2014年初登場!SBI債(SBIホールディングス社債)を徹底分析

更新日:   個人向け社債

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SBIホールディングス社債

SBIホールディングスが個人向け社債を発行します。正式名称は「SBIホールディングス株式会社第6回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」です。愛称はSBI債です。

期間は約3年2ヶ月(2018/1/30償還)であり、仮条件は1.50%~2.50%(中央値2.00%)です。利率は2%に決まりました。募集期間は2014年11月25日(火)~12月4日(木)です。

社債間限定同順位特約とは、発行者が当該社債以外の社債に対して担保を設定する場合には、当該社債にも同等の担保を設定することです。これは付いていた方が安全な特約です。

SBIホールディングスとは

SBIホールディングスは、SBI証券が主力の総合金融グループです。2013年3期から国際会計基準(IFRS)を導入したのを機に、グループの組織体制の再編を行い、既存事業を金融サービス事業、アセットマネジメント事業、バイオ関連事業の主要3事業を軸とした体制に再編しました。

金融サービス事業として、SBI証券、住信SBIネット銀行、SBI FXトレード、SBIマネープラザ、SBIモーゲージ、SBI損保、モーニングスター、SBIカードなどを傘下におさめています。

アセットマネジメント事業においては、SBIインベストメントやSBIキャピタルなどのファンド運営企業、SBI貯蓄銀行、SBIアセットマネジメントを擁しています。

バイオ関連事業の企業にはSBIファーマ、SBIアラプロモ、SBIバイオテックがあり、その他事業としてSBIライフリビングがあります。

2015年3月期第2四半期累計連結の営業収益の構成比率は、金融サービス事業63.5%、アセットマネジメント事業31.2%、バイオ関連事業0.9%、その他4.4%です。

SBI社債(SBI債)分析

高金利定期預金との比較

現在の3年もの高金利定期預金は、大阪市近辺に在住または勤務している方ですと、大阪協栄信用組合で1000万円以上預け入れると年0.65%です。

全国的な銀行等では、SBJ銀行が年0.45%です。

今回のSBIホールディングスの個人向け社債の利率は、ノーリスクの定期預金を0.85%~2.05%上回っています。定期預金との利回り格差を見て、デフォルトリスクを考慮すると利率は妥当かという観点で検討することになりますす。

過去のデフォルトの確率

債券格付はBBB(R&I)です。格付の方向性は「安定的」です。

R&IはSBI債について以下の通りに評価しています。

SBIHDは、証券関連、ネット銀行、損害保険などの金融サービス事業とアセットマネジメント事業で一定の営業基盤を構築している。アセットマネジメント事業は保有有価証券の評価益・売却益の増減で業績が変動しやすいものの、株式市場の回復でSBI証券を中心とする金融サービス事業の収益力は底堅い。

リスク耐久力はBBBゾーンに見合う水準にあるが、投資によりリスクプロフィールが変わることで短期間に変化しやすい。買収などを通じた機動的なグループ運営を志向しており、レバレッジが高まる可能性も否定できない。事業リスクの高い貯蓄銀行などへ多額の投資を実行するなどリスク選好度は高い。

R&IのBBB格社債(3年)の平均累積デフォルト率(1978~2013年)は0.54%でした。

同じ格付の社債、店頭売買参考利回りとの比較

日本証券業協会のデータでは、R&IのBBB格社債(3年)の複利利回り平均値は0.85%です。

SBIホールディングスの社債の店頭売買参考統計値利回り平均(複利)は、残存期間約1年9ヶ月もの(2016/08/05償還)が1.935%でした。

残存期間約2ヶ月半もの(2015/01/30償還)が1.713%でした。

SBIホールディングスの財務状況

財務指標

自己資本比率は11.5%、有利子負債は3459億円、現金等は2762億円、営業キャッシュ・フローは294億円です。2014年3月期は過去最高益を叩き出しました。

キャッシュが先に入ってくる保険会社を抱えていることはポテンシャルがあります。英国プルーデンシャルグループ傘下のピーシーエー生命保険を買収し、生保事業にも再参入の予定です。生保・損保事業が開花してくるとかなり楽になります。

ソニーの利益・キャッシュフローの大部分は保険事業であり、ソニーの命綱となっていることに象徴されるように、保険は軌道に乗れば美味しい事業です。

ソニーは製造事業を全て売却し、金融&映画に特化すれば短期的には屈指の高収益企業となるのが何とも言えないですね。シャープはシャープ生命を保有して一定の規模を確保していれば、かなり資金繰りが楽だったはずです。

社債及び借入金の内訳

2014年3月末のSBIホールディングスの短期借入金の平均利率は0.79%、1年内返済予定の長期借入金は1.65%です。

長期借入金の平均利率は0.85%で、返済期限は2015~2023年です。

第4回無担保社債は3年2.16%、第5回無担保社債は3年2.15%でした。

SBI社債の投資スタンス

金利は極限まで低下しており、日本ではハイイールド債市場が発達してなく、信用スプレッドが乗った社債がほとんどない状況下において、SBI債は貴重な高金利社債となっています。

もちろん高金利は高リスクの裏返しです。SBIホールディングスは事業構造から市況によって業績が大きく変動します。かつては1年ものが多く、「1年なら大丈夫だろう」という観点が濃厚に充満しており、人気を博していました。今回は約3年2ヶ月と長めの年限です。

今回の個人向け社債の利回りの中央値は、店頭売買参考統計値利回り平均(複利)より若干高い水準であり、1年9ヶ月と3年2ヶ月の年限差を考慮すると、概ね2.13%以上なら妥当水準です。

申し込みは100万円以上100万円単位です。デフォルトの可能性を考慮して、あくまで資産の一部を投資するのが無難です。全財産のうちかなりの部分を突っ込むようなことは止めましょう。

SBIホールディングス社債(SBI債)は、SBI証券、大和証券、みずほ証券などで購入できます。利払日は年2回(毎年1/30、7/30)です。

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