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ソフトバンクが個人向け社債を発行!2018年6月の第53回!

投稿日: 個人向け社債

ソフトバンクショップ

ソフトバンクが個人向け社債を発行します。愛称は「福岡ソフトバンクホークスボンド」です。

正式名称は「ソフトバンクグループ株式会社第53回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」です。

期間は約6年(2024年6月14日償還)であり、年1.25%~年1.85%(税引前)の利率となっています。

ソフトバンクグループが2018年6月に発行する社債は、空前の低金利の状況では金利が高めなのが魅力的です。

社債間限定同順位特約とは、発行者が当該社債以外の社債に対して担保を設定する場合には、当該社債にも同等の担保を設定することです。これは付いていた方が安全な特約です。

ただし、ソフトバンク株式会社(携帯電話事業等を営む通信子会社)による保証は付与されていません。

今後、携帯電話のソフトバンク株式会社が上場することで、ソフトバンクグループの社債の利回り(債券価格)に悪影響が出るリスクが指摘されています。この点に注意が必要です。


ソフトバンクとは

言わずと知れたソフトバンクは、移動通信などを展開する総合通信会社です。パソコン用パッケージソフトの流通業から事業を開始し、2001年9月よりブロードバンド総合サービス「Yahoo!BB」を開始しました。

2004年7月に固定通信事業会社の日本テレコム(現ソフトバンクテレコム)、06年4月に移動通信事業会社のボーダフォン(現ソフトバンクモバイル)を買収しました。

ソフトバンク

グループ全体の経営戦略としてネット関連事業を軸に、多様な収益基盤を確立しています。

国内で移動・固定通信サービスを提供するソフトバンクモバイルを主軸に、インターネット上で広告事業を行うヤフーの設立を機にインターネット事業に本格参入しました。

その後は国内外での企業買収を進めブロードバンドサービスや、固定および移動などの通信事業を展開しています。

中国の電子商取引最大手のアリババ、同じくSNS運営大手のレンレンへの出資、そして投資ファンドを通じてのテクノロジー企業への出資などによる戦略的提携での「情報革命」を進めています。

2013年7月には 米国の大手移動通信事業者である Sprint Corporation(スプリント)、翌14年1月には米国の携帯端末卸売会社のブライトスターを買収し、子会社化しています。

「ネットの世界ではアジアを制するものが世界を制する」との考えのもと、中国企業への出資を中心にアジアでの戦略的シナジーグループの形成を進めてきました。

最近は欧米企業の買収も積極化させて世界規模での「情報革命」を進めています。IoT時代を見据えた長期的戦略として、同分野の半導体設計でマーケットを牽引するARMを買収しました。

  • 移動、固定の両通信が主体の国内通信事業
  • 米国で移動通信を手掛けるスプリント事業
  • インターネットのポータルサイトを運営するヤフーが主体のヤフー事業
  • 海外での携帯端末の流通が主体の流通事業
  • 半導体設計会社のアームが行うアーム事業
  • 広範囲のテクノロジー分野の企業に投資するソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業
  • プロ野球球団経営や米国での投資事業などのその他事業

事業別売上構成比(18/3期連結、外部顧客への売上高)は、国内通信事業35%、スプリント事業37%、ヤフー事業9%、流通事業15%、アーム事業2%、ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業0%、その他事業1%です。

ソフトバンクは、銀行借入だけではなく、社債・劣後債によるファイナンスを積極的に活用して資金調達しています。

福岡ソフトバンクホークスボンドの分析

高金利定期預金との比較

現在の5年もの高金利定期預金は、大阪市近辺に在住または勤務している方ですと、大阪協栄信用組合で1000万円以上預け入れると年0.50%です。

全国的な銀行等のネットバンキングでは、5年ものですとSBJ銀行が年0.30%です。

今回のソフトバンク社債の利率は年1.25%~1.85%であり、ノーリスクの定期預金を大きく上回っています。

定期預金との利回り格差を見て、デフォルトリスクを考慮すると利率は妥当かという観点で検討することになります。

過去のデフォルトの確率

債券格付はA-(JCRより取得予定)です。発行体格付と同様です。格付の見通しは「安定的」です。ちなみにJCRはR&Iよりもワン・ノッチ格付けが高い傾向にあります。

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格付格差(レートスプレッド)を見ると、社債・金融機関・保険会社・事業会社の格付について認識を深められます。格付格差とは、複数の...

JCRの格付けはR&Iよりワンノッチ(1つ)高いという企業は結構あります。ソフトバンクがR&IではなくJCRから格付けを取得予定というのは、ソフトバンク側に立つと意図はよくわかります。

Moody’sのソフトバンクの発行体格付はBa1(BB+)、S&PはBB+です。

JCRのA格社債(5年)の平均累積デフォルト率(2000~2017年)は0.50%でした。

JCRの見解

ソフトバンクショップ

JCRはソフトバンクグループ株式会社第51回無担保社債(社債間限定同順位特約付)については、長期発行体格付と同じ「A-」としています。その理由は以下のとおりです。

通信、ネット関連などの事業をグループ会社で展開する持株会社である。

子会社には、通信サービスを提供する国内のソフトバンクや米国の Sprint Corporation(スプリント)、インターネットで広告・E コマース事業を行うヤフー、マイクロプロセッサーの設計図を提供する Arm Holdings plc(アーム)などがある。

投資事業にも積極的であり、グローバルなテクノロジー分野への出資を目的に「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」(SVF)を設立した。持分法適用会社には Alibaba Group Holding Limited(アリババ)を有する。

大型の買収案件が続いたことでネット有利子負債は増加し、ネット有利子負債/EBITDA は悪化した。

しかし、スプリント事業は経営改革が進捗しており、連結への収益・キャッシュフローの貢献も期待できるようになりつつある。アーム事業は、IoT の普及に伴って潜在的な成長力は大きいと判断している。

国内通信事業では当面高水準のキャッシュフローの確保が可能であろう。アリババ株式など多額の上場株式を保有しており、財務上のバッファーとして評価できる。

国内通信事業を中心とした安定的なキャッシュフローなどにより財務改善が徐々に進むと見ている。

以上より、格付をA-で据え置き、見通しを安定的とした。SVF による投資状況について注視していく方針である。

SVFの出資コミットメントは合計で977億米ドルであり、うち当社分は325億米ドルとなる。すでに NVIDIA やXiaoju Kuaizhi(DiDi)などへの投資を実行している。

投資対象はインターネット関連における各分野でのトップ企業であり、高い成長性が期待できる一方、業界の変化は速く、リスクは高いと見ている。

SVFは、会計上連結対象となるものの、当社の負担するリスクは出資分に限定される。今後の新たな投資先や既存投資先の経営状況について注意深く見守る必要がある。

アーム事業は、無形資産の償却負担もあってセグメント利益は 147億円の赤字(18/3 期第 2 四半期累計)となっている。

しかし、アームが設計するマイクロプロセッサーは省電力やセキュリティに特長があり、スマートフォンやタブレットなどで圧倒的なシェアを有している。今後 IoT が本格的に普及していく中、成長余力は大きいと見ている。

現在はユーザー基盤を拡充すべき局面にあり、セグメント利益はもう暫く赤字が続く可能性はあるものの、長期的な視点で評価すべきであろう。

スプリント事業では、スプリントとTモバイルの全ての対価を株式とする合併(本合併)による取引に関して最終的な合意に至ったと発表した。

現状、ソフトバンクグループはスプリント株式の83.02%を保有しているが、統合後の会社(新会社)に対しては約 27.4%の株式を保有することになり、新会社はソフトバンクグループの持分法適用関連会社になる見通しである。

今後、規制当局の承認などを経た上で、正式に統合を行う。米国の携帯電話市場では、保有契約数ベースでスプリントは第4位、Tモバイルは第3位に位置づけられる。

スプリントとTモバイルが合併することで、事業規模が拡大し、競争力の強化が可能になるとしている。両社の経営資源を互いに活用したコスト削減など様々なシナジー効果が期待できよう。

今回の統合は、スプリントと T モバイルの全ての対価を株式とする合併になるため、統合に際してソフトバンクグループに新たな資金負担は生じない。

スプリントは、会計上ソフトバンクグループの子会社であったが、新会社は持分法適用関連会社となる。

ソフトバンクグループの連結貸借対照表からスプリントの資産負債は除外されることになり、親会社所有者帰属持分比率などの財務指標は改善する可能性が高い。

しかし、従来からスプリントの有利子負債は、原則として国内通信事業のキャッシュフローで返済すべきものではなく、連結財務から分離するなど多面的な評価を JCR では行ってきた。

これらにより、本合併に伴うソフトバンクグループの格付への影響は限定的であると JCR では判断している。合併が実現した場合、規模拡大等により競争力の強化がどの程度実現するのか、注目していきたい。

国内通信事業は、市場が成熟化しつつある中、MVNOとの競争が激化しており、顧客囲い込みのための様々な施策に取り組んでいる。

スマートフォンの契約数は順調に増加しており、解約率も比較的低位で推移している。大型の設備投資も一巡しており、高水準のキャッシュフローを安定的に確保できる状況にあると見ている。

当面、国内通信事業を中心に営業利益は堅調に推移すると見ており、18/3 期、19/3 期ともに高水準の営業利益を確保するであろう。

17年9月末のネット有利子負債は11兆2,393億円、ネット有利子負債/EBITDAは 4.2倍である。

当社ではネット有利子負債/EBITDA を早期に3.5倍程度まで改善させることを財務方針としており、今後の進捗に注目したい。

保有上場株式の時価総額(18年1月23日現在)は約18兆円となっている。上場株式の株価は大きく変動する可能性もあり、保守的な評価が必要にはなるものの、財務上のバッファとなっている。

ソフトバンクグループは携帯電話事業を運営しているソフトバンク株式会社の株式上場の準備を開始すると公表した。

JCR では、純粋持株会社の格付を行う場合、当該グループ全体のキャッシュフロー創出力と持株会社がグループ会社をコントロールする力(持株会社のグループ支配力)を重視している。

持株会社のグループ支配力については、子会社への出資比率や持株会社の子会社経営への関与状況などにより判断する。

現状、ソフトバンクはソフトバンクグループの持株比率 99.99%の子会社であり、当社は ソフトバンクの安定的で高水準のキャッシュフローを、持株会社の運営に活用できる状況にある。

ソフトバンク上場後も、以下が実現すれば、ソフトバンク上場に伴う当社格付への影響は限定的になるとJCRでは見ている。

  • ソフトバンクはグループの通信事業分野における中核企業として重要な連結子会社として位置付けられること
  • 持株会社の運営に十分なキャッシュフローを ソフトバンクより受け取る仕組みが確保されること

JCR ではこれらの条件が満たされる可能性が高いと見ており、今後、上場に関する検討状況について注目したい。

同じ格付の社債、店頭売買参考利回りとの比較

日本証券業協会のデータでは、JCRのA格社債(6年)の複利利回り平均値は0.394%です。

ソフトバンク社債の店頭売買参考統計値利回り平均(複利)は、残存期間約5年10ヶ月もの(2024/03/15償還)が1.548%、残存期間約7年11ヶ月もの(2026/04/20)が1.861%でした。


ソフトバンクの財務状況

ソフトバンク

財務指標

自己資本比率は18.7%、調整後EBITDAマージンは28.4%、有利子負債/EBITDA 倍率6.0倍、純有利子負債/EBITDA 倍率4.8倍です。

デット・エクイティ・レシオ3.0倍、ネット・デット・エクイティ・レシオ2.4倍です。

非常に高いレバレッジをかけており、低金利の波に乗ってM&Aによる成長を加速しています。

レバレッジ経営の申し子であり、投資対象としては、社債よりは株式向きの企業であることは確かです。

社債及び借入金の内訳

2017年3月末のソフトバンクの短期借入金の平均利率は1.13%です。

長期借入金の平均利率は1.86%で、リース債務 (1年以内に返済予定のものを除く)は1.93%です。

ソフトバンクの有利子負債には財務制限条項が付されており、主な内容は次の通りです。

  • 事業年度末におけるソフトバンクの純資産の額が、前事業年度末におけるソフトバンクの純資産の額の75%を下回らないこと。
  • 連結会計年度末における当社の連結財政状態計算書およびソフトバンク㈱の事業年度末における貸借対照表において債務超過とならないこと
  • ソフトバンクの連結損益計算書において営業損益または親会社の所有者に帰属する純損益が2期連続損失とならないこと。
  • 借入契約で定める調整後純有利子負債またはレバレッジレシオが、各事業年度末日および第2四半期末日において、それぞれ一定の金額または数値を上回らないこと。

ソフトバンク社債の投資スタンス

 ソフトバンクの株主通信

金利は極限まで低下しており、日本ではハイイールド債市場が発達してなく、信用スプレッドが乗った社債がほとんどない状況下において、今回のソフトバンク社債は貴重な高金利社債です。

もちろん高金利は高リスクの裏返しです。約6年という社債としては長期で、金利上昇リスクが高いです。

経営状態はわるくありません。スプリントとTモバイルUSの合併(事業統合)が最終合意されたことで、相乗効果(コスト削減、規模の経済、通信設備の共用化等)が期待できます。

米国移動通信大手のベライゾンおよびAT&Tへの対抗力が増し、かつ次世代移動通信規格(5G)への対応力も向上します。

通信事業は典型的な設備産業であり、収益性や同業との競争力には規模(契約件数)の経済が強く働きます。

国内通信事業は市場成熟化が進むなかで料金競争は厳しいものの、底堅い展開となっています。

ソフトバンクショップ

ヤフー事業では新規事業の成長は遅れ気味ながら、主力のネット広告需要は堅調となっており、ネット通販主体のコマース事業も市場自体は成長しています。

ソフトバンクグループは事業会社から投資会社への色合いが強まっており、同社の業績は一段と株式相場の影響を受ける構造になっています。

金融緩和期はレバレッジをかければかける程に得をする側面があり、ソフトバンクはアベノミクスの申し子的な側面があります。しかし、財務状態がよくない企業は金融危機的な状況になると脆弱です。

また、子会社の携帯電話事業会社であるソフトバンク株式会社の上場によって、ソフトバンクグループの社債利回り(債券価格)に悪影響が及ぶことが証券会社の現役社員から懸念されています。

ソフトバンクグループはソフトバンク株式会社の上場前に、円建て・外貨建ての双方で大量の社債を発行する動きを見せています。

2018年の起債の背景には、そのような趣旨の存在が指摘されている点には注意が必要です。

仮に投資する場合は、子会社の上場で社債利回り上昇懸念があること、デフォルトの可能性を考慮して、あくまで資産の一部を投資するのが無難です。全財産のうちかなりの部分を突っ込むようなことは止めましょう。

申し込みは100万円以上100万円単位です。ソフトバンクの第51回無担保社債の2.03%よりは利回りが低下しています。

ソフトバンクグループ株式会社第53回無担保社債(社債間限定同順位特約付)は、SBI証券、大和証券、三菱UFJモルスタ証券、野村證券、SMBC日興証券、みずほ証券、岡三証券、岩井コスモ証券、東海東京証券、水戸証券、西日本シティTT証券で購入できます。

募集期間は2018年6月7日〜6月19日です。利払日は年2回(毎年6月20日・12月20日)です。

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ソフトバンクグループ社債の過去の利率は下表のとおりです。

銘柄 償還期限 利率(%/年)
第43回無担保普通社債(福岡ソフトバンクホークスボンド) 2018年6月20日 1.740
第45回無担保普通社債(福岡ソフトバンクホークスボンド) 2019年5月30日 1.450
第46回無担保普通社債(福岡ソフトバンクホークスボンド) 2019年9月12日 1.260
2020年満期ドル建普通社債 2020年4月15日 4.500
2020年満期ユーロ建普通社債 2020年4月15日 4.625
第47回無担保普通社債(福岡ソフトバンクホークスボンド) 2020年6月18日 1.360
第44回無担保普通社債 2020年11月27日 1.689
2022年満期ドル建普通社債 2022年7月30日 5.375
2022年満期ユーロ建普通社債 2022年7月30日 4.000
第48回無担保普通社債(福岡ソフトバンクホークスボンド) 2022年12月9日 2.130
第49回無担保普通社債 2023年4月20日 1.940
第52回無担保普通社債 2024年3月8日 2.030
第51回無担保普通社債(福岡ソフトバンクホークスボンド) 2024年3月15日 2.030
2024年満期ドル建普通社債 2024年9月19日 4.750
2025年満期ドル建普通社債 2025年7月30日 6.000
2025年満期ユーロ建普通社債 2025年7月30日 4.750
2025年満期ユーロ建普通社債 2025年9月19日 3.125
第50回無担保普通社債 2026年4月20日 2.480
2027年満期ユーロ建普通社債 2027年7月30日 5.250
2027年満期ドル建普通社債 2027年9月19日 5.125
2028年満期ドル建普通社債 2028年4月15日 6.250
2028年満期ユーロ建普通社債 2028年4月15日 5.000
2029年満期ユーロ建普通社債 2029年9月19日 4.000
第1回劣後特約付無担保社債 2021年12月17日 2.500
第2回劣後特約付無担保社債 2022年2月9日 2.500
第1回利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付)(ハイブリッド債) 2041年9月13日 3.000
第3回利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付)(ハイブリッド債) 2041年9月30日 3.000
第2回利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付)(ハイブリッド債) 2043年9月16日 3.500

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