東京都が発行する地方公募債、「東京グローバル都債(外貨)第1回」の発行条件が決まりました。東京都が外貨建て地方債を発行することで話題を集めました。
期間は5年であり、利率は年3.57%です。募集期間は2014年11月25日(火)~12月2日(火)です。
東京グローバル都債(外貨)第1回詳細
条件
東京グローバル都債(外貨)第1回の条件は以下の通りです。
項目 | 条件 |
---|---|
期間 | 5年 |
通貨 | オーストラリアドル(豪ドル) |
利率 | 年3.57% |
課税後利率 | 年2.844% |
価格 | 額面金額の100% |
受渡期日 | 平成26年12月3日(水) |
償還日 | 平成31年12月2日(月) |
利払日 | 6月・12月の各2日 |
購入限度額 | 1,000 豪ドル以上100万豪ドルまで |
東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県に在住または在勤・在学の個人の方、同エリア内に主たる事務所・事業所を有する法人・団体が購入できます。
格付け・スプレッド
オーストラリア国債5年の利率は年2.77%です。東京グローバル都債(外貨)第1回は、豪州国債と比較して0.8%の金利が上乗せされています。
オーストラリアの格付けは、ムーディーズ、S&P、フィッチのいずれもAAAです。
日本はムーディーズAa3(AA-)でしたが、12月1日にA1(A+)に格下げがありました。S&PはAA-、フィッチはA+です。我らのJCRはAAA、R&IはAA+です。
東京都の格付けは、AA-(S&P)です。東京都は日本国とほぼ同じ信用力があります。
現在の日本国債5年の利回りは年0.12%です。東京グローバル都債(外貨)第1回は、日本国債と比べて3.45%の金利差があります。
外貨建て地方公募債の留意点
留意点は、地方公募債の流動性です。地方債は多数の市場参加者が売買する市場で直接売買することができず、特定の金融機関と相対取引で売却するしかありません。
何らかの事情で社債や地方債や仕組み債を満期前に中途売却しようとすると、購入した証券会社や銀行などに売るしかなく、中途解約の際は売却金額が市場価格より下がります。
満期前の中途売却時は、実質的には手数料が発生します。また、中途解約時に金利が上昇していると、元本割れリスクがあります。
東京グローバル都債(外貨)は円建て債と比べると高金利ですが、当然に為替リスクがあります。豪ドル円(AUD/JPY)は1年に15~20%程度は普通に動くので、金利が吹き飛ぶリスクはあります。
為替リスクがある商品はいつでも売れるのが理想です。何らかのショックが発生した場合は豪ドルは大きく円高になるリスクが有ります。この点、地方債はFXと比べると換金まで時間がかかる点がネックです。
豪ドル建て東京グローバル都債の投資スタンス
私は東京都債はノーリスクと考えますので、オーストラリア国債と比較して0.8%のスプレッドが乗っているのは良いと思います。
東京グローバル都債(外貨)第1回を購入する際は、満期保有を前提とするのが無難ですので、満期保有で豪ドル建て債券を買う場合は有力な候補です。
現在オーストラリア国債を買うことを検討している方は、豪ドル建て東京グローバル都債も大いに検討し得るでしょう。
野村證券、SMBC日興証券、大和証券、みずほ証券、三菱UFJモルスタ証券で購入可能です。本地方債に関する問い合わせ先の一覧は以下の通りです。
- 東京都財務局主計部公債課(TEL:03-5388-2681)
- 野村證券(TEL:0120-00-8657)
- SMBC日興証券(TEL:0120-550-250)
- 大和証券(TEL:0120-010101)
- みずほ証券(TEL:0120-324-390)
- 三菱UFJモルスタ証券(TEL:0120-5323-46)