先日、30年前のロレックスを修理に出しました。正規の日本ロレックスのルート、時計の修理専門業者を比較検討して、最終的にな正規のサポートセンターにて修理を行いました
ロレックスの修理・オーバーホールの内容、メリット、デメリット、仕上がり具合などの体験談、評判・口コミについてまとめます。
ロレックスが2016年に新作を発売します。一部のモデルは既に入荷されています。
私は従来は時計は正確なら安いのでいいという考えでしたが、凄腕投資家の方は高級時計を身に着けている方が多く、特にロレックスは保有率が高めでした。
憧れの方がはめていたら、自分も同じ時計がほしいと思うのが人情でして、ロレックスほしい症候群に罹患した状態でした。

しかし、周囲との会話でロレックスの話をしたところ、「重くて煩わしいので次第につけなくなった」という体験談・口コミを耳にしました。
高い買い物であり、買ったけど使わないという状態にはしたくなかったので、ロレックスの新品を買う前に一定期間、試しにつけてみたいと考えました。
もちろん、ロレックスを買って身につけずに家に飾る方もいらっしゃいます。しかし、個人的にはせっかく買ったからには身につけたい派です。
そこで四方八方で色々とお話したところ、全く使わずに放置されていてボロボロのロレックス デイトジャスト(1986年購入品)を譲り受けることができました。
きれいに修理してから使ってみて、継続的使用が可能であるか否かに鑑みて、2016年新作の購入の是非を検討しようと思いました。
チャネル
ロレックスの修理(オーバーホール)のチャネルは、正規店(サービスセンター・サービスカウンター)と一般の時計の修理屋さんの二つがあります。
当たり前の話ですが、やはり修理のクオリティは、正規の日本ロレックスの修理窓口が随一です。
世界中に星の数ほどある幾多の時計メーカーの中でも、ロレックスは最上級にメンテナンス・修理のサポートに注力しているという評判・口コミが多いです。
修理センターでは製造中止から数十年までのロレックスの全パーツが大量にストックされており、長い年月の間、修理が可能となっています。
30年前のROLEXってオーバーホールできんのかな
— よこかわ (@yktk_1018) 2016年5月6日
結論から言いますと、30年前の古いロレックスでもオーバーホール可能です。実際にできました。
修理(オーバーホール)では、分解されたあとムーブメントが洗浄され、徹底的な調整が実施されます。
ケースとブレスレットには綿密な仕上げが施され、精度および防水性能は厳しく検査され、品質と信頼性が保証されます。
オーバーホール終了後は、2年間有効の国際サービス保証書が発行されます。オーバーホールや修理、点検等の相談・依頼は、全国主要都市のロレックスサービスセンターまたはサービスカウンターで依頼できます。
手順 | 作業名 | 作業内容 |
---|---|---|
1 | 分解 | ブレスレットが時計のケースから取り外されます。裏蓋が開けられ、ムーブメントが取り外されます。その後、ケースは完全に分解されます。 |
2 | ムーブメントの洗浄 | ムーブメントが分解され、各部品は専用の溶剤で超音波洗浄されます。 |
3 | 部品の交換 | ロレックスの時計技術者がムーブメントの各部品を綿密に検査し、交換が必要な部品を特定します。部品はスイスのロレックス本社から供給される純正品のみが使用されます。 |
4 | ムーブメントの注油と組み立て | 部品の摩擦や摩耗を最小限に抑えるため、高品質な潤滑油を使用し、ムーブメント各部に注意深く注油します。これにより、お客様のロレックスは、高い精度を保ち続けます。 |
5 | タイミング調整 | 1日に690,000回以上の振動を刻みながら動き続けるテンプはロレックスのムーブメントの心臓部にあたります。 精度を維持するために、時計技術者は注意深くテンプを調整し、専用の測定機器で計測します。その後、調整された精度を確認するために、数日間にわたる計測検査が行われます。 |
6 | ケースとブレスレットの研磨仕上げ | 時計のムーブメントと同様に、ケースとブレスレットも細心の注意を払って取り扱われます。洗浄後、ケースとブレスレットを丁寧に点検し、消耗していたり、傷ついた部品を交換します。その際は、ロレックスの純正部品のみが使用されます。 その後、専門の技術者による研磨と超音波洗浄を経て輝きを取り戻します。 |
7 | ケースの再組み立て | ケースは注意深く組み立てられ、防水性能を確実にするために、すべてのパッキン類は交換されます。 |
8 | 防水テスト | 防水時計として非通用な水圧に耐えられるかを確認するため、時計のケースは厳密にテストされます。3つのプロセス(減圧テスト・加圧テスト・ケース内の結露を見るテスト)によって、ケース内に少しの水分でも入ることを見逃しません。 |
9 | 最終品質検査 | 最終検査の中では、自動巻きの持続、精度、外観が基準を満たしているか再度確認され、最高の品質が保証されます。 |
正規店でのオーバーホール・修理を行うと、ロレックスは本来の機能と美しい外観を取り戻し、新品になったような状態にあるという評判・口コミが多いです。
ただし、デメリットは修理代が高いことです。オーバーホールの基本料金だけで44,000円~80,000円(税抜)ほどかかります。
街やネットの時計修理業者だとロレックスに依頼するよりも格段に修理代が安くなります。業者によってピンきりですが、30%ほどはディスカウントされる例が多いようです。
デメリットとしては修理のクオリティです。ロレックスの純正部品ではないパーツを使用する例もあります。
また、ロレックス専用工具・機械・オイルではなく一般の工具で修理したり、防水性能の検査ができなかったりします。
ただし、中にはロレックス専用の工具・機械・オイルで、ロレックスの技術書に基づいて修理・オーバーホールを行うと謳っている修理業者もあります。
修理後、1年や2年の保証(不具合が生じたら再調整)をつけている業者もあります。ただし、どの程度信頼できるのかロレックス初心者の私には完璧に不明でした。
修理のクオリティが担保される業者を知っているか複数名のロレックス・ホルダーに聞いてみたのですが、私の周囲は正規店以外で修理した経験がある人がいませんでした。
修理代を下げるために非正規の修理業者に依頼するのは、高級レストランでワイン代をケチるような行為に感じられたので、やはり無難に正規ルートで修理を依頼することにしました。
正規店への依頼方法
正規店はロレックスのサービスセンターと、大丸・松坂屋、高島屋、三越、そごうなどの百貨店などの取次店(サービスカウンター)に分かれます。
県名 | 店名 | 住所 | 電話番号 |
---|---|---|---|
札幌 | 大丸 札幌店 | 〒060-0005 北海道 札幌市 中央区 北五条西4-75階 時計売場 | 011-828-1111 |
ロレックスのサービスセンター | 〒060-0005 北海道 札幌市中央区 北五条西 5-2住友生命札幌ビル8F | 011-241-0852 | |
仙台 | ロレックスのサービスセンター | 〒980-0021 宮城県 仙台市青葉区 中央 4-10-3仙台キャピタルタワー12F | 022-264-2020 |
ロレックス ブティック 髙島屋玉川 | 〒158-8701 東京都 世田谷区 玉川3-17-1本館1階 | 03-3709-3111 | |
千葉 | そごう 千葉店 | 〒260-8557 千葉県 千葉市 中央区 新町10004階 時計サロン | 043-245-2111 |
東京 | 東京(ご来社窓口) | 〒100-8345 東京都 千代田区丸の内 2-3-2郵船ビル | 03-3216-5671 (代表) 03-5857-2325 (アフターサービス) |
タカシマヤ ウオッチメゾン | 〒103-0027 東京都 中央区 日本橋3-1-8タカシマヤ ウオッチメゾン1階 | 03-3211-4111 | |
東京(郵送専用窓口) | 〒135-0016 東京都 江東区東陽 3-28-6ロレックス東陽町ビル | 03-5857-2315 | |
神奈川 | ロレックス ブティック そごう横浜 | 〒220-0011 神奈川県 横浜市 西区 高島2-18-1そごう横浜店 2階 | 045-465-5486 |
高島屋 横浜店 | 〒220-8601 神奈川県 横浜市 西区 南幸1-6-315階 時計売場 | 045-311-5111 | |
名古屋 | ロレックスのサービスセンター | 〒450-0001 愛知県 名古屋市中村区 那古野 1-47-1名古屋国際センタービル1F | 052-581-4747 |
松坂屋 名古屋店 | 〒460-8430 愛知県 名古屋市 中区 栄3-16-1北館5階 | 052-264-2891 | |
京都 | 大丸 京都店 | 〒600-8511 京都府 京都市 下京区 四条通高倉西入立売西町796階 時計売場 | 075-211-8111 |
大阪 | 大阪(郵送専用窓口) | 〒531-0072 大阪府 大阪市北区 豊崎 5-3-22ロレックス中津ビル | 06-6377-5900 |
大丸 梅田店 | 〒530-8202 大阪府 大阪市 北区 梅田3-1-111階時計売場 | 06-6343-1231 | |
ロレックス ブティック レキシア銀座 心斎橋店 | 〒542-0081 大阪府 大阪市 中央区 南船場4-3-11 | 06-6253-1936 | |
兵庫 | ロレックス ブティック 大丸神戸 | 〒650-0037 兵庫県 神戸市 中央区 明石町30番地常盤ビル1階 | 078-335-6861 |
広島 | ロレックスのサービスセンター | 〒730-0013 広島県 広島市中区 八丁掘 14-4JEI広島八丁堀ビル 6F | 082-225-4400 |
福岡 | ロレックスのサービスセンター | 〒810-0001 福岡県 福岡市中央区 天神 2-8-38協和ビル6F | 092-741-1887 |
福岡三越 | 〒810-8544 福岡県 福岡市 中央区 天神 2-1-1 6階 時計サロン | 092-724-3111 |
ロレックスのサービスセンターには直接持ち込んでもOKですし、郵送での修理依頼も可能です。郵送専用窓口は東京と大阪にあります。近い方に送る流れとなります。
最寄りのサービスセンターに電話したら専用の梱包キットを送ってくれるので、中に入れて返送すればOKです。
私の場合、もらいモノのロレックスなので、自分の手首の太さに合わせてもらう必要があり、郵送はNGで対面マストでした。
ネットで調べたところ、取次店は手数料・中間マージンが発生するという記述が多数ありました。そこで、ロレックスに電話して聞いたところ、以下のような回答でした。
広範に流布している「百貨店に依頼すると仲介手数料が発生するので、ロレックスに直接持ち込まないと損」という話は2016年現在においては誤っています。
正確には「ロレックスの公式サービスカウンターの百貨店ならば発生しない。そうではない百貨店に依頼した場合は発生しうる」です。
実際に今回修理に出したロレックス デイトジャストのオーバーホール料金(基本料金)は税抜44,000円と、金額がピタリと完全に一致していました。手数料は上乗せされていませんでした。
公式サービスカウンターの高島屋で依頼したら、2%の高島屋ポイントも得られるのでむしろ得します。
ロレックス本体のサービスセンターの営業時間は平日の9時〜16時半が基本となっています。東京の場合は、水曜日のみ18時半まで受け付けてくれます。
ロレックスのセンターに入ってみたい感情もあったのですが、この営業時間は会社員には厳しいものがあります。したがって、百貨店(サービスカウンター)に修理を依頼しました。
高島屋では2%の高島屋ポイントが貯まります。1,000ポイント単位で1,000円分のお買い物券に交換できます。
ロレックスのオーバーホールは修理代が高額になるので、一度で交換可能なポイントが得られることもあってお得です。
見積書は1週間ほどで送られてきます。郵便計器を利用した封筒で送られてきました。味があります^^
30年前のロレックスでメンテナンスされず物置の片隅で放置されていた一品で、腐食の様相を呈していたことから、修理は高額になりましたヽ(´ー`)ノ
- オーバーホール料金:44,000円
- クリスタル交換:5,000円
- リューズ交換:11,000円
- チューブ交換:3,500円
- クラスプ用バネ棒交換:500円
- フラッシュフィット交換:26,000円
- 針交換:9,000円
- 内部部品交換:5,000円
- 合計:108,000円
108,000円(税抜)という強烈な金額でした。吉野家の牛丼が284杯食べられるお値段ですね。
しかし、118万円(税抜)のデイトナ最新モデルを買う前の重大な価値判断の礎となる費用です。
また、デイトナが手に入るまでに装着するロレックスがほしい症候群に頭から足指までどっぷりだったことからYes I can !でした。
また、39,000円でケース交換の提案も受けました。交換した部品と合うケースに交換した方がスマートという提案で、これもOKしました。
見積もりの内容・金額に合意する場合は、依頼したサービスセンター・サービスカウンターに連絡すればオーバーホール・修理が実施されます。
連絡するまでは作業が保留となり、ストップした状態が継続するので注意しましょう。合意を伝えたら、おおよそ1ヶ月程度で修理が完了します。私の場合は約3週間でした。
ロレックスのオーバーホール(修理)の仕上がり
ロレックスのオーバーホール(修理)が完了すると、緑色の布袋に包んでくれます。正規店でオーバーホールを行うと、2年間の国際サービス保証書がつきます。
こういう保証はロジクールのマウスと同様に自信の裏返しだと思うので、いいですね!
肝心の仕上がり具合ですが、ほとんど新品のようにピカピカにチューン・アップされて戻ってきました。
ロレックスの正規修理チャネルでオーバーホールした場合は、外装研磨による傷消しの仕上げがもれなく付帯しています。
修理代は高額だけれども、クオリティを考慮したコストパフォーマンスはわるくないという評判・口コミに間違いはありませんでした。
純金ゴールドが不死鳥のように蘇ってキラキラで美しいです。まさにフェニックス一輝です。さすがロレックスの正規オーバーホールだけあり、ザ・パーフェクトの仕上がりです。
モンスター・クレイマーでも文句のつけようがない秀逸な仕上がりです。よほど時計に精通している方でない限りは、「新品」と言われたら納得するに違いないような雰囲気です。
ロレックスの特筆すべき点は古さ・陳腐さを感じないことです。30年前のモノといったら、大多数のものは今は古臭かったり、陳腐感があるのが大多数です。
しかし、ロレックスはそうではありません。以下が2016年最新作のロレックス デイトジャストです。
細部では変化がありますが、大局的には30年前のモデルと大差はありません。ほとんど同じデザインが踏襲されています。
(左:2016年モデル、右:1986年モデル)
ロレックスは極めて完成度が高く、30年という遠大な時間を経てもデザインが色褪せません。悠久の時を刻む魅力があります。やはり偉大な時計だと感じました。
懸念されていた重さは個人的には問題ありませんでした。確かに100数十gの物体が手首に絡みつくわけですから、やはり何もつけない時と比較すると重いのは否めません。
しかし、ロレックスの重さであれば違和感なくつけられます。デイトナの旧モデルも試着しましたが、問題ありませんでした。
重さが気になるということはなく、問題なく装着したまま10数時間過ごすことが可能です。
評判・口コミ
ロレックスのオーバーホールは、価格が高いもののピカピカで戻ってくるという評判・口コミが多いです。
ロレックス本体と同様に、オーバーホールもお値段は高いけれども品質は特上となっています。
やっと帰ってきました!
オーバーホールから!
長かった…
寂しかった…
高いお金出しただけあるわ。
鬼ピカピカなってる。
これからも大事にします。#ROLEX#ロレックス#EXPLORE… https://t.co/D5yT9aFcvo— あおやま ゆうと (@aoyama_yuto) 2016年4月6日
オーバーホールに出していた ロレックスが戻って来た❤️ピカピカ!
( ^ω^ )❤️— ゆみんだむ (@yumindum) 2016年6月22日
時計、調べたらメーカーにメンテに出して修理証明書をつけると値段が高くなるみたい。面倒じゃのう。前にエルメスでオーバーホール頼んだら4万くらいかかったしロレックスは10万オーバーでびっくりしたんだよな。うーむ。
— きのこ (@KinoppyX) 2016年6月11日
今年のボーナスで貰ったロレックスをオーバーホールしよ
貰い物とはいえ大切にしなくては— りゅう (@otns5) 2016年6月21日
@Oyunohara パテックフィリップはメーカー側が永久的にパーツの交換と修理を謳っていますからね、ロレックスもオーバーホールに出せば新品みたいに返ってきますし、正規店で買わないとオーバーホールを受け付けないフランクミュラーとかとは大違いで安心だと思います(´・ω・`)
— 箱氏@えごちゃん成美ヨコひじ七海久玲奈 (@skeegochan) 2016年5月21日
父のロレックスがオーバーホールから
戻ってきたようです。
2つ合わせて当時50万(新品)
現在120万(中古)恐ろし…(笑) pic.twitter.com/oHAuYX69h8— Yuya SHIRAKABE (@YA_yu_SW20) 2016年5月7日
まとめ
ロレックスの正規のオーバーホール・修理は新品同然の仕上がりになり、寿命が着実に伸びます。適切にメンテナンスしていけば50年・60年持たせることも十分に可能です。
30年前の時計でも、オーバーホールしたらピカピカで新品同然になります。
「良い物は長く使える」の見本のようなアイテムです。ただし、デメリットは修理代・オーバーホールの費用が高いことです。
街やネットの時計修理業者だと、30%ほどはディスカウントされる例が多いです。修理のクオリティが心配になるところであり、信頼できるか否かによる選択となります。
正規のオーバーホールのクオリティは随一です。長く持たせるならばやはりロレックスでオーバーホールするのが無難です。