確定拠出年金(iDeCo)のメリット・デメリット、企業型・個人型の違いまとめ

更新日: iDeCo 資産運用・マーケット・経済

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確定拠出年金(401k)という制度があります。絶大な節税メリットがあり、所得税・住民税を大きく減税することが可能です。愛称は「iDeCo」(イデコ)です。

確定拠出年金には「企業型」と「個人型」があります。個人型は膨大な数の金融機関から口座を開設する金融機関を選ぶ必要があります。

確定拠出年金のメリット、デメリット、企業型と個人型の違い、個人型におけるおすすめの金融機関についてまとめます。

確定拠出年金とは

日本の年金制度は、主に3つの階層において複数の年金があります。一般的に「3階建て」と表現されています。

第一に、20歳以上の全国民が加入する「国民年金」(基礎年金)が基本です。1階部分と形容されています。

国民年金は加入期間(保険料納付期間)の長さで金額が決まります。2015年度の場合、「年78万100円×加入月数÷480」で計算されます。

40年間(20歳から60歳まで)保険料を支払っていたら、年78万100円を受け取れることになります。1ヶ月あたり約65,000円です。

第二に、民間のサラリーマン等が加入する「厚生年金保険」があります。厚生年金は加入は強制となり、選択の自由はありません。

公務員等は「共済年金」に加入していましたが、「被用者年金制度の一元化」によって、2015年10月に厚生年金と共済年金は統合されました。

自営業者・フリーランスは「国民年金基金」に加入できます。加入すると追加の掛金の負担がありますが、将来の年金額は増加します。2階部分と位置づけることが可能な制度です。こちらは強制ではなく、任意加入です。

第三に、企業によっては独自の年金制度が用意されています。「企業年金」と呼ばれています。JALが破綻した時に企業年金が高額だったことで話題になりましたね。

東京都庁

公務員には「職域加算」という上乗せの年金があります。

厚生年金との統合後は、「年金払い退職給付」と名前が変わり、賦課方式から積立方式へ移行し、終身年金一本から終身年金と有期年金(20年間)という形に変わります。

本人死亡時の継承の面でも不利になりました。若干の改悪となりますが、国家財政や増税による国民負担の増加に鑑みると止むを得ないというところでしょうか。

この他に、3階部分として個人年金として積み立てられる制度として、「確定拠出年金」があります。賦課方式ではなく、完全拠出方式です。

加入者が支払った掛金を年金の事務局が集約して、リタイアした人に給付するという仕組みではなく、自分が支払った掛金は自分専用の口座に積み立てられ、将来リタイアした際にはその金額が自分に給付されるという仕組みです。

積立てのイメージ写真

イメージ的には、保険会社の年金保険や学資保険と似た仕組みです。掛金払い込み中の人・受給中の人のバランスや、年金全体の運用状況には左右されません。

完全に自分が支払った掛金の額と、自分の運用の成果によって、将来の給付が決まります。

2014年12月末時点では、確定拠出年金(企業型)の導入事業主数は1.9万、加入者数が506万人です。

確定拠出年金(個人型)の加入者数は、第1号加入者(国民年金第1号被保険者)が6.2万人、第2号加入者(同第2号被保険者、企業の従業員)が14.5万人で、合計20.6万人となっています。

2017年1月から個人型確定拠出年金の対象者が大幅に拡充したことを受けて、制度の愛称が定められました。

確定拠出の「DC」と個人で運用する制度の特徴から「i」を組み合わせた「iDeCo」(イデコ)という名前になりました。

確定拠出年金の給付の種類

公演のベンチに座る老夫婦

確定拠出年金に加入すると、将来的にどのような給付がもらえるのかが重要ですよね。

給付には、老齢給付金、障害給付金、死亡一時金の3種類があります。3種類それぞれに受取要件が設定されており、それを満たした場合は、積み立てた年金資産を引き出すことができます。

給付の種類 受取要件 受取形態
老齢給付金 60歳から受給可能(※) 年金または一時金
障害給付金 高度障害時 年金または一時金
死亡一時金 死亡時 一時金

※60歳時点で確定拠出年金制度への加入期間が10年に満たない場合は、受給開始年齢が段階的に引き上げられます。遅くとも70歳までに受給開始します。

ここでの「加入期間」とは、企業型確定拠出年金及び個人型年金における加入者期間と運用指図者期間の合算です。

基本は老齢給付金です。老後に受け取ることになります。その他、不幸にも死亡したり高度障害になった場合は、年金または一時金を受け取ることができます。死亡時には相続財産の一部となります。

なお、拠出期間が1ヶ月以上3年以下で、転職などによって確定拠出年金制度に加入できなくなったときには、「脱退一時金」を受給できる場合があります。


個人型と企業型の違い

確定拠出年金には、個人が任意に加入し自ら掛金を支払う「個人型」と、企業が導入して従業員のために掛金を拠出したり、企業・従業員の双方が掛金を支払う「企業型」があります。

確定拠出年金(企業型)は、企業が導入を決めない限りは加入できません。未導入の企業に勤めるサラリーマンが自分の意思で加入することは不可能です。

2016年までは、確定拠出年金(個人型)に加入できるのは、個人事業主や企業年金がないサラリーマンなどでした。

2017年は企業年金がある会社員や公務員も加入できるようになりました。支払うことができる掛金の上限額はそれぞれ異なります。

加入できる方 掛金の上限額
20歳以上60歳未満の個人事業主の方やその配偶者(国民年金加入者) 月額68,000円 (但し、国民年金基金の掛金または国民年金の付加保険料を納付している場合それとの合算額)※年816,000円
60歳未満の会社員で企業型確定拠出年金や企業年金(厚生年金基金・確定給付企業年金)に加入していない方、専業主婦 月額23,000円(年276,000円)
企業型確定拠出年金のみに加入している方 月20,000円(年240,000円)
確定給付企業年金に加入している方、公務員 月12,000円(年144,000円)

2017年からの制度は下表のとおりです。

項目 確定拠出年金(企業型) 確定拠出年金(個人型)
加入対象者 制度導入企業の従業員 自営業者等(国民年金の第1号被保険者) 企業の従業員(国民年金の第2号被保険者)で企業年金、企業型DCの未加入者
資格喪失年齢 60-65歳 60歳
拠出限度額 企業年金なし:月5.5万円 企業年金あり:月2.75万円 月6.8万円(国民年金基金加入者等はその掛金額を控除した額) 自営業:月6.8万円
企業年金なしの会社員、専業主婦:月2.3万円
企業型DCのみ:月2万円
DB加入の会社員、公務員:月1.2万円
運用商品 預貯金、投資信託、株式、信託、保険商品等の中から、加入者が運用指図(運用商品を決定)
税制 拠出時:全額所得控除(所得税・住民税の減税要因) 運用時:利息・配当・分配金・売買益に対して非課税 老齢給付金:年金は公的年金等控除の対象 一時金は退職所得控除の対象 障害給付金:非課税 死亡一時金:法定相続人1人500万円まで非課税
給付 老齢給付金:通算加入者等期間ごとに60歳から65歳までに受給開始可能 障害給付金:障害認定日から70歳までに受給開始(一時金も可) 死亡一時金:遺族に給付(相続)
年金資産の持ち運び (ポータビリティ) 一定の要件を満たせば、転職時や退職時に、年金資産を確定拠出年金間で移換可能
既存制度からの移換 既存の退職金、企業年金の資産を移換可能

国民年金基金と個人型確定拠出年金(iDeCo)は同時に加入できます。国民年金保険料に加えて、400円の付加保険料を支払っていても利用可能です。

2018年から拠出単位が年単位となり、年1回以上拠出すればOKとなりました。月々の支出は厳しいご家庭の場合は、ボーナス月のみ拠出することも可能です。

月々の拠出額をゼロにして、12月に限度額全部を一度に支払うと、国民年金基金連合会に支払う手数料は1年で103円で済みます。月103円の手数料は拠出月しか発生しません。

拠出限度額は経過済みの月数分で、同一年のまだ到来していない期間の分は拠出できないので、1年分をまとめて一括で支払えるのは12月のみです。

確定拠出年金(個人型)のメリット

ハイタッチする老夫婦

確定拠出年金は、税制面で大きな優遇措置があります。

毎月の貯蓄額(収入-支出)が安定的にプラスで余剰資金があり、所得税・住民税が発生している方は、加入しないと損です。

掛金が全額所得控除

確定拠出年金(個人型)の掛金額は全額所得控除となり、所得税の課税所得が減額されます。

年金保険・養老保険・学資保険などに適用される生命保険料控除と似ていますが、生命保険料控除は支払った保険料の一部しか所得控除されません。

しかし、確定拠出年金(個人型)は全額が所得控除となります。

例えば、年276,000円(月23,000円)を支払っていたら、276,000円の全額が所得から減り、それに対応した所得税・住民税が減ります。

住民税額は基本的には所得の10%に均等割・調整控除を加減算して決まりますが、自治体によって異なる場合があります。所得税率は下表のとおりです。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0
195万円を超え330万円以下 10% 97,500
330万円を超え695万円以下 20% 427,500
695万円を超え900万円以下 23% 636,000
900万円を超え1,800万円以下 33% 1,536,000
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000
4,000万円超 45% 4,796,000

毎月拠出する掛金が大きければ大きい程、収入(所得)が高ければ高いほど節税効果は増幅します。

以下の表は、所得税では復興特別税は考慮せず、住民税は10%とした場合の概算額です。

課税される所得金額 所得税減税額 住民税減税額 合計
1,950,000 -13,800 -27,600 -41,400
2,500,000 -27,600 -27,600 -55,200
5,000,000 -55,200 -27,600 -82,800
8,000,000 -63,480 -27,600 -91,080
13,000,000 -91,080 -27,600 -118,680
30,000,000 -110,400 -27,600 -138,000
45,000,000 -124,200 -27,600 -151,800

例えば、課税所得250万円の場合、税率は所得税(10%)と住民税(10%)を合わせて合計で約20%です。

上限の年27万6000円の掛金を支払うと、節税額は1年で55,200円、30年で約166万円になります。軽自動車一台分になります。

課税所得500万円の場合、税率は所得税(20%)と住民税(10%)を合わせて税率は合計で約30%です。

上限の年27万6000円の掛金を支払うと、節税額は1年で82,800円、30年で約248万円になります。

30年スパンでは、減税分でロレックスと車が買えてしまうわけですね。長期的な視野では強烈な金額になります。

課税される所得金額 1年 5年 10年 20年 30年
1,950,000 -41,400 -207,000 -414,000 -828,000 -1,242,000
2,500,000 -55,200 -276,000 -552,000 -1,104,000 -1,656,000
5,000,000 -82,800 -414,000 -828,000 -1,656,000 -2,484,000
8,000,000 -91,080 -455,400 -910,800 -1,821,600 -2,732,400
13,000,000 -118,680 -593,400 -1,186,800 -2,373,600 -3,560,400
30,000,000 -138,000 -690,000 -1,380,000 -2,760,000 -4,140,000
45,000,000 -151,800 -759,000 -1,518,000 -3,036,000 -4,554,000

こうして考えてみると、確定拠出年金(個人型)の節税メリットは絶大です。こうした仕組みを上手く活用すると、節税効果が積み重なっていき、やがてそれが大きな金額へと発展していきます。

確定拠出年金(個人型)に入っただけで、浮いた分で1年に1回、高級ホテルに宿泊することも可能になります。長い目で見ると、所得が大きい方ですと高級車1台分にもなります。

メルセデス・ベンツ

拠出した掛金の所得控除(税金の還付)は確定申告しなくても、年末調整でOKです。会社員・公務員であれば、確定申告せずに減税を享受できます。

確定拠出年金(個人型)の節税メリットは、生命保険会社が扱う生命保険料控除・個人年金保険料控除と似ています。

ただし、生命保険の方は、保険料の全額が所得控除されるわけではありません。生命保険料控除・年金保険料控除それぞれで、最大で所得税4万円、住民税28,000円となります。

貯蓄性のある終身生命保険や学資保険と、年金保険を組み合わせて両方の控除を得たとしても、節税額は確定拠出年金(個人型)に遠く及びません。一例は下表のとおりです。

所得 確定拠出年金(個人型) 生命保険・年金保険合計 差額
1,950,000 -41,400 -9,600 -31,800
2,500,000 -55,200 -13,600 -41,600
5,000,000 -82,800 -21,600 -61,200
8,000,000 -91,080 -24,000 -67,080
13,000,000 -118,680 -32,000 -86,680
30,000,000 -138,000 -37,600 -100,400
45,000,000 -151,800 -41,600 -110,200

収入がない専業主婦(主夫)は所得控除のメリットはありません。掛金は加入者本人の所得からのみ控除できるので、収入がある配偶者(夫か妻)の所得から控除することはできません。

口座振替日に引落しができない場合、その月の掛金は拠出されなかったという扱いになります。後日、再振替や振込による掛金の納付はできないので注意しましょう。


運用益が非課税

預金の利息、投資信託等の分配金、投資信託等の値上がり益等の運用益に対しては、通常はその都度、約20%の税金が発生します。

しかし、確定拠出年金(個人型)で資産運用して得た収益に対しては、確定拠出年金の資産である間は課税の対象とされず、得られたリターンの全てが再投資(新たな運用)に回ります。

例えば、定期預金の利息を1万円得た場合、通常は約2千円の税金が取られますが、確定拠出年金で定期預金をしていた場合は、1万円がそのまま年金資産の残高に反映されます。

得られた利息・配当・キャピタルゲインを再投資していくことで、複利効果を最大限に発揮して、年金資産を増やしていくことが可能となります。

他に運用益が非課税になる制度としてはNISAがあります。

NISAという株式・投信・REIT等のキャピタルゲイン・配当の税金が0円になる制度が2014年から始まりました。正式名称は「少額投資非課税...

2018年には投資対象と一部の投資信託・ETFに限定した「積立NISA」(つみたてNISA)が開始します。

若年層らの投資促進のために創設するNISA(少額投資非課税制度)に新しい枠組みである「積立NISA」が導入されます。非課税となる限度...

2016年にはジュニアNISAが始まりました。親などの近親者が19歳以下の子供や孫の名義でNISAで非課税を享受することができます。

2016年から「ジュニアNISA」という制度が開始しました。成人が対象にNISAに続く、少額投資の非課税制度です。2019年も存続しています...

個人型確定拠出年金、NISA、つみたてNISAの違いについては、以下で比較しています。いずれも100万円の資産運用でも活用できる制度です。

2018年から積立NISA(つみたてNISA)という制度が開始します。2017年もあったNISA(ニーサ)とは選択制となります。その他、個人型確定拠...

節税シミュレーション

SBI証券の確定拠出年金積立プラン(個人型401K)で節税メリットの試算をしてみました。

現在の年齢は30歳、毎月の掛金は23,000円、予想利回り2%の場合の試算です。予想利回りは控え目な水準にしました。

所得額 所得控除による 節税メリットの累計 運用益の非課税再投資による メリット累計 合計
300万 2,169,360 675,226 2,844,586
500万 3,254,040 675,226 3,929,266
800万 3,579,444 675,226 4,254,670
1000万 4,664,124 675,226 5,339,350
2000万 5,423,400 675,226 6,098,626

この表の所得控除による節税メリットの累計には、毎年の節税額累計を同じ利回りで運用した場合の運用益が含まれています。

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年金受給時の税制優遇

通算加入者等期間の長さによって、積み立てた年金資産の受取が可能な年齢が変わってきます。

下表のこの年齢に達したときに一時金または年金としての受取が開始できます。

期間 受取開始が可能な年齢
1ヶ月 65歳
2年 64歳
4年 63歳
6年 62歳
8年 61歳
10年 60歳

死亡または障害者となった場合には、年齢にかかわらず給付金を受け取ることが可能です。

死亡時は遺族が一時金として受け取ることになり、年金としては受け取れません。

年金、一時金、いずれの受け取りでも税制上の優遇措置の対象となります。

  • 老齢給付金(年金):雑所得として課税され、公的年金等控除が適用
  • 老齢給付金(一時金):退職所得として課税され、退職所得控除が適用
  • 障害給付金:非課税
  • 死亡一時金:相続税等の対象
  • 脱退一時金:一時所得として課税され、特別控除(年額最高50万円)が適用

確定拠出年金(個人型)で積み立てた年金残高を「老齢一時金」として受ける場合は、「退職所得」とみなされ、「退職所得控除」が適用されます。

掛金を積み立てた年数は退職所得控除計算上の「勤続年数」として扱われます。

会社の退職金と確定拠出年金(個人型)の両方を一時所得として受け取る場合、勤続年数が長い方が適用されます。勤続年数が30年、確定拠出年金の加入期間が20年なら30年となります。

退職所得控除の額は、勤続年数20年までは1年につき40万円、20年を超える年数は1年につき70万円を掛けたものの合計金額となります。

それを上回った部分についても課税所得はその2分の1となります。

退職所得の課税対象額

退職所得-(40万円×20年以内の掛金の積立年数+70万円×20年を超える掛金の積立年数)×1/2

すなわち、20年加入していると800万円、21年なら870万円、30年で1,500万円、35年で1,850万円まで非課税となります。

確定拠出年金では転職に際して企業型、個人型を問わずプラン間で年金資産を移換することができます。

プランを問わず加入者として掛金の積み立てを行った期間は、「勤続年数」に通算され、転職によりリセットされることはありません。

ただし、退職所得控除よりも退職金が多い場合など、確定拠出年金の積立額を退職所得控除が使える退職時ではなく、翌年に受け取った方がトータルの税金は下がる場合があります。

確定拠出年金の所得+退職金が、退職所得控除の枠の範囲内であれば、確定拠出年金を同年に一緒に受け取っても税金は発生しないので退職時に受け取ることで税制優遇をフルに活かせます。

確定拠出年金を年金受け取りにする場合、公的年金と合算した雑所得となるため、所得の状況によっては、税金・国民健康保険・介護保険の負担が増える場合があります。

以上の税制に関しては将来変更される場合があります。

確定拠出年金を年金として分割で受け取る場合、公的年金との合算で公的年金等控除の対象となります。

障害給付金は非課税となり、死亡一時金は相続税の対象となります。脱退一時金は一時所得となり、特別控除(年額最高50万円)が適用されます。

確定拠出年金のデメリット

考える女性

確定拠出年金は大きなメリットがある制度ですけれども、いいことばかりではありません。デメリットも存在します。しっかりと確認しておきましょう。

手数料

確定拠出年金(個人型)に加入する場合は、口座開設手数料が初回のみ数千円発生します。

国民年金基金連合会への2,777円は必ず発生します。この他、一部の金融機関では手数料が発生します。

開設後も毎月、手数料が発生します。国民年金基金連合会に月103円、事務委託先金融機関(信託銀行)に月64円程度、運営管理機関に月0円~700円程度の費用を支払う必要があります。

掛金拠出時期は、最低でも月167円程度の手数料がかかります。その他、給付・還付・移換・運営管理機関の変更の際にそれぞれ事務手数料が発生します。

この他、確定拠出年金で投資信託に投資する場合は、資産残高に対して0.2%~2%程度の信託報酬がかかります。

特別法人税

確定拠出年金に関する毎年の年金資産残高に対しては、特別法人税(1.173%)が課税されます。内訳は国税1%+地方税0.173%です。2017年3月末までは課税が凍結されています。

政府・与党は2017年度税制改正で、特別法人税の課税凍結を3年間延長する方針を固めました。特別法人税の撤廃は見送る方針です。

確定拠出年金の導入以来ずっと凍結されており、一度たりとも課税されたことはありませんが、凍結が解除されると年1%強の税金がかかってしまいます。

現在の金利情勢では課税されると税制メリットが吹き飛びかねないため、加入者が皆無となるでしょう。

政府は確定拠出年金制度の拡大を企図しているため、いくら税金をとりたくて舌なめずりしている当局とはいえ、金利が0%近くに張り付いている状況では、特別法人税の凍結が解除されるリスクは極めて低いです。

将来的に定期預金の金利が大きく上昇し、例えば2%や3%になった場合は、凍結が解除される可能性があるでしょう。

個人的にはあまり気にする必要はないと考えています。

60歳までは原則として解約不可能

確定拠出年金は公的な年金制度に位置づけられており、税制優遇によって市民に老後のための貯蓄を促すことで、老後難民の増加による生活保護費の増加を防ぐ政策意図があります。

したがって、60歳までは原則として引き出せない制度設計になっています。いざお金が必要になっても引き出せないという流動性リスクがあります。

加入期間が短い場合や資産残高が極めて少ない場合、障害が生じた場合などには、脱退一時金を受給することが出来ます。

老夫婦

転職・退職時に年金資産を移管できず損するリスク

2016年までの制度では、年金資産の持ち運び(ポータビリティー)の面で絶大なデメリットがありました。

確定拠出年金の加入者が、確定拠出年金(企業型)がなくて企業年金がある企業や公務員に転職したり、第3号被保険者(専業主婦等)になった場合は、確定拠出年金の残高を企業年金に移すことができず、新たな拠出もできなくなりました。

「運用指図者」となり、既に拠出した年金資産の残高部分に対する運用しか行えなくなります。にもかかわらず、毎月の手数料は発生し続けました。

減税メリットがなくなり手数料が取られるだけという悪夢のような事態に陥ります。無限手数料地獄のリスクがあります。

しかし、2017年以降は制度改正によって、このデメリットは改正で緩和されます。詳細は後述します。

また、企業型確定年金を実施している企業を退職し、転職先で企業型確定拠出年金が実施されていない場合、年金資産を6ヶ月以内に個人型年金に移さなければ、特定運営管理機関という機関に自動的に移されてしまいます。

特定運営管理機関に年金資産が移されると、年金資産の金融商品による運用が行えず、利息も付されないですし、通算加入者等期間にも算定されないというデメリットがあります。

個人型年金への移換を忘れると阿鼻叫喚の地獄絵図となってしまいます。

支払額より給付額が少なくなるリスク

確定拠出年金は確定給付年金や年金保険とは異なり、将来もらえる金額があらかじめ確定しているわけではありません。

掛金を拠出して、預金・投資信託・保険などの商品で運用します。元本保証の商品もありますが、リスクがある金融商品に投資をした場合、支払額より給付額が少なくなるリスクはあります。

逆に元本保証の商品だけにした場合は、インフレ率よりも資産の増加が少なくて、名目上は損をしていなくても、貨幣価値・購買力に鑑みると実質的に損というケースも出ます。

2013年以降は金融緩和で金利が限りなく0に張り付いており、帰属家賃を除くインフレ率は順調に上がっているので、「実質的に損」という状態の方も増えています。

逆に膨大な借金を抱えている主体にとっては、金利負担の減少という恵みの雨となっています。

35年ローンはあり得ないという意見もありますが、住宅ローン減税などを考慮すると、運用能力如何によっては、今の金利であればキャッシュで買える場合でも、あえてローンを組んだ方が得策とも考えられます。

定期預金や債券購入者、年金保険・学資保険・養老保険などの新規契約者から、日本国政府や借金を抱えている企業・個人に所得移転したのと同じ効果となっています。

ただし、今の状況が未来永劫続くわけではありません。運用の巧拙、今後の経済動向の見極めなどが重要になってきます。

住宅ローン控除・ふるさと納税の限度額に影響

四つ葉のクローバーと家の模型

確定拠出年金で支払った金額は、全額が所得控除の対象となり、節税メリットがあります。

他方、所得が減るので、2,000円の自己負担で返礼品がもらえてお得なふるさと納税の上限額も、確定拠出年金の拠出した金額に応じて減少します。

ただし、所得税の枠減少よりも節税メリットの方が大きいため、これは大きな問題ではありません。

また、住宅ローン控除で減る税金が減少するケースがある点もデメリットです。

例えば、配偶者と子供2人(高校生・中学生)がいる会社員で、使える住宅ローン控除の上限が20万円である場合を想定します。

この場合、確定拠出年金(個人型)に年間276,000円の掛金を拠出すると、年収700万円の方なら20万円の住宅ローン控除枠はそのまま使えますが、年収500万円だと住宅ローンの控除適用額が27,000円減少します。

受け取り時に税金が発生する場合あり

iDeCoで適用される退職所得控除(一時金で受け取る場合)は会社・団体の退職金と、公的年金等控除(年金で受け取る場合)は公的年金と合算して計算されます。

例えば38年勤続で会社の退職金2500万円で、確定拠出年金の残高が800万円だった場合、退職所得控除の枠は2060万円(40万×20+70万×18)です。

一時所得は合計で3300万円(2500万+800万)となるので、退職所得控除を1240万円上回ります。

退職所得は課税所得が半減する優遇があり、620万円になります。この場合、765,000円の所得税、62万円の住民税が発生して、合計で1,385,000円の税金が発生します。

大企業の社員、公務員などで勤続年数が長い方は、退職金が多くなる傾向にあり、受給時に税金が発生する場合があります。

こうしたケースでも、退職金を受け取る年と、確定拠出年金(個人型)を受け取る年を別にすると、税金が減る場合があります。確定拠出年金(個人型)は70歳まで運用可能です。

ただし、確定拠出年金(個人型)を受け取る時の15年以内に退職金をもらっていると、確定拠出年金(個人型)の退職所得控除の計算期間のうち、退職金との重複期間が差し引かれてしまいます。上の例では38年ではなく18年となります。

退職所得控除が減ってしまいます。他方、住民税は一律10%ですが、所得税は累進税率なので、収入を分散させると各年の収入金額が低くなり、税率が低下してトータルの税金が下がる場合があります。

年金でもらう場合は、控除枠が公的年金と共通となります。65歳以降は年120万円までは非課税ですが、それを超えると課税されます。

厚生年金のある会社員や公務員は一般的には公的年金でこの枠を使いきり、確定拠出年金(個人型)の受け取り額は課税対象になることが多いです。健康保険料・介護保険料などの社会保険料にも影響します。

一時金なら控除枠の超過分も退職所得の計算で半減するので、基本的には一時金が有利なことが多いです。

老夫婦

更に徹底的に節税する場合は、60歳で退職して所得がなくなる場合は、65歳からの公的年金の受け取り開始前に確定拠出年金(個人型)の一部を年金で受給して、残りを65歳の時に一時金で受け取るという技もあります。

64歳までは年70万円の控除枠が使えるので、60歳~65歳に年70万円ずつ計350万円を非課税で引き出して、残額を65歳で一時金で受け取るというテクニックが有効な場合があります。

他の収入、勤続年数、退職金、確定拠出年金(個人型)の残高など個人の状況によって、ケースバイケースとなるので、細かい点については税務署に問い合わせたり、税理士などに相談しましょう。

2000年より前に国民年金基金に加入していた場合はそちらが有利

公的に年金には「国民年金基金」という制度があり、自営業者などが任意加入することができます。確定拠出年金と同様に税優遇措置があります。

国民年金基金は予定利率に基づいて保険料・支給額が設定されており、元本割れのリスクがありません。現在は予定利率が1.5%と高くないため、これからであればiDeCoの方がお得です。

ただし、1991年~1995年までは予定利率は5.5%、1995年~2000年までは4.75%でした。この時期に国民年金基金に加入した方は高利回りが約束されています。

いわゆる「お宝保険」ですので、2000年以前に国民年金基金に加入していた方は、確定拠出年金に移る必要性はありません。

その他

確定拠出年金は口座を解説した金融機関が用意している金融商品の中から、積立を行う商品を選ぶことになります。

NISA口座や通常の証券・銀行口座とは異なり、投資できる商品が限定的となっています。

また、投資対象は定期預金、保険商品、投資信託などであり、ETFや個別株式には投資できません。

賞品が限定的である点はつみたてNISAと類似しています。節税制度であるiDeCo、NISA、つみたてNISAの3つについては、以下で精緻に比較しています。

2018年から積立NISA(つみたてNISA)という制度が開始します。2017年もあったNISA(ニーサ)とは選択制となります。その他、個人型確定拠...

2017年以降の確定拠出年金

夕日と夫婦

確定拠出年金法の改正法が成立して、2017年1月以降は、企業年金に加入している方や公務員でも加入できるようになりました。「iDeCo」(イデコ)という愛称が定められました。

掛金の上限額も上がります。利便性が格段に向上します。主な変更点は以下のとおりです。

  • 事務負担等により企業年金の実施が困難な中小企業(従業員100人以下)を対象に、設立手続き等を大幅に緩和した「簡易型DC制度」を創設
  • 中小企業(従業員100人以下)に限り、個人型DCに加入する従業員の拠出に追加して事業主拠出を可能とする「個人型DCへの小規模事業主掛金納付制度」を創設
  • 個人型DCについて、第3号被保険者や企業年金加入者、公務員等共済加入者も加入可能(企業型DC加入者は規約に定めた場合のみ)
  • DCからDB等へ年金資産の持ち運び(ポータビリティ)を拡充。
  • 運用商品を選択しやすいよう、継続投資教育の努力義務化や運用商品数の抑制等
  • あらかじめ定められた指定運用方法に関する規定の整備を行うとともに、指定運用方法として 分散投資効果が期待できる商品設定を促す措置

DCとは「Defined Contribution」の略で「確定拠出年金」を指します。DBは「Defined Benefit」の略で、「確定給付年金」のことです。

確定拠出年金法等改正案は2015年4月3日に国会に提出され、9月3日に衆議院で可決された後、参議院に送付されていましたが、諸々の影響で参議院では可決されず、継続審議となりました。

この法令改正は与野党が対立している法案ではありませんので、近い将来に可決することが見込まれました。

2016年の通常国会では継続審議となっていましたが、実際に2016年5月24日午後の衆議院本会議で可決され、確定拠出年金法の改正案が成立しました。

2017年1月から実施されました。以下、主な改正内容の詳細についてブレイクダウンします。

加入できる方が大幅に拡大!

手を合わせる人々

2017年からの制度改正における大きな変更点としては、企業年金加入者(一定の条件あり)、公務員、第3号被保険者(専業主婦等)も、確定拠出年金(個人型)に加入可能となった点です。

専業主婦(主夫)の場合は所得控除できる程の所得がない方がほとんどだと思うので、所得税・住民税の減税のメリットがないため、それ程メリットは大きくありません。

企業年金加入者の会社員、公務員にとっては所得税・住民税の減税という神威のメリットがあります。

これで確定拠出年金(個人型)は、今後は幅広い国民が参加できる制度に昇華しました。改正後の確定拠出年金(個人型)の加入対象者と拠出限度額は下表のとおりです。

加入対象者 拠出限度額(年額)
国民年金第1号被保険者 81.6万円
企業年金のない企業の従業員 27.6万円
企業型DC加入者(他の企業年金なし) 24.0万円
企業型DC加入者(他の企業年金あり) 14.4万円
他の企業年金加入者(企業型DCなし) 14.4万円
公務員等 14.4万円
国民年金第3号被保険者 27.6万円

細かい点では、拠出限度額がこれまで月で設定されていたのが、今後は年単位となります。

これのメリットは、特定の月に銀行の残高不足で引き落としができなかった場合、これまではその分は拠出できなかったのが、今後は年単位で拠出可能になる点です。

例えば月2.3万円を拠出している場合、12ヶ月支払えば年27.6万ですが、口座の残高不足が1ヶ月あると、年25.3万円の支払いしかできませんでした。

また、月1.3万円に設定していた場合、後で増額したいと思った場合でも、限度との差額の1万円を後の月に支払うことはできませんでした。

今後は1ヶ月2.3万ではなく年27.6万が限度ですので、残高不足の月があっても、後で多く支払うことが可能となります。金融機関はシステムコストがかかる可能性がありますが、利用者としては歓迎の改正でしょう。

できれば対象者の拡大だけではなく、拠出限度額も増えればより良かったです。

特に企業年金・公務員の上乗せがない会社員・団体職員の限度が月2.3万円というのはかなり低めであり、企業年金がある会社員に比べると不利なので、この点は改善すべきだと考えます。

確定拠出年金(企業型)の方はこれまでと同じです。他の企業年金の有無、事業主拠出のみか、事業主と従業員が共に支払うマッチング拠出かによって、拠出限度額(年額)が変わってきます。

他の企業年金の有無 確定拠出年金の種類 拠出限度額(年額)
他の企業年金なし(企業型DCのみ) 事業主拠出のみ 66.0万円
マッチング拠出あり 合計66.0万円
他の企業年金あり 事業主拠出のみ 33.0万円
マッチング拠出あり 合計33.0万円

年金資産の持ち運び(ポータビリティ)が拡充!

手をつないで手を上げる人々

デメリットの欄で述べたとおり、現在は確定拠出年金の加入者が、確定拠出年金(企業型)がなくて企業年金がある企業や公務員に転職したり、専業主婦(主夫)になった場合は、確定拠出年金の残高を企業年金に移すことができず、新たな拠出もできなくなります。

運用指図しか行えず、手数料が取られるだけになり、大きなデメリットがあります。年金資産の持ち運び(ポータビリティー)の面で絶大なデメリットがありました。

現在の制度は終身雇用が当たり前で転職がほとんどなかった時代の制度を引きずっており、レガシーないし時代遅れ感が満載でした。

2017年以降は、転職・退職時のポータビリティーが拡充して、老後の所得確保に向けた継続的な自助努力を行う環境が改善されます。

具体的には下表のとおりです。縦が移管前(転職等の前)に加入していた制度であり、横が移管後に加入する制度です。

移換前/移管先 確定給付企業年金 確定拠出年金 (企業型) 確定拠出年金 (個人型) 中小企業退職金共済
確定給付企業年金 ×→○
確定拠出年金 (企業型) ×→○ ×→○
確定拠出年金 (個人型) ×→○ - ×
中小企業退職金共済 ×→○ ×

中小企業退職金共済→確定給付企業年金は、2016年までは中小企業でなくなった場合のみでしたが、2017年以降は合併等の場合でもOKになります。中小企業退職金共済→確定拠出年金(企業型)も合併等の場合のみ可能です。

年金資産を移管できないのは、2017年以降は以下のパターンだけとなります。

  • 確定拠出年金(個人型)→中小企業退職金共済
  • 中小企業退職金共済→確定拠出年金(個人型)
  • 中小企業退職金共済→確定給付企業年金(中小企業脱却・合併等以外の場合)
  • 中小企業退職金共済→確定拠出年金(企業型)(合併等以外の場合)

転職の際に移管できずに既存の残高を運用するだけしかできず、悪夢のように手数料が取られ続けるという陥穽に嵌るリスクが減退しました。

中小企業へのDC普及

中小企業者向けに「簡易型DC制度」、「個人型DCへの小規模事業主掛金納付制度」ができます。

中小企業(従業員が100人以下)の場合は「簡易型DC制度」によって、従来よりも簡便な
手続きで企業型DC制度を導入できるようになります。

具体的には「運営管理機関契約書」や「資産管理契約書」等の設立書類を半分以下に省略できます。また、行政手続を金融機関に委託することも可能となります。

「個人型DCへの小規模事業主掛金納付制度」では、確定拠出年金(個人型)に加入している従業員に対して、事業主が追加で掛金を拠出することが可能となります。

ちなみに事業主の拠出分は全額、会社の損金になります。現在は中小企業退職金共済を活用している中小企業が多いと思いますが、今後は確定拠出年金という選択肢も出てきます。

その他

オペレーターの女性

継続投資教育が配慮義務から努力義務となります。罰則がないと実効性には疑念も残るところですが、真面目な経営者や一定規模以上の企業、商売において公的機関との関係が重要な企業では効果が出てくるでしょう。

また、加入者が個々の商品内容を吟味しつつ、より良い商品選択を行うことができる程度に商品選択肢を抑える必要があるという観点から、商品提供数の抑制が図られます。

しかし、抑制した結果、低コストインデックス投信が外れるというオチもあり得そうですので、これは一長一短の改正です。

商品の入れ替えが容易になるように、商品除外要件を、商品選択者の全員の同意から、一定割合(3分の2)以上の同意となります。これは現実的な改正です。

現在は、少なくとも三つ以上の運用商品、一つ以上の元本確保型商品を提供する義務が課されています。

これが、今後は分散投資を促すため、リスク・リターン特性の異なる三つ以上の運用商品を提供する義務に一本化されます。

また、運用商品を選択しない者が一定数いることを踏まえ、「選択しない場合に、あらかじめ定められた指定運用方法(いわゆるデフォルト商品による運用)」に係る規定が整備されます。

いくら人事部ないし総務部が促しても、業務多忙や関心がない等の理由で一向に選択しない人もいます。

何とかなだめすかして選択させる手間は馬鹿らしいので、選択しない場合はデフォルトが適用されるというのは企業実務においては便利です。

また、企業年金の手続簡素化や、国民年金基金連合会が行う業務に「啓発活動及び広報活動を行う事業」を追加する等の措置が講じられます。

項目 内容
DBからDCに資産を移換する際の同意要件の緩和 DBの一部をDCに移行する際の要件の1つとして「DCに移行しない者の1/2の同意」を得ることが課されている。 事務負担や迅速な移行等に鑑み、移行元のDBの掛金が増加しない場合、DCに移行しない者のみからなる事業所について、当該同意を不要とするよう措置
DBの実施事業所の増減に係る手続の見直し DBが、その実施事業所を増減させようとする場合には、当該増減させようとする事業所の事業主及び労働組合の同意を得なければならない。 DBを継続することが困難な事業所については、厚生労働大臣の承認を得ることで当該事業所の同意なしでDBから脱退させることができるよう、手続を見直し
運営管理機関の委託に係る事業主の努力義務 事業主は、運営管理業務の全部又は一部を運営管理機関に委託することができる。 運営管理機関間の競争を促し、加入者の利益を確保するため、委託する運営管理機関を5年ごとに評価し、検討を加え、必要に応じてこれを変更すること等を努力義務とすることを措置
企業年金連合会への投資教育の委託 中小企業にとって、投資教育の企画立案や説明会等の開催に負担感がある。 事業主は、DCの投資教育について、知見のある企業年金連合会への委託により実施することを可能とする。
国民年金基金連合会への広報業務の追加 個人型DCの加入可能範囲の拡大に伴い、国民に対する個人型DC等の周知・広報の強化のため、個人型DCの実施主体である国民年金基金連合会(以下「国基連」)が行う業務に「個人型DCの啓発活動及び広報活動を行う事業」を追加
国民年金基金制度の運営改善 国民年金基金制度の運営の改善等を図るため、国民年金基金の合併及び分割規定の整備、国基連の評議員の選任要件の変更、国基連の指導業務の法定化等の措置を講ずる。

まとめ

確定拠出年金(iDeCo)は掛金が全額所得控除、運用益が非課税、年金受給時の税制優遇などの特典があります。

節税メリットが大きい制度です。加入できるのであれば、加入するとお得です。リスクを取りたくない場合は、掛金は定期預金にまわせば元本割れは回避できます。

毎月の積立を中断することもできです。もちろん、中断後に積立を再開することもいつでも可能です。状況の変化にも対応できます。

年1回は掛金額の変更も可能です(下限は月5,000円)。家計の状況変化で負担が増した場合は、拠出額を減らせるので、家計の状況に応じて柔軟に拠出額を変更できます。

2018年から拠出単位が年単位となり、年1回以上拠出すればOKとなりました。月々の支出は厳しいご家庭の場合は、ボーナス月のみ拠出することも可能です。

60歳までは原則として解約不可能である点、転職・退職時に年金資産を移管できず損するリスクを許容できるならば、利用を検討しえます。

金融機関を自由に選択することになる個人型確定拠出年金(iDeCo)のおすすめ金融機関については、以下で徹底解説しています。

企業型の確定拠出年金は企業が提携した金融機関が提示する商品から選ぶしかありません。個人型については、確定拠出年金の口座を開設...

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