四国電力が個人向け社債を発行します。正式名称は「四国電力株式会社 第283回社債(一般担保付)」です。
期間は約3年であり、利率は年0.25%です。募集期間は2014年7月14日(月)~7月28日(月)です。
電気事業法第37条に基づく一般担保が付いています。一般担保付社債の発行企業の全財産について、社債の保有者は他の債権者に優先して弁済を受けられる権利が付与されています。
東電問題で話題になった担保ですね。多額な資金調達を必要とする業種の企業の資金調達を容易にするための制度です。電力会社、JR、NTT、成田空港などに認められています。
高金利定期預金との比較
現在の3年もの高金利定期預金は、岡崎信用金庫おかしんインターネット支店のオカザえもんハッピー定期預金が年0.5%です。大阪市近辺に在住または勤務している方ですと、大阪協栄信用組合が年0.65%です。
今回の四国電力の個人向け社債の利率は、ノーリスクの定期預金の金利を下回っています。
定期預金や個人向け国債との利回り格差を見て、デフォルトリスクを考慮すると利率は妥当かという観点で検討することになりますが、ノーリスクの定期預金を下回っています。。
過去のデフォルトの確率
格付(R&I)はA+です。
格付の方向性は「ネガティブ」です。
R&IのA格社債(3年)の累積デフォルト率(1978~2013年)は0.27%でした。
ちなみにJCRの長期格付(非依頼格付)はAAです。
同じ格付の社債、店頭売買参考利回りとの比較
日本証券業協会のデータでは、R&IのA格社債(3年)の複利利回り平均値は0.304%です。
四国電力の社債の店頭売買参考統計値利回り平均(複利)は、残存期間約2年10ヶ月もの(2017/4/25償還)が0.256%、残存期間約3年2ヶ月もの(2017/08/25償還)が0.263%でした。
投資スタンス
大規模金融緩和とそこから生み出されている金融抑圧的な状況によって債券投資は受難の時期です。このような情勢下では、PO投資というクールなストラテジーに魅力があります。
また、今回の四国電力の個人向け社債の利回りは0.25%と僅少であり、これを上回る利率の定期預金も数多くあります。
定期預金キャンペーンの金利比較!2014年パーフェクトマスター
店頭証券から強い営業があってIPO・PO獲得の観点で引き受ける場合以外は、スルーでOKでしょう。
四国電力の個人向け社債は、野村證券、大和証券、みずほ証券、SMBC日興、三菱UFJモルスタ証券などで購入できます。