新規上場！ウェーブロックホールディングスのIPOの初値予想

ウェーブロックホールディングス(7940)のIPOが決定しています。ブック・ビルディング期間は2017年3月23日(木)～3月28日(火)、上場日は4月10日(月)です。

新規上場する市場は東証2部で、想定価格は840円(1単元8.4万円)です。仮条件は720円～750円と窓を開けて下振れました。

公開価格は仮条件の上限である750円となりました。予想PERは8.2倍です。

初値予想は「公開価格近辺でマイナスリターンの可能性がある」です。大手初値予想会社の初値予想は以下の通りです。

• 750〜850円（想定価格比±0%～+13.3%）
• 750〜800円（仮条件の上限比±0%～+6.7%）

初値予想会社の直前初値予想は以下の通りとなっています。

• 750円（公開価格比±0%）
• 750円（公開価格比±0%）

ウェーブロックホールディングスは、各種プラスチックと繊維、紙等を原材料とした複合素材の製造および販売(インテリア事業・編織事業・産業資材・包材事業・アドバンストテクノロジー事業)を展開しています。

監査法人は有限責任監査法人トーマツで、本社所在地は東京都中央区明石町8-1 聖路加タワー13Fです。

ウェーブロックホールディングスとは

ウェーブロックホールディングスは、第一にインテリア事業で、壁紙製品および壁紙ベースの製造・販売、ならびに住宅関連商品の販売を行っています。

当事業の業界のプレイヤーは、主に壁紙メーカーとその他の関係会社である(株)サンゲツに代表されるブランドメーカーがあり、ウェーブロックホールディングスグループは壁紙メーカーに該当します。

ウェーブロックホールディングスグループを含めた壁紙メーカーは、壁紙製品を生産してブランドメーカーに製品を販売し、ブランドメーカーは壁紙の製品サンプルが掲載された「見本帳」を発行します。

一般消費者、工務店、デベロッパー等の最終消費者は「見本帳」から壁紙を選択して購入します。壁紙ベースとは、最終製品加工前の半製品の呼称で、同業の壁紙メーカーに販売しています。

当事業は、(株)ウェーブロックインテリア、ヤマト化学工業(株)、サクラポリマー(株)、Wavelock International Asia Co.,Ltd.が担当しています。

第二に、ウェーブロックホールディングスは編織事業において、合成繊維製網製品を製造し、一般住宅用防虫網、張替用防虫網、農業用資材網(遮光、防虫、防風等)、土木資材(植生網等)、建設仮設資材(フェンスネット等)を販売しています。

当事業は、ポリエチレンやポリプロピレンの原料から消費者に渡る最終製品までの一貫生産体制を築き、生産効率を高めていることが特徴です。

また、独自の販売活動を展開することで、サッシメーカー、ホームセンターへの直売、大手種苗、農薬メーカー、農業資材卸店など、多岐にわたる販売チャネルを獲得しています。

当事業の主力製品は、遮光、防虫、防風用途のため、３月～８月に出荷が集中し、季節変動が大きいことが特徴です。

当事業は、ダイオ化成(株)、ダイオテック(株)、掛川ソーイング(株)、大連嘉欧農業科技有限公司、威海精誠物流有限公司が担当しています。

なお、製品の一部は、産業資材・包材事業を担う(株)イノベックスを経由して販売されます。

第三に、ウェーブロックホールディングスは産業資材・包材事業で、建築仮設資材、業務用衣料、農業資材、工場用カーテン等の用途向けに以下のアイテムを製造し、仮設リース会社や代理店、商社等に販売しています。

• ポリエステル等の基布の両面(または片面)に、塩化ビニル樹脂等をコーティング加工したターポリンシート
• 網状に織ったポリエステル基布に塩化ビニル樹脂、可塑剤、安定剤、顔料等を塗布したメッシュシート
• その他各種プラスチックシートやフィルム等の合成繊維製フィルム・シート

また、包材分野として、ポリプロピレンやポリスチレン等の合成樹脂を原料とし、用途に合わせ耐熱性等の機能を付与させた各種シートとその成型品を製造し、食品メーカーや容器メーカー、加工メーカー等に販売しています。

当事業は、販売を(株)イノベックスが、製造を日本ウェーブロック(株)が担当し、一部製品の製造・加工を外部の加工会社に委託しています。なお、製品の一部は、編織事業を担うダイオ化成(株)から仕入れています。

第四に、ウェーブロックホールディングスはアドバンストテクノロジー事業で、金属調加飾フィルム分野として、特殊金属を蒸着したフィルムを使用した金属調テープを自動車外装用に製造・販売しています。

同じく特殊金属蒸着フィルムを使用した金属調加飾フィルムを自動車・自動二輪向け、家電、雑貨向け部品外装用に製造・販売しています。

また、高機能多層シート分野として、ポリカーボネート樹脂とアクリレート樹脂(ＰＭＭＡ)を積層させたフィルム・シートを、自動車や家電分野のディスプレイならびに筐体用に製造・販売を行なっています。

その他、医療用湿布基材に対する特殊印刷、消費財用包装材や段ボールなどの包装材を簡易に開封出来る開封テープの販売等を行っています。

当事業の製品は、自動車、家電業界の２次加工メーカーや１次サプライヤーでの加工、組み立てを経て、最終メーカーでの製品化の後、最終ユーザーに提供され、商流には商社等が介在する場合もあります。

当事業は、(株)ウェーブロック・アドバンスト・テクノロジー、(株)シャインテクノ、Wavelock Korea Co.,Ltd.が担当しています。

従業員数は37名、平均年齢は43.0歳、平均勤続年数は14.9年、平均年間給与は534.8万円です。

ウェーブロックホールディングスのIPOの諸データ

100％売出のIPOなので、新規発行による手取金は0円となっています。したがって、手取金の使途はありません。

ウェーブロックホールディングスの業績推移

業績面では売上高・経常利益・純利益・EPSのいずれも減収・減益の年度が目立ち、横ばいとなっています。

営業キャッシュフローは包括利益を上回っている年度と下回っている年度があります。

連結での主要な経営指標等の推移は下表のとおりです。前期の自己資本利益率(ROE)は49.9%であり、自己資本比率は22.28％です。

提出会社の経営指標等の推移は下表のとおりです。

市場トレンド

市況面では、上場直前3ヶ月間のインデックスが上昇トレンドの状況だと初値リターンが高い傾向となっています。

東証2部指数はトランプ氏が米国大統領選で勝利したことで一時的に大暴落となりました。しかし、翌日以降は切り替えして、右肩上がりでの上昇が続いています。

このまま堅調な相場が続けば、IPOにおいて追い風となります。

(※マネックス証券より)

上場規模

ウェーブロックホールディングスのIPOの規模は最大で約50.8億円であり、東証2部としては大型です。小型であればある程、初値リターンは良い傾向があります。

公募株式数は0株、売出株式数は5,266,500株、オーバーアロットメント(OA)は780,000株です。

公開比率(オファリングレシオ)は最大で約54％とかなり高めです。公開比率が低ければ低いほど、初値リターンが高い傾向があります。公募株式数に占める売出の割合は100％です。

株主である株式会社サンゲツ、ENTIRE HOLDING GROUP LTD.、木根渕純、福田晃、青木隆志、石原智憲、外山達志および島田康太郎には、原則として90日間のロックアップがかかっています。ロックアップは1.5倍で解除されます。

初値予想

ウェーブロックホールディングスの事業は、各種プラスチックと繊維、紙等を原材料とした複合素材の製造および販売(インテリア事業・編織事業・産業資材・包材事業・アドバンストテクノロジー事業)ということで、IPOにおける業種の人気度は低めです。

予想PERは8.2倍であり、類似企業と比較すると割安感があります。

約50.8億円という上場規模は東証2部としては大型であり、需給面では大きな不安要素があります。

上位株主にはVCが名を連ねており、ロックアップがかかっていません。

再上場案件で売出が100％、投資ファンドによる売り抜け案件である点は大きなマイナスポイントです。

東証2部の30億円以上の大型IPOの初値結果は勝率が低いです。過去10年間では6勝8敗です。

• 船場：-7.5%
• ジャパンミート：+3.0%
• シーアールイー：-7.3%
• 大冷：-6.7%
• ＯＡＴアグリオ：-6.3%
• 丸和運輸機関：-8.8%
• 日本ＢＳ放送：+6.6%
• ファルテック：+5.3%
• 三菱総合研究所：+45.5%
• 常和ホールディングス：+2.3%
• モリモト：-5.6%
• プレサンスコーポレーション：-12.5%
• ユニバース：-7.0%
• アサックス：+23.9%

以上を総合考慮して、初値予想は「マイナスリターンの可能性が高い」です。勧誘に慄く予感がしています。

主幹事はみずほ証券です。その他は、野村證券、SMBC日興証券、岡三証券、SBI証券、丸三証券で申し込めます。

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