ANA(全日空)という言わずと知れた航空会社があります。JALと並ぶ日本の代表的なエアラインですね。
航空券50%OFFの株主優待を実施しており、優待族の配当プラスα、陸マイラーのSFC修行、個人事業主・法人の実需など、幅広い用途に活用されていて根強い人気があります。
個人投資家に人気の銘柄となっています。ANA(9202)の株価、株主優待、株式、優待の使い方について徹底的に解説します。JALの株主優待とのお得度の比較についても分析します。
目次
ANA(全日空)の株主優待
ANAの株式を保有していると株主優待がもらえます。
最安値の「FLEX D」の半額程度の株主優待券
ANA(全日空)の株主優待の内容は国内路線の片道1区間が割引となる株主優待券です。
JALの株主優待券は空席が限定されているのに対して、かつてはANA(全日空)の株主優待券は普通運賃と同じでしたが、現在は繁忙期はJAL同様に限定されることになっています。
「FLEX A~D」運賃の中で最安値の「FLEX D」の半額程度となるイメージです。
ただし、期間・路線ごとに価格が設定されておりばらつきがあります。
4,000株までは1000株ごとに1枚であり、それ以上~10,000株までは2,000株ごとに1枚追加されます。優待族に人気が高い株主優待です。ANA4,000株は優待族の基本ですね^^
年によってカラーが変わっています。その他のデザインは基本的には同一であり、カード左上に三角の切り込みが入っています。
かつてはフライト当日に空港に株主優待券を持っていって機械に入れる必要がありましたが、現在は予約時に登録用パスワードを入力すれば当日は持参しなくてもよくなりました。
JALの株主優待と同じ仕組みになり、より一層便利に発展しています。事前に番号を登録すると、搭乗日当日はANAカードやAMCでスキップサ-ビスを使えて、ゲートをスムーズに通過できます。
権利確定日は3月末と9月末です。JALとは異なり、どちらも株主優待の枚数は同一です。また、長期保有による優遇はありません。
保有株式数 | 株主優待券の枚数 |
---|---|
1,000株以上 | 1枚 |
2,000株以上 | 2枚 |
3,000株以上 | 3枚 |
4,000株以上 | 4枚 |
6,000株以上 | 5枚 |
8,000株以上 | 6枚 |
10,000株以上 | 7枚(以降4,000株ごとに1枚増) |
100万株以上 | 254枚(以降8,000株ごとに1枚増) |
3月末の優待は5月に届き、有効期間は6月1日~翌5月31日です。9月末の優待は11月に届き、有効期間は12月1日~翌11月30日です。
有効期間が半年ではなく1年間と長めなのがナイスです。有効期限に追われる優待族の消化修行に役立ちます。
効率的に株主優待を取得するには、1,000株~4,000株がベストであり、セカンド・ベストは6,000株~1万株です。
ただし、余力が余っている場合は一気呵成にANAを取得するのも選択肢です。まとまった金額を一気に消化できて、郵便物が少なくて済むのが最大のメリットです。
なかなか前もって予定を決められなかったり、ふと旅行に行きたくなった時に非常に使い勝手がいい優待です。
事前にプレミアムクラスを予約することもできます。基本運賃(普通席)は半額となりますが、プレミアムクラスの料金には50%の割引は適用されません。
マイル積算率は、普通席:75%、プレミアムクラス:125%です。株主以外の方も利用できることになっており、転売は明示的に禁止されていません。
予約期限は搭乗日の2ヶ月前の9時半から搭乗日の当日までとなります。予約日含め3日以内に、出発時刻の20分前までに購入する必要があります。
予約の変更・取り消しは、搭乗便の出発時刻前までなら可能なので利便性が高いです。逆区間への変更および航空券の名義・区間の変更はできません。
払戻手数料は1枚(1区間)あたり430円です。取消手数料は便出発前は無料、出発後は1枚(1区間)ごとに所定の手数料が発生します。
株主優待を利用してANAをフライトする際には、ANAカードで購入すると高還元でお得です。株主優待でのフライトもANAカード特約店となり、アドオンマイルがあるANAアメックス、ANAダイナース プレミアムもあります。
ANAカードの比較の結果として、グレードごとにおすすめANAカードを厳選した記事は以下になります。
以前ANAに取材して、ANAの安全運航に対する取り組み、搭乗までのサービス、ANAカードのお得な仕組みを伺いました。以下にまとめています。
ANAラウンジを無料で利用する方法もあります。上手く活用すると旅行がはかどります。
豊富な割引がテンコ盛りのANAグループ優待券
ANAの株主優待は50%OFF券がメインですけれども、グループの優待冊子も付帯しています。
- IHG JALホテルズグループジャパン(インターコンチネンタル・JALクラウンプラザホテル・ホリデイインJALホテル)の宿泊(ベストフレキシブル料金の20%割引)6枚、飲食(5~10%割引)5枚、婚礼(10%割引)1枚、会議・一般宴会(15%割引)3枚
- 「ハローツアー」(海外旅行)・「スカイホリデー」(国内旅行)7%割引券各2枚
- 空港売店(「JAL FESTA」他)10%割引券5枚
- 自社指定商品の優待価格販売
- ゴルフ場(「武蔵の杜カントリークラブ」)ビジター料金割引券4枚、ゴルフ場(「早来カントリー倶楽部」)ビジター料金割引券3枚
この中ではANA FESTAやANA DUTY FREE SHOPで使える10%OFF券が実用的です。ANAカードを持っていない場合は特に便利です。
マスクなども10%OFFで購入可能で風雅。決済はANAカードで行えるので、ANAマイルも獲得できます。
ANAホテル20%割引はベストフレキシブルレートからの割引なので、時期によっては比較サイトのトリップアドバイザーの最安値よりも安いケースがあります。
IHG・ANAホテルズグループの株主優待ページで予約を行い、宿泊日に株主優待券を持って行くという流れになります。
ANAの株主優待とJALの株主優待の比較!どっちがお得?
全日空(ANA)と並ぶ日本の代表的な航空会社は日本航空(JAL)ですね。JALも上場しており、ANA同様に株主優待を実施しています。
ANAとJALのどちらの株主優待がお得であるかは重要な論点となっています。株主優待のサイズはANAの方が大きめです。JAL2枚がANA3枚弱となっています。
大手チケットショップのアクセスチケットの株主優待券買取表では、JALの方がANAよりも若干高い時期が多いです。
JALは3月末は100株か300株(長期保有)、9月末は400株が効率的です。資金量が多い場合は、1000株までならお得です。
ANAは1000株~4000株は全て優待利回りは同一です。それ以降は金額が増えれば増えるほど利回りは悪化します。総合的には1万株までは十分にバリューが高いです。
国内線航空券50%OFFとは別についてくるおまけの優待冊子はANAの方が豪華です。JALはパックツアー7%OFFのみですが、ANAは色々と付帯しています。
JALの7%OFFは、海外・国内ツアー各2枚となります。100株以上の場合は年1回(3月末)、200株以上の場合は年2回(3月末・9月末)の発行となります。
かつてはホテルJALシティ/ホテル日航の優待もありましたが、現在はオークラの傘下となっていることからホテルの宿泊・レストラン優待はありません。
株主特別企画として、国内線ファーストクラスで提供する茶菓子を要した「客室乗務員訓練施設見学会」、「JAL工場見学~SKY MUSEUM~」などのイベントが開催されることもあります。
なお、JALの株主優待でフライトする際にはJALカードを活用するとザクザクとマイルが貯まります。サクララウンジを無料で使う裏技もあります。法人ですとJALオンラインがお得です。
ANA(全日空)の株価
ANAは言わずと知れた大手航空会社であり、国内外で輸送サービスを手掛けていますね。国内線、国際線ともに旅客数は業界トップとなっています。
世界最大の航空連合「スターアライアンス」に加盟しグローバルなネットワークを構築しています。貨物では沖縄を起点にアジアの主要都市を結ぶネットワークを築いています。
航空事業に加え、空港で各種サービスを提供する航空関連事業、旅行商品を販売する旅行事業、航空関連資材の輸出入を行う商社事業を手掛けています。
2021年3期を最終年度とする5カ年の中期経営計画では、エアライン事業領域の拡大、新規事業の創造と既存事業の成長加速を戦略の柱に掲げています。
2021年3期の連結売上高は2兆1600億円(2017年3月期実績は1兆7653億円)、営業利益は2000億円(同1455億円)が目標となっています。
2017年3月期の連結営業収益構成(内部取引含む)は、航空事業72%、航空関連事業12%、旅行事業8%、商社事業6%、その他2%です。
航空事業の内訳は、国内線旅客44%、国際線旅客34%、貨物ほか22%です。
1952年に設立された日本ヘリコプター輸送(株)が前身であり、ANAはヘリコプター2台から始まりました。
東京-大阪間の貨物輸送を始めとして逐次営業路線を拡大していき、1957年に社名を全日本空輸に変更しました。
1986年に国際定期便の運航を開始しました。2013年に持株会社制に移行し、社名をANAホールディングスに変更しました。
皇族や首相が使用する政府専用機の整備委託先はJALが長年務めていましたが、現在はANAが担当しています。
売上高・利益
2017年3月期の連結業績は、売上高が前期比1.4%減の1兆7653億円、営業利益が同6.7%増の1455億円でした。
国内線の旅客収入が減少したが、燃油費などの費用減少もあり営業増益を確保しました。
国際線旅客はビジネス客や訪日外国人客を中心に旅客数が増えて、+0.2%の増収ながら、国内線旅客は競争激化で旅客単価が低下し1.1%の減収となりました。
貨物輸送は、国内における輸送需要の低迷や、為替円高に伴う外貨建て収入の減少により、国内線、国際線ともに減収となりました。
一方、利益面では原油安に伴い燃油費が大きく減少しました。2016年3月期は13年に買収したパイロット訓練会社の米国パンナム社について、のれんの一括償却を行って費用が膨らんでいました。
2017年3月期は一時的費用がなくなり、連結全体で営業増益となりました。
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | EPS | 1株配当 | 配当性向 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2013/03(実) | 1,483,581 | 103,827 | 76,965 | 43,140 | 13.5 | 4.0 | 30% |
2014/03(実) | 1,601,013 | 65,986 | 42,928 | 18,886 | 5.4 | 3.0 | 55% |
2015/03(実) | 1,713,457 | 91,541 | 67,129 | 39,239 | 11.2 | 4.0 | 36% |
2016/03(実) | 1,791,187 | 136,463 | 130,725 | 78,169 | 22.4 | 5.0 | 22% |
2017/03(実) | 1,765,259 | 145,539 | 140,375 | 98,827 | 28.2 | 6.0 | 21% |
2018/03(予) | 1,910,000 | 150,000 | 140,000 | 125,000 | 35.7 | 6.0 | 17% |
キャッシュ・フロー
常に純利益を大きく上回る営業キャッシュを上げており、一般論としては安定感があります。
決算期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | フリーCF |
---|---|---|---|---|
2013/03(実) | 173,196 | -333,744 | 84,549 | -160,548 |
2014/03(実) | 200,124 | -64,915 | -85,569 | 135,209 |
2015/03(実) | 206,879 | -210,749 | -30,424 | -3,870 |
2016/03(実) | 263,878 | -74,443 | -133,257 | 189,435 |
2017/03(実) | 237,084 | -194,651 | 3,349 | 42,433 |
利益率・CFマージン・ROE
利益率・ROE・キャッシュフロー・マージンのいずれも日本の大企業としては高めの数字に上昇してきました。
最新のROEを分解すると純利益率5.60%、総資産回転率0.82倍、財務レバレッジ(総資産÷自己資本)2.52倍です。
財務レバレッジは標準的で、資産から売上を作る回転率(資産効率)は標準的で、売上から利益を作る利益率は高めです。
決算期 | 経常利益率 | 純利益率 | CFマージン | ROE |
---|---|---|---|---|
2013/03(実) | 5.2% | 2.9% | 11.7% | 6.6% |
2014/03(実) | 2.7% | 1.2% | 12.5% | 2.5% |
2015/03(実) | 3.9% | 1.3% | 12.1% | 5.1% |
2016/03(実) | 7.3% | 4.4% | 14.7% | 9.8% |
2017/03(実) | 8.0% | 5.6% | 13.4% | 11.6% |
2018/03(予) | 7.3% | 6.5% | - | - |
指標
ANA(全日空)の株主優待利回りは、1000株保有の場合で年0.66%です。1枚2,700円で計算しています。
予想配当利回りは1.47%(配当性向17%)であり、配当+優待利回りは年2.13%です。
PBR1.56倍、予想PER11.49倍、自己資本比率39.7%です。有利子負債は7080億円、現金等は3090億円、営業CFは2370億円です。
2018年3月期の連結業績見通しについて、ANAは売上高1兆9100億円(前期比8.2%増)、営業利益1500億円(同3.1%増)を見込んでいます。
世界経済の緩やかな回復で国際線を中心に旅客需要が堅調に推移すると想定しています。羽田=ジャカルタ線の増便など国際線の路線ネットワークを拡充し需要を取り込む目論見です。
ネットワーク拡充の効果で国際線の旅客収入が増えるほか、格安航空会社のピーチ・アビエーションの株式を2017年4月に追加取得し子会社化した効果もあり増収を見込んでいます。
利益面では、従業員の給与水準の引き上げで人件費が増加するほか、安全強化に伴い航空機の整備費が増えるものの、増収で補うとみて小幅の営業増益の見通しとしています。
18年3月期第1四半期は売上高が+11.7%、営業利益が+80.0%、経常利益が+132.5%、 当期利益が+668.4%と好決算となっています。
ANA(全日空)の過去3ヶ月・2年間・5年間の株価チャートは以下の通りです。
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