株式やETFを売買する場合、初心者は買う時は株式やETFを普通に現物買いし、売る時は現物売りします。しかし、これは高コストです。もっと安く株式を売買する方法があります。
同じ証券会社で同じ金額の売買をするならば、少しでも低コストで執行する方がパフォーマンスが向上します。現物買い・売りよりも安価な売買手法を説明します。
株式の売買には信用取引を使うと低コスト
株式やETFの売買には、「現物取引」と「信用取引」の二種類があります。
信用取引で買った場合は株主にはなりませんが、信用買いが約定した後に、建玉の返済画面で「現引き」あるいは「品受」と呼ばれている注文をすると、信用買いの建玉を現物の株式に手数料無料で交換できます。
証券会社によって「現引き」か「品受」かは名前が異なります。
一般的には現物取引の手数料よりも信用取引の手数料の方が安価な証券会社が多いため、現物買いよりも、信用買い&現引きの方が手数料が安くて済むケースが多いです。
株式を売る際は、普通に株式を現物売りする方法もありますが、「信用売り」して、信用建玉画面から「現渡し」あるいは「品渡し」と呼ばれている注文をすると、株式を普通に売ったのと同じ結果となります。
買いと同様に売りも、普通の現物売りよりも信用売り&現渡の方が手数料が安くて済むケースが多いです。
注意点としては、信用取引を約定した当日に決済した場合でも、1日分の金利もしくは貸株料が発生することです。しかし、それを考慮しても信用取引の方が現物よりも低コストのことがほとんどです。
例外は松井証券など、現物取引と信用取引の1日の合計売買金額に応じて手数料が発生する手数料体系・コースの場合です。
現物取引も信用取引も手数料が同じであり、金利が発生する分、信用取引が不利になります。
また、証券会社によっては現物取引の方が手数料が安価な売買価格帯があることがあります。ただし、多くの価格帯では信用取引の方が安価です。
更にauカブコム証券は品受・品渡手数料が発生する点に注意が必要です。
ただし、大多数のネット証券の制度信用取引・一般信用取引では、現引現渡手数料は無料なので、auカブコム証券のみ注意しましょう。
信用取引&現引・現渡の手順
まずは株式を買いたい場合は信用買い、売りたい場合は信用売りをします。
非貸借銘柄の場合は信用売りはできません。非貸借銘柄の場合は大人しく現物売りをしましょう。
SBI証券、auカブコム証券、松井証券、岩井コスモ証券、大和証券では一般信用売りができます。制度信用売りはできない銘柄でも、一般信用売りは出来る場合があります。
信用取引注文が約定したら、信用取引の建玉画面にいきます。証券会社によって画面は異なりますが、どの証券会社にも建玉一覧の画面があります。
以下の画面は信用取引(1約定ごとプラン)で、500万円までは一律100円(税込)、500万円以降は0円と安価で、ツールが使いやすいGMOクリック証券です。
「株式」→「信用建玉一覧」と進み、現引きしたい建玉を選択して、返済注文画面で「現引」か「品受」を選択肢ます。
現引・現渡は基本的にはいつでも注文可能です。約定する時間は証券会社によって異なります。
ネット証券最大手のSBI証券の場合、営業日の0:00~15:30までに発注された注文は当日注文として取扱われます。当日約定となります。15:30以降は翌営業日注文となります。
現引・現渡注文の取消は、営業日の15:30から翌営業日の8:00までの間は可能です。営業日の8:00から15:30までに発注した注文は取消できません。
証券会社によっては当日約定が可能な時間が15時だったり、15時15分だったりします。引成注文をしている場合は、15時半までだと金利が1日分で済むのでありがたいです。
まとめ
現物で取引するのではなく、信用取引を活用して現引き・現渡しを使うと、手数料を安く抑えられます。確実なリターンが生まれます。
塵も積もれば山となります。1ヶ月間に1,000円節約できたとしたら、1年間で12,000円になります。
豪華なランチが数回食べられますね。長い目で見ると数万円といった差が出てくる可能性もあります。
「手数料に無頓着」というよりは、「少しでもコストにシビアに拘る」ことが投資家としては重要だと思います。
もちろん売買ツールや取引状況等で手数料が高い証券会社を使うことはあります。
しかし、同一の証券会社で同じ株式・ETFを買うならば、売買コストにはシビアに拘る方がパフォーマンスを嵩上げできます。100万円の資産運用でも大活躍します。
主要ネット証券の売買手数料の比較については、以下で徹底的に解説しています。
つなぎ売り・クロス取引の際も買いの方は信用買い&現引が低コストの約定価格が多いです。詳しくは以下で徹底解説しています。
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