2018年からつみたてNISA(積立NISA)という制度が開始しました。正式名称は「非課税累積投資契約に係る少額投資非課税制度」です。
節税メリットがあり、投資の利益にかかる税金(通常は約20%)が無税となります。
わが国の最大手証券会社の一角である野村證券は、「つみたてNISA」を提供しています。
インターネット口座の「野村ネット&コール」なら、営業マンによる営業電話・勧誘はないのでご安心ください。
野村證券は口座数、NISA申込口座数、預かり資産でNo.1であり、名実ともに日本を代表する証券会社です。
そんな野村證券のつみたてNISAは、厳選された商品ラインナップで迷いがない点、低コストの投資信託、口座開設・維持手数料が無料なのが魅力的です。
私は「NISA完全ガイド」という本に出たこともあります。
その経験も活かして、野村證券のつみたてNISAのメリット、デメリット、キャンペーンについてまとめます。
つみたてNISAの概要
前提としてつみたてNISAとは、投資で得た利益(キャピタルゲイン・インカムゲイン)が非課税となる制度です。
非課税期間は20年であり、毎年の投資上限枠は年40万円です。1年40万円×20年で合計800万円分が非課税となります。100万円の資産運用でも活用できる制度です。

現行のNISAとの併用は不可能であり、NISAとつみたてNISAはどちらかを選択することになります。iDeCoとの併用はOKです。

NISAの非課税期間は5年、年間の上限枠が120万円です。ちなみに従来から存在していたNISAについては、以下で精緻に分析しています。

19歳までの子供限定の非課税投資制度「ジュニアNISA」もあります。年間非課税投資枠は80万円(5年で最大400万円)です。
非課税期間は最長5年間で、18歳までは途中払出しに制限があるのが、NISAにはない制約となっています。ジュニアNISAの詳細については、以下で徹底解説しています。

以下は野村證券のつみたてNISAの特徴について、丹念に解説します。
取扱商品は厳選された7本!秀逸なクオリティ
野村證券のつみたてNISAの取扱ファンドは7本のみとなっており、SBI証券・楽天証券・マネックス証券・松井証券と比較すると、異例の少なさとなっています。
しかし、少ないからダメという訳では全くありません。各資産分類(アセットクラス)ごとに評判・口コミが良好な厳選された投信が用意されています。
初心者の方が迷うこと無く選べてユーザーフレンドリーな側面があります。投資信託は基本的には低コストのインデックス投信が無難です。
この点、野村證券のつみたてNISAは、買ってもいいと言える低インデックス投信が厳選されており、キュレーション的です。
「商品数が多すぎて選べない」という初心者の声に配慮しつつ、特色があるアクティブ投信もあり、投資経験者のニーズにも応えられる商品構成となっています。
分類 | 商品名 | 購入時手数料 | 運用管理費用(信託報酬) | 信託財産留保額 |
---|---|---|---|---|
日本株 | 野村つみたて日本株投信 | 無料 | 税抜 年0.17% | なし |
ひふみプラス | 無料 | 税抜 年0.98% | なし | |
コモンズ30ファンド | 無料 | 税抜 年0.98% | なし | |
外国株 | 野村つみたて外国株投信 | 無料 | 税抜 年0.19% | なし |
野村スリーゼロ先進国株式投信 | 無料 | 年0.0% | なし | |
バランス | 野村6資産均等バランス | 無料 | 税抜 年0.22% | なし |
つみたて8資産均等バランス | 無料 | 税抜 年0.22% | なし |
「野村つみたて外国株投信」は、日本を除く先進国と新興国の株式全体に投資します。原則として為替ヘッジなしで、中長期的な世界の株価の動きをとらえた投資成果を目指します。
つまり、日本株の3つのうち1つと、野村つみたて外国株投信を選択すれば、世界中の株式に分散投資することが可能です。
野村スリーゼロ先進国株式投信は日本以外の先進国のMSCI-KOKUSAI指数(円換算ベース・為替ヘッジなし)に連動します。
2030年12月末まで信託報酬が0円で、2031年1月1日以降の信託報酬率は税抜0.10%以内と卓越した低コストです。
「野村6資産均等バランス」は、国内および外国の「債券」「株式」「REIT」6つの資産にバランスよく分散投資します。
原則として為替ヘッジなしで、原則として毎月リバランスを行います。面倒な場合はこれ1本でもOKとなっています。
「つみたて8資産均等バランス」は、以下を投資対象とします(原則として為替ヘッジなし)。
区分 | 投資対象の資産 | |
---|---|---|
日本 | 株式、債券、REIT | |
海外 | 先進国 | 株式、債券、REIT |
新興国 | 株式、債券 |
先進国だけでなく新興国の「債券」「株式」にも投資することで、より幅広い資産に分散投資が可能になります。
つみたてNISAの対象となるには厳しい条件をクリアする必要があり、金融庁が対象商品として公表しているのは232ファンドです(2023年6月19日時点)。
アクティブ投信はインデックス投信よりも条件が厳しく、5年以上の運用実績、50億円以上の残高、資金流入超過の期間が3分の2以上などの条件が加わります。
区分 | 条件 |
---|---|
ETF | 指定インデックスに連動 売買手数料が1.25%以下 信託報酬率が0.25%以下 取引所が指定するもの 最低取引単位が1,000円以下 資産残高1兆円以上(外国取引所ETFのみ) |
指定インデックス投信 | 指定インデックスに連動 販売手数料が0% 信託報酬率:国内資産対象は0.5%以下、海外資産対象は0.75%以下 |
アクティブ投信 | 販売手数料が0% 信託報酬率が国内資産対象は1.0%以下、海外資産対象は1.5%以下 純資産額が50億円以上 運用実績が5年以上 3分の2以上の期間で資金流入超 主な投資対象の資産が株式 投資対象は、「株式」「株式および公社債」「株式およびREIT」「株式、公社債およびREIT」のいずれか |
指定インデックスとは、つみたてNISA制度で投資可能として規定されたインデックスを指します。単品でも投資可能なのは以下のインデックスのみとなります。
投資対象 | インデックスの名称 |
---|---|
日本 | ・TOPIX ・日経225 ・JPX日経400 ・MSCI Japan Index |
全世界 | ・MSCI ACWI Index ・FTSE Global All Cap Index |
先進国 | ・FTSE Developed Index ・FTSE Developed All Cap Index ・S&P 500 ・CRSP U.S. Total Market Index ・MSCI World Index ・MSCI World IMI Index |
新興国 | ・MSCI Emerging Markets Index ・FTSE Emerging Index ・FTSE RAFI Emerging Index |
野村證券のつみたてNISAは、金融庁が課した厳しい条件をクリアした投資信託の中でも、更に絞り込まれた精鋭揃いとなっています。
サッカーで喩えると、レアル・マドリードとバルセロナが1つのチームになったような様相を呈しています。メッシとクリスティアーノ・ロナウドの2トップ的な戦闘力があります。
インデックス投信の積立投資を行うと、10年~数十年継続した場合は多くの時期にプラスになっています。
(引用:金融庁のつみたてNISA早わかりガイドブック)
野村證券のつみたてNISAなら税制優遇のもとで、長期間に渡って低コストでインデックス投信の積み立てを行うことができます。
つみたてNISA対象商品の中でも優れた低コストインデックス投信、評判・口コミが良好なアクティブ投信のひふみ投信などの取扱いもあります。
ひふみ投信は提携証券会社で申込むと「ひふみプラス」という名前になりますが、運用の中身は同一です。
投資知識がない初心者の方でも、簡単に世界中の株式に分散投資できて、中長期的にはインフレに負けない無難な投資成果が期待できます。
手数料
野村證券のインターネット口座は口座開設・維持手数料は無料です。
インターネット・バンキングを利用した即時入金の場合、入金手数料が無料で、出金手数料も無料です。
ちなみにNISA、ジュニアNISA、iDeCoは証券会社にとっては収支は厳しくてほとんど収益が上がっていません。
逆に言うと個人投資家にとっては極めて有利な制度です。微益を通り越して赤字の可能性すらあると思います。
これら単体では採算度外視の様相を呈しており、見込み顧客の獲得に動いているからできることです。微益を通り越して赤字の可能性すらあると思います。
政府は財政状況が芳しくない中、市民に自助努力での資産形成を促す趣旨で、確定拠出年金の加入者を増やして、税制面でのインセンティブを増やす取り組みを行っています。
こうした情勢下、野村證券は顧客のニーズを正確に捉えて、ユーザーにとって良いクオリティの素晴らしい制度を用意していると考えます。
お得なキャンペーン
野村證券の「つみたてNISA」は、定期的にお得な口座開設キャンペーンを開催しています。
一例として、キャンペーン期間中に野村證券のつみたてNISA口座を開設し、オンラインサービスで定期預金を申し込むと、野村信託銀行の1カ月定期預金が特別金利となりました。
一般NISAから「つみたてNISA」へ切り替えた方も対象となり、ユーザーフレンドリーです。
預入金額は10万円以上1,000万円以内(1円単位)となり、1ヶ月物がなんと年率2.0%となりました。キャッシュ・イズ・キングで嬉しい特典ですね!
まとめ
野村證券のつみたてNISAは、厳選された秀逸な商品ラインナップ、手数料無料で利用できる点が卓越したメリットです。
また、証券会社に課せられている分別管理の義務なども、パーフェクトにこなしてくれます。法令違反で分別管理を怠るような事態は考えられません。
つみたてNISAは非課税の積立サービスであり、個人投資家の裾野拡大に資する制度であることから、ガリバー・野村證券も採算を度外視して積極的に取り組んでいます。
「商品数が多すぎて選べない」という初心者の声に配慮しつつ、特色があるアクティブ投信もあり、投資経験者のニーズにも応えられる投資信託が揃っています。
分類 | 商品名 | 購入時手数料 | 運用管理費用(信託報酬) | 信託財産留保額 |
---|---|---|---|---|
日本株 | 野村つみたて日本株投信 | 無料 | 税抜 年0.17% | なし |
ひふみプラス | 無料 | 税抜 年0.98% | なし | |
コモンズ30ファンド | 無料 | 税抜 年0.98% | なし | |
外国株 | 野村つみたて外国株投信 | 無料 | 税抜 年0.19% | なし |
野村スリーゼロ先進国株式投信 | 無料 | 年0.0% | なし | |
バランス | 野村6資産均等バランス | 無料 | 税抜 年0.22% | なし |
つみたて8資産均等バランス | 無料 | 税抜 年0.22% | なし |
野村證券は今後もより一層の発展を期待できる卓越した総合証券であり、インターネット口座のつみたてNISAも素晴らしいクオリティです。
証券会社の第一人者として、イノベーティブなサービス、利便性の追求を絶え間なく行っており、個人投資家に資する仕組みを提供しています。
大手ネット証券ですと、SBI証券はNISA枠ぎりぎり注文、毎日の積立設定、0.05%~0.2%のSBIポイント獲得の可能性が特徴です。

楽天証券のつみたてNISAは、楽天ポイントを投信購入に使えて、また楽天カード払いでの積立も可能である点が特徴です。

マネックス証券のつみたてNISAは、資産設計アドバイスツール「MONEX VISION β」との連携が特徴的です。

総合的なおすすめ証券は以下で解説しています。

