「SPIKEコイン」という仮想通貨ないし電子マネーがありました。現在は既に終了しています。
年利1%で増えるのが最大のメリットで、ネット通販の「SPIKEマーケット」で利用できました。
日本経済新聞の1面で言及されたことから、一気に知名度が上がり話題になりました。
以下、終了前に存在していたスパイクコインの内容についてご参考までに解説します。
魅力がある反面でデメリットやリスクもあります。SPIKEコインのメリット・デメリット・使い方についてまとめます。
SPIKEコインとは
SPIKEコインは、ネット上の支払いに使えるプリペイド型の電子マネーです。事前に購入してから使うことになります。
ネット通販の「SPIKEマーケット」で、1コイン1円で利用できます。今後は、SPIKEのオンライン決済が導入されている全サービスで共通して使えるようになる予定です。
「SPIKE」とは、クレジットカード加盟店手数料が無料と破格の条件で人気が出た、事業者向けの決済サービスです。
決済手数料は通常2~3%のところ、月100万円までは無料、それ以上は有料というフリーミアム型なのが特徴です。
SPIKEマーケットでの購入金額に応じて最大5%のSPIKEコインが付与されます。
これはnanacoの利用でnanacoポイント、楽天Edyの利用で楽天ポイントやマイル等、WAONの利用でWAONポイント、Suica(モバイルSuica)の利用でSuicaポイントが貯まるのと同じです。
また、ネット通販の楽天で楽天ポイント、Yahoo!ショッピングでTポイント、ポンパレモールでPontaポイントがそれぞれ貯まるのとも似ています。
SPIKEコインには、自分で購入する「SPIKEふえるコイン」と、SPIKEマーケットでの買い物などで付与される「SPIKEボーナスコイン」の2種類があります。
SPIKEふえるコインの方は、利用時のポイント獲得以外でも、定期預金のように保有額に対して年間1%の割合で増えるのが最大の特徴です。
SPIKEふえるコインは、SPIKEへ会員登録をしてから、管理画面から購入することができます。
会員登録はメールアドレスとパスワードの入力のみで簡単です。フェイスブックの情報を使って会員登録することも可能です。
SPIKEコインを購入する方法は2つです。
- 銀行振込
- SPIKE決済の売上金をSPIKEコインに変換(事業者向け)
ログイン後のトップページである「ダッシュボード」の中央右側にある「SPIKEコイン(購入する)」を選択して、画面に沿って購入する流れとなります。
クレジットカードで買えれば便利ですけれども、さすがにクレカで買えるようにすると手数料でSPIKEコインの採算は激的に厳しくなるのでしょうね。
振込手数料を支払うのはもったいないので、銀行振込は振込手数料が無料の銀行から振り込みましょう。
SPIKEコインには有効期限はありません。ただし、最終利用時から3年間以上経過している場合は、運営会社はSPIKEコインの残高を失効させることができるとされています。
最終利用時とは、SPIKEふえるコインがチャージされたとき、もしくはSPIKEコインの一部を利用した時です。
SPIKEコインのメリット
SPIKEふえるコインは、利用時のポイント獲得以外でも、定期預金のように保有額に対して年間1%の割合で増えるのが最大のメリットです。
1%はSPIKEを運営している株式会社メタップスが負担しています。IPOで東証マザーズに上場しました。
持っているだけで増えるので、預金のような感覚で利殖することが可能なのが魅力的です。
付与する時期は年2回です。8月末と2月末の保有額に対して、それぞれ0.5%のSPIKEボーナスコインがもらえます。
増えたボーナスコインは、更に1%増えることはありません。複利ではなく単利で増える形となります。
増えたSPIKEボーナスコインは、SPIKEマーケットで利用できます。今後は、SPIKEのオンライン決済が導入されている全サービスで共通して使えるようになる予定です。
SPIKEマーケットでは、購入金額に応じて最大5%のSPIKEコインが付与されるのもメリットです。
2015年10月31日時点では、SPIKEマーケットでは、以下のような商品が購入できます。
- 一休.comの2,000円分一休クーポン:1,000円(5%コイン付与)
- 一休.comレストランの1,500円分クーポン:1,000円(5%コイン)
- ドミノピザのDomino's e-GIFT CARD 5000:4,950円(2%コイン)
- ドミノピザのDomino's e-GIFT CARD 3000:2,970円(2%コイン)
- DMMポイントコード 2,000pt:2,000円(2%コイン)
- DMMポイントコード 5,000pt:4,990円(2%コイン)
- Amazonギフト券500円〜500万円:500円〜500万円(0%)
一休.comのクーポンはかなりお得です。Domino's e-GIFT CARDも5000円分であれば合計で7%お得になります。
Amazonギフト券は購入ではSPIKEコインは付与されません。貯まったコインを使う用として用意されていると思われます。
最小500コインまで貯めれば、Amazonギフト券に交換できる仕様となっています。少し不足する分は自分でコインを購入して買うこともできます。
この他、プロジェクター、パソコン、プリンターなどが販売されています。こちらはSPIKEの決済を利用している事業者向けです。
SPIKEコインのデメリット
SPIKEコインはメタップスが運営している電子マネーですので、メタップスが破綻した場合は残高はパーになってしまうリスクがあります。
メタップスは東証マザーズに上場したばかりのベンチャー企業であり、2年連続で赤字が続いています。2016年8月期は現在のところ黒字転換の予定となっています。
nanacoのセブン&アイグループ、楽天Edyの楽天、WAONのイオン、SuicaのJR東日本など、他の電子マネーと比べると、業者の信用リスクが非常に高いのがデメリットです。
メタップスは、アプリの集客・分析・収益化をワンストップで支援する開発者向けプラットフォームの運営、手数料無料・専門知識不要・短時間で簡単に導入できる新しいオンライン決済サービスなどを展開しています。
海外進出にも積極的で今後に期待が持てそうな企業ですけれども、リスクは高いと言わざるを得ません。
多額を投じる場合は、SPIKEコインは社債のような信用リスクがあることを認識した上で購入しましょう。
メタップスに1%の利回りでお金を貸すのが許容できるか否かという観点で検討することになります。
決算短信、できればEDINETで有価証券報告書にも目を通すのが無難です。
また、メタップスが破綻しなくても、サービスの改悪リスクは常に伴います。1%増える予定が0.5%に改悪される可能性はあります。
また、現在は1コイン1円で使えますが、例えば1コイン0.5円に悪化したり、SPIKEマーケット買える商品の価格が上昇するなどのリスクがあります。
決済サービスのSPIKEや、電子マネーのSPIKEコインなどを有機的に連動させていくのは面白い事業展開です。
メタップスが順調に成長して、SPIKEコインが利用できるお店がかなり拡大する可能性もあるでしょう。現時点では海の物とも山の物ともつかない状況ですが、今後の発展に期待します。