NTTドコモが2016年6月から新しい料金プラン「フリーコース」、「ずっとドコモ割コース」を開始します。
また、長期契約による割引額を僅かに拡大して、「更新ありがとうポイント」を開始しました。
ドコモのフリーコース、ずっとドコモ割コース、更新ありがとうポイントは果たしてお得なのか、MVNO・格安SIMと比較してどちらがよいのかについてまとめます。
フリーコース
「フリーコース」は2年契約が終了後は、基本プランの料金がそのままで解約金が不要となるコースです。基本料金が従来のプランより上がるということはありません。
契約後2年以内に解約する場合は、これまでどおりの違約金が発生します。
2年経過後はいつでも解約・MNPが可能となります。これまで無料では不可能だった2年半や3年での解約・MNPができるようになります。
ちなみにドコモ内での機種変更であれば、その時点での2年契約がそのまま引き継がれるので、これまでも解約金は発生しませんでした。
フリーコース新設によって得するのは、2年経過後に解約・MNPを行う場合だけです。これの恩恵を受ける方は多くはないでしょう。
しかし、au(KDDI)、ソフトバンクがふざけた新料金プラン(2年経過後は解約自由となる代わりに料金が毎月300円増)を出したことからすると、ドコモのフリーコースは良心的です。
フリーコースは他のメガキャリアと比べると高く評価できます。
au、ソフトバンクは、呆れ果てて絶句するレベルの最低最悪の新プランを出したことを恥じるべきだと思います。世界有数の経済大国・日本のメガキャリアとしてはふさわしくない振る舞いでした。
今回はガリバー・ドコモが模範を見せています。au、ソフトバンクは即座に追随すべきでしょう。
ただし、ドコモのフリープランでは、これまでは適用されていた「ずっとドコモ割」が対象外となります。
ずっとドコモ割とは、利用年数に応じてパケットパック(データ通信)の料金が割引される制度です。長期保有社向けの割引サービスです。
また、新設される「更新ありがとうポイント」が適用されません。契約更新時にdポイントがもらえることはありません。
まとめると、新しい「フリーコース」は、従来プランと比較して「ずっとドコモ割」が対象外となる点がデメリットで、2年経過後はいつ解約・MNPをしても違約金がかからないのがメリットです。
2年経過後の契約更新月(2ヶ月間)以降に、解約・MNPを行う可能性が高い方におすすめのプランとなっています。
ずっとドコモ割コース
もう一つの「ずっとドコモ割コース」は、これまで通りの2年間の契約を締結することで、従来どおり「ずっとドコモ割」が適用されて、更に3,000円分の更新ありがとうポイントがもらえるコースです。
「更新ありがとうポイント」は、2年定期契約の更新時に、プレゼントされる3,000円相当のdポイント(期間・用途限定)です。
dポイント(期間・用途限定)は、ローソン・マクドナルドなどのdポイント加盟店、dマーケット、端末購入等で利用できます。
期間・用途限定の場合は、Pontaポイント/JALマイルへの交換、ポイント交換商品、ケータイご利用料金への充当は不可能です。dポイントについては、以下で徹底解説しています。

キャンペーン等で貯まる期間・用途限定のdポイントの使い道については、以下で丹念に論述しています。

長期契約者に更なる特典がつきました。長期契約優遇の流れに沿った措置です。2年定期契約の更新期間終了後に6か月間有効なdポイントがもらえます。
しかしながら、ポイントは2年に1回3,000円分なので、1ヶ月あたりたったの125円です。チロルチョコを6個買ったら終わりです。契約の決め手になるほど良いわけではありません。
2016年5月が2年定期契約の更新期限となる方から対象となり、2016年6月下旬から獲得できるようになります。シェアパックの契約の場合は、子回線についても回線ごとにプレゼントされます。
2年契約の更新期間(2ヶ月)以外での解約・MNPの際には、解約金9,500円(税抜)が必要となります。
「フリーコース」から「ずっとドコモ割コース」へは、いつでも変更できます。変更時点から2年契約が始まります。
ずっとドコモと契約する予定ならば、フリーコースよりもずっとドコモ割コースがお得です。
ドコモ内での機種変更であれば、2年経過後に機種変更した場合でも、その時点での2年契約がそのまま引き継がれるので、解約金は発生しません。
例えばiPhone 5sを2014年3月に買って2年6ヶ月後の2016年9月にiPhone 7に買い換えたい場合は、機種変更の場合は違約金はありません。
ここを勘違いしていて2年縛りを猛烈に批判している方も見受けられますが、違約金が発生するのは純粋な解約かMNPの場合だけです。
同一キャリア内での機種変更の場合は、違約金はかかりません。フォーエバー・ドコモであればずっとドコモ割コースがお得です。
2016年6月が2年定期契約の更新期間となる方から、2つのプランを選択可能となります。会員サイト、インフォメーションセンター、ドコモショップで申し込めます。
既に新料金プランを契約していて、ドコモを2年以上使っている場合は、自動的に「ずっとドコモ割コース」となります。次に更新期間を迎えるタイミングで、「フリーコース」が選択できます。
「デバイスプラス500」についてはコース設定がなく、2年定期契約満了後はいつでも解約金不要となります。契約中の方は、現在の2年定期契約満了後は解約金がなくなります。
法人契約は「ずっとドコモ割コース」の対象外でポイントはもらえないので、注意しましょう。
経理の手間は余分にかかりますが、個人名義でも会社の業務で使っていれば法人の経費で処理可能です。費用を按分可能です。
ベストは個人用の携帯電話と業務用の携帯電話を分けることですね。2回線あって1つが業務用ならば、2つとも個人名義だったとしても、さすがの税務署も1回線の分は満額で認めざるを得ないケースが大多数です。
「ずっとドコモ割」が僅かに拡充
これまでは長期割引の開始が5年以上だったのが、4年以上に1年短縮しました。また、従来は2,000円/月だった最大割引額が2,500円/月にアップしました。具体的な割引額は下表の通りです。
ドコモ光パック | データ量 | 5~8年目 | 9~10年目 | 11~15年目 | 16年目以降 |
---|---|---|---|---|---|
データSパック | 2GB | - | - | - | -600 |
データMパック | 5GB | -100 | -200 | -600 | -800 |
ウルトラデータLパック | 20GB | -100 | -200 | -600 | -800 |
ウルトラデータLLパック | 30GB | -200 | -400 | -600 | -800 |
シェアパック5 | 5GB | -100 | -200 | -600 | -1,000 |
シェアパック10 | 10GB | -400 | -600 | -800 | -1,000 |
シェアパック15 | 15GB | -600 | -800 | -1000 | -1,200 |
シェアパック20 | 20GB | -800 | -1,000 | -1,200 | -1,800 |
シェアパック30 | 30GB | -1,000 | -1,200 | -1,800 | -2,500 |
ずっとどこも割のカケホーダイプラン(スマホ/タブ)、カケホーダイプラン(ケータイ)、カケホーダイライトプラン、データプラン(スマホ/タブ)、データプラン(ルーター)の個人契約が対象です。
シェアパックの場合、シェアグループ代表回線の継続利用期間に応じて自動適用されます。ビジネスシェアパック5~30の割引額についても、同様に拡充されます。
これまでと比較して割引額がどれ程増えたのか、気になりますよね。月-100~-500円増えています。下表の通りです。
ドコモ光パック | データ量 | 5~8年目 | 9~10年目 | 11~15年目 | 16年目以降 |
---|---|---|---|---|---|
データSパック | 2GB | 0 | 0 | 0 | 0 |
データMパック | 5GB | -100 | -200 | 0 | 0 |
データLパック | 8GB | -200 | -400 | 0 | 0 |
シェアパック5 | 5GB | -100 | -200 | 0 | -200 |
シェアパック10 | 10GB | -100 | 0 | 0 | 0 |
シェアパック15 | 15GB | -300 | -200 | -200 | -200 |
シェアパック20 | 20GB | -200 | -200 | -200 | -300 |
シェアパック30 | 30GB | -200 | -200 | -300 | -500 |
割引が拡大したといっても、大部分は100円か200円です。全く変わっていないゾーンも多いです。300円以上割引が増えたのは、僅か15.6%(5/32)の部分にすぎません。
まとめ
ドコモの「フリーコース」は、料金がこれまで通りで2年経過後はいつ解約しても違約金はかかりません。
驚愕の低クオリティで顎が外れかねない新プランを出したau、ソフトバンクと比較すると高く評価できます。ガリバー・ドコモがお手本を示しました。
しかし、残念ながらドコモのフリープランでは、これまでは適用されていた「ずっとドコモ割」が対象外となってしまいました。
フリーコース新設によって得するのは、2年経過後に純粋な解約・MNPを行う場合だけです。
ずっとドコモ割コースで新設される「更新ありがとうポイント」は2年に1回3,000円分だけなので、1ヶ月あたりたったの125円です。ないよりはあった方がいいですけれども、チロルチョコ6個で終わりです。
2年縛りを受け入れたら、割引が拡大されるずっとドコモ割も、多くの部分(約46.9%のゾーン)は月100円か200円に過ぎません。37.5%のゾーンは全く安くなっていません。
実質0円・一括0円が消滅して、価格が跳ね上がった維持費用と比較すると、新設・拡充された割引の金額は、全く見合っていません。
家計の負担は着実に増加して疲弊の一途を辿り、携帯電話会社の利益はより一層拡充していくでしょう。
投資家が命を賭けている株価は本当に正直です。NTTドコモの株価は日経平均を圧倒的に凌駕して推移しています。
これはドコモが総務省の新規制によって、今後より一層、容易に儲けられるようになることを示唆しています。
(※赤がドコモ、青が日経平均)
総務省の行政指導によって、メガキャリアは価格面での競争が封印され、軽微な割引の拡充でお茶を濁す結果に終わっています。トータルの維持費用の面では、家計の負担は着実に向上しています。
現在の状況が続くのであれば、個人的には現在の契約が終了する2018年1月には、SIMフリー端末+MVNOに移行する予定です。
メガキャリアと契約するお金はありますが、競争が否定されて共産主義的な価格統制が行われている状況での割高な料金は、1円たりとも支払いたくありません。
iPhoneだと端末価格が高くて、SIMフリー+MVNOとメガキャリアの価格差が小さいのが難点ですが、iPhone SEくらいの金額ならiPhoneでもMVNOとの契約が有力になります。
実質0円・一括0円が消滅して家計の負担がストップ高になった以上、それで浮いた金額について、メガキャリアは利用者の通信料金引き下げで還元すべきだと思います。
具体的には、既存の通信料金が月2,000円ほど引き下がったら、実質0円・一括0円の消滅と釣り合いがとれると個人的には考えます。
例えば5GBプランでカケホーダイライトだと現在は合計で7,560円/月(税込)ですが、これが5,400円/月(税込)まで下がったら、契約を検討します。
現在の状況だと、メガキャリアと契約するのではなく、濡れ手に粟のぼろ儲けでウハウハのメガキャリアの株式を買う方がいいと考えます。
現在の一括0円による2年契約終了後に契約を検討しているMVNOは以下のとおりです。
格安SIMの代表例
- UQ mobile(auのMVNOで速度は高速)
- ワイモバイル(ソフトバンクのサブブランドで高速)
- 楽天モバイル(楽天ポイントが貯まる)
- mineo(au・ドコモの両方のプランがあり)
- OCNモバイルONE(NTTコミュニケーションズのサービス)
- IIJmio(シンプルな料金体系でわかりやすい)
- BIGLOBEモバイル(YouTubeやAbemaTV等が見放題になるエンタメフリーオプション)
- NifMo(ドコモのMVNO)
- イオンモバイル(イオングループのサービス)
- Wonderlink(パナソニックのサービス)
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速度はUQ mobileが速めです。私は実際にドコモの電波が悪かったり、混雑している時のサブ回線としてUQ mobileを利用した機会がありますが、心の底から非常に満足しています。
NTTドコモの電波が弱くてKDDIが強い建物・部屋では、なんとドコモよりUQ mobileの方が速いというケースも存在しています。もちろん、auが弱くてドコモの方が快適というエリアも多いです。
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メガキャリアを卒業して新進気鋭のUQ mobileを利用するというのも有力な選択肢だと考えます。
その他、ソフトバンクのサブキャリアであるワイモバイルも速度が早めとなっています。
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