データセクション(3905)のIPOが決定しています。ブック・ビルディング期間は12月4日(木)~12月10日(水)です。上場日は12月24日(水)です。
新規上場する市場は東証マザーズで、想定価格は460円(1単元4.6万円)です。仮条件は460円~520円と上振れました。
データセクションは、ビッグデータ、特にソーシャルメディア情報を活用した様々なビジネスモデルのイノベーションを推進する「ソーシャル・ビッグデータ事業」を展開しています。
監査法人は有限責任監査法人トーマツです。所在地は東京都渋谷区渋谷2-17-2です。渋谷ヒカリエの近くです。
データセクションのIPO
データセクションとは
データセクションは、以下3つのサービスを提供しています。
- ビッグデータ分析ツール等をSaaS形式で提供する「SaaS」
- ビッグデータの分析リサーチコンサルティングを行う「リサーチコンサルティング」
- クライアントの保有データを加えたクライアント向けのセミオーダー型システムを受託開発する「ソリューション」
10年ほど前から普及しているブログに加え、Twitter、Facebook等が平成22年頃より急速に利用者が増え社会に普及している現在、ソーシャルメディアは顧客のニーズが投映されたメディアであるとデータセクションは考えています。
データセクションはソーシャルメディア上に書かれている情報を収集、蓄積、分析することで、世間で次に必要となるものは何かということを予知し、世の中に影響を与える人を見つけ出し、企業における次期商品開発コンセプトの提供、開発を行うことができると考えており、データセクションの技術の活用は、様々なビジネス分野の展開への可能性を秘めていると認識しています。
データセクショングループは、保有しているソーシャル・ビッグデータに関する技術をもとに、世の中に「新たな気付き」を提供することをサービスのコンセプトとしています。
ソーシャル・ビッグデータを顧客業務へ適用する上で、顧客の目的・目標を理解し、どんなデータをどう抽出するか、どのように分析するかが重要です。データセクションは、顧客業務への影響や体制、KPI設定、情報システム設計・構築・維持などに係るソリューションを網羅的に提供し続けています。
具体的には、ソーシャル・ビッグデータからクライアントの要望に合わせて、以下のような手順で「新たな気付き」を提供し、お客様の事業拡大に迅速に貢献することを目指しています。
- 「SaaS」を活用したソーシャル・ビッグデータの分析
- 「リサーチコンサルティング」による「新たな気付き」の仮説立案
- 仮説立案から「ソリューション」となるセミオーダー型システム開発
- 「リサーチコンサルティング」による状況の定期的検証
- お客様の事業拡大への貢献
従業員数は22名、平均年齢は28.5歳、平均勤続年数は2.8年、平均給与は400.7万円です。
SaaS
SaaSで提供するサービスには「Insight Intelligenceシリーズ」、「Easy Mining」等があります。
Insight Intelligenceシリーズは、「ソーシャル・ビッグデータの傾聴・分析を行うツール」であり、調べたいトピックに対して、網羅的に収集したソーシャル・ビッグデータをリアルタイムに分析できるツールです。
Easy Miningは簡単・高速にテキスト分析を行えるオンラインテキストマイニングサービスです。
その他には、Twitter公式全件データサービス、ソーシャルメディアリスク通知ツール、データクロール代行、クチコミ比較サイト「BrandWatcher」、選挙クチコミ比較サイト「選挙ウォッチャー」等を提供しています。
「選挙ウォッチャー」とは選挙に関するクチコミ情報を自動的に収集・分析し、その結果を無料公開するサイトです。政党・候補者・政策などのカテゴリ別にクチコミを集計し表示します。
これにより当サービスのユーザーは、ネット上で関心の高い政策、そしてそれに対する議論の流れなどを知ることが出来ます。
リサーチコンサルティング
SaaSで提供するツールだけでは自社の要望を可視化できない顧客に対し、ソーシャル・ビッグデータから何を認識できるのかをレポーティングしています。
通常のコンサルティング会社では分析手法が異なるため、属人的なコンサルティングとなります。マッキンゼーやBCGに依頼したとしても、誰が担当になるのかでクオリティにはバラつきが生じます。
しかしデータセクショングループでは、ソーシャル・ビッグデータ分析の切り口を定型化した手法により、属人的ではなく、比較的経験の浅い社員でも分析できる形態となっています。
顧客は定期的にソーシャル・ビッグデータを分析・評価を求めることから、リサーチコンサルティングにおいても、定期的な売上を期待できる体制となっています。
ソリューション
顧客が持つ「自社内ビッグデータ」を基に、データセクショングループに蓄積されている「ソーシャル・ビッグデータ」を組み合わせて、上記SaaSサービス技術を活用したセミオーダー型システム受託開発を行うサービスです。
一般的に大手のシステムインテグレーターにおけるシステム開発においては、「ユーザインターフェース設計」「システム設計」「プログラムコーディング」「プログラムテスト」「システムテスト」「オペレーションテスト」等多くの工程を経て成果物が作り出されるため、開発のための時間とコストが多くなる等により、顧客の修正要望に応えることが難しい状況であるとデータセクションは認識しています。
データセクションでは、プロトタイピング手法により、まず成果物の外形を作り出し、その外形から修正を加えていくという手法をとることで、コストを安く抑え、時間も早く、顧客の主義主張にあった成果物を出すことを目指した体制を整えています。
対象顧客としては、一般消費者向けに商品やサービスを提供する大手メーカーやサービス提供会社及び広告会社・PR会社、コンサルティング会社等の広報部、宣伝部、コンサルティング部、営業戦略部、経営戦略部、リスク管理部などで、自社内で保有するデータを有効活用したいといった要望に応えるサービスです。
販売チャネルとしては、SaaSと同様に、直接販売に加え、大手広告代理店、大手システムインテグレーター、大手リスクコンサルティング会社等からの紹介により提供を行っています。
今後の新たな可能性
現在の社会におけるビッグデータ活用機会の増大に伴い、様々なビジネスモデルのイノベーションが期待されています。拡大領域事例としては、以下が挙げられます。
- マスメディアの新たな価値創出
- レコメンデーション活用
- 画像、動画等、リアルタイム性を活用した新サービス
- 人材育成ソリューション
ソーシャル・ビッグデータを活用した新規ビジネスへの取組事例としては、火災、停電、竜巻、気象などの災害発生時に、各種ソーシャルメディアにおけるつぶやきをリアルタイムで解析・表示することで、情報収集を支援するサービスがあります。
国内主要報道機関が利用しており、当該サービスを利用することによっていち早く事件・事故等を把握し、報道することが可能となります。
業績推移
業績面では、売上高は美しい右肩上がりです。経常利益・純利益は足踏みする年度があるものの、大局的には右肩上がりです。
営業キャッシュフローは純利益・包括利益を上回っています。一般論としては安心感があります。
2014年3月期の自己資本利益率(ROE)は17.13%、自己資本比率は88.8%です。
市場トレンド
市況面では、上場直前3ヶ月間のインデックスが上昇トレンドの状況だと初値リターンが高い傾向となっています。
東証マザーズ指数は10月16日をボトムとして反発し、それ以降は一時的な調整をはあったものの、グイグイ上昇して年初来高値を窺う勢いです。
(※マネックス証券より)
上場規模
データセクションのIPOの規模は最大で約11.6億円であり、東証マザーズとしては若干の小型です。小型であればある程、初値リターンは良い傾向があります。
公開比率は最大で約24%と標準的です。公開比率が低ければ低いほど、初値リターンが高い傾向があります。公募株式数に占める売出の割合は約62%です。
売出人である澤博史、橋本大也、池上俊介、林健人及び三生5号投資事業有限責任組合、並びにデータセクションの株主であるジャフコ・スーパーV3共有投資事業有限責任組合、日本生命保険相互会社、早稲田1号投資事業有限責任組合、アーキタイプ株式会社、株式会社博報堂、小橋昭彦及びニッセイ・キャピタル株式会社には、原則として90日間のロックアップがかかっています。ロックアップは1.5倍で解除されます。
筆頭株主の状況は以下の通りです。
氏名又は名称 | 株式保有割合(%) | ロックアップ |
---|---|---|
澤博史 | 18.11 | ○ |
橋本大也 | 14.53 | ○ |
池上俊介 | 11.46 | ○ |
林健人 | 11.28 | ○ |
ユナイテッド株式会社 | 7.45 | |
ジャフコ・スーパーV3共有投資事業有限責任組合 | 6.98 | ○ |
日本生命保険相互会社 | 6.29 | ○ |
三生5号投資事業有限責任組合 | 4.66 | |
TBSイノベーション・パートナーズ投資事業組合 | 2.51 | |
デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社 | 2.51 | |
早稲田1号投資事業有限責任組合 | 2.33 | ○ |
アーキタイプ株式会社 | 2.33 | ○ |
まとめ
業種面ではソーシャル・ビッグデータ活用のトータル・ソリューション提供会社ということで、IPOにおける人気度は絶大と思われます。公開規模も問題ない水準です。
インターネットの深化、スマホ・タブレット普及に伴うソーシャル・ネットワークの爆発的な普及の状況下、「ソーシャルメディア」、「ビッグデータ」という二大キーワードを包含した事業を展開しており、旬のテーマ性があります。
しかし、多数の企業の上場が集中する日程がマイナスポイントです。また、1単元が4万6000円ということで、初値が高騰したとしても利益の絶対額は必ずしも高くありません。
初値予想は大幅なプラスリターンです。
主幹事は大和証券です。その他はSBI証券、マネックス証券、岡三証券、岩井コスモ証券、極東証券で申し込めます。
<投資スタンス>
強気
(※強気・やや強気・中立・やや弱気・弱気の5段階)
※過去1年間のIPO初値予想の履歴
銘柄名 | 発表時 | BB直前 | 結果 |
---|---|---|---|
ANAP | 強気 | 強気 | 410.0% |
メディアドゥ | 強気 | 強気 | 256.7% |
M&Aキャピタルパートナーズ | 強気 | 強気 | 233.3% |
イオンリート投資法人 | やや強気 | やや強気 | 9.5% |
じげん | やや強気 | 強気 | 191.7% |
アライドアーキテクツ | 強気 | 強気 | 229.4% |
ライドオン・エクスプレス | やや強気 | 強気 | 55.3% |
ホットリンク | 強気 | 強気 | 165.6% |
ブイキューブ | 強気 | 強気 | 117.3% |
オンコリスバイオファーマ | やや強気 | やや強気 | 34.6% |
オウチーノ | 強気 | 強気 | 130.0% |
エンカレッジ・テクノロジ | 強気 | 強気 | 118.2% |
日本アクア | やや強気 | やや強気 | 24.9% |
アズマハウス | やや強気 | やや強気 | 10.0% |
シンプロメンテ | 強気 | 強気 | 135.3% |
イーグランド | やや強気 | やや強気 | 27.3% |
足利ホールディングス | 中立 | 中立 | 7.4% |
アーキテクツ・スタジオ・ジャパン | 強気 | 強気 | 124.4% |
アビスト | やや強気 | やや強気 | 0.0% |
ダイキアクシス | やや強気 | やや強気 | 3.9% |
シグマクシス | やや強気 | やや強気 | 0.3% |
ウィルグループ | 中立 | 中立 | -4.2% |
ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ | 強気 | 強気 | 221.4% |
ヒューリックリート投資法人 | 中立 | 中立 | 13.0% |
アキュセラインク | やや強気 | 中立 | 27.8% |
サイバーリンクス | 強気 | 強気 | 172.9% |
日本BS放送 | 中立 | 中立 | 6.6% |
エンバイオ・ホールディングス | 強気 | 強気 | 126.0% |
ダイキョーニシカワ | 中立 | 中立 | 12.4% |
日立マクセル | やや弱気 | やや弱気 | -4.8% |
ジャパンディスプレイ | 中立 | 中立 | -14.6% |
ホットマン | やや強気 | やや強気 | 67.5% |
みんなのウェディング | 強気 | 強気 | 27.1% |
ディー・エル・イー | やや強気 | やや強気 | 101.0% |
サイバーダイン | 強気 | 強気 | 130.0% |
エスクロー・エージェント・ジャパン | やや強気 | やや強気 | 290.8% |
トレックス・セミコンダクター | やや弱気 | やや弱気 | -10.4% |
丸和運輸機関 | 中立 | 中立 | -8.8% |
ジョイフル本田 | 中立 | 中立 | -1.9% |
フィックスターズ | 強気 | 強気 | 162.0% |
白鳩 | 強気 | 強気 | 46.2% |
日本リート投資法人 | 中立 | 中立 | 4.0% |
西武ホールディングス | やや弱気 | やや弱気 | 0.0% |
東武住販 | やや強気 | やや強気 | 12.0% |
インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人 | 中立 | 中立 | 5.7% |
ニュートン・フィナンシャル・コンサルティング | 中立 | 中立 | -7.7% |
ムゲンエステート | 中立 | 中立 | 10.0% |
フリークアウト | 強気 | 強気 | 250.0% |
ポバール興業 | 中立 | 中立 | 6.6% |
OATアグリオ | 中立 | 中立 | -6.3% |
メドピア | 強気 | 強気 | 131.3% |
レアジョブ | 強気 | 強気 | 169.7% |
VOYAGE GROUP | 強気 | 強気 | 40.0% |
鳥貴族 | やや強気 | やや強気 | 120.7% |
イグニス | 強気 | 強気 | 342.1% |
日本ビューホテル | やや弱気 | やや弱気 | -1.3% |
ジャパンインベストメントアドバイザー | やや強気 | やや強気 | 126.3% |
ロックオン | 強気 | 強気 | 284.6% |
リアルワールド | 強気 | 強気 | 79.8% |
AMBITION | やや強気 | 強気 | 62.0% |
ジェネレーションパス | 強気 | 強気 | 119.2% |
リボミック | 中立 | やや強気 | -20.4% |
FFRI | 強気 | 強気 | 176.5% |
ホットランド | 中立 | 中立 | -1.7% |
ヤマシンフィルタ | 中立 | 中立 | 19.6% |
すかいらーく | 中立 | 中立 | 0.0% |
リクルートホールディングス | 中立 | 中立 | 1.3% |
GMOリサーチ | 強気 | 強気 | 133.3% |
セレス | 強気 | 強気 | 55.4% |
オプティム | 強気 | 強気 | 260.0% |
アルファポリス | 強気 | 強気 | 93.2% |
エラン | やや強気 | やや強気 | 70.3% |
日本ヘルスケア投資法人 | やや強気 | やや強気 | 48.1% |
SHIFT | 強気 | 強気 | 361.5% |
CRI・ミドルウェア | 強気 | 強気 | |
日本PCサービス | 中立 | やや強気 | 67.7% |
トーセイリート投資法人 | やや弱気 | 中立 | 11.6% |
積水ハウス・リート投資法人 | やや強気 | やや強気 | |
弁護士ドットコム | 強気 | 強気 | |
クラウドワークス | 強気 | 強気 | |
スノーピーク | やや強気 | やや強気 | |
ビーロット | 強気 | 強気 | |
GMO TECH | 強気 | 強気 | |
テクノプロ・ホールディングス | 中立 | 中立 | |
アトラ | やや強気 | やや強気 | |
マークラインズ | 強気 | 強気 | |
メディカル・データ・ビジョン | 強気 | 強気 | |
U-NEXT | やや強気 | 中立 | |
SFPダイニング | やや弱気 | やや弱気 | |
今村証券 | 中立 | 中立 | |
フルッタフルッタ | 強気 | やや強気 | |
竹本容器 | 中立 | ||
gumi | 中立 | ||
大冷 | やや弱気 | ||
アドベンチャー | 強気 | ||
メタウォーター | やや弱気 | ||
サイジニア | 強気 | ||
インターワークス | やや強気 | ||
イーレックス | 中立 | ||
綿半ホールディングス | やや弱気 | ||
ヨシックス | 中立 | ||
カヤック | 強気 |