ソフトバンクが社債を発行!2019年4月の第55回!個人向け社債を徹底分析

更新日: 個人向け社債

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ソフトバンクが個人向け社債を発行します。愛称は「福岡ソフトバンクホークスボンド」です。

正式名称は「ソフトバンクグループ株式会社第55回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」です。

期間は約6年(2025年4月25日償還)であり、年1.64%(税引前)の利率となっています。年1.30%~1.90%の仮条件の中央値よりやや上で決まりました。

ソフトバンクグループが2019年4月に発行する社債は、空前の低金利の状況では金利が高めなのが魅力的です。

社債間限定同順位特約とは、発行者が当該社債以外の社債に対して担保を設定する場合には、当該社債にも同等の担保を設定することです。これは付いていた方が安全な特約です。

ただし、ソフトバンク株式会社(携帯電話事業等を営む通信子会社)による保証は付与されていません。

ソフトバンクとは

言わずと知れたソフトバンクは、移動通信などを展開する総合通信会社です。パソコン用パッケージソフトの流通業から事業を開始し、2001年9月よりブロードバンド総合サービス「Yahoo!BB」を開始しました。

2004年7月に固定通信事業会社の日本テレコム(現ソフトバンクテレコム)、06年4月に移動通信事業会社のボーダフォン(現ソフトバンクモバイル)を買収しました。

ソフトバンク

グループ全体の経営戦略としてネット関連事業を軸に、多様な収益基盤を確立しています。

国内で移動・固定通信サービスを提供するソフトバンクモバイルを主軸に、インターネット上で広告事業を行うヤフーの設立を機にインターネット事業に本格参入しました。

その後は国内外での企業買収を進めブロードバンドサービスや、固定および移動などの通信事業を展開しています。

中国の電子商取引最大手のアリババ、同じくSNS運営大手のレンレンへの出資、そして投資ファンドを通じてのテクノロジー企業への出資などによる戦略的提携での「情報革命」を進めています。

2013年7月には 米国の大手移動通信事業者である Sprint Corporation(スプリント)、翌14年1月には米国の携帯端末卸売会社のブライトスターを買収し、子会社化しています。

「ネットの世界ではアジアを制するものが世界を制する」との考えのもと、中国企業への出資を中心にアジアでの戦略的シナジーグループの形成を進めてきました。

最近は欧米企業の買収も積極化させて世界規模での「情報革命」を進めています。IoT時代を見据えた長期的戦略として、同分野の半導体設計でマーケットを牽引するARMを買収しました。

  • 移動、固定の両通信が主体の国内通信事業
  • 米国で移動通信を手掛けるスプリント事業
  • インターネットのポータルサイトを運営するヤフーが主体のヤフー事業
  • 海外での携帯端末の流通が主体の流通事業
  • 半導体設計会社のアームが行うアーム事業
  • 広範囲のテクノロジー分野の企業に投資するソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業
  • プロ野球球団経営や米国での投資事業などのその他事業

事業別売上構成比(18/3期連結、外部顧客への売上高)は、国内通信事業35%、スプリント事業37%、ヤフー事業9%、流通事業15%、アーム事業2%、ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業0%、その他事業1%です。

ソフトバンクは、銀行借入だけではなく、社債・劣後債によるファイナンスを積極的に活用して資金調達しています。

福岡ソフトバンクホークスボンドの分析

高金利定期預金との比較

現在の5年もの高金利定期預金は、大阪市近辺に在住または勤務している方ですと、大阪協栄信用組合で1000万円以上預け入れると年0.50%です。

全国的な銀行等のネットバンキングでは、5年ものですとソフトバンクJ銀行が年0.25%です。

今回のソフトバンク社債の利率は年1.64%であり、ノーリスクの定期預金を大きく上回っています。

定期預金との利回り格差を見て、デフォルトリスクを考慮すると利率は妥当かという観点で検討することになります。

過去のデフォルトの確率

債券格付はA-(JCRより取得予定)です。発行体格付と同様です。格付の見通しは「安定的」です。ちなみにJCRはR&Iよりもワン・ノッチ格付けが高い傾向にあります。

格付格差(レートスプレッド)を見ると、社債・金融機関・保険会社・事業会社の格付について認識を深められます。格付格差とは、複数の...

JCRの格付けはR&Iよりワンノッチ(1つ)高いという企業は結構あります。ソフトバンクがR&IではなくJCRから格付けを取得予定というのは、ソフトバンク側に立つと意図はよくわかります。

Moody’sのソフトバンクの発行体格付はBa1(BB+)、S&PはBB+です。

JCRのA格社債(5年)の平均累積デフォルト率(2000~2018年)は0.46%でした。

JCRの見解

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JCRはソフトバンクグループ株式会社については、長期発行体格付「A-」を付与しています。その理由は以下のとおりです。

通信、ネット関連などの事業をグループ会社で展開する持株会社である。

子会社には、通信サービスを提供する国内のソフトバンクや米国の Sprint Corporation(スプリント)、インターネットで広告・E コマース事業を行うヤフー、マイクロプロセッサーの設計図を提供する Arm Holdings plc(アーム)などがある。

2018年12月にはソフトバンク株式が上場され、その際、ソフトバンクグループはソフトバンク持株の一部を売却し、ソフトバンク持株比率は約66.5%となった。

連結会計上は、主要子会社ごとにソフトバンク事業、スプリント事業、ヤフー事業、アーム事業、ソフトバンク・ビジョンファンドおよびデルタ・ファンド事業(SVF事業)などのセグメントで構成されている。

しかし、ソフトバンクグループは投資会社(戦略的投資持株会社)としての側面を強めており、各セグメントを構成する子会社を投資先として評価する必要もある。

現状、ソフトバンクが保有するグループ会社を含めた株式の価値総額は、約27兆円となっている。そのうち子会社を含む上場株式の保有時価総額は約21兆円である。

一方、ソフトバンクグループ連結上の純有利子負債(2018年12月末)は11兆円である。

ソフトバンクグループでは、ソフトバンク、スプリントなどは会計上の子会社ではあるものの、独立採算を前提としており、ソフトバンクが返済すべき純有利子負債は、これら子会社分を控除した約4兆円になるとしている。

現状、保有株式の価値総額によるソフトバンクグループが返済すべき純有利子負債のカバー率(LTV)は15%前後であるが、ソフトバンクグループではLTV35%を上限の目安とする方針である。

上場株式の時価は変動しやすく、相当に保守的な評価が必要になるが、現状の管理方針を前提とすれば、一定の安全性は確保できるとJCRでは判断している。

継続的、安定的な収入としてはソフトバンクからの配当がある。足元SVF事業からの分配金は順調であるが、投資先の動向に影響を受けるものであり、慎重な見方が必要になる。

その他、保有する資産の売却や活用により適宜必要な資金は調達可能であり、利払いなどの経常的な支出に対しても相応の余裕を有している。以上を総合的に勘案し、格付は据え置き、見通しは安定的とした。

SVF事業は順調に推移している。投資先は71社(2019年2月6日現在)、投資額は565億米ドル(2018年12月末現在)となっており、既に投資回収を実行した案件もある。

投資先は、AIに関連した分野で高いシェアを有するなど事業基盤を確立した会社が対象となる。例えば、ライドシェアでは海外での主要企業の多くに投資を実現しており、今後の市場成長に伴って投資価値が増加する可能性がある。

ただし、AI関連は世界的にも注目を集める分野でもあり、投資競争が激化するリスクにも注意が必要である。

ソフトバンク事業は、当面安定的に高水準のキャッシュフロー創出力を維持するとみている。新規参入や他社の新たな料金体系導入によって、競争が激化する可能性はある。

しかし、既に低価格を訴求した別ブランドも展開しており、他社攻勢に対しても柔軟な対応が可能である。また、ソフトバンクはソフトバンクの投資先と連携した新領域の開拓も本格化させている。中長期的には新たな収益源となる可能性もある。2

アーム事業は、無形資産の償却負担もあってセグメント利益は40億円の赤字(19/3期第3四半期)となっている。

しかし、アームが設計するマイクロプロセッサーは省電力やセキュリティに特長があり、スマートフォンやタブレットなどで圧倒的なシェアを有している。

今後IoTが本格的に普及していく中、成長余力は大きいと見ている。現在はユーザー基盤を拡充すべき局面にあり、セグメント利益はもう暫く赤字が続く可能性はあるものの、長期的な視点で評価すべきであろう。

19/3期第3四半期累計の営業利益は、前年同期比61.8%増の1兆8,590億円となった。SVF事業が投資先の価値向上によって大幅な増益となった。

SVF事業の利益は安定的、継続的に生じるものとは評価しにくいが、SVF事業を除いたベースでも高水準の利益を維持している。

なお、ソフトバンク、スプリントなどの子会社は上場し、ソフトバンク以外の株主も存在しており、各社のキャッシュフローをソフトバンクが制約なく使うことは難しい。

連結営業利益は各子会社の状況を総合的に確認する際の指標として使用すべきと考えている。

連結ベースの財務状況(2018年12月末)は、親会社の所有者に帰属する持分7兆9,124億円、親会社所有者帰属持分比率21.7%である。

これらにはグループ会社の多額の時価総額は反映されていない。加えて独立採算を前提とする子会社の資産、負債も合算されており、連結財務の数値のみではソフトバンクの実態を把握するには限界がある。

単体の財務内容を考慮するなどより多面的な評価が必要になる。

同じ格付の社債、店頭売買参考利回りとの比較

日本証券業協会のデータでは、JCRのA格社債(6年)の複利利回り平均値は0.273%です。

ソフトバンク社債の店頭売買参考統計値利回り平均(複利)は、残存期間約5年2ヶ月もの(2024/06/14償還)が1.491%、残存期間約7年もの(2026/04/20)が1.774%でした。


ソフトバンクの財務状況

ソフトバンク

財務指標

自己資本比率は21.7%、調整後EBITDAマージンは28.4%、有利子負債/EBITDA 倍率6.0倍、純有利子負債/EBITDA 倍率4.8倍です。

デット・エクイティ・レシオ3.0倍、ネット・デット・エクイティ・レシオ2.4倍です。

非常に高いレバレッジをかけており、低金利の波に乗ってM&Aによる成長を加速しています。

レバレッジ経営の申し子であり、投資対象としては、社債よりは株式向きの企業であることは確かです。

社債及び借入金の内訳

2018年3月末のソフトバンクの短期借入金の平均利率は1.17%です。

長期借入金の平均利率は2.64%で、リース債務 (1年以内に返済予定のものを除く)は1.73%です。

ソフトバンクの有利子負債には財務制限条項が付されており、主な内容は次の通りです。

  • 事業年度末におけるソフトバンクの純資産の額が、前事業年度末におけるソフトバンクの純資産の額の75%を下回らないこと。
  • 連結会計年度末におけるソフトバンクの連結財政状態計算書およびソフトバンク㈱の事業年度末における貸借対照表において債務超過とならないこと
  • ソフトバンクの連結損益計算書において営業損益または親会社の所有者に帰属する純損益が2期連続損失とならないこと。
  • 借入契約で定める調整後純有利子負債またはレバレッジレシオが、各事業年度末日および第2四半期末日において、それぞれ一定の金額または数値を上回らないこと。

ソフトバンク社債の投資スタンス

ソフトバンクの株主通信

金利は極限まで低下しており、日本ではハイイールド債市場が発達してなく、信用スプレッドが乗った社債がほとんどない状況下において、今回のソフトバンク社債は貴重な高金利社債です。

もちろん高金利は高リスクの裏返しです。約6年という社債としては長期で、金利上昇リスクが高いです。

経営状態はわるくありません。スプリントとTモバイルUSの合併(事業統合)が最終合意されたことで、相乗効果(コスト削減、規模の経済、通信設備の共用化等)が期待できます。

米国移動通信大手のベライゾンおよびAT&Tへの対抗力が増し、かつ次世代移動通信規格(5G)への対応力も向上します。

通信事業は典型的な設備産業であり、収益性や同業との競争力には規模(契約件数)の経済が強く働きます。

国内通信事業は市場成熟化が進むなかで料金競争は厳しいものの、底堅い展開となっています。

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ヤフー事業では新規事業の成長は遅れ気味ながら、主力のネット広告需要は堅調となっており、ネット通販主体のコマース事業も市場自体は成長しています。

ソフトバンクグループは事業会社から投資会社への色合いが強まっており、同社の業績は一段と株式相場の影響を受ける構造になっています。

金融緩和期はレバレッジをかければかける程に得をする側面があり、ソフトバンクはアベノミクスの申し子的な側面があります。しかし、財務状態がよくない企業は金融危機的な状況になると脆弱です。

ソフトバンクグループは、円建て・外貨建ての双方で大量の社債を発行する動きを見せており、高いレバレッジ経営を行っています。

今回の社債の調達資金は、過去に発行した社債の償還に充当する予定となっています。

仮に投資する場合は、デフォルトの可能性を考慮して、あくまで資産の一部を投資するのが無難です。全財産のうちかなりの部分を突っ込むようなことは止めましょう。

また、満期前に中途解約する場合は、その時の金利情勢によっては元本割れのリスクがあります。

したがって、ソフトバンク社債の購入は、6年間は確実に解約する必要がない余裕資金の範囲内にとどめましょう。

申し込みは100万円以上100万円単位です。ソフトバンクの第51回無担保社債の2.03%よりは利回りが低下しています。

ソフトバンクの個人向け社債は、SBI証券、野村證券、大和証券、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルスタ証券、岡三証券、東海東京証券、岩井コスモ証券、水戸証券、西日本シティTT証券で購入できます。

ソフトバンクグループ株式会社第55回無担保社債の募集期間は2019年4月15日~4月25日です。利払日は年2回(毎年4月26日・10月26日)です。

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ソフトバンクグループ社債の過去の利率は下表のとおりです。

銘柄償還期限利率(%/年)
第43回無担保普通社債(福岡ソフトバンクホークスボンド)2018年6月20日1.740
第45回無担保普通社債(福岡ソフトバンクホークスボンド)2019年5月30日1.450
第46回無担保普通社債(福岡ソフトバンクホークスボンド)2019年9月12日1.260
2020年満期ドル建普通社債2020年4月15日4.500
2020年満期ユーロ建普通社債2020年4月15日4.625
第47回無担保普通社債(福岡ソフトバンクホークスボンド)2020年6月18日1.360
第44回無担保普通社債2020年11月27日1.689
2022年満期ドル建普通社債2022年7月30日5.375
2022年満期ユーロ建普通社債2022年7月30日4.000
第48回無担保普通社債(福岡ソフトバンクホークスボンド)2022年12月9日2.130
第49回無担保普通社債2023年4月20日1.940
第52回無担保普通社債2024年3月8日2.030
第51回無担保普通社債(福岡ソフトバンクホークスボンド)2024年3月15日2.030
第54回無担保普通社債2024年6月12日1.569
第53回無担保普通社債(福岡ソフトバンクホークスボンド)2024年6月14日1.570
2024年満期ドル建普通社債2024年9月19日4.750
2025年満期ドル建普通社債2025年4月20日6.125
2025年満期ユーロ建普通社債2025年4月20日4.500
2025年満期ドル建普通社債2025年7月30日6.000
2025年満期ユーロ建普通社債2025年7月30日4.750
2025年満期ユーロ建普通社債2025年9月19日3.125
第50回無担保普通社債2026年4月20日2.480
2027年満期ユーロ建普通社債2027年7月30日5.250
2027年満期ドル建普通社債2027年9月19日5.125
2028年満期ドル建普通社債2028年4月15日6.250
2028年満期ユーロ建普通社債2028年4月15日5.000
2029年満期ユーロ建普通社債2029年9月19日4.000
第1回劣後特約付無担保社債2021年12月17日2.500
第2回劣後特約付無担保社債2022年2月9日2.500
第1回利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付)(ハイブリッド債)2041年9月13日3.000
第3回利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付)(ハイブリッド債)2041年9月30日3.000
第2回利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付)(ハイブリッド債)2043年9月16日3.500
  • この記事を書いた人

まつのすけ

14年に渡ってクレカ・電子マネー等のキャッシュレス決済を探求。日本のキャッシュレス化に貢献することが目標です。55枚のクレジットカードを保有し、支払年会費の総額は113万円。実生活において徹底的に活用した経験を活かして、記事を執筆しております。

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