気67.2%
日本スキー場開発中立中立9.9%
シーアールイー弱気弱気-7.3%
三機サービス中立中立37.1%
レントラックス強気強気53.1%
リンクバルやや強気やや強気27.9%
ジグソー強気強気236.4%
Gunosy中立中立0.0%
デザインワン・ジャパンやや強気やや強気50.9%
テラスカイ強気強気350.0%
ヘリオス中立弱気22.5%
スマートバリュー強気強気344.9%
マーケットエンタープライズ強気強気167.0%
デジタル・インフォメーション・テクノロジー強気強気246.2%
エコノス弱気中立120.0% 
中村超硬弱気弱気11.8%
メニコンやや強気やや強気73.5%
冨士ダイス弱気弱気50.9%
ファンデリー強気強気102.1%
ナガオカ中立中立40.6%
サムティ・レジデンシャル投資法人中立中立 -2.9%
富士山マガジンサービス強気強気126.4%
クレステックやや強気やや強気82.4%
平山やや強気やや強気29.5%
アイリッジ強気強気429.2%
デクセリアルズ弱気弱気-3.1%
ジャパン・シニアリビング投資法人やや強気やや強気-10.5%
イトクロ中立中立4.1%
PCIホールディングスやや強気やや強気 
エスケーホーム中立やや強気 
リッチメディア強気強気 
パルマ強気強気 
メタップス中立  
ラクト・ジャパン中立  
アクアライン強気  
ベステラやや強気  
STUDIOUSやや強気  
銘柄名(2014年)発表時BB直前結果
ヒューリックリート投資法人中立中立13.0%
アキュセラインクやや強気中立27.8%
サイバーリンクス強気強気172.9%
日本BS放送中立中立6.6%
エンバイオ・ホールディングス強気強気126.0%
ダイキョーニシカワ中立中立12.4%
日立マクセルやや弱気やや弱気-4.8%
ジャパンディスプレイ中立中立-14.6%
ホットマンやや強気やや強気67.5%
みんなのウェディング強気強気27.1%
ディー・エル・イーやや強気やや強気101.0%
サイバーダイン強気強気130.0%
エスクロー・エージェント・ジャパンやや強気やや強気290.8%
トレックス・セミコンダクターやや弱気やや弱気-10.4%
丸和運輸機関中立中立-8.8%
ジョイフル本田中立中立-1.9%
フィックスターズ強気強気162.0%
白鳩強気強気46.2%
日本リート投資法人中立中立4.0%
西武ホールディングスやや弱気やや弱気0.0%
東武住販やや強気やや強気12.0%
インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人中立中立5.7%
ニュートン・フィナンシャル・コンサルティング中立中立-7.7%
ムゲンエステート中立中立10.0%
フリークアウト強気強気250.0%
ポバール興業中立中立6.6%
OATアグリオ中立中立-6.3%
メドピア強気強気131.3%
レアジョブ強気強気169.7%
VOYAGE GROUP強気強気40.0%
鳥貴族やや強気やや強気120.7%
イグニス強気強気342.1%
日本ビューホテルやや弱気やや弱気-1.3%
ジャパンインベストメントアドバイザーやや強気やや強気126.3%
ロックオン強気強気284.6%
リアルワールド強気強気79.8%
AMBITIONやや強気強気62.0%
ジェネレーションパス強気強気119.2%
リボミック中立やや強気-20.4%
FFRI強気強気176.5%
ホットランド中立中立-1.7%
ヤマシンフィルタ中立中立19.6%
すかいらーく中立中立0.0%
リクルートホールディングス中立中立1.3%
GMOリサーチ強気強気133.3%
セレス強気強気55.4%
オプティム強気強気260.0%
アルファポリス強気強気93.2%
エランやや強気やや強気70.3%
日本ヘルスケア投資法人やや強気やや強気48.1%
SHIFT強気強気361.5%
CRI・ミドルウェア強気強気462.5%
日本PCサービス中立やや強気67.7%
トーセイリート投資法人やや弱気中立11.6%
積水ハウス・リート投資法人やや強気やや強気22.7%
弁護士ドットコム強気強気215.4%
クラウドワークス強気強気73.2%
スノーピークやや強気やや強気134.3%
ビーロット強気強気422.4%
GMO TECH強気強気135.2%
テクノプロ・ホールディングス中立中立-5.0%
アトラやや強気やや強気77.4%
マークラインズ強気強気77.3%
メディカル・データ・ビジョン強気強気135.9%
U-NEXTやや強気中立31.7%
SFPダイニングやや弱気やや弱気-16.5%
今村証券中立中立27.4%
フルッタフルッタ強気やや強気51.5%
竹本容器中立中立2.0%
gumi中立中立0.0%
大冷やや弱気やや弱気-6.7%
アドベンチャー強気強気127.2%
メタウォーターやや弱気やや弱気-6.0%
サイジニア強気強気125.8%
インターワークスやや強気やや強気16.7%
イーレックス中立中立11.2%
データセクション強気強気73.1%
綿半ホールディングスやや弱気やや弱気6.3%
ヨシックス中立中立29.4%
東京ボード工業やや弱気やや弱気-8.0%
カヤック強気強気222.0%
エクストリーム強気強気296.4%
MRT強気強気309.4%

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